2012年7月31日火曜日

ハーブ・ヴォーゲル氏


2010年に公開され日本でも話題となった映画「ハーブ&ドロシー(HERB & DOROTHY)」の主人公のひとりハーブ・ヴォーゲル(Herbert Vogel)氏が22日に亡くなったそうです。享年89歳。>>NYタイムズの記事

スターが一人も出て来ない老夫婦二人のドキュメンタリー映画であることから日本では配給が付かず、映画ビジネスには無縁の人々の尽力で公開されたこの映画は、一般市民の収集した現代アートコレクション2000点以上が国立美術館に寄贈されるまでの物語を描いたもので、世界の映画祭でも賞賛されつづけ日本でもロングランを記録したほどの名作。


アメリカ公開時の「ハーブ&ドロシー」予告編


今年秋には続編「50×50」が公開される予定だった矢先。
今も編集作業が続いていますが、本人に見てもらえなかったことは、何よりも佐々木芽生監督ご本人が悔やまれていることでしょう。
映画公開を静かに待ち、ご冥福をお祈りしたいと思います。

続編でもあり完結編「50×50」


>>映画「ハーブ&ドロシー」のkitaCafeレビュー記事


2012年7月30日月曜日

トーストでもいいけど


今年は昨年以上に緑のカーテンでゴーヤーを育てている人が周囲に増えました。TwitterやFBでも毎日育つ様子がアップされ、自分が育てているわけでもないのについ見守ってしまっています。

「初収穫!」とか「こんなのが3本も」とかいうつぶやきを見ると、来年はベランダで育ててみようかという気になったりします。
ゴーヤーメニューの王道はもちろんチャンプルーですが、なかなか洋風に調理することの少ない野菜。
油やトマトとの相性もなかなか良いので、ゴーヤーピザを作りました。
生地は35℃程度での発酵なので、夏場は常温で発酵。便利ですがこの気温はちょっと困ったものです。
生地の発酵を待つ時間やトマトソース作りなどの下ごしらえに時間はかかりますが、これさえしておけばあとはスライスしたゴーヤーなどをのせて3分ほど加熱するだけなので簡単です。

夏には夏の野菜が一番。今年もまだまだゴーヤーをたくさん食べます!

<ゴーヤーピザ>
ピザ生地を伸ばした上にトマトソース、ほぐしたツナ缶、スライスしたタマネギとゴーヤーを並べ、塩、コショウ、オリーブオイル、チーズを掛けて焼くだけ。

2012年7月29日日曜日

夏のトロネバ


夏バテ防止に効果があるネバネバ成分のムチン

胃の粘膜を保護して消化不良や食欲不振を防ぐほか、コレステロールや血糖値の上昇を抑える働きがあるそうです。

ムチンを多く含み、青菜には珍しく夏が旬のモロヘイヤ
栄養価がとても高く、抵抗力を高めるβ-カロテンビタミンC、疲労回復を促すビタミンB1ビタミンB2ビタミンEなどのビタミン類、カルシウムマグネシウムカリウムなどのミネラルなどなどが含有。

古代エジプトではどんな薬を飲んでも治らなかった重病の王様がモロヘイヤのスープを飲んで治ったという逸話もあって、「王様の野菜」という意味のモロヘイヤという名前が付いたそうです。

同じくネバネバで栄養価の高い旬のオクラとともに夏場の強い味方ですね。

<モロヘイヤとオクラの崩し豆腐和え>
モロヘイヤとオクラは熱湯でごく軽く茹で細かく刻み、冷ましておく。
刻んだワカメ、崩した木綿豆腐に、モロヘイヤとオクラを加え、食べる直前におろしショウガ、ゴマ油を加えた土佐酢を掛け、白ゴマを振る。


2012年7月28日土曜日

2012ADCを見た


銀座のgggクリエイションギャラリーG8の2会場で開催されていた「2012 ADC展」に行ってきました。
会期終了ぎりぎりの滑り込みでした。(本日7/28まで)

日本の代表的なアートディレクター77人で構成されるADC(東京アートディレクターズクラブ)が新聞や雑誌広告、TV-CMなどから年間の優秀作を選ぶADC賞の受賞作品と優秀作品の展示で、広告デザイン界では最も名誉ある賞のひとつです。

今年度のグランプリはHONDAの「負けるもんか」のポスターとCMが受賞。
HONDA「負けるもんか」CM


このCMのメイキングがまた実にいいのです。


ほか受賞作品から印象に残ったものでは、STAEDTLER(ステッドラー)のマルス鉛筆のCM。この作品の特大ポスターも迫力でした。
STAEDTLERのCM



SONYの3DブラビアNX720シリーズのCMは思わず商品が欲しくなるCMです。
SONY 3Dブラビア Perfect WorldのCM


2012年7月27日金曜日

星空のデザイン


デザイン学校は前期の試験期間まっただ中。
学生さんたちは毎日が作品提出やプレゼンテーション、筆記試験でバテ気味のようです。

さて試験が終われば夏休みなのですが、秋に開催される東京デザイナーズウィーク2012(TDW2012)に参加する作品制作が本格的に始動するので、学生さん達は休みでもほとんど学校に通うのでしょう。昨年のTDW2011ではスクールオブザイヤー・グランプリをはじめ各賞を総なめした実績もあり自然と気合いの入る学生さん達なのでした。

