2012年6月30日土曜日

和菓子のブランド

デザイン学校のグラフィックデザイン専攻の学生が取り組んでいた「老舗和菓子店が都内総合ファッションビル内に出店する新ブランド店のデザイン」課題が終了し、プレゼンテーションを行いました。

2年生に進級していきなりの大きな課題で、しかも他の授業でも課題はたくさん出ているので制作スケジュールの管理も重要なポイントです。
自分の制作スケジュールだけでなく、使用する用紙が入荷待ちなどで思うように手に入らなかったり、プリンターが混んで出力の予定が狂ったりすることもあったようですが、そうした想定外に思われることもすべて想定できるようになりましょう。

思い通りに完成しなく、若干の後悔もある人もいたようですが、まずはプレゼンのステージにしっかり参加するだけのものを創り上げた自分を褒めてあげましょう。

残念ながらステージに乗り遅れた人も、まだまだ諦めてはだめです。
途中経過のやり取りもしっかり見ています。ここでやめたらホントにもったいないです。遅れても最後までカタチとして作り上げましょうね。

制作物としてのボリュームのある課題ですから、就職活動のためのポートフォリオにはしっかり載せて欲しいのですが、プレゼン時のままでいいかは一考を。
ちょっとした手直しだけでも見映えが変わるので、個別に相談に来てくれるといいのですが。

2012年6月29日金曜日

PLUTO(プルートゥ)?

世田谷文学館で開催中の「地上最大の手塚治虫展」に滑り込みで行ってきました。(7/1まで)


これは見に行かねばと思いつつ、ちゃんとチェックしておかなかったので、気になる展覧会としても紹介できずに終了間際となってしまいました。申し訳ないです。


この展覧会は言わずと知れたマンガの神様「手塚治虫」の作品を、私たち読者はどう向き合うのか?をテーマとしたちょっとユニークな展覧会。


この展覧会を見た手塚ファンはそれぞれに違った「ツボ」にはまるのではないかと思わせるほど、「ココに注目するか~」というような場面が多くあり、さらっと見ても、じっくり見ても楽しめる見応えある展覧会になっていました。


この展覧会のタイトルである「地上最大の〜」はもちろん鉄腕アトムの第55話の「地上最大のロボット」から取ったものですが、「地上最大」は「手塚治虫展」にかかるのだと勝手に思い込み「随分大きく出たなぁ」と思っていました。展覧会を見て「地上最大」は「手塚治虫」にかかるのだとやっと気付きました。小さい世田谷文学館ですから当たり前ですよね。


1990年に国立近代美術館で大規模な手塚治虫展が行われましたが、この時は貴重な自筆生原稿のオンパレードで、もちろんそんなものを見る機会はないので大満足の展覧会だったのですが、小さい原稿を食い入る様に見て疲れ果てた記憶があります。


国立近代美術館で1990年に開催された大回顧展のカタログは充実の内容。

2012年6月28日木曜日

海に行きたいのは。

デザイン学校のグラフィックデザイン専攻の1年生の授業では、Photoshopを使って基本の写真加工を行ったあと、写真を配置と文字組みをIllustratorを使ってしてレイアウトするというPCのトレーニング課題が一段落。

デザインの制作課題では、PCのスキルやアイデアのトレーニングの他にも学ぶことがたくさんありますが、中でも画像の取り扱いには注意が必要。ブログの普及などで個人がインターネットに上がっている画像を簡単に貼ってしまうことがとても多くありますが、これはデザインワークでは御法度。知的財産権の侵害となります。
フリー素材で検索されたからといっても、手続きがあって使用が認められるものなどもありますから、しっかりとした出所から画像を得るという注意も大切です。

今回の課題ではトレーニングということもあり、手持ちの写真からキリヌキやすさや解像度などにも配慮して選んだ画像を配布。
数週間の制作時間を経て完成した作品が並び、はじめてのプレゼンテーション作品発表)を行ないました。

並んだ作品を見て海に行きたくなったということは、訴求力の点では合格ということなのでしょうね。

2012年6月27日水曜日

公園の楽しみ


野鳥観察会に参加した立川の国営昭和記念公園は、昭和天皇御在位五十年記念事業の一環として立川基地跡地に作られた公園で、その規模は180haにもなる計画だそうで現在も建設工事が続けられている公園です。

園内には自然に近い環境を再現した区域もあり、動植物の生育にも欠かせない公園となっています。野鳥観察は2時間ほどで終了したので、そのあとは園内散策。
野鳥があまり姿を見せなくなったので、アジサイやスイレンなどの花のほか、足下の昆虫観察を楽しみましたが、何しろ広い園内。少し歩き過ぎました。


野鳥はなかなか近づけないのでできるだけ長い望遠が必要。
一方の昆虫は小さいのでマクロが必要。
望遠マクロという手もあるのですが、とても重いので双眼鏡も持つ事を考えるとなかなか持ち出せずにいますが、撮影対象を絞り込めないのでやはり必要だと感じています。
重さに負けない体力作りからですかね。

