2012年4月30日月曜日

授業の試作/鋳金3

石膏に埋没させたワックスは、1週間置いたので完全に硬化し、水分もだいぶ抜けました。

次は脱蠟(ロストワックス)作業。

電熱器で鋳型ごと焼成することで、ワックスは溶けて沸き出し揮発。石膏に残った水分も蒸発します。

約1時間の焼成で、ワックスが出なくなりましたので、鋳型の中は空洞になっているはずですが、きちんとできているかは金属を鋳込むまでわかりません。
もう原型はないのでやり直しはできませんし、全ての行程が一発勝負ですから緊張しますね。

火から下ろして鋳型を40℃程度まで冷めるのを待ち、錫(すず)の合金であるピューターを鋳込みます。






このピューターという金属。

錫にアンチモン、銅を加えた合金で、比較的融点が低くイギリスでは古くから工芸や装飾に用いられブリタニアメタルとも呼ばれているそうです。

この先は比較的早い作業。
果たして鋳込みは成功したのでしょうか?



2012年4月29日日曜日

自分の力で旨くなる


じっくり煮込んだ野菜のスープなんかをいただいてみると、野菜が本来持っている旨味の凄さというか可能性に驚かされることがありますが、そこまでの旨味をふだんなかなか感じていないというのは、野菜というのが想像以上に水分を含んでいて、つまりは野菜の旨味が水で薄められているってことなんですよね。

煮込むと旨味はほとんどスープの方に出てしまうので、他の野菜の旨味と合わさってより深い味になるのですが、本来の野菜自体がくたくたで旨味も何も無くなってしまうのでなんかモッタイナイ気がしてしまう事があります。

野菜本来の旨味を野菜本体とともに味わうなら、やはり「じっくり焼き」がおすすめ。
野菜が自分の持っている水分を使って煮たようにやわらかく調理され、ほどよく抜けた水分が旨味を凝縮してくれます。

煮込みほど放っておけないのが難点ではありますが、とても美味です。

<大根のべっこう焼き>
塩をした大根をごま油で両面をひたすらじっくり焼きます。
早く作ろうとして薄切りにしてはだめ。厚切りでいじめるように焼き締めます。
好みで仕上げに醤油をほんの少し垂らします。

2012年4月28日土曜日

えびすの力


知人からいただいた麦芽水飴を発見。

頂いたまま仕舞い込んでいました。
申し訳ないです。

そのまま舐めてもとても美味しいのですが、結構な大きさの缶なので料理の甘味料としても使わせていただくことにしました。

やわらかい上品な甘さと照りが魅力な水飴。
新ジャガを照りってりに煮てみました。

砂糖でこの照りを出そうとするともっと甘くなるのでおかず向きではないですが、上品な甘さがとてもいい感じで、魅力的な調味料ですね。

<新ジャガの煮物 飴からめ>
電子レンジで固めに加熱したジャガイモを水飴を溶いた出汁、少量の醤油でひたすら煮詰める。


2012年4月27日金曜日

副産物の


料理というのはなかなか素材の量が難しくて、小分けにして保存できるものはいいのですが、例えば豆腐を味噌汁とか白和えなどに使ったときなどは、1丁では多すぎて余ってしまうことがあります。

だからといって1丁全部入れてしまうと、豆腐の味噌汁掛けになってしまったり、くずし豆腐の野菜まぶしになってしまうので、結局は小分けにした残りは小さな冷や奴となるのですが、毎回冷や奴というのも悔しく、必然的に副産物のサイドメニューを考案することになります。

冷蔵庫と相談してできたのが「トマトの豆腐詰め焼き」。

バリエーションが出せそうな予感です。
<トマトの豆腐詰め焼き>
トマトをくりぬいて、中身をタマネギのみじん切りと一緒に水分が抜けるくらい炒める。塩コショウ、ドライバジルで味を整えたら、よく水切りした豆腐とともにトマトに詰め、チーズを振ってオーブンでトマトが崩れない程度に加熱。