それでも夏休みは普段はできないことができる期間。
自主的に美術館、博物館を巡れるように配布された「ぐるっとパス」を利用して葛西臨海水族園へ行く話なども出ていました。

この「ぐるっとパス」。
首都圏75の施設の常設展や企画展などの入場券や割引券が綴られたものですが、使い始めから2ヶ月が期限なので、計画的な活用が必須。
近い施設をぐるっと巡るのもいいですが、目当ての施設を狙って行くのもいいですね。

皆さんがあまりチェックしない施設でおススメなのが「多摩エリア/No.70/多摩六都科学館」。
ここのプラネタリウムは7月初旬にリニューアルされたばかりで、なんと1億4,000万個の星を投影する世界最多の高性能投影機「GOTO CHIRONⅡ(五藤光学研究所製ケイロンⅡ)が設置されています。
天の川のひとつひとつの星までも投影するというのですからケタはずれな性能です。

プラネタリウムといえば、最近渋谷にオープンした「渋谷ヒカリエ」の場所にあった、東急文化会館屋上には「天文博物館五島プラネタリウム」がありましたが、ここの投影機はカール・ツァイス社製の「プラネタリウム投影機IV型」という名機で、ボディの両端に南天・北天の恒星球があり、その根元に太陽や惑星・月の投映機が配置され、その姿もとても美しいものでした。
五島プラネタリウムのツァイスⅣ型投影機。
2001年に閉館する直前に撮影しました。
現在この投影機はコスモプラネタリウム渋谷に常設展示されているそうです。

多摩六都科学館のプラネタリウム投影機は、恒星投影機と惑星投影機が一体型ではないので、投影機というよりは投影設備といった印象。
デザイン的には好みではないのですが、宇宙空間の暗黒部や恒星の輝き、緻密さなどの星空の再現にこだわった技術がこのデザインには込められている様です。

世界のプラネタリウムの40%以上のシェアを占める日本の五藤光学研究所製の高性能投影機ケイロンⅡとその投影機で映し出される世界最多1億4,000万個の星。ぐるっとパス利用でなくてもぜひ行って欲しいですね。

2012年7月26日木曜日

夏の流行り


夏場は冷たくさっぱりしたものが欲しくなりますが、こう暑いと冷たいものもすぐ温まってしまってなかなか大変。それに冷たいものばかり食べていると身体にも負担なので、暖かいものもメニューに加えたいところです。


こう暑いと調理のために火の前に立っている時間がけっこう苦行なので、火の前にずっと立って世話をしないでも放っておける焼き物が自然と増えてきました。


中でも出汁に浸け込む「焼き浸し」は、出汁の水分で食べやすいことや、素材をあまり選ばないなど、この夏の流行メニューです。あつあつでなくても美味しく食べられるのも気に入っています。

<いろいろ野菜の焼き浸し>
焼き色がつくまで焼いたカボチャ、ナス、ネギ、シイタケをショウガ醤油出汁に浸けるだけ。
カボチャの甘味があるので出汁に砂糖は加えない方が美味しいです。

2012年7月25日水曜日

はじめての野菜


kitaCafeのある国立に野菜ソムリエの店ができたので行ってみました。
旬のもの地のものがたくさん並ぶ店内には見慣れた野菜に混じって見た事の無い珍しい野菜もあります。

とても極細な長い茄子。

ひもなす」とか「味むらさき茄子」という名称で、長茄子の品種の中でもとりわけ早生で収量が多い品種で、お隣の立川市で収穫されたものだそうです。
極細なので加熱時間が早いというのも利点、火の前に長く立ちたくない夏に向いているとか。
さっそく頂いてきました。

一般的なナスに比べ、果肉がとても緻密でおいしい茄子でした。ミズナスにも似た感じですから生食でもいけるかも。

<ひもなすとオクラの焼き浸し>
ひもなすは一口大に切り、オクラとともにごま油を敷いたフライパンで軽く焼く。
あまり動かさずにじりじりと焼き付けたら裏返して軽く焼き付け、出汁に醤油、砂糖、おろしショウガを加えたものに浸け込み、冷蔵庫で20分ほど置きます。

2012年7月24日火曜日

夏休みの・・・。

いつの間にか高校も夏休み。
あっという間の1ヶ月半なのでしょうが、暑さに負けず普段できないことにも挑戦してほしいですね。
夏休みといえば、恐竜展昆虫展、そしてアニメ
今年はロンドンオリンピックがあるせいか、テレビのCMであまりこれらの話題を聞かないような気がしますが、先日何気なく見ていたTVのCMでなじみの風景が映ったような気がして早速検索。見間違いではなくいつも目にしている風景がそこにはありました。

先日、公開が始まったばかりのアニメ「おおかみこどもの雨と雪」。
特に興味を持っていたわけではなかったのですが、その予告編に登場した風景はkitaCafeのある国立で有名な喫茶店「白十字」。
国立音大の付属校(もとは大学があった)がある街なので、奥のサロンスペースではよく音楽会を開催しているという今時ではめずらしい古き良き喫茶店。
1955年創業というのですから、今やこの街でも古株となった喫茶店です。

どうしてこの喫茶店が映ったのか?というと、どうやら主人公の子供たちの両親が出会った大学というのが国立にある一橋大学でもあるようで、話のある部分では重要な街なのでしょう。(一橋大学の正門も映りました。)
いずれにしても日常的に見慣れた風景がいきなりアニメで登場するというのは、とても不思議な感覚でした。
このまんまの風景がアニメになって15秒位のところで登場。

アニメではさらに引いた反対側の歩道からのアングル。
かなり忠実ですがその位置からでは実は植え込みで見えないのです。

2012年7月23日月曜日

完全復活?