ネジバナにとまるベニシジミ。
ラベンダーにはクマバチ。
なぜか地面に止まりたがるシオカラトンボ。

2012年6月26日火曜日

野鳥観察会

先日、立川の昭和記念公園で毎月開催されている「野鳥観察会」に参加してきました。
公園管理事務所が主催ですが日本野鳥の会の奥多摩支部がボランティアでガイドをしています。

集合から観察会がはじまるまでの間にすでに周囲では非公式(?)にフィールドスコープ(望遠鏡)や双眼鏡で観察が始まり、池の対岸のバンや、すぐに水に潜ってしまうカイツブリ、松の木のてっぺんで休憩するアオサギが確認できました。

集合して、観察のコースなどの説明を受けてすぐ手渡されたのは野鳥の数を記入するためのチェックリスト。
最終的にみんなの数字を加えてどんな野鳥が何羽確認できたのかをまとめます。さすがに本格的です。

約2時間をゆったり歩いて観察し、最後は人が入れない森を壁の穴越しに観察できる「バードサンクチュアリ」で解散。
声だけで野鳥の名前を教えてもらったり、30倍のフィールドスコープを覗かせてもらったりと楽しい体験でした。

目視で観察できた野鳥は他に、カルガモキジバトカワウヒヨドリツバメエナガシジュウカラスズメハシブトガラスムクドリ。姿は見られなかったもののさえずりを聞いたのが、オオヨシキリホオジロガビチョウでした。

バードサンクチュアリの中のアオサギ。肉眼では白い塊にしか見えず、まさか鳥とは思いませんでした。
池の対岸のカワウ。こうして見ると、ほおが赤くてけっこうカワイイやつです。



2012年6月25日月曜日

ひとりぼっちのジョージ。

ガラパゴス諸島のゾウガメの亜種であるピンタゾウガメの最後の生き残りであった「ひとりぼっちのジョージ」がついに死んでしまったというニュースがありました。
これでピンタゾウガメは絶滅したことになります。

乱獲によってピンタ島では1906年に標本のため捕獲された数匹を最後に絶滅したと考えられていましたが、1971年に発見された1頭です。
推定で100歳と言われていますが、ゾウガメは200歳まで生きたという例もあるようで、まだまだ生態は謎。
ひとりぼっちで淋しい環境であったとは思いますが、まだまだ生きていて欲しかったです。

こうしたニュースはとても残念で悲しいニュースですが、せめて今の関心が次の不幸を防ぐきっかけになって欲しいと思っています。

2007年に「ひとりぼっちのジョージー最後のガラパゴスゾウガメからの伝言」が発行されていました。





2012年6月24日日曜日

苦味が欲しい。


日中の熱さが真夏並の日が多くなってきました。身体がまだ暑さになれないこの時期は、しっかり栄養補給をしておかないとすぐに体調を崩してしまいます。

暑さ負けしたのかなんとなく身体がだるいなぁという時は、苦味の効いた野菜が食べたくなりますが、ゴーヤはシーズン的にまだ早いのかちょっと高め。同じ沖縄野菜のンジャナ(ニガナ)を買いに。

ビタミン類、カリウム、カルシウム、鉄分が豊富な健康野菜のンジャナは、銀座の「わしたショップ」なら大抵売っています。

生で刻んで和え物にするのがポピュラーですが、相性抜群の豆腐と炒め物にしました。

<ンジャナの豆腐炒め>
水切りした木綿豆腐をごま油でフライパンに焼き付けるようにしながら焼きンジャナを加えて炒める。醤油少々とコショウ、鰹節を振る。ンジャナを加熱しすぎないのがポイント。


2012年6月23日土曜日

卒業生と母校


朝から荒れ模様の金曜日。デザイン系の高校に授業のため出校してみると、少し前に大雨警報が発令したようで授業が休講となってしまいました。
ちょうどこの日は教育実習期間で来ていた卒業生が最終日を迎えた日。
直接教えた生徒ではありませんでしたが、お互い授業がなくなり、専任の先生方は対応でバタバタとしている中、教員室で雑談。話は自然と3週間の反省話に。教生の先生は自分が用意していたことの半分も授業でできなかったとしきりと反省していました。それは教員になっても何年経験を積んでも同じこと。その時その時の生徒とのコミュニケーションや環境などの状況で予定は変えられてしまいますから。

思えば教育実習に行ったのは25年前。都立の普通高校へ実習に行ったので、美大の感覚と普通校のノリの違い(生徒も先生も)に戸惑っていた自分を懐かしく思い出しました。

この学校はデザイン系なので、先生方もデザイン畑の人が多くみんなが話しかけてアドバイスをしてくれるので、教育実習を行うにはてはとてもいい環境だなと感じました。
最終日に突発的な事(大雨警報で休講)が起きたことでまた予定が変更になり、こうした時の先生方の対応も体験でき、充実の3週間だったのではないでしょうか。


今週は別のデザイン学校でも就職の世話のために卒業生が何人も来てくれた1週間でした。

いつになっても母校に来てくれる卒業生はうれしいものですね。


この卒業生が実際に教員を目指すのかどうかわかりませんが、教育の場でのコミュニケーションは、デザインにおけるコミュニケーションととても似ている部分がありますから、ここでの経験がこれからの自分の制作にも生かしていけるといいですね。

