2014年1月31日金曜日

夏の奴に代わる。

毎日でも食べたい豆腐
夏場なら冷や奴でもいいのですが冬は寒いので冷や奴とはいかず、かといって毎日湯豆腐というわけにもいきません。

湯気のたつ暖かい一品がどうしても欲しくなるので蒸し物がいいですね。
豆腐ベースの蒸し物なら茶碗蒸し代わりの気分でちょっと得した気分になります。


<豆腐の山掛け蒸しホタテ餡>
豆腐はあらくちぎって器に盛り、すりおろした山芋をかけ蒸す。
ホタテの貝柱で銀餡を作り蒸し上がった豆腐に掛け小ネギを散らす。

2014年1月30日木曜日

暴落で消費。

八百屋さんで時々大葉の大安売りに出会います。
10枚で100円程度が比較的一般的な価格だと思うのですが、50枚で100円。100枚で198円。
この価格破壊はちょっと異常。
大葉さんに申し訳ないので出会ったら必ず買います。

加熱に強いので鶏肉の細巻きにして大量消費。

焼き鳥屋さんでシソ巻きというとササミが多いような気がしたのでササミを用意。
しっかり下味つけをしたのでとてもジューシーでした。


<ササミの大葉巻き焼き>
ササミは筋をとって一口大に切り、塩、酒、油、片栗粉を加えて良く混ぜ、冷蔵庫でしばらく寝かす。
洗って水気を拭いた大葉で下味をつけた肉を巻き、ゴマ油を引いたフライパンで巻き終わりが下になるように並べて焼く。途中で転がしながら火を通し、最後に醤油を少々垂らす。照り焼きにしても美味しいです。

2014年1月29日水曜日

水中ですくってプレス。

京橋のLIXILギャラリーで開催中の「海藻 海の森のふしぎ 展」に行ってきました。(2/22まで)


以前に国立科学博物館の常設展示で、アクリル樹脂にとじ込められた標本がとてもキレイでちょっと魅かれたことはあったのですが、海には比較的行く機会が多いので採集はできても、標本として作ることはできそうもないので諦めていました。

今回の展覧会では樹脂の標本もありましたが、ほとんどが「押し葉標本」

ネットで調べる作り方まで解説されていました。
押し花とほぼ同じような作り方でできるのだそうで、地上の植物に比べ水分が多いため水中で台紙に広げ取って押し葉にするやり方は紙漉に少し似ている感じ。

押し花では台紙に白いテープ状の紙で止めますが、海藻の場合は糊成分を含んでいるため仕上がるとそのまま台紙に固定されるそうです。
しかもカタチが気に入らないときは再び水に浸けてやり直せる。
これは使用済み切手を封筒からはがす要領ですね。

これならできる。

海に行く楽しみがまたひとつ増えました。

2014年1月28日火曜日

欲しい本。持ってる本。

出掛けたついでに立ち寄った本屋さんで、いつか買おうと決めていた本が、結局買ったのか買ってないのか解らなくなくなるということが何度かありました。
これはネットで新刊を注文したけれど品切れでまたされていたり、古本のリクエストをしていたり、手に入れたけれどもまだ読んでいなかったり、もちろん普通に買ったのにすっかり忘れていたということも含めて様々な理由によるものですが、この悩みを解決してくれそうな蔵書管理のiPhoneアプリを探してみたところ、いくつか見つかったので、無料アプリの「ぶくめも-BookMemo」を使ってみました。

あらかじめ登録した本に「購入/未購入」などのデータが入れられるもので、入力も「ISBN」で検索できるのでとても楽。
表紙画像が本棚表示できるのも楽しい。
とりあえず無料アプリなのでバナー広告が邪魔ですが、重複購入は防げそうです。

2014年1月27日月曜日

今年のショコラ。

先週1/22から伊勢丹新宿店で開催されていたチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ2014」
最終日にやっと行くことができました。