2012年4月26日木曜日

授業の試作/鋳金2


鋳造の試作は第2段階へ。
ワックスで作った原型を石膏に埋没させます。

鋳金に限らず、型取りの技術を使ったものというのは世の中にとても多いですが、この鋳型を作るのがけっこうポイントとなる気がします。

ちまたで流行りのフィギュアなども原型をシリコンで型取りして樹脂を流し込んだりしますが、シリコンや石膏などの型取り材を流仕込むプールのような枠状の容器が必要で、初心者には玩具のブロックなどで作ることもあるようです。

このキットには、鉄製の四角いパイプ(角形鋼管)を切っただけののシンプルな枠が付属されていますが、こうした所もとても良く出来ていて感心します。

付属の紙コップに手描きされた線まで水を入れ、石膏を加えて混ぜ合わせ、鉄枠に流し込んだら原型を埋没させるだけ。

ここまで来たらあとは脱鑞して金属を鋳込む作業。
どうなることやら。

2012年4月25日水曜日

授業の試作/鋳金1


今年度は高校で工芸科目を担当します。

デザインの授業ではPC使用が圧倒的に多い中、実際に手を動かして制作する授業なのでとても楽しみですが、制作過程毎のポイントや時間配分についてなど、事前にかなり検討しなければならない面も多いので試作を作りながら念入りに準備を行なっています。

1学期は金工技法の鋳金を体験。
原型作りから鋳型制作、鋳込み、仕上げまでが全て行なえるかなり良く出来たキットがあるので、それを使用。

まずはワックス原型の試作。
素材の強度など、初めてワックスを扱う生徒が破損することも考慮して補修も試しています。
工芸では専門的な道具などもありますが、生徒は学校教材にある最低限の道具を使うので同じ状態で。もっともカッターナイフだけで全て彫りましたが。

アイデアスケッチもなく、具体的なプランもなく削り始めてしまいましたが、途中からコブラ型にすることに決定。(ちょっと途中からで無理もありました。)

湯道用の丸棒もキットに入っていて、ホント至れり尽くせりのキットです。

このあとは石膏に埋没させて鋳型を制作します。

2012年4月24日火曜日

これから出るか?


昨日の寒さから一転して初夏のような天候でした。

桜もすっかり散って新緑の季節となりました。
淡い春の色合いから元気な夏への変化を楽しめる季節です。

高校の色彩の授業もやっと2回目。
基本はAFT色彩検定に沿った授業ですが、デザイン業界と色の話でPANTONE(パントン)にも少しだけ触れました。

カラーシステムの構築と提案で国際的に影響を持つPantoneが、毎年発表しているトレンドカラーの今年のカラー・オブ·ザ·イヤー(PANTONE 2012 Color of The Year)は赤みの強いオレンジである「タンジェリン・タンゴ(Pantone 17-1463 Tangerine Tango)」。


深さのあるオレンジは活発で劇的すぎて、寒さから抜けられない今年の天候ではなかなかピンときませんでしたが、やっとその色が似合いそうな季節がやってきました。
これから多く目にするのでしょうね。


参考データ


RGB: R221 G65 B36
CMYK: C0% M82% Y80% K0%



昨年2011年の色はハニーサックル(すいかずら色)でした。

2012年4月23日月曜日

熟した結果


先日のアボカドの大量買い
ちょっと日が経ってしまいましたが報告です。

恐れていた通り5個すべてが同じタイミングで熟し始めてきたので、まずは固めの状態から使い始めました。

固めのアボカドは生食はツライですが加熱するととろみが出るので、まずは角切りにしてエリンギと一緒にオリーブオイルで炒め、塩コショウだけでシンプルに。

次はチーズを乗せてオーブン焼きで。

完全に熟したのは、だいぶ軟らかいので、以前記事にした「アボカドと鶏の豆乳グラタン」に。

最後はつぶしてエビと合わせて「焼き春巻き」にしました。

連日のアボカド料理でキャンペーンメニューのようでした。

<エビとアボカドの焼き春巻き>
下ごしらえをして茹で、角切りにしたエビと、つぶしたアボカドを混ぜ合わせ、塩コショウする。
春巻きの皮で巻いたら多めの油で焼く。
揚げ春巻きより細く作ったほうが美味しいです。



2012年4月22日日曜日

納得の展覧会


Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展に行ってきました。(6/10まで)