3週間お疲れ様でした。

2012年6月22日金曜日

もっと気軽になりました


クラゲに似たコリコリの食感から名付けられたキクラゲは、キノコの中でも栄養が豊富な食材で、他のキノコにも含まれる食物繊維や、ビタミンB2ビタミンDの他にも、鉄分カルシウムが豊富。脳梗塞、心筋梗塞予防、コレステロールや血糖値の上昇抑制、貧血の予防、抗菌・抗ウイルス効果が期待できる優れもの。

ほとんど乾物として出回っていましたが、最近は栽培種も多くなり、生のキクラゲが普通に出回るようになりました。

キクラゲはマッシュルーム同様に生食しても美味しいキノコ。そのまま刺身で食べたり、細く切って和え物や酢のものにしても美味しいですね。

もっともポピュラーなキクラゲと卵のオイスターソース炒めは、ポピュラーなだけあってとても美味しいです。
(トマトが入ってもキレイで美味しい。)
生キクラゲなら下ごしらえもないので思いついたらすぐできるのも良いですよね。

2012年6月21日木曜日

台風被害

先日の台風4号の影響で、井の頭自然文化園の松の木が倒れリス舍の屋根が破損、飼育していたニホンリス118匹のうち約30匹が脱走したというニュースがありました。

網や縄などを使って園内を捜索し、13匹が保護されたようですがいまだ見つからないリスが多くいるようです。

このリス舎は大きな飼育小屋に人が入れることで有名。
警戒心が強いと言われるリスですが、NYセントラルパークのリスをはじめ、野生のリスは実は人が危害を与えないとわかればけっこう警戒心を解いてくれるのでしょうか。けっこう近くに来てくれます。

井の頭自然文化園は、たまたま最近行ったばかりでリス舎でも木の枝を走り回る姿や、穴を掘って餌を埋める行動などを間近で観察して楽しんだばかりでした。
残念ながら修理のためしばらく閉鎖とのこと。仕方ないですね。残りのリスが早く保護されるといいのですが。




2012年6月20日水曜日

紙やすりと解像度


以前の記事で工業高校の授業で紙やすりの1200番にやたら反応する生徒がいることを書きましたが、先日は紙やすりの番号について生徒に教えてもらいました。

80番とか、120番とか、1000番とかの番号です。
小さい数字は目が粗く、大きい数字は目が細かいということは知っていますが、なぜその番号なの?という意味までは知らずに使っていました。

その生徒によると「粒の数だよ。1平方センチメートルの中だったかな。」と、若干不明ながら、ちょっと目からウロコ的な情報。
早速調べたろころ、粒子の大きさを選り分けるために使う「ふるい」の網の細かさが、1インチあたり何線あるかということなのだそうです。
最も240番以上の細かい粒子はふるいでは選り分けられず、違った方法で選り分けるようですが考え方は一緒。

つまりこれってデジタル解像度の72ppi(ピクセルパーインチ)とか360ppiと同じってこと?
印刷に用いる画像は360ppiが推奨されますが、400番の紙やすりってすごいザラザラなのでちょっとびっくりです。

それにしても工業高校の生徒の萌え所っておもしろい。

2012年6月19日火曜日

サンシャイン水族館/その5

またまた水族館ネタですが最終回のつもりです。

サンシャイン水族館は屋内展示室が2フロア構造。
1階部分がメインの大水槽をはじめとした大海で、2階部分は主に淡水などの水辺がテーマの展示室。

淡水というと地味な印象ですが、アマゾンなどの古代魚はとても人気ですし、もともと魚だけでなく両生類にも力を入れていた水族館なのでリニューアル後もしっかり継承。爬虫類の種類も増やして、魚からの進化を感じさせることをテーマに構成したようで、砂の上を歩くように這い回るトビハゼがカエルの手前に飼育されていました。
ガラスはなく子どもでも手が届くオープンな砂地にトビハゼが歩き回っていてちょっと楽しいです。自然ではなかなか近づかせてくれませんが、人慣れしているのかほとんど逃げないのもいいですね。
ホントに触れる距離なので「さわらないで」のプレートがたくさん置いてありました。

トビハゼの隣にはカエルの中でも人気のヤドクガエル
そういえば何年か前にフィギュアでも話題になったこともありました。
カエルの生態にあわせた環境の水槽なので、葉の陰に入ってしまい見られないこともありますが、たまたま手前に出ていました。

赤や青などの種類のヤドクガエルも飼育されていましたが、葉の陰に入ってしまっていました。

水族館や動物園での撮影は、相手が生き物なのでなかなか思う所に現れないということがありますから、何度も通って狙い続ける必要があります。

最近、井の頭自然文化園に行った時も、和鳥舎のガラスの前でもずっと張り込みしている人がいました。きっと何度も通っているのでしょうね。
サンシャイン水族館は私設の水族館ですから入場料が高めですが、年間パスポートは2回分の入場料に少し追加する程度なのでとてもお得。ちょっといいですよね。