例年、人気のショコラは初日から売り切れがでるほどなので、はたして最終日にどれだけ残っているかとあまり期待せずに行きましたが、やはりかなりの商品が完売状態。

最近気に入っているパリのハチミツ専門店「Les Abeilles(レザベイユ)」のショコラとハチミツキャンディーを狙っていたのですが、両方とも完売。

ひととおり会場を回って今年初出店のベルギーの「BENOIT NIHANT(ブノワ・ニアン)」のガナッシュを買って帰りました。


>>「サロン・デュ・ショコラ2014」のWebカタログが見られます。

2014年1月26日日曜日

虹と教科書

まもなく会期終了の展覧会。ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催中の「勝井三雄展 兆しのデザイン」を見てきました。(1/31まで)

勝井三雄氏は日本のグラフィックデザイン界の重鎮で、1964年の東京オリンピックのデザインに携わった一人でもあります。

光輝く華やかな虹色で空間を描いたポスターデザインがまず思い起こされますが、今回の展覧会ではブックデザインをはじめとするエディトリアル100点が多く展示されていました。

手に取って見る事はできませんが、多くの書籍がモニターで内容紹介されているので、レイアウトをじっくり見ることができる展示になっています。

勝井氏のエディトリアルワークといって思い出すのが、田中一光氏とほぼ交互に担当していたモリサワの企業PR誌「たて組ヨコ組」
デザインだけでなく編集企画まで担当していたもので、デザインを学び始めていた学生時代から刺激を受けていた、まさにグラフィックデザインの教科書だったことを再び思い出しました。

2014年1月25日土曜日

真っ正面からのフォント。

松屋銀座の7階にあるデザインギャラリー1953では「日本デザインコミッティーフォント展」が開催されていました。(1/27まで)


これまで日本デザインコミッティーのロゴとしてデザインされたフォントをベースにした、7つのファミリー(太さ)を持つ欧文フォント。
サンセリフのベーシックさを持ちながら独特のフォルムを持つフォントは、とても現代的で洗練された印象です。

会場ではフォントをデザインする上でのルールと、1つの文字のラフスケッチからフォントが仕上がるまでのデザインの変化が解説されていて、フォントデザインの知識のない人にもとても解りやすいと同時に、デザインの細かさが実感できるのではないかと思いました。

フォントに興味が出始めた学生さんにぜひ見て欲しい展覧会です。

2014年1月24日金曜日

形態の実験と気付きのデザイン。

新橋のクリエーションギャラリーG8で開催中の『トラフ建築設計事務所「ここをホッチキスでとめてください。」』展に行ってきました。(2/13まで)


目黒通りのホテル「CLASKA(クラスカ)」の客室リノベーションをしたことで注目され、その後も建築のほか、舞台やプロダクト、展覧会会場構成など幅広い活動をしている建築家ユニットのトラフ建築設計事務所。あまりにも有名な紙でできた「空気の器」に見られるように、鋭い視点と実験的な楽しさを持ったデザインを多く発表しています。

今回の展覧会もタイトルにあるように、来場者に何かさせる予感が満載。
会場には細めの垂木がグリッド状に組まれた中を巡っていく構成で建築途中の家の中のよう。
様々な仕掛けがあって楽しい空間でした。

「ホッチキス〜」の謎はポスターによる簡易製本。
紙が立体になったり、形態が変化していったり、当たり前のカタチを少し変えるだけでとても新鮮なモノになったりという発想の宝庫でした。

2014年1月23日木曜日

整理と挑戦。

このところ保存食である乾物を積極的に使おうと、連日食料保存棚から乾物を出しては調理。

乾物は戻しの時間があるので、とりあえず戻している時間に他の素材や調理方法を決める事が多いのですが、どうしても煮物が増えて出汁、醤油、砂糖を合わせた似た味になってしまいがちです。