デザイン学校の近代デザイン史の中でも登場したペーター・ベーレンス(Peter Behrens)は、電機メーカーAEGのデザイン顧問として同社のすべてのデザイン理念を統一したイメージで実施したことで、CI(コーポレートアイデンティティ)の先駆けであると言われています。

このCI。企業や団体が自身の特徴や個性を共通したイメージとして消費者に認識できるように、社名やブランド、ロゴやコーポレートカラーなどのヴィジュアルデザインをその理念と共に統一して発信して行くことですが、日本では80年代末から90年代の初めにどこの企業も「CIを導入」というブームがあったほどでした。
言葉としての流行りはなくなったものの、社会の変化とともに企業の感覚も変化し対応していくということはとても重要で、現在でも頻繁に行なわれています。

さて、日本ではじめて食料品のスーパーマーケットを開業した「紀ノ国屋」。
2008年の青山の紀ノ国屋インターナショナルのリニューアルに合わせ、37年振りにロゴをリニューアルし、ばらばらだった900アイテムに及ぶプライベートブランド商品のパッケージのリニューアルも併せて行なわれたことは、一時ニュースで話題にもなりました。

旧ロゴは資生堂の数々のグラフィックデザインを手掛けた山名文夫氏。
このリニューアルを行なったグラフィックデザイナーの廣村正彰氏によると、『旧「KINOKUNIYA」のフォントは書体も字間も詰まっていて個性的であるが古めかしく見えるため、全体的にゆったりとしたデザインに変更し、上下2段のデザインとすることでパッケージや店舗にマークを展開する際の自由度を飛躍的に高め、フレッシュなイメージを打ち出すことを狙った』ということです。

確かにデザインが洗練され現代的でもあるのでしょうが、紀ノ国屋の紙バッグが新デザインに変わった時はとても淋しく、旧バッグを急いで保存版にしたものでした。
それから数年。紙バッグをもらうたびに「昔のデザインが良かったなぁ」と未練がましく思っていたのですが、なんとここ最近になって旧デザインに戻っています。

紀ノ国屋の旧デザインはエコバッグのデザインにも展開され、数年前はブームとなったほどの人気商品。さすがに今回のロゴのリニューアルでもエコバックだけは旧デザインのままでしたが、懐かしむ利用者の声が多く復活ということなのでしょうか。
旧デザインのファンとしてはずっとこのままであって欲しいと思っています。
左が廣村版(新デザイン)。右が山名版(旧デザイン)。
最近になって旧デザインが復刻しています。


2012年7月22日日曜日

失われた美

江戸東京博物館の常設展示内の企画展スペースで「発掘された日本列島2012」という展示があるという情報を得たので行ってみました。

この展示、年間8000件近くの発掘調査が日本国内で行なわれているうちの近年特に注目される20遺跡、580点の出土品を集めたもの。

歴史的に貴重であるなどの学術的意味合いももちろんあるのでしょうが、土の中から時代を超えて現れる出土品には、何百年も前にデザインされた造形が今目の前にあるということだけでロマンがありますし、その現代にないデザインがまた魅力的。

長い時間土中に埋まっていたものなので、もともとの造形がすべてそのまま残らず、劣化や損失しているものがほとんどですが、両腕を失っているルーブル美術館のミロのビーナスではありませんが、本来あったものが失われていることで、より一層美しさを感じるという感覚もとても不思議なものです。
犬の埴輪。
胴体と下あごが損失していますが、そのことがかえってこの表情を強調しています。


2012年7月21日土曜日

伊+とっても米なCM


友人がFIAT500の購入を検討していると聞いたので、ちょっとCM映像などを探してみたのですが、FIAT USAが制作したCMのシリーズがどれもとても力が入っていておもしろいです。

FIAT USAは、2009年に経営破綻したアメリカの自動車産業を象徴する自動車メーカークライスラーChryslerフィアット(FIAT)が提携したことで作られたわけですが、燃費問題などで小型車が普及しだしたとはいえ、小型車不毛と言われる土壌のアメリカ進出に向けて、小型車の象徴でもあるFIAT500を売り込むためのCM演出に、なかなか日本のCMでは見られないなんともアメリカ的な仕上がりが感じられるのは、そのあたりの背景もあるのでしょうね。


人気シンガーのジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)を起用したCMが何本か制作されています。
シングルカット曲「Papi」のミュージックビデオとタイアップしたCM。



イタリアを走るFIAT500が次々に海に飛び込んでしまうCMは、アメリカ社会を象徴する「Immigrants」(移民)というタイトルが付けられ、イタリアンデザインをアピールしています。