ダ・ヴィンチの作品は世界に十数点しか現存しないと言われる中、今回の展覧会の一番の目玉作品はフライヤーにも使われている「ほつれ髪の女(1506-1508頃 パルマ国立美術館蔵)」で、「モナ・リザ」や「最後の晩餐」を凌駕すると言う研究者もいるほどの名作が日本初公開。

Bunkamuraザ・ミュージアムの展覧会は1点豪華主義というか、メインの作品が決まっていて、後の作品がなかなかテーマ的にぼやけがちなところが多かったので、今回も「ほつれ髪の女」だけでも見られればという程度の軽い気持ちで行きましたが、今回の「ダ・ヴィンチ」展は構成がとても上手く、作品も充実していました。

中でも贋作や模写の多い「モナ・リザ」を集めたコーナーや、パリのルーヴル美術館とロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵する「岩窟の聖母」の、ダ・ビンチと弟子によって描かれたとされるもう一点の作品は構成と解説がしっかりしていてとても見応えがあります。

まだ混み過ぎという感じではありませんでしたが、4/22(日)夜にBSジャパン「美の巨人たち」で「レオナルド・ダ・ヴィンチ『ほつれ髪の女』」が放映されるので、直後は込み合いそうですね。

公式の宣伝映像
この演出(瞬きさせる)はどうなんでしょうか。
無理があるというか、何の為の演出なのかが理解できません。

2012年4月21日土曜日

白と黒の緊張


今年度の「東京TDC賞 2012」で「ブックデザイン賞」を受賞したアメリカのマルチメディア・アーティストであるアレクサンダー·ゲルマン(Alexander Gelman)氏の個展が銀座のシロタ画廊で開催中だと知り行きました。(4/28まで)


2001年にニューヨーク近代美術館(MoMA)の『あらゆる表現(メディア)において世界で最も影響力のあるアーティスト』 のリストに名を連ね、国際的に活躍しているゲルマン氏のリトグラフを集めた展覧会で、新作「Shadows」はシンプルな構成でありながらも、白と黒のコントラストに紙質とインクの質感が加わり、より緊張感を増しています。

ぜひTDC賞のブックデザイン賞の作品と合わせて観賞したい展覧会です。

2012年4月20日金曜日

歩きたい文字

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の「TDC展 2012」に行ってきました。(4/25まで)

東京タイプディレクターズクラブが主催する国際コンペ「東京TDC賞 2012」での、受賞作品ほか、ノミネート作品、優秀作品が約100点展示されています。

展示作品の中でもやはり本年度グランプリの作品「COMEDY CARPET」は圧巻。

「COMEDY CARPET」は、イギリス北部のブラックプールに作られた文字で埋め尽くされた石のカーペットで、1000人以上のコメディアンと作品やジョーク、キャッチフレーズなどが書かれています。

そして何よりも凄いのがその製法。
文字のひとつずつが花崗岩の彫刻文字で作られ、それをコンクリートで固めて磨かれた石盤が敷き詰めてあるということ。制作に5年も費やしたそうです。

→COMEDY CARPETの公式サイト



メイキングを見ると凄さがわかります。


4/25までですが、グラフィックデザインを勉強している学生は必見の展覧会です。


TDC展 2012
ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)
中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
11:00am-7:00pm(土曜日は6:00pmまで)日曜・祝日休館
入場無料





2012年4月19日木曜日

現代唐草


銀座のクリエイションギャラリーG8で開催中の「第14回亀倉雄策賞受賞 澁谷克彦グラフィックデザイン展」に行ってきました。

資生堂デザインのアイコンである唐草を現代的にデザインし「SHISEIDO」のロゴと融合させた企業ポスターの受賞作品は、確かに斬新です。

毎年選出される亀倉賞ですが昨年の第13回は「該当なし」で、その前の第12回は浅葉克己氏でした。
歴代の受賞者はJAGDAのサイトで紹介されています。

澁谷克彦氏は4月から新装刊された「花椿」のアートディレクターでもありますから、今後の資生堂色にどのように影響してくるのか楽しみです。

2012年4月18日水曜日

体感美術

表参道のエスパス・ルイ・ヴィトンに行きました。
Cosmic Travelers –Toward the Unknown(コズミック・トラベラーズ ― 未知への旅)」と題した、日本の現代美術家5名の最新作の展覧会です。(5/6まで)