この日はひじき
同じ様な味にならないように考えて練りゴマと酢をベースに和え物に。
菜の花の苦みもアクセントになってなかなか成功でした。


<ひじきと菜の花の和え物>
ひじきを軽く茹で戻している間に、別の鍋で菜の花、えのきを茹でておく。
全ての水分をしっかりきって、ゴマペースト、砂糖、酢、醤油であえる。

2014年1月22日水曜日

プレゼン事始め。

デザイン学校の後期授業もそろそろ最終。
4月に入学した1年生も少しずつ頼もしくなり作品がグラフィックデザインになってきました。
2年生に進級してからが楽しみですね。

2月には1年間の修了作品展が控えていて就職活動もいよいよ本格的にスタート。
これからは作品のクオリティをあげることだけでなく、プレゼンテーションのスキルも必要になってきます。

1年最後の課題ではプレゼンテーションツールとして3年前から導入しているiPadを使ったプレゼンテーションの演習を実施しました。

プレゼンテーションで一番に考えたいのが、言葉で説明する情報とスクリーンで投影する情報のバランス。

まずはシンプルにAppleのKeynoteで制作。
アニメーション機能などは使わない紙芝居形式から始めることで、情報整理がよく理解できます。
回数を重ねないと中々上達しませんが、来週末には2年生と研究生による卒業&修了制作プレゼンテーションがありますので、いろいろ刺激を受けて技を盗んで欲しいですね。

2014年1月21日火曜日

黒で生き返る。

WWFジャパンが昨年2013年10月のTokyo Designers Weekに出展した衣服のリサイクルプロジェクト「PANDA BLACK」

汚れや傷で着られなくなった古着を染め直すことで再利用しようというもの。

リサイクルという意味の染め直しであれば何色でもいいのでしょうが、日本の正装である黒紋付を染める技術で真っ黒に染めるという試みがユニーク。

京都の京黒紋付染会社『京都紋付』との協力で動き出しているプロジェクトはまだまだ進行中。

素材によって染まり具合が違ってどんな風合いに仕上がるかがわからないところも面白いです。

TDWが終わってからは郵送受付のみでしたが、新宿のルミネ2のイベント会場で期間限定で染め直しの受付をやっていました。
ちょっとやってみたいと思ったのですが、持ち込む日程が合いませんでしたので、またの機会を狙います。

2014年1月20日月曜日

二度蒸し

少し前の写真を整理していて、日本料理店でいただいた蒸し物の写真に道明寺粉を使ったものが出てきました。
桜餅の外側に使うもので、蒸した餅米を乾燥させて砕いたもの。
二度加熱するせいでしょうか、生の餅米を使う餅米シュウマイよりもっとモチっとした食感でとても美味しいです。
やってみれば大して手間ではないのですが、なぜか出番が少ないのは反省。

せっかく思い出したので道明寺粉を使って蒸し物を作ろうと決意。
ちょっと勇気を出して鯛の切り身を用意して蒸し物に仕上げました。

やはり鯛は美味しい。そして出汁を吸った道明寺粉も最高でした。
秋に拾って殻を割っておいた冷凍ギンナンがあったので一緒に蒸し上げました。
きれいな翡翠色が残って食感もそのまま。ギンナンは殻を剥いて冷凍がいいようですね。


<鯛の道明寺粉蒸し>
道明寺粉に煮立てた出汁を加え充分に出汁を吸わせてふやかしておく。
出汁を吸った道明寺粉に茹でて薄皮を剥いたたギンナンを混ぜ、団子にして蒸篭に入る皿に盛って少しだけ平たくする。
鯛は骨を抜き塩をしたあと酒で洗って水分を拭き取る。
道明寺粉に鯛をのせ蒸篭で蒸し上げ、出汁餡をかけていただく。

2014年1月19日日曜日

自然現象の魅力

東京都現代美術館で開催された「吉岡徳仁-クリスタライズ」
またまた会期終了間際になんとか行くことができました。(1/19で会期終了)
東京都現代美術館なかなか遠いところなのでちょっと油断すると行きそびれてしまいます。