iPhoneではここまでの寄りが限界?1眼にマクロを付けて撮影会もやってみたいです。

2012年6月18日月曜日

サンシャイン水族館/その4

水族館ネタも4回目です。
一番の目玉「ブルーホール」と名付けられた大水槽の人気に並ぶほどのコーナーがありました。クラゲを集めたコーナー「ふわりうむ」です。

クラゲといえば新江ノ島水族館が有名ですが、全体の規模が小さいサンシャインではミズクラゲをトンネル水槽で見せることでクラゲの海に入っているかのような演出がされています。
暗い館内に浮かび上がる青い世界に漂う無色透明なミズクラゲがとても幻想的。色付きのライトをあてているので、自然の海というよりは水中の舞台を見ているようとでもいうのでしょうか。(個人的には色付きでない方が好きですが。)
小さいことをうまく利用した方法ですが、あまりに小さいのでこのコーナーへ入る行列ができてしまうのには驚きでした。
ミズクラゲのトンネルを抜けるとアカクラゲのドーム型水槽とタコクラゲの柱型水槽へ。
この2種はなぜかあまり人気がないのが不思議です。

クラゲの水槽はその透明感を演出するため、逆光気味の照明効果が取られることが多く、特にサンシャイン水族館は照明効果が刻々と変化するので、変化の仕方をじっくり観察して、光の効果とクラゲの位置に気を使う必要がありますね。

iPhoneでの撮影ですが、露出を画面のどの位置に合わせるかで全く雰囲気の異なる写真になりますので、露出やピント位置が自由なカメラアプリを使うと格段に写真が良くなります。

2012年6月17日日曜日

サンシャイン水族館/その3

昨年のリニューアルでメインの大型水槽が入ったサンシャイン水族館ですが、その他の小型の水槽も子ども達にも見やすいように比較的低い位置に設置されているなど、目立たないですが実は大きく変化していました。

構造的な変化だけでなく、魚や動物たちの生態が観察しやすい工夫がされているのもポイント。
ところが生態に重点を置いたことで観察の仕方に注意が必要になりました。
例えばイカの水槽では餌となる小魚や小エビなどが同居していて、中でも一番小型のミミイカはすぐに砂に潜ってしまうため、よく見ないと餌として同居している小エビだけの水槽にも見えてしまったりして、実際水槽の前にいた人達から「小さいエビがいっぱいいるよ」という言葉だけで通過してしまう場面に何度も遭遇しました。
辛抱強く見ていると近くに来た小エビを捕食する様子が見られてとても楽しいです。

このミミイカは以前に海で偶然見た事があり、丸い形態からタコの種類かと思いましたがよく見ると胴体にヒレがついているのでイカだと判断できました。
水族館では砂から出ていればじっくり観察できるという利点がありますから、めげずに観察して欲しいですね。

水族館ではガラス越しで撮影するのでストロボは不可。水槽内の照明に頼るため、影が出てしまう事が多くあり、なかなか思うように撮影するのは難しいですが、これも粘るしかないです。
一方、海ではガラスがないのでストロボで自由なライティングのもと撮影ができるのがやはりポイント。近づき過ぎて逃げてしまわないよう注意が必要です。

水槽内のミミイカ。だいぶ大きい個体。
海で出会ったミミイカ。グリーンの眼も愛らしいです。

2012年6月16日土曜日

サンシャイン水族館/その2

サンシャイン水族館は水族館にも関わらず、水辺とは何にも関係のない「コアリクイ」の飼育をしていて、数年前には脱走してニュースになったこともあり、結構話題にもなり人気があります。

歯がほとんどないのですが、アリ以外にもペースト状のものなら何でも食べるそうで、ペットショップで売られることもあるというのも驚きです。

リニューアル前は人が中に入れる大型のケージでしたが、外から見るだけの飼育舎に変わっていました。動物たちにとってはその方がストレスがないのかもしれませんね。


小屋の中で丸くなって寝ていることも多いのですが、珍しく活発でカメラの目の前までやってきました。
まだまだ子どものコアリクイですが木に登ったり、崩したりするための爪は立派です。

サンシャイン水族館のコアリクイの飼育舎は全面がガラスなので、映り込みや反射が起きてしまいますからカメラのレンズをぴったりガラスに着けて撮影。斜めになるだけで映り込みが出てしまうので、その時はレンズの周囲を手で覆うなどしてできるだけ影で包み込むと映り込みが軽減できます。
これは魚の水槽でも同じですが、水族館では館内を暗くしていることが多いので、多少映り込みは少ないです。

親子のコアリクイ。動き出したら落ち着きなく一時もじっとしていないです。

2012年6月15日金曜日

特色と流行と

リニューアルのため2010年から1年間休館していたサンシャイン水族館。2011年の夏にオープンしたての時はいつまでも大混雑のニュースが続いていたので行きたくても諦めていましたが、それから実に半年以上経って先日はじめて行きました。

もともと都心のビルの屋上に作った画期的な水族館で、小規模ながら小動物や珍しい魚の飼育で充分おもしろかったのですが、水族館の飼育技術の発展に伴い水槽が大型化するほかの水族館に対抗するため大水槽をメインにした大改装が行なわれていたのです。

旧サンシャイン水族館のファンとしては、マンボウやコアリクイは絶対残っていて欲しいと願いながら着いた水族館はあいにくの雨という天気もあって、結構な混雑ぶり。
それでも野外スペースのガラスケージには、ふだんは寝ていることの多いコアリクイが幸運にも活発に動き回っていました。