映画のシーンのように美しい映像なのが製造工程と人々の日常生活のシーンをリンクさせたCM。
テンポもとてもリズミカルです。



スーパーモデルのカトリネル・メンギアを起用したシリーズはFIAT500のスタイリッシュなデザインを強調しています。



FIAT USA ではなくFIATの企業CMですがこちらはのんびりした感じでまた違った楽しさです。

2012年7月20日金曜日

夏の冒険に


写真撮影の標準がデジタルになって、写真冷蔵庫が緊密ではなくなりました。
少し前まではフィルムの品質を維持するために冷蔵庫にはフィルムが相当のスペースを確保して入っていたのですが、最近はめっきりフィルムの量が減って存在を忘れてしまうほどです。

写真のフィルムは冷蔵庫に保管するくらいなので当然ながら「期限つき」。
いくら冷蔵庫でしっかり保管してあっても、期限切れのフィルムは仕事では怖くて使えませんが、プライベートではある程度は許容範囲。
匂いを嗅いで「まだ平気」と言って食べてしまうのと似ていますね。

さて、そんな「賞味期限切れ」のフィルムにベスト判フィルムがあります。
このフィルムは幅46mmのロール状のフィルムで、127フィルムというのがもともとの名称。
プラスティックボディのアンティークカメラに多く使われていたサイズで、コダックのみが長く製造を続けていましたが、1995年に製造を終了すると発表された際にカメラが飾りになってしまうと焦って買ったフィルムが冷蔵庫にあります。
期限は1996年9月。
流石に臭いを嗅ぐのも怖いほどのものですが、もともとトイカメラ的要素の強いカメラなのでかえって面白い効果が出るかもしれないし・・・と思い続けて今に至り、本日久しぶりに見つけてしまったのでした。


期限切れではありませんが、4×5判のポラロイドなども出て来て、テスト撮影で使うだけでなく、写真としてそれなりに味わいがあって、何よりじっくり撮影するという状況がとても良かったということを思い出しながら、今の学生さん達はデジタルの方が標準なので、夏休みに自由研究的に使ってもらうのもいいかもしれないと考えたのでしたが、興味を持ってくれる学生さんがいるかどうか。
おもしろいと思うのですけどね。


2012年7月19日木曜日

大切な工程

少し前からデザイン学校の学生たちは、沖縄の老舗企業のコンペに取り組んでいて、沖縄を知るために沖縄料理店に繰り出したりアンテナショップ沖縄民芸の展覧会へ行ったりしましたが、一通りリサーチを終えて沖縄のイメージができてきたところで、肝心の商品をさらに分析。

というと大げさではありますが、見本に頂いた「豚みそ」をよりリアルに感じる試みとして「豚みそ=ご飯の友」だということを確認すべく、急遽近くのお弁当屋さんでご飯を購入し試食会を行いました。


「けっこう濃い味だ。」「キュウリが欲しい。」「高校生は食べないよ。」「ビンボー学生はひとサジでご飯何杯もいけていいかも?」

見ているだけでは分からない商品に、少しだけですが距離が近づいた感じがします。
試食会を終えて、見ただけのイメージだけでなく、使ってみた(食べてみた)イメージがどれだけデザインにいかせるか。とても楽しみです。
それにしても今回の課題は食べてばっかりな気がしますね。

2012年7月18日水曜日

自然の蓋もの

ベランダのガラスフェンスに何やらゴミが?
と思ってよく見ると、カメムシが卵から生まれたところでした。こんなところに卵があったなんて全く気付きませんでした。

このカメムシはクサギカメムシの幼虫。
成虫になると15〜18mmくらいになるのでわりと大型の部類で、全体にサビ模様の茶褐色で斑模様の翅が縁取りのようになったデザインのカメムシです。

この卵、よく見ると黒い線の模様があって、なんとこれは蝶番。球体の上部が蓋のように開く仕組みになっていて、カメムシ類の卵にはよく見られる形態なのだそうです。

昆虫で蓋のある卵と言えばナナフシが有名ですが、ナナフシは卵自体が植物の種のような壺型で、カメムシの卵のような白い球体というのは新鮮でした。

まだ翅がはえていない幼生ですが、30分ほどでどこかへ行ってしまいました。
空っぽになった卵はまだそのままです。

2012年7月17日火曜日

発火しそうです。


今日は関東各地で今年の最高気温を更新しました。東京都心で34.4℃。練馬や八王子では37℃を超えました。日中外を歩いていると燃えるんじゃないかと思うほどの日差しでした。


物質が空気中で高温にさらされた時に、自ら燃え始める限界温度が発火点

さすがにこの気温では発火する物体は少ないですが、リンの種類の黄リンは発火点が30℃とも言われますから今日は完全に燃えました。
身近なものでは、処分のために山積みされた古タイヤの自然発火。
古タイヤの発火点は150~200℃ですが、夏場の日差しに駐車された車内が50~60℃で、ダッシュボードは80℃超えになるのですから、山積みされた古タイヤが条件次第で燃えるのも想像できます。