今回の展覧会で何と言っても一番見たかったのが、2008年に21_21DESIGN SIGHTで吉岡徳仁氏が発表した結晶によるアート「ヴィーナス ― 結晶の椅子」のシリーズ新作とも言えるである「Swan Lake」と薔薇の彫刻「Rose」。

水槽の中で育っていく結晶の彫刻は制作者の意図が入った限りなく自然に近い作品。

自然界への人の手の介入例で、これほど美しいものはないのではないかとさえ思わせてしまう作品です。

作品が置かれる空間も既存の展示室であることを極力感じさせないもので、作品に素直に向き合えるものになっていました。

その他の作品やこれまでの作品を紹介する映像も含め大満足の展覧会。
最後にご本人がサイン会をされていて間近に拝見できたのも満足でした。

2014年1月18日土曜日

きれいなトゲ花。

花屋さんできれいな紫色のアザミを見つけました。

アザミは日本だけでも平地から高山、北海道から沖縄までと分布がとても広く、150種を超える種類があって、その多様さは世界にも他に類を見ないほど。種類の区別もとても難しいのだそうです。

たしかにちょっとした散歩でもハイキングでも森でも山でもアザミに出会うことは多いような気がします。
どこでも見られる花ですが見つけるとうれしいものです。

せっかく花瓶に生けていたのですが、うまく水上げしてくれなかったようで数日でカサカサになってしまいました。
とても色がきれいだったので花だけをカットして転がしてあります。
これはこれでありですね。






2014年1月17日金曜日

平面から立体へ。

竹尾見本帖本店の展示「紙と構造 ハンドメイド・ストラクチュア」の最終日に滑り込み。

平面素材である紙を構造的に用いることで立体的な造形を生み出す可能性に挑戦した展覧会です。


普段は印刷用紙として意識している紙という素材の別の魅力を見せてくれるものと期待して行きました。

展示は繊維としての立体表現、折りによる立体表現、そして貼り合わせて中空にしたものに空気を入れて膨らませた紙風船。

それぞれが目の前に紙の彫刻として存在感を見せていました。
立体になることで量としての重さを感じさせながら、素材としての軽さも感じさせる不思議な作品たちでした。

2014年1月16日木曜日

平面的素材と立体的表現

インテリア系デザイン高校の12月の課題で文字のスペーシングを実施しましたが、冬休みを挟んでの関連課題では、紙による立体的な造形表現を行いました。

ごく単純なポップアップブックの仕組みを利用したものですが、ちょっとした陰影が美しく表現されて、プリントされた文字とは全く違うものとして見えてきます。


文字=グラフィックと考えがちですが、そうした先入観を払拭して、平面的な文字という素材をその置かれる環境のデザインによって立体的、空間的に表現することができるというスタディ的な課題です。

切り抜く部分や折り目が複雑なので、制作手順を間違えると文字が切り落とされてしまったり折りたたまれてしまうので、緊張しながらの制作でした。

2014年1月15日水曜日

記憶の青。

古本屋さんでたまたま目についたタイトルがとても気に入ったので買った「ルリボシカミキリの青」という本。

このカミキリムシを知っている人なら絶対に放っておけないほど、ルリボシカミキリという虫の青色は美しくて、その色がタイトルになっている本を見ただけでもやられてしまう強さを持っています。


これは虫の色が凄いのか。
それとも虫の色をタイトルにした本が凄いのか。

きっと両方なのでしょう。

美しさは目の前で見た時に感じるものですが、その美しさはずっと脳裏に焼き付いていて、なにかの拍子に思い出された時、見た時以上に実感することがあって、これは初めて見たデザインでもどこか記憶や経験に触れるものがあった時、そのデザインは自分にとって絶対的な説得力を持つことがあるようにデザインにとても通じるところがあるように感じました。