そして屋内の水槽には、以前よりは小さくなったもののマンボウがいてほっと安心。
大水槽はもちろん好きですが、それぞれの施設ごとの特色はしっかり残していってほしいですね。

2012年6月14日木曜日

活版印刷ちょっと体験


デザイン学校の授業でグラフィックデザインを学習する上で必須である印刷について学ぶため、凸版印刷の印刷博物館へ行ってきました。

印刷がコミュニケーションの手段として生まれ発展してきたことが分かりやすく展示されているので、毎年恒例の課外授業です。

「印刷」の博物館というと、技術的な側面と制作された印刷物だけの展示となりがちですが、ここの印刷博物館は、その時代の「社会」の中で印刷がなぜ発展したのかということにもしっかり触れているため、単なる歴史遺産ではない学習ができます。

ちょうど他の観覧者がすいたタイミングで入場していたので、館内の活版印刷工房である「印刷の家」で活版印刷の解説と印刷体験も少しだけできました。

圧力をかけて印刷する活版印刷は印刷面の紙に凹凸ができるため手触りも良く、最近になって小さな工房があちこちに出来ていて人気が出始めていますが、デザインがデジタル化されていく中でこうした手作り感のある印刷の魅力に触れることも大切ですね。

博物館内にある活版印刷工房「印刷の家」で解説を受けています。
触ることはできませんが、1816年頃にアメリカ人のGeorge Clymer(ジョージ・クライマー)が考案した手引き式のコロンビアン印刷機も間近で見られます。
上部の鷲はただの装飾ではなく重りという機能があるそうです。
小型のイギリス製ADANA(アダナ)印刷機を使った貴重な印刷体験もできました。

2012年6月13日水曜日

上を向く季節

春になると東南アジアから繁殖のために日本に渡ってくるツバメ。軒下など人が生活する近くに巣を作るのでとても馴染みのある野鳥ですが、田畑の減少などにより年々生息数が減っていると言われています。

kitaCafeのある国立はまだまだ自然も残る地域なので、毎年決まってツバメが巣をつくる場所がいくつかあり、足をとめてツバメの巣を見上げる人をよく見かけます。

野鳥の中でもくちばしが小さく力の弱いツバメは、ヘビなどの天敵だけでなくムクドリやカラスなどの他の鳥からの襲撃を防ぐために、人の多いところに巣作りをする上、帰巣本能が強いので一度巣を作った場所は翌年も帰ってくる確立がとても高いので観察しやすい野鳥です。近くのリサイクルブティックの出入り口上にも毎年巣が作られ、今年も戻ってきました。
先日、この巣から雛が巣立って行きました。今は留守中ですが1年に1〜2回、7月頃まで繁殖するので、また戻ってくるかもしれませんね。

巣立ちの2〜3日前。もうけっこう大人な凛々しい姿です。
なかなか目の前で張っていることができないので、親鳥の撮影は困難。

日本野鳥の会では「消えゆくツバメをまもろうキャンペーン」を実施しています。

2012年6月12日火曜日

塩麹のその後

豚肉を塩で漬け込む「塩豚」歴は長いのですが、「塩麹肉」に関してはまだまだ初心者。

初心者としては数時間漬け込んで焼くだけでも充分美味しくて感動していたのですが、数日漬け混んで(すぐ使えなくて結果的に)という場合の「結構塩が効きすぎた」ので「煮る」ということをはじめて実践してみました。

薄めの出汁で塩麹に5日ほど漬け込んだ肩ロースの角切りを大根とともに投入。
コトコト煮ていきました。

少し経ったころにしょうゆや砂糖でも足そうかと味見をしたところ、充分な旨味で何も必要ない感じ。和え物や焼き物では感じなかったナンプラーのような香りと味で、なるほど発酵食品なのだと今更ながら納得しました。

この感じだとパクチーやレモンも合うのかもしれません。
まだまだいろいろ試せそうで楽しみです。

<塩麹豚と大根の煮物>
塩麹に数日漬け込んだ一口大の豚の肩ロース、大根を薄めの出汁で煮る。

2012年6月11日月曜日

サンドペーパー萌え?

東京都立の某工業高校の授業でロストワックスキャスティングをしているのですが、本日の工程は鋳型から出された金属をひたすら磨く作業。

そのため様々な粗さのサンドペーパーをあらかじめ用意して道具机に並べておいたのですが、それを見たある生徒が「1200番だ。1200番。1200番はいいよねぇ。」と興奮気味。
今日の作業は石膏に閉じ込めたワックスが脱ロウして金属に入れ替わったところがポイントで、石膏型から現れる金属の固まりに興奮して欲しいんですけど!?