さて、紙の発火点がタイトルになったSF小説が「華氏451度(Fahrenheit 451)」。
レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)によって1953年書かれ、1966年にはフランスのフランソワ・トリュフォー(François Roland Truffaut)監督によって映画化(邦題は「華氏451」)されたものです。
この作品はフランソワ・トリュフォー監督初のカラー作品で、唯一英語で作られたイギリス映画ですが、フランク・ダラボン監督によりリメイク版「Fahrenheit 451」が進行中だとか難航中だとか。
フランク・ダラボン監督自身はなんとしても原作者のレイ・ブラッドベリの生前に製作をと思っていたようですが、残念ながら今年の6/6にレイ・ブラッドベリは亡くなってしまいました。
映画はどうなっていくのでしょうか。


2012年7月16日月曜日

エンドレスの長さ


京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「ロードショーとスクリーンー外国映画ブームの時代」の展覧会に行ってきました。(〜7/29まで)


近代美術館フィルムセンターでは企画展に合わせて手前の常設スペースも展示替えを行なうので楽しみですが、今回の常設では16mmエンドレス映写機が登場。

通常の映写機にリールが2つあり、ひとつのリールに巻かれたフィルムを別のリールで巻き取る方式ですが、フィルムをエンドレスにするためフィルムは巻き取られず長いまま。映写機の後部にたくさんのリールが並ぶガラス製の背の高いボックスがあり、そのリールを蛇腹状(というかたすき掛けというか)に延々と隣のリールに送られる仕組み。上映時間分の長さのフィルムがリール状を這っていることになります。
今回はこの映写機で30分ごとに8分のモノクロ映像を上映していました。
1フレームが約7.6mmですから、1秒24フレームで182.4mm。
60秒で10,944mm。8分だと87,552mm。
なんと約88mのフィルムの長さをリールで巻かずにおいているのですからスゴイとしかいいようがないです。

企画展は当時のポスターやパンフレットが並びグラフィックデザイン展のよう。予告編映像の上映もあり盛り沢山です。
予告編は映画本編とは別の楽しみ方ができるので、実は集めてみたいと思っているのですが、映像収集はなかなか踏み切れないでいます。

2012年7月15日日曜日

また陶器が増えた

知人の陶芸家である宇多田理恵さんが日本橋三越で四人展を開いているというご案内を頂いたので寄ってきました。

宇多田さんの作品は、図柄が何とも言えずかわいくて、食卓が楽しくなるような器を多く作っている人気の作家さんです。
日本橋三越の美術工芸フロアはなかなか格式も高くとても良い場所ですから、引っ切りなしにお客さんがやってきて話もそこそこという状態でしたが、久しぶりに本人にもお会いできて長年不思議だった宇多田さんの描画技法についても聞く事ができました。

作品を目の前に作家さんご本人に直接会うというのは、こうしたお話が聞けることも楽しみのひとつですよね。

今回は小振りな片口をひとつ。宇多田さんの器がまたひとつ増えました。

ソースやドレッシングにも良さそうな大きさです。
中央の小振りな片口が新入りです。

日本橋三越本館6階 アートスクエア
奏陶会 陶芸四人展
7/17(火)まで(最終日は16時閉場)

2012年7月14日土曜日

今ふたたび


銀座のメゾンエルメス(Maison Hermés)の「ル・ステュディオ(Le Studio)」でアラン・レネ(Alain Resnais)監督の「去年マリエンバートで(L'Année dernière à Marienbad)」が上映中との情報を得ました。

1961年ヴェネツィア映画祭の金獅子賞を受賞している名作で、モノクロームの映像とシンメトリィの庭園のシーンが恐ろしいほど美しい映画。その不条理さと難解さを含めて今でも不朽の名作であると思っています。


この映画の主演女優であるデルフィーヌ・セイリグ(Delphine Seyrig)の着ている服のデザインのほとんどがココ・シャネル(Coco Chanel)というのも注目ポイント。
ココ・シャネルがこの映画の主演女優の衣装担当として関わったことは、現在のシャネルにとっても意味のある事のようで、2010年10月にパリのグランパレ(Grand-Palais)で開催された「2011年春夏コレクション」は「去年マリエンバートで」へのオマージュ。

最後にこの映画を見てから20数年。難解な描写の映画ですがデザイン性にこだわった映像だけでも充分価値のある作品だと思っていますが、今一度その時の感覚を確かめて見たいと思っています。


CHANELの2011年春夏コレクション


2012年7月13日金曜日

たくさんの日本橋


江戸東京博物館で開催日の「日本橋〜描かれたランドマークの400年〜」に行ってきました。(~7/16まで)


描かれた日本橋といえば、歌川広重の「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景 」 を思い出しますが、やはり江戸の象徴として絵になるのでしょう。実に多くの画家が様々なアングルで描いていて、こうした同じモチーフの作品が並ぶと知っている作品でさえ違う見え方をするのだということに感心しました。

作品で特に印象的だったのが葛飾北斎の「東都勝景一覧 日本橋」と「富嶽三十六景 江戸日本橋」。


近景をなめる構図は写真撮影でも行うことですが、ここまで大胆な構図は独特だと思います。

「なめる」って専門用語?奥行感を強調したり、主役を際立たせる効果を狙うため、メインの被写体の前に別の被写体を写りこませることです。あまり日常的には使わないですね。