年度末が近づいて卒業していく学生さん達の作品が大詰めになった時期。
そんなことを思いました。

この本は生物学者の福岡伸一氏の著書で生命科学の入り口を解りやすく語ったエッセイ。
科学好きな人だけでなく楽しめる一冊です。



2014年1月14日火曜日

丸羽根。

冬の山歩きで見つけた気になる種子。
蔓状の茎に3弁の薄い膜状の実がなっていて、その実の膜の間に薄い種子が挟まれています。

実が成熟すると裂けて中から種子が飛び出す朔果というタイプ。
はさまれているのは翼付きの種子です。

翼付きの種子では松ぼっくりのウロコのひとつひとつにあるマツの種子がオタマジャクシ型ですが、こちらは丸い羽根型。


調べてみるとヤマノイモと判明。
蔓をたどって地面を掘ったら自然薯が取れたということですね。残念。

種子の中でも羽付きというだけでなんだかワクワクしてしまいます。
冬場の植物観察もとても面白いことがわかりました。

保存鑑賞用にシャーレーが必要です。

2014年1月13日月曜日

冬の足元

このところ毎日のようにこの冬一番の寒さというニュースを聞いているような気がします。
寒くて外に出るのが億劫になる季節ですが、乾燥して空気が澄んでいるため景色がすっきり見え、星空や野鳥の観察にも適した季節です。

特にすっかり葉が落ちる冬の野鳥観察は、細い枝にとまっている野鳥が見付けやすく、寒ささえ我慢すればかなりの成果があるはずと、思い立って出かけてみたのですが、この日はあまり成果なし。

野鳥探しでは視野が高い木々に向いてそれなりに遠くに焦点を合わせて歩くので、あまり近場には意識がいかないのですが、あまり成果がなかったので低めの視野で近場に焦点を置いて歩いていたところ、普段目にしていなかった種子系に目が行きました。

足元にパラパラと落ちている球果。
球果とは松ぼっくりなどのようにウロコ状の重なりの中に種子を持つ裸子植物の実で、スギやマツの仲間に見られる実です。
若いうちはぎゅっと詰まった形態ですが、熟すとウロコが開いて中から種子が飛び出します。

直径約15mmのほぼ球形のヒノキの球果。


熟して行くに従って中心からウロコが外に向かって伸びながら縮んで隙間ができるという、とても構造的なデザイン。

こうして見るとなかなか良いデザインです。

2014年1月12日日曜日

冬の紅白スープ。

寒い寒いと口に出すと余計寒くなるような気がするのですが、言わなくてもやっぱり寒い。
毎年言っているような気もしますが、今年は本当に寒さが厳しいですね。
冬季限定というチョコレートが売り出されるように、TV-CMも冬季限定という感じで放映されるのがクリームシチュー。
雪などの情景と必ずセットなような気がします。

とても温まりそうだったので、この冬何度も登場しているサケを使って、豆乳の洋風スープにしてみました。


<サケの豆乳スープ>
皮と骨を取って一口大にカットした生鮭に塩をしておき、出た水分は拭き取っておく。
千切りのタマネギ、イチョウ切りのニンジンをオリーブオイルで炒める。
しっかり甘味が出たらシメジを加え炒め、生鮭、バターを加える。
バターが溶けたところへ白ワインを振り、一煮立ちさせたら水を加えて沸騰したらローリエ、ディルなどのハーブを加えて煮る。
豆乳を加えて塩で味を整えコショウで仕上げる。

2014年1月11日土曜日

天命の反転とは。

詩人のマドリン・ギンズさんの訃報が報じられました。
享年72歳。

美術科の故・荒川修作氏のパートナーとして養老天命反転地三鷹天明反転住宅などをはじめとする建築、現代美術を制作に関わってきた方です。

15年ほど前に養老天命反転地に行きましたが、その空間にいるだけで日常生活では感じられない感覚が呼び覚まされる不思議な場所で、哲学、科学、芸術の総合を唱えて制作されたということが頭ではなく体で理解できたような気がしたもので、テーマパークという名称では当てはまらない特別な場所だったという印象です。
三鷹天命反転住宅も外観だけですが見に行ったことがあり、住むということに真っ向から立ち向かわなければいけないような建物からは、生きること、生きていることへの意識を強く求められているのだと思いました。