工業高校ゆえの萌え所なのでしょうか。

流石に飽きずに磨き込んでいました。


2012年6月10日日曜日

欲ばりワークショップ


デザイン学校の恒例ワークショップである「雑誌の表紙デザイン制作」を実施しました。

新創刊の雑誌を想定してターゲットを決め表紙のモデル撮影をしたあとデザインに落とし込んで行きます。

短時間のワークショップですが、企画、モデル撮影、タイトルロゴのデザイン、コピーライト、レイアウトデザインと、表紙が出来上がるまでのプロセスをすべて行う欲張りなワークショップで、技術的にも感覚的にも成長した2年生が、短時間で作業を効率的に行うトレーニングとして参加してくれているからこそ可能なワークショップです。

ほんの少し時間が押してしまいましたが、なかなかな出来栄えです。

昨年実施のワークショップ記事はコチラ

2012年6月9日土曜日

思ったほど簡単解毒


冬場の異常気象で打撃を受け値段が高騰した国産の野菜が豊富に出回るようになりましたが、八百屋やスーパーなどで出回っている150種ほどの野菜のうち、そのほとんどは元々は世界各地が原産の野菜。
日本原産の野菜は20数種しかないそうですが、その半分はオニユリとかハマボウフウとかシュンランとかで、野菜?と思ってしまうものばかりですから、日本原産の野菜は実感としては10数種といったところです。

数少ない日本原産の野菜のひとつの蕗(フキ)。
その独特の香りやえぐみが冬にため込んだ毒素を排出してくれます。

葉付きの大きな蕗に比べて小振りな山蕗に珍しく出会えたので、早速手に入れて調理しました。蕗は皮を剥くので面倒なイメージがつきまといますが、やってみるととても簡単でキレイに剥けるので、クセになりそうです。

<フキの炊き込みご飯>
軽く茹でたフキは皮を剥いて、シイタケと共に細かい小口切りに。
カツオ出汁、塩、醤油を少しだけ加えて炊飯器で炊く。

2012年6月8日金曜日

SPのウマさ


フィンランド造幣局がmarimekko(マリメッコ) 創業者のアルミ・ラティア生誕100周年記念で発行する10ユーロの記念コインが各所で話題です。
マリメッコデザインの代名詞的デザインのMaija Isola(マイヤ・イソラ)の「Unikko(ウニッコ)」が片面にデザインされたもので、ギフトボックス入り。

フィンランド造幣局が工業デザイナーや文化人などの生誕を祝って発行するコレクターコインのシリーズで、2004年に発行されたムーミンの原作者であるTove Marika Jansson(トーヴェ・ヤンソン)の生誕90周年記念の10ユーロコインもこのシリーズ。

今回のマリメッコ版は日本では外国コインの輸入販売を行う業者が7/13から販売する予定だそうですが、予定価格が10,500円だとか。
うーん。2004年に発行されたトーヴェ・ヤンソンの10ユーロのコインは6,000円くらいでしたからちょっと高いですね。

もっとも昨年発行されたプロダクトデザイナーのKaj Franck(カイ・フランク)の生誕100周年記念の10ユーロコインは、ittala(イッタラ)のガラス製容器Vitrini(ビトリーニ)入りとはいえ16,000円とかでしたから、それに比べれば安いのかも知れません。今回は特殊印刷のカラーだし。

コインの世界もなかなか大変です。
それにしてもこれだけの反響が母国でなく日本で起きているのですから、フィンランドの造幣局のSP戦略は相当なものですね。

デザイン学校の学生に一人コインコレクターがいるし、誰か近くで一人くらいは購入者がいそうな気もするので、もし買った知人がいたら見せてもらおうと思ってます。

2012年6月7日木曜日

注目の展覧会


現在開催中または近日開催の気になる展覧会情報です。会期終了間近のものもありますが、比較的近い地域のものもありますし、ちょうど銀座地区はスタンプラリー「銀クリ」プロジェクトも開催中ですから、一気に攻めるのもいいと思います。

さわひらき個展
SHISEIDO GALLERY
(6/17まで)
ロンドン在住の若手アーティストであるさわひらき氏の個展。虚構と現実を行き交うモノクロームの静かな映像に引き込まれます。
初期作品「dwelling」2002年


JAGDA新人賞展2012
クリエイションギャラリーG8
(6/29まで)
会員作品集『Graphic Design in Japan』出品者の中から、選出された「JAGDA新人賞」の池澤樹氏、小野勇介氏、髙谷廉氏の3名の作品展です。新人賞ですが、すでに第一線で活躍しているグラフィックデザイナーの受賞作品および近作の展示でとても見応えがありました。

聖なる銀 アジアの装身具展
LIXILギャラリー
(8/25まで)
アジアの民族における銀の装身具は、そのさりげない輝きから月光にも喩えられ、力を持つと信じられ特別視されてて来た様です。アジアの民族にとっての銀の装身具にスポットをあてた展覧会。関西で開催されていた巡回展がやっと東京にて開催です。

日本のグラフィックデザイン2012
東京ミッドタウン・デザインハブ
(6/22-7/29)
JAGDAが毎年発行しているのデザイン年鑑『Graphic Design In Japan 2012」の発行記念展です。様々なメディアにまたがるグラフィックデザインの現在が展示されますので必見です。

仲條正義展ー忘れちゃってEASY 思い出してCRAZY

SHISEIDO GALLERY
(6/23-8/12まで)
資生堂宣伝部の出身で「花椿」誌のアートディレクターを長く務めた仲條正義氏の新作の展覧会となるようです。