ところで、歌川広重の「東海道五拾三次 」。
木版の出版物なので初刷や後刷といって、時期を置いて何度か刷られていて、それぞれ微妙に図柄が異なります。
中でも有名なのが「日本橋 朝之景 」の雲。
初刷にあった左上の空にある雲が後刷になると刷られなくなるのだそうです。
図柄としては雲があった方が朝の光を感じると思うのですが、版を減らすことで制作工程を短かくしたのか、経費を削減したのか。諸説あるようです。

今回の展示作品は、もちろん雲がありました。
この作品。随分前にある企業の所蔵展覧会の広告を担当した時に出会った作品で、その時に見た「雲あり」とも濃さなどの「刷り方」が違っていて、そこもまた版画という複製芸術の面白さだなと今更ながら感じたのでした。

2012年7月12日木曜日

夏休みはCM祭り


汐留のアド・ミュージアム東京で7/28から「日本のCMのぜんぶ1953-2012」が開催されるという情報を得ました。これはぜひ行かなくてはなりません。

CMがTV番組の付属物ではなく面白いものだと感じ始めた高校時代は、やっとビデオテープが一般家庭用に販売を始めた頃で動画を記録することはとても難しい時代でした。それが大学時代は一人暮らしでもちょっと無理をすればビデオデッキが買える時代になり、随分頑張って購入したデッキで録画に励んだものです。
当時アート系のセルビデオの価格は12,800円が定番価格。今からは信じられないです。まさかネットで動画検索してダウンロードなんて時代が来るとは想像していませんでしたので、いかに知人から貴重な映像ビデオを借りて、ダビングするかということに一生懸命でした。


そういえば、当時の大学の授業で、教授がヒッチコックの「白い恐怖」という映画のビデオを探していて、たまたまそのビデオを持っていたので提供したところ、それだけで「優」を保証されたこともありました。それだけ動画を所有することが難しい時代だったということなのですね。

社会人になって映像制作会社に務めた友人から、「昭和のCM100選」という業界用資料ビデオをダビングしてもらった時は狂喜乱舞状態で、今でも画像はそれ程良くないながら宝です。

というわけでこの「日本のCMぜんぶ」ですが、昭和は所有している映像で結構網羅されているので、狙いは平成。
平成のCMは技術的にも格段に進歩しているのでクオリティが違いますから今から楽しみですが動画は鑑賞にリアルに時間が掛かるので、夏休みは何度か通うことになりそうです。

ところで大学時代に教授に提供した「白い恐怖(Spellbound)」という映画は、アルフレッド・ヒッチコック(Sir Alfred Joseph Hitchcock)監督が1945年に制作した、イングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)、グレゴリー・ペック(Gregory Peck)が主演のサイコスリラー。サルバドール・ダリ(Salvador Dalí)が美術で参加していることでも有名です。
当時イングリッド・バーグマンにかなり傾倒していたので、たまたまビデオを持っていたのでした。ここにきて再燃の兆しあり?


「白い恐怖」1945年アメリカ公開

2012年7月11日水曜日

気になる絵


先日、東京都写真美術館へ行ったときに手に入れたフライヤーに「グレートラビットと世界のアニメーション傑作選」という上映会のものがありました。


「グレートラビット」は今年2月にベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員賞)を受賞したアニメーションで、制作した和田淳氏はシャープペンシルで描く独特な描写でも近年話題の作家なのだそうです。

残念ながら上映期間の終了が迫っていて見に行くことは断念しましたが、機会があればぜひ見たい作品です。7/13まで渋谷のシアター・イメージフォーラムで21:00-のレイトショーで上映中です。

>>上映スケジュールはコチラ

『グレートラビット』と世界のアニメーション傑作選 予告編



そしてグレートラビット単独の予告映像



2011年に上映していた「和田淳と世界のアニメーション」の予告映像



2012年7月10日火曜日

見損ねないために。


このところ見に行こうとチェックしていた展覧会にいけないことが続いていたので、現在開催中や開催間際の展覧会を今一度チェックし直しました。
これからの時期は学校関係が夏休みに入るので、混み具合を気にする必要もありそうですが、課題に追われているデザイン系の学生さん達はこの機会に見だめして欲しいですね。


「2012 ADC展」
ギンザ・グラフィック・ギャラリー/クリエイションギャラリーG8
(開催中~7/28)

「ロードショーとスクリーン 外国映画ブームの時代」
東京国立近代美術館フィルムセンター
(開催中~7/29)

「写真の現在4 そのときの光、そのさきの風」
東京国立近代美術館本館 ギャラリー4
(開催中~7/29)

「聖なる銀 アジアの装身具展」
LIXILギャラリー
(開催中~8/25まで)

「日本のグラフィックデザイン2012」
東京ミッドタウン・デザインハブ
(開催中~7/29)

「仲條正義展ー忘れちゃってEASY 思い出してCRAZY」
SHISEIDO GALLERY
(開催中~8/12まで)

「世界報道写真展2012」
東京都写真美術館
(開催中~8/5)

「作陶100年記念 バーナード・リーチ展」
日本民藝館
(開催中~8/26)

「モジもじ文字」
武蔵野市立吉祥寺美術館
(7/28~9/9)

「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」
東京都美術館
(開催中~9/17)