ご冥福をお祈りいたします。

2014年1月10日金曜日

切りとるチカラ。

先日行けなかった国立近代美術館で開催中の「ジョセフ・クーデルカ展」に行ってきました。会期終了間近なので今回は無理かと諦めかけていましたが、週末の夜間開館があったので助かりました。(1/13まで)
今回、なんと展覧会告知のチラシがどうしても手に入りませんでした。

アジア圏初の大規模回顧展である東京展ですが、何よりも注目はパノラマ・フォーマットのシリーズで30年あまり取り続けている「カオス」のプリント。

パノラマというのは極端に長い比率の写真で、コンパクトカメラでも普通の写真の上下をカットして長くした「パノラマ撮影モード」というのが一時期あって(今でもあるのかな)流行りましたが、それとは別にレンズが回転して人が首を左右に降るようにパノラマを捉えるカメラというのも存在して、こちらはとても高価ですが機構的にもとても魅力的なカメラ。

今回の展覧会で展示されている作品群。
当然ながらレンズが回転する方式のパノラマカメラで撮影されたのだろうと思っていたのですが、どうやらパノラマ作品の初期の頃は普通のワイド写真を長くトリミングしていたのだそうで、つまりはコンパクトカメラのパノラマ方式とほぼ同じ。
とてもそのようには見えないクオリティで構成力の凄さは衝撃的でした。

今ではライカがクーデルカ氏のために特別に制作したデジタルパノラマカメラを使用しているようですが、見慣れた比率の写真ではないという以上に被写体が迫り来る迫力を感じ、構図の力を感じた展覧会でした。

2014年1月9日木曜日

スコットランドが認めた柄

昨年2013年の10月。
長年親しまれた伊勢丹タータン柄のショッピングバッグが変わりました。
なかなか手に入れられなかったのですが、新年になってやっと伊勢丹で買い物をする機会があり、新しいデザインのショッピングバッグを入手。

タータンはスコットランドのハイランド地方で発展した特徴ある格子柄で、氏族によってそれぞれのデザインが定められる家紋のようなもの。
スコットランドでは現在でも特別な柄です。

そのタータンを伊勢丹が長年使い続けたことが認められ、2012年にはスコットランド・タータン協会からタータン/アワード(パッケージ部門)を受賞。
実はその際に、伝統柄の「マクミラン・アンシェント」という柄のはずの旧タータンには、本来の柄にあるブラックラインがないことが判明し、伊勢丹柄でオリジナル生地を織り「マクミラン/イセタン」という派生柄として「スコットランドタータン登記所」に正式登録されたということです。

なんだかとても重みを感じますね。

旧デザインはISETANのロゴマークが側面に印刷されていましたが、新デザインでは外観にはロゴマークは一切なし。織り込んだ内側にのみロゴが表記されています。
色味は全体的に明るくなりましたが、上品さは失われずとても良いデザインですね。

リニューアル前日の10月29日の朝日新聞朝刊には15段の広告が掲載されました。

2014年1月8日水曜日

触りたい展覧会

国立近代美術館 ギャラリー4で開催中の「現代のプロダクトデザイン-Made in Japanを生む」を見てきました。(1/13まで)

企画展の「ジョセフ・クーデルカ展」も見たかったのですが、時間の関係でこちらのみ。


この展覧会。
プロダクトデザインというタイトルですが、日本の伝統工芸などの手工芸を中心とした製品(プロダクト)デザインを集めたもので、工業(インダストリアル)デザインのジャンルの製品(プロダクト)は含まれていません。