近代デザイン史的


銀座のバーニーズニューヨーク近くのビルが更地になって、隣のビルの側面が露わになっていました。

もともとあったビルの高さより高い位置にエアコンの室外機を設置したというだけなのでしょうが、室外機まで伸びるパイプは自由奔放に見え実は1本1本に意味がありそうな。何かの主張を感じます。

すぐ近くのビル解体現場ではすっきりと水平垂直に並んだパイプが現れていました。段違いの屋上構造がこの形態を生んだのでしょうが、一番高い構造部の幅にぴったりあったパイプの束は偶然ではなさそう。ビルの側面の材質感とステンレスの対比も美しいです。

どちらも見せるためのものではない裏側の配管ですが、芸術的な意思を感じてしまいます。

ダダイズム的配管と構成主義的配管。


2012年6月6日水曜日

アート情報の検索で


知人が銀座で個展をしているという情報が入ったので急遽銀座へ向かったのですが、なんと開廊時間が12:00から。ちょっと早くに着いてしまいそうだったので、近くのアート情報を検索。銀座和光の時計塔80年を記念した「和光のショーウィンドウ展ーSHOW WINDOW SHOW 2012-」が開催中との情報を得て、和光本館の和光ホールへ行ってみました。

歴代のショーウィンドウの写真とディレクターやクリエイターの解説などが展示されている空間には、記念色を出したかったのでしょうか、未来のショーウィンドウデザイン画の募集で集まった子どもから大人までの一般参加者のデザイン画が掲示されていて、ひとつひとつ見て行くととても楽しいのですが、せっかくの機会ですから歴代のディスプレイを中心にもっと貴重な資料を多く展示して欲しかったような気もします。

学生時代に購入した「銀座・和光のウィンドウディスプレイ(求竜堂/1981年刊)」久しぶりに眺めてみました。

さて。
知人の個展は松坂屋の裏にあるヴァニラ画廊というところ。
開廊直後でしたので、まだ知人は来ていませんでしたが、久しぶりの世界観に浸ってきました。相変わらず上手い。最近はアニメーション製作にも参加されているようで、ますますご活躍の様子でした。

デザイナーでイラストレーターでもある知人は、以前はkitaCafeの近くに住んでいたので、街でばったりなどということもありましたが、引っ越してしまってちょっとだけ疎遠になっていたので、こういう機会はとても大切です。

2012年6月5日火曜日

銀座のスタンプラリー?


グラフィックデザイン系で銀座のギャラリーといえば、ギンザグラフィックギャラリークリエイションギャラリーG8ガーディアン・ガーデンですが、この3ギャラリーに資生堂ギャラリーを加えた4つのギャラリーをめぐるスタンプラリー「銀クリ」プロジェクトが始まりました。
6月から8月までが第一弾ということですから、第二、第三と続くのでしょうか。

とりあえず4つのギャラリーを巡ればグラフィックデザイナーの仲條正義氏デザインの缶バッジがもらえるということで、行ったついでにもらってしまいました。デザインは2種類から選べて毎月変わるそうです。
それにしても4つのスタンプだけという小規模なスタンプラリーは珍しいですよね。
現実的なので行ってみようと思いやすいということなのでしょうか。
展覧会のレビューはまた。

2012年6月4日月曜日

自然学習/その2

井の頭自然文化園は今年開園70周年。
日本最高齢の象の花子がいることでとても有名です。
今年の1月には国内飼育の長寿記録である65歳に並んだ誕生日がニュースになりました。

大型で珍しい動物や、生態観察ができることをうたう動物園が人気な中、この井の頭自然文化園は、目立ったものはなくてもなかなか渋い動物園としても有名で、その一つが「熱帯鳥温室」。
熱帯植物が生い茂る温室内に熱帯地域に生息する鳥が放し飼いにされています。温室の規模もさほど大きくなく(むしろ小さい)、鳥の種類や個体数も多くはない(正直言って少ない)ですが、何よりも佇まいが渋く、観覧客に媚びていないところがとてもいいです。

入り口のデザインも古さがとても良い感じ。
カンムリエボシドリは5〜6羽が潜んでいます。
温室内をじっくりと観察すればなかなか姿を見せない鳥が見られることもあります。

いろいろな動物園で鳥の放し飼いの大型ケージに人が入って行くタイプが増えましたが、この楽しみは鳥を網やガラス越しでなく間近で見られること以外に羽根が拾えること。

けっこう清掃が行き届いているので、意外と拾えないのが残念ですが、禁止はされてないはずにもかかわらず何だかコッソリと拾ってます。
これまでで一番収穫があったのは今はもうない横浜のバードピア。マリンタワー内にあってマニアックなファンが多かった場所です。
その次は静岡掛川の花鳥園。ここはものすごく馴れ過ぎた鳥ばかりがいるので圧倒されます。

今回の収穫はこちら。
何の羽根かはわからないのですがとてもキレイです。

2012年6月3日日曜日

自然学習/その1

バードウォッチングのベストシーズンというのは冬なのですが、この時期は野鳥の繁殖の時期で鳴き声がとてもきれいなので、ついつい双眼鏡を持って鳥見に出かけたくなります。