「自然の鉛筆 技法と表現」
東京都写真美術館
(7/14~ 9/17)

「アール・デコ 光のエレガンス展」
パナソニック 汐留ミュージアム
(開催中~9/23)

「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。」
東京都現代美術館
(開催中~10/8)

「Future Beauty 日本ファッションの未来性」
東京都現代美術館
(7/28~10/8)

2012年7月9日月曜日

はんぱもん


店頭で売られている食材というのは、数量などが揃えられているため、1個いくらとか、1袋いくらとか同じ価格で売られますが、海外だと大手のスーパーでもグラムいくらというようにその場で重さを計って売っていることが多く、不揃いなサイズのリンゴなどが山積みされている光景が当たり前にあります。
八百屋さんでもその場で秤にかけて売る光景というのは今ではほとんど見られなくなりましたね。

本来個体差のある自然の産物が同じ規格で揃えられているということは、規格ハズレが存在するということ。
スーパーで選り分けられてしまった小粒で不揃いな椎茸を発見しました。料理屋ではないのですから、小さくても、不揃いでも全然構わないので、もっとこういう商品は増えて欲しいですね。

あまりに小さいので、ショウガを効かせた佃煮風にしました。
これはこれでとても幸せな一品です。

2012年7月8日日曜日

プリント


東京都写真美術館で開催中の「川内倫子 照度 あめつち 影を見る」展を見てきました。

川内倫子は1997年のひとつぼ展でグランプリを受賞後、2001年に写真集三部作『うたたね』『花火』『花子』を同時に発表。2002年『うたたね』『花火』の二冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。その後も国内外で活躍する写真家の大規模な展覧会。

写真集では知っていましたが、オリジナルプリントを見るのは始めてです。

柔らかい光と色調が特徴的な川内倫子は、ローライフレックスを愛用していると何かで読んだことがありますが、このドイツのカメラはニ眼レフというファインダーと撮影用の2つのレンズが付いたクラシカルなタイプのカメラで、少数ながら現在でも新型が作られているという驚きのカメラ。
もちろんフィルムカメラで、ブローニーサイズという幅の広いフィルムを使い、6×6という正方形のフォーマットも特徴です。
この手のフィルムカメラは金属ボディーやダイヤル操作などの機械感がたまらないです。

会場では、このカメラで撮影されたネガフィルムを印画紙に密着プリントしたコンタクトプリントも展示されていましたが、コンタクトプリントと大伸ばしにプリントされた作品を見比べると、プリントという作業工程でのクリエイティブ感がとても伝わってきました。

2012年7月7日土曜日

デジタルとアナログと


東京都写真美術館で開催中の「光の造形-操作された写真」を見てきました。(〜7/8まで)

写真表現というのは光による造形表現ですが中でも撮影者が積極的に光を操作したり手を加えることでより複雑な画面を作画しているものを選出した展覧会です。

作画の過程は違いますが、その表現の多くはデジタルによる加工表現が可能なものばかり、PCではなくアナログな技術で作画されているこれらの写真を見ると、写真表現が普段は意識しなかった「光」の芸術なのだということが再認識されます。

デジタルでも可能な表現と言いましたが、大きな違いはその制作過程で仕上がりが見えない技法が多いこと。
例えば多重露光では、フィルムに2回以上の露光を掛けるのですが、その重なり具合や図像の強弱などがフィルム状でどのように重なっているかはまったくの想像。ある程度は経験で予測できるものの、そこには偶然性が存在するので、重なり具合を常にプレビューし、やり直しもできるデジタルでの合成とは全く異なるものと言えるのかもしれません。

技法別に作品を集めて展示してあり、とても見やすいのですが、もう少し詳細技法などに触れて欲しい面もありました。

ガラスや鏡などに反射するイメージを撮影したリフレクションのコーナーでは、学生時代に傾倒したアメリカの写真家Harry Callahan(ハリー・キャラハン)の写真を久しぶりに見ることができました。



2012年7月6日金曜日

沖縄を知ろう


デザイン学校の2年生と研究生は前期の試験課題として沖縄の老舗企業のコンペに取り掛かりました。初回の授業はブレインストーミングから。
何の先入観もない状態で沖縄のイメージをひたすら出して行きます。

一通りだし尽くしてわかったことは沖縄をあまり良く知らないということ。
これだけでも大きな収穫。
インターネットを使いながら情報を収集して、次の段階に進むために何をリサーチするかを考えて行きました。

日本は細長い上に島々の集まりなので、地域ごとの文化や歴史が大きく異なりますが、沖縄は最南端(正式には東京都の沖ノ鳥島が最南端ですが)な上、歴史的にも本土とは全くことなる為、同じ日本であっても大きな違いがあります。

そんな沖縄文化のひとつが食文化。
たまたま1年生に沖縄料理店でアルバイトをしているという情報を得たので、アテンダント役をお願いして急遽「沖縄料理リサーチ」を開催。
学生達と共に沖縄らしい料理を堪能、いえ「確認」してきました。