どの展示品も身近な生活用品がとても多く、技術的には伝統工芸から発展したものですが、現代の生活感覚に合うものばかりで実際に使ってみたいと思う製品が数多くありました。
製品デザインなので実際に手に取って見たいところですが、美術作品展としての展示なので触れません。せめて現行製品だけでも販売ブースなどあれば良かったのですが、残念です。
地道に販売店などを探してみることにします。

2014年1月7日火曜日

安定の元日企業広告

全体的には落ち着いた感じだった2014年元日の企業広告。
例年通りトヨタ資生堂の2社は安定感がありました。

トヨタは「FUN TO DRIVE, AGAIN.」キャンペーンの一環として2011年から続く「Re BORN」



木村拓哉さんの織田信長と北野武さんの豊臣秀吉の「DRIVE FOR TOHOKU」シリーズやドラえもんの「免許をとろう」シリーズなどですっかりおなじみのキャンペーンです。

資生堂は2年連続でモデルの水原希子さんを起用。
最近では蒼井優さんが2度登場しましたが、2009年と2012年なので、2年連続ははじめてではないでしょうか。

新聞広告とリンクした企業イメージCMも制作されました。
なんと楽曲は矢沢永吉さんの「時間よ止まれ」
1978年夏用ファンデーション「アクエア」のCMソングが再登場。映像とのマッチが素晴しい。


1月下旬からはMAQuillAGEのTV-CMが展開されるそうなので、こちらも楽しみです。

2014年1月6日月曜日

正月の企業広告

2014年はソチでの冬季オリンピックやブラジルのFIFAワールドカップなどスポーツの国際イベントが盛り沢山。
スポーツイベントは広告戦線も賑やかになりますので今から楽しみです。

広告の中でも特にお正月に賑やかになるのが新聞広告。
それも一商品よりも企業の特色を表現した企業広告が掲載されることが多くなるこの時期は新聞から目が離せません。

2014年の朝日新聞の広告は全体的に落ち着いた感じ。
広告数も例年に比べさほど多くなかったように感じました。
正月の澄み切った青空にちなんだのでしょうか青っぽい広告が多いことや、未来を見据えるようなモデルさんが彼方を見つめるようなものも目につきました。

各社が示し合わせたわけではないでしょうが、結果的に似てしまって特色が感じられないため、どこの広告?という印象が薄いものが多かったのが残念です。





2014年1月5日日曜日

年一回のヌキ。

お正月休みも最終日。
そろそろお正月気分を改め日常に戻らなければなりません。
気分もそうですが、お節料理の時だけに登場する器具もまた一年間大事に仕舞っておきます。
もともとは正月専用というわけではないのですが、普段は使わない器具の1つが「ぬき型」。
赤いニンジンを抜いて雑煮や煮物などの彩りに加えます。


紅葉は京都の老舗刃物屋さんのもの。金魚と亀は香港の調理器具屋さんで見つけたものです。
作りは圧倒的に紅葉が良くて、きちんと刃がついているのに対し、金魚と亀は薄いステンレスを曲げただけですが、ついつい楽しくて金魚や亀も毎年登場しています。
また来年のお節作りで活躍するのでしょうね。しばらくはお休みです。

2014年1月4日土曜日

2014年の気になる展覧会 その2

昨年の後半は空間・建築系の展覧会になかなか行けなかったのが反省でした。
2014年はすでに開催中あるいはまもなく開催の展覧会で空間・建築系のもので気になる展覧会がすでに3つ。
身逃がさないようにしたいですね。
例年のことですが展覧会の年間スケジュール(前期だけでも)がサイトで発表されるのが遅い美術館もまだまだ多いので、新しい情報を入手しましたらまた紹介したいと思います。

「建築博物誌/アーキテクトニカ(ARCHITECTONICA)」
建築ミュージアム/東京大学総合研究博物館小石川分館
丸の内のKITTE内にインターメディアテクが開館したことにより、小石川分館の展示品が移動し建築ミュージアムとしてリニューアルオープン。