とはいっても、樹々が葉を茂らせるこの時期はなかなか鳥を見つけるのも難しいので、学習をかねて動物園で鳥観察。開園70周年で話題の井の頭自然文化園へ行ってみました。

井の頭自然文化園は吉祥寺駅から徒歩でいくのが通常のコースですが、休日の街中の賑わいを避け、三鷹駅から玉川上水沿いを行く散歩コースで。上水沿いの静かな小径を15分ほど歩けば着くのでこのコースはなかなかおススメです。

さて。
入園して通常ならまっすぐ直進して動物舎へいくところをすぐ左に逸れて和鳥舎の方へ、上野や多摩に比べゆったりのんびりした井の頭の動物園の中でも更にのんびりした区画です。
和鳥舎に着く直前の樹々から鳥の鳴き声。それも低く近い距離。さっそく鳥の姿を探します。はじめはシジュウカラかと思いましたが、もう少し小振りで尾羽が長いエナガでした。ケージ内の鳥観察のつもりがいきなり野鳥に遭遇。しかもエナガという贅沢な登場に興奮です。その隣の木ではコゲラが2羽確認。最近本当にコゲラ率が高いです。

この距離でのエナガは初めて。丸いフォルムと長い尾羽。ほんのりピンク色の羽毛などかわいさ満点です。高い梢には2羽のエナガを発見。降りて来てほしい。
動物園に来て、鳥舎を背に双眼鏡やカメラを向けている姿はきっと珍しかったのではないかと後で思ってしまいました。

その後は冷静に鳥舎で間近に観察。
自然の状況をできるだけ再現した中に餌台を設置したガラスのケージもあり、充実の観察会となりました。

和鳥舎のエナガ。
ジョウビタキはガラスの近くまで来てくれました。
鶯色?という感じのウグイス。



2012年6月2日土曜日

デザインとデータ


デザイン学校でグラフィックデザインを学んでいる2年生は後期の卒業制作へ向けてデザインアイテムを総合的に展開する課題に取り組んでいます。

課題は「老舗和菓子店が都内総合ファッションビル内に出店する新ブランド店のデザイン」。

昨年の同様課題では「パティスリーのブランディング」でしたが、今年はぐっと落ち着いた内容です。授業ではまず和菓子のイメージ分析から。全員で和菓子から連想されるキーワードを出し壁一杯に貼り出したら、プラスなイメージとマイナスなイメージに分けてディスカッション。
ターゲットとなる20〜30代の女性に浸透する新しいブランドのイメージを構築していきました。

教室での制作は同じ課題に取り組む仲間と情報を共有できること。自分ひとりでは偏ったイメージになりがちですが、多くの意見を聞く事で、客観的なイメージを掴むことができます。

デザイン展開するためには、ブランドのコンセプトイメージを明確にし、そこからブレないこと。
いつでも確認できるようにコンセプトイメージをキャッチフレーズとして記録しておき、デザイン制作に入ります。

個々のイメージを表現したキャッチフレーズ。
客観的に言いたいことがわかるかどうかを判断。
他人の制作したキャッチフレーズを見て自分がデザイナーならデザイン展開できる?などを考えて投票。

先日の授業ではブランドのロゴデザイン案の分析。
学生ひとりひとりが30案を提示し、学生同士で投票を行ないました。デザイン的に優れているもの。イメージが伝わるものなど投票する基準を変えて何度か投票してデータを集めました。


壁一面に貼り出されたロゴ案を真剣に選んで投票。

このデータをどのように自分の制作に活かして行くかが重要なポイントとなっていきます。

2012年6月1日金曜日

デザインへの着想


目黒区美術館で開催中の「シャルロット・ペリアンと日本」展に行ってきました。(6/10まで)

フランスのインテリアデザイナーであるペリアン氏が、1940年に建築家の坂倉準三氏らの尽力で日本の商工省に招かれて輸出品のデザインの指導をした時の活動を中心に紹介した展覧会です。

ペリアン氏の作品では、巨匠ル・コルビュジエ氏と共同でデザインしたシェーズ・ロング「LC-4」があまりに有名ですが、来日した1940年にこの鋼管製LC-4を原型とした木と竹のシェーズ・ロング「TOKYO」を制作。「民藝」運動の柳宗悦や河井寬次郎らと交流して理念に共鳴したペリアン氏が、地方に残る伝統的な意匠や技術を再生しようと試みたものだそうです。

この世界に1点しか存在しない竹製のシェーズ・ロングは、パリの装飾美術館でしか見ることができなかったといいますが、2011年にカッシーナ・イクスシーによって復刻され、今回の展覧会でも展示。竹製シェーズ・ロングTOKYOが原型となった鋼管製LC-4と共に観賞できるので、素材と加工技術を構造や意匠的な面から観察できるのはポイントですね。

また、フライヤーに使用されている成型合板の椅子も1枚の板材から切って曲げられているとてもシプルな構造で、影を意味する「オンブル(ombre)」という名称のこの椅子は、文楽の人形遣いの黒子から着想されたというのも発見でした。

この展覧会の観賞のポイントはもう一点。
ペリアン氏自身が撮影した数多くの写真。石や樹木などの自然が織りなす造形を切り取った写真からも、インテリアデザイナーとしての造形の源をうかがい知ることができます。

デザインの発想の仕方がとても柔軟なことに驚く展覧会でした。