沖縄らしい柄の泡盛のボトルはラベルを見比べるため、たくさん見せてもらいました。

2012年7月5日木曜日

期待の刊行本

先日の「粟津潔のグラフィズム-劇的なるポスター」展で仕入れた情報ですが、没後3年となる今年、粟津作品を2800点も所蔵する金沢21世紀美術館が膨大な作品を集めたカタログ「粟津潔、マクリヒロゲル: 金沢21世紀美術館 コレクション・カタログを発行。発売と同時に品切れ状態で現時点では入手困難ですが、発表されている内容を見る限り、作品データのDVD、2007年の展覧会「荒野のグラフィズム」のレクチャー、公演、ワークショップの記録映像、ドキュメントブックと貴重なものばかりで、これはぜひとも欲しい1冊です。

さっそく注文しました。

粟津潔、マクリヒロゲル: 金沢21世紀美術館 コレクション・カタログ


粟津氏が亡くなる2年前に金沢21世紀美術館で開催された大規模な展覧会「荒野のグラフィズム」のカタログも、展覧会のカタログという概念を超えた完成度です。

2012年7月4日水曜日

アングラ再燃


展覧会を見に行く行為というのは、自分の興味のベクトルと展覧会のベクトルが合ってはじめて実行されるのですが、展覧会というのは会期という制限があるので、その時の自分のベクトルの強さとは必ずしも比例せず、それだけに見に行くことで自分のその方向のベクトルが弱くなってしまったり、逆に異常に強くなったりすることがあります。

昨日の「粟津潔のグラフィズム-劇的なるポスター」展では、粟津ワールドというかアングラな世界のアート感が再び盛り上がってしまいました。
そういえばアングラという言葉自体あまり聞かない言葉になりましたね。

粟津潔横尾忠則らの前衛的なグラフィックデザインを初めて知った学生時代には、周囲が情報に飢えていた時代で情報雑誌「ぴあ」の全盛期。休みのたびにギャラリー回りや映画館を回って刺激を求めていた記憶があります。

当時気になっていて結局見る機会がなかった映画に、粟津潔が美術で参加した寺山修司監督、脚本の「田園に死す(1974年公開)」がありました。
この勢いで見るかどうか迷っています。

「田園に死す」1974年公開 オープニング

2012年7月3日火曜日

前衛芸術に浸る

渋谷のポスターハリスギャラリーで開催中の「粟津潔のグラフィズム-劇的なるポスター」展に行ってきました。(7/16まで)


ポスターハリスギャラリーというのはポスターハリス・カンパニーという演劇・舞踏・ダンスを中心とした広報業務を行なっている企業のギャラリー部門で、渋谷の古いマンションの一室というとても小さいスペース。

昨年12月から今年1月まで開催されていた「宇野亜喜良展 ひとりぼっちのあなたに」という展覧会ではじめて知ったギャラリーで、実はこの企業が所蔵する1960年代以降の舞台芸術系のポスターのコレクションはちょっと侮れないものがあるような印象を持ちました。もっと大きなスペースで大々的にコレクション展を開催して欲しいものです。
>>「宇野亜喜良展 ひとりぼっちのあなたに」のレビュー

「粟津潔展」といえば2007年に金沢21世紀美術館で「荒野のグラフィズム:粟津潔展」が開催された時、金沢まで見に行ったのですが、まさに前衛のグラフィックデザイナーとしてその膨大な作品に圧倒された記憶があります。
今回はごく限られた作品ですが制作時期やテーマが限られている分、1点毎に集中して見られるのがいいですね。シルクスクリーンやオフセットの印刷物であるポスターという複製芸術には1点ものの絵画にはないエネルギーを感じます。

2012年7月2日月曜日

スープと薬味


日常的にあまり冷凍庫の使い方がウマく活用できない(冷凍すると忘れてしまう)のですが、少ない例外のひとつが「餃子」です。
具材もそれなりにたくさん出来てしまうので、多めに作って冷凍保存。
でもやっぱりすぐに忘れてしまうので早目に調理。
先日作った餃子は餡をあっさりめにしていたので、コクのある鶏ガラナンプラーでスープ餃子にしました。
ちょっとクセのあるナンプラーですが、薬味をたくさん用意すると彩りもキレイです。おススメはミニトマトのざく切り。餃子の皮や豚肉との相性がとてもいいので、餡の具材としてもいいですね。
火を止める直前に春菊も投入して餃子鍋風邪にしてみました。

2012年7月1日日曜日

食べ納めですね


梅雨だというのにたいした雨も降らなく今年の夏は電力不足な上に水不足にもならないかと不安ですが、本格的な夏が来る前にしっかり体調を整えておきたいですね。

クセのある春野菜も種類が減ってきましたが、今年は冬の厳しさで野菜の価格がなかなか落ち着かなかったせいか、春野菜が食べ足りない気がしています。春から初夏にかけてが旬の天然もそろそろ終わり、夏野菜メニューに変わる前の食べ納めとなりそうです。

<鶏手羽と蕗と筍の煮物>
蕗は皮を剥き下茹でしておく。鶏は焼き色がつくまで焼き、ショウガ、唐辛子ひとかけを加えたら出し汁を加え煮る。アクを取ったら酒、醤油、砂糖を入れ、水煮の筍を加え、煮汁が半量ほどになったら蕗を加えて煮込む。
唐辛子は煮込み過ぎると辛くなり過ぎるので、味をみながら途中で取り除きました。