「勝井三雄展 兆しのデザイン」
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
(1/9-1/31)

「TORAFU ARCHITECTS 『ここをホッチキスでとめてください。』」
クリエイションギャラリーG8 
(1/17-2/13)

「内藤廣展 アタマの現場」
TOTOギャラリー・間
(1/18-3/22)

「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」
森美術館
(2/1-5/6)

2014年1月3日金曜日

2014年の気になる展覧会 その1

2014年がスタートして3日。
今年も多くの展覧会が開催予定で今から楽しみです。
昨年後半に行きそびれた展覧会がそろそろ会期終了となるので、気を引き締めてスケジュールをたてなければ見逃してしまいそう。
まだまだ会期に余裕のあるものも含めて開催中の展覧会を集めてみました。
(会期中のものでもお正月休みの期間が長い場合がありますので、出かける際は各サイトで確認してください。)


「現代のプロダクトデザイン-Made in Japanを生む」
東京国立近代美術館 ギャラリー4
(開催中-1/13)

「吉岡徳仁-クリスタライズ」
東京都現代美術館
(開催中-1/19)

「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」
21_21 DESIGN SIGHT
(開催中-2/9)

「海藻 海の森のふしぎ 展」
LIXILギャラリー1
(開催中-2/22)

「世界のブックデザイン2012-13」
印刷博物館P&Pギャラリー
(開催中-3/2)

「磯崎新 都市ソラリス」
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
(開催中-3/2)

「国立西洋美術館×ポーラ美術館 モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新」
国立西洋美術館
(開催中-3/9まで)

「宝箱ー齋藤陽道 写真展」
ワタリウム美術館
(開催中-3/16)

「小津安二郎の図像学」
東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室
(開催中-3/30)

2014年1月2日木曜日

梅と梅鉢

2014年のお正月。初詣では恒例の谷保天満宮へ。
湯島、亀戸と並ぶ関東三大天神のひとつで、関東最古の天満宮です。

天満宮は菅原道真を祭神に祀る神社を呼びますが、菅原道真がこよなく梅を愛したことから梅が植えられ、現在では梅の名所となっているところがとても多いですね。
そして天満宮と梅の関係はもう一つ、神社の社紋には梅が用いられることがほとんど。
多くの家紋で見られる梅紋はこの菅原道真を祀る天神信仰に由来するもののようです。

梅のデザインは大きく2つ。
梅の花びらを象ったものは、天満宮の中心的存在である太宰府天満宮などの社紋に見られる梅紋
花びらを正円で表し幾何的なデザインで梅を表現したものは、北野天満宮などの社紋に見られる梅鉢紋
谷保天満宮は幾何的な梅鉢紋です。


日本の伝統的な図柄もこうして比べるとまた別の面白さがあります。

2014年1月1日水曜日

食べ物に願う。

すっきりと晴れた2014年のお正月。
朝からおせち料理でゆっくりのんびり過ごしています。

昨年、周囲の影響で見始めたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」
結局、後期の「ごちそうさん」もすっかり習慣となってしまいました。

ごちそうさんは食べることがテーマのドラマで年末はおせち料理が登場。
おせち料理には願いを込めるというくだりがあったので、定番となったうちのお節はと調べてみました。


伊達巻 巻き物や反物に似た形から文化、教養の縁起物。
蓮根の奉書巻 書に似せた形から学業、文化芸術の縁起物。
・・・
鰤の照り焼き 成長とともに名前が変わるので出世への願い。
海老 腰が曲がるまで丈夫でという長寿の願い。
・・・
錦玉子 黄色は金、白は銀を表し金銀財宝を意味する縁起物。
きんとん 金団と書くことから金運願い。
・・・
わりとバランス良いような気がしました。


本年もどうぞ宜しくお願いします。