2018年6月9日土曜日

パスタじゃなくてもペペロン

アーリオ・オリオ・ペペロンチーノはパスタ料理の名前として知られていますが、アーリオ=ニンニク、オリオ=オリーブオイル、ペペロンチーノ=唐辛子のことなので、唐辛子でぴりっと辛くてニンニクの香りを移したオリーブで炒めたり合えたりしたものは、何でも「なんとかのアーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」と言っていいはず。

ところがパスタで「なんとかのペペロンチーノ」はあっても、パスタ以外で「なんとかのアーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」っていうメニューにはお目にかかれません。長いから?

というわけで、春先から出回ってそろそろ終わりの「のらぼう菜」で、「アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」。

菜の花の仲間で、セイヨウアブラナ科の野菜です。



「のらぼう菜のアーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」
のらぼう菜は固めに茹でてザルにあげておく。
フライパンにオリーブオイルを入れ、つぶしたニンニクと唐辛子をじっくり加熱して香りと辛みをオイルに移す。
ニンニクと唐辛子を取り出したオイルでのらぼう菜を和え、塩コショウで味を整える。

2017年6月23日金曜日

進化する展覧会

東京都美術館で開催中の「ブリューゲル『バベルの塔』展」を見てきました。(7/2まで)

ブリューゲルは「バベルの塔」を3点描いたとされていますが、現存するのは2点。
ウィーン美術史美術館が所蔵する全体に色調が明るいものと、ボイマンス美術館所蔵の暗い色調のもの。
今回来日したのはボイマンス美術館所蔵のいわゆる「小バベル」と呼ばれる作品で、小さいながらブリューゲルの最高傑作とも言われる名画です。

ブリューゲル自体はあまり日本で一般受けしないだろうし、と油断していましたが、会場は大混雑。他の作品も小さく間近で見たいので順に並んでみるしかなく、けっこうな時間がかかりました。

この展覧会。
3DCGで細部を詳細に再現した映像や、肉筆によるディテールと高精細印刷で縦横3倍にプリントした複製が展示されていて、名画のオリジナルを生で鑑賞するだけでなく、分析、解説にとても力を入れている点がこれまでの展覧会とは大きく進化していました。

2017年6月7日水曜日

色紙に恋する。

世田谷美術館で開催中の「エリック・カール展 The Art of Eric Carle」に行ってきました。(7/2まで)

あまりに有名な絵本「はらぺこあおむし」の作者であるエリック・カールですが、その作品のほとんどがグラシン紙という薄手の紙に着色を施した色紙を切って貼るコラージュでできていて、そのコラージュの魅力は何と言っても素材感。

貼った紙の材質感や貼った時のしわ感といったものなのですが、絵本は印刷物なので紙の質感や表面の凹凸もなくなってしまい、せっかくのコラージュによる表情が半減されてしまいます。

絵本としては印刷物で十分楽しめるのですが、細部まで確認できる原画展はとても貴重。

原画自体は大きくないので、混雑してしまうとなかなか近くでは見られないのでしょうが、平日でしたので家族連れも少なくじっくり鑑賞できました。

ミッフィーなどの絵本展では、原画以外に作品に絡んだイベントや仕掛けがあって子ども達が楽しめるコーナーが作られていたりしますが、この展覧会はじっくり作品を鑑賞することがコンセプトなのか、展示はかなり地味です。
そこがまた良いのですが。


以前のブログでも紹介しましたが、エリック・カールが制作した華やかな色紙を印刷して閉じた「Eric Carle/You Can Make a Collage」というコラージュのための素材本が出版されていておすすめ。
とても綺麗な本で見ているだけで楽しくなります。



2017年5月24日水曜日

たくさんのモノが集まると。

「『柳本浩市展』“アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの”」を見てきました。

稀代のコレクターでデザインディレクターの柳本浩市さんが残した莫大なコレクションの一部が自由が丘の「six factory」という倉庫で展示されています。(〜6/4まで)



最近では2016年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された「雑貨展」でもコレクションの一部が展示されていましたが、そのコレクションの数は個人コレクションとは思えないほど。
今回の展覧会では、コレクション資料のファイルも展示され、手にとって見ることができます。

個人がこれだけのコレクションをしていたことを見せられると、「もっと集めて良いんだよ」「集めることに意味があるんだよ」と励まされている気がしました。

2017年5月23日火曜日

住まうカタチ。

映画「人生フルーツ」を見てきました。



建築家であり都市計画家の津端修一さんと英子さんの暮らしを撮ったドキュメンタリー映画です。

津端修一さんはアントニン・レーモンドや坂倉準三の元で建築を学び、高度成長期に多くの団地の住棟配置の設計を手掛けた建築家。

風が通る里山的な団地の構想を持ちながら実現しなかった夢を、アントニン・レーモンドの自邸を模した設計の平屋建てに込め、敷地の2/3を占める庭に雑木林と畑をつくり、自然の恵みとともに暮らしてきた姿が描かれています。

また、住まいのあちこちに見られるロープ使いも、ヨット部出身の修一さんならではの工夫が活きていて、見どころのひとつ。

2016年に東海テレビで放送され劇場版に再編集され2017年1月に劇場公開された話題作。

人と住まい方について考えさせられる素敵な映画です。

2017年5月16日火曜日

華麗を作る裏側。

「メットガラ ドレスをまとった美術館」を見てきました。



メトロポリタン美術館(MET)衣装研究所部門  (The Costume Institute)の1年間の活動資金を集めるために開かれるファッションの祭典(ガラ)を撮ったドキュメンタリーで、2015年の企画展「鏡の中の中国(China: Through The looking Glass)」の企画から開催までを同時に追いかけている点が、かなり泣かせる内容。

見どころのひとつは企画展「鏡の中の中国」のキュレーターを務めるアンドリュー・ボルトンと、祭典(ガラ)を取り仕切る雑誌『VOGUE』の編集長アナ・ウィンター(「プラダを着た悪魔」のモデル)の奔走ぶり。
リーダーでありながら仕切り方の違いがそここに感じられるものになっています。

もうひとつの見どころが展覧会を飾る展示空間とロビー空間。
アジア芸術部門(Asian Art)のスタッフの全面的な協力で完成した意匠は、アジア芸術=安いシノワズリーで終わらない、華麗で豪華なスケールの大きい空間に仕上がっています。

タイトルが「メットガラ」なので、展覧会のオープニングでもある祭典(ガラ)の描写をもう少し丁寧に見せてほしかったという感じもありますが、豪華絢爛な世界の裏側が見られるこの映画は、ものを創り出すことの凄さを味わえる楽しいものに仕上がっていました。

2017年5月12日金曜日

金目ダル。

魚の煮付けというのは、頬張った時のふわっと、ほろっとした食感がたまらなく幸福感を味あわせてくれて、旨い刺身を食べた時の幸福感とはまったくことなる位置にいるものだと常々思っています。

なかでも金目鯛の煮付けはやはり最高。

しっかり濃いめの甘辛い煮汁がよく合います。

そして添え物には根菜。
定番のゴボウも良いですが、レンコンもいい味だしています。

<金目の煮付け>
残っているウロコがあれば丁寧に取り、下ごしらえして熱湯を掛けて霜降りにしておく。
醤油、砂糖、みりんを鍋で沸かし、下処理した金目鯛を入れる。
一煮立ちしたところに水と酒、ショウガを加えて落とし蓋をして煮付ける。
途中でレンコンの輪切りを投入して一緒に煮る。
器に盛り、針生姜を添える。