2017年3月31日金曜日

馬具からのファッション。

銀座メゾンエルメスと表参道ヒルズのスペース オー「エルメスの手しごと展」が開催されていました。(会期終了)

メゾンエルメスでは“メゾンへようこそ”と題して映画上映やトークセッションが、スペース オーでは“アトリエがやってきた”と題して様々なエルメス商品の職人が実演。

まったく異なる会場でしたが、同じテーマのイベントとして統一感のある広告を展開。

手しごとで使う工具のシルエットが組み合わさったビジュアルが斬新です。

開催直前に新聞に掲載された広告でも15段をメインに、3段1/2、2段1/2、突き出しなど小さい広告が各所に掲載され、楽しく見応えあるものになっていました。



エルメスが発行するカタログ雑誌も贅沢な作りで、メゾンエルメスではバックナンバーも配布していました。

2017年3月29日水曜日

デュボネの紳士。

埼玉県立美術館で開催されていたカッサンドル展

傑作のひとつである食前酒「デュボネ」のポスターは夏バージョンと冬バージョンがあるのが有名ですが、このポスターに登場するユーモラスな紳士は、様々な商品として展開されていました。

展覧会会場にはありませんでしたが、そのひとつにバーのウェイターが注文を取るときに使用するオーダーシートがあります。

おそらくデュボネが配っていたノベルティ。
ただのメモ帳ですが、これがなかなかカワイイ。

10数年前にアンティークショップで見つけたもので、こういうものに出会うと放っておけないので困ったものです。



今回の展覧会では、カッサンドルが1947年にエルメスの依頼で作成したトランプがあることを知りました。



欲しい。

いつかどこかで出会いたいものです。
このトランプの画像はこちら「The World of Playing Cards」のサイトで見られます。

2017年3月22日水曜日

神話のビル

多くの神話を生み出したSONYのショールームであるソニービルディング。

50年の務めを終え3月末を最後に解体されてしまうので、天気の良い日にカメラ持参で撮影のために再訪しました。

エレベーターで最上階へ行き、花びら構造の階層を下って撮影。

インテリアは当時のものを感じさせる部分は少ないのですが、イタリアンレストランの入る 7階の天井はハニカム構造のデザインが現代にないレトロ感で素晴らしく、地下街へつながる階段とエスカレーター室は曲面に照らされる照明が宇宙船をイメージさせる未来的な空間で泣かせます。

屋外は縦に伸びるイメージを強調するルーバーと白いスクラッチタイルのディテールがとても良いコントラスト。(バナーが若干邪魔ではありますが)

ビルの魅力はその形態としての魅力だけでなく、ディテールにもあるのだなと再認識させてくれますね。

一心不乱にビルの撮影をしていたら、たまたま通りかかったデザイン学校の生徒に目撃されていたようでした。




2017年3月18日土曜日

縦の銀座

銀座のソニービルがいよいよ3月末でなくなります。



建築家の芦原義信氏が設計し、1966年に竣工されたビル。

まだまだ現役でと思いますが、見えないところでいろいろあるようで、しかもショールームの構造として考えられた「花びら構造」はユニバーサルデザインの観点からは時代に合わないなど複合的な問題が多いようです。

外観の特徴であるルーバーは解体時にカットされ、刻印されてチャリティ販売するそうです。
モノとして建築物の一部を残す楽しい試みですね。
特設サイトで購入できます。

あと2週間。しっかり写真でも残しておきたいですね。

更地にして2020年の東京オリンピック前後はパークとして利用する計画があり、FREE PAPER「GINZA SONY PARK PROJECTーTHE Journal 」が発行されていました。




2017年3月16日木曜日

復活の椿。

SHISEIDO THE GINZAで昨年11月に新装刊となった「花椿新装刊0号」を見つけました。

2015年の12月号を最後に月刊誌が廃止され、WEBによるデジタル版に移行していましたが、ほぼ1年振りに季刊誌として新装刊。

アートディレクターは資生堂 宣伝・デザイン部の澁谷克彦氏。

今後の展開が楽しみです。

2017年3月15日水曜日

アール・デコとポスター

埼玉県立近代美術館で開催中の「カッサンドル・ポスター展 グラフィズムの革命」を見てきました。(3/26まで)




アール・デコを代表するグラフィクデザイナーで、デザイン史の教科書にも登場しますが、この展覧会ではリトグラフで刷られたポスターの他、カッサンドル自身が描いたポスター原画も多く展示されていますので、原画と版画(印刷)の表現を見比べるのにも最適。

今回の展覧会で発見したものがひとつ。

傑作《ラントランジジャン(1925年)》《ノール・エクスプレス(1927年)》に共通する分銅のような図形。

この形体が何を表現しているのか謎でしたが、作品を目の前にして突然閃きました。

電線の絶縁体である「碍子」。

些細なことですが、こういう発見はうれしいですね。

都心の美術館開催でないのでゆったりと見られるので、デザインを学習している学生さんには必須の展覧会です。