特に良かった作品が2つ。

ひとつは原口典之氏の「Triad I, 2012」という作品。アルミニウムの浅い円柱状の容器に黒い廃油が縁ぎりぎりまで満たされたもので、真っ黒いオイルの鏡面に映し込まれた周囲の景色を見ているだけで吸い込まれそうな感覚になります。ガラスの鏡とは違う質量の差なのでしょうか。

もうひとつが渡辺豪氏の「<ひとつの景色>をめぐる旅」。
流しのような場所に積み重ねられた湯呑みやティーポットなどの磁器に光があたって変化していくアニメーション作品ですが、重なり合う磁器にヒビか入り、やがてめくれるように解体される様が、立体視から平面視への視覚の変化として楽しめる作品でした。
ただ、あまりにゆっくりな動きなのでとても忍耐の必要な作品であることが難点。
我慢できずに退室する人がとても多かったです。

2作品とも日常ではあまり意識しない感覚の体験ができる作品でした。

エスパス・ルイ・ヴィトンは入場無料ですが、毎回豪華なカタログ制作して来場者に無料配布しています。


2012年4月17日火曜日

粉は便利

大阪の家庭には、ほぼ一家に1台たこ焼き器があるというのを聞いたことがあるのですが、かといって大阪人が、毎日たこ焼きばかり食べているわけではなくて、やはり天下の台所、食文化の中心地としての歴史から食べることや調理することへのあたりまえな欲求が強くあるからなのでしょうね。

同じように小麦粉を使うものでもお好み焼きなら専用調理器具がなくてもできますが、それだけでは満足できない所がさすがというかすごいです。
しかもそれをおかずにしてしまうというのもちょっと信じられません。
小麦粉の生地だけでお腹いっぱいにならないのでしょうか。

たこ焼きはさすがに作りませんが、具をつなぎ程度の粉でまとめるチヂミは、フライパンでできておかずにもなるので、ちょっとボリュームが足りない時は便利です。
卵を加えるのが本式のようですが、中華の焼餅風に粉と水だけでもあっさり美味しくできます。

〈レンコンと小松菜のチヂミ〉
材料を切って、レンコンは軽く加熱。あとは混ぜて焼くだけ。
小麦粉と片栗粉の割合は計ったりはしませんが、4:1程度がモチモチに。
繋ぎになる程度の少ない生地のほうが軽めに仕上がっていいみたいです。
白ネギ、青ネギ、ゴマを振ります。

2012年4月16日月曜日

ただいま勉強中

先日デビューした塩麹
まだまだメニュー開発中ですが、とりあえず肉の漬け込み焼きは便利だと確信。
塩だけで漬け込む時は3日以上が美味しいですが、塩麹なら1時間でも効果が現れます。

脂身の少ない豚モモ肉を厚めにカットして漬け込むこと3時間。他に何も調味料を使わなくても、とてもやわらかく深みのある味に仕上がりました。

塩麹は焦げやすいので注意というのが定説なようですが、少し色付く程度に焦げた塩麹は香ばしくていいようです。
焦がしバター同様、焦がしすぎには注意ですが。

塩麹に漬け込んだ豚モモ肉をフライパンで焼き目が着く程度に焼いたら、シメジと大葉を加えて炒めます。

少し焦げて来た塩麹がシメジの水分でいい感じのソースになりました。
調味料は塩麹だけですが味噌炒めにも似た仕上がりです。

味噌炒めのように全体が褐色に染まるので、明るい色か鮮やかな色の皿が映えると思い、ターコイズブルーの浅鉢に盛ってみました。

<塩麹豚と大葉とシメジ炒め>
3時間ほど塩麹に漬け込んだ豚モモ肉は塩麹を拭き取り、フライパンで両面を色良く焼く。
シメジ、大葉を加え炒め合わせる。
シメジの水分で焦がし塩麹が全体に馴染んだら皿に盛る。



2012年4月15日日曜日

包むデザイン

パッケージの一番の目的は運搬のしやすさ破損防止ですが、広告効果としても重要で、包みひとつで美味しく見えたり、高価に見えたりします。

野菜や果物などの生鮮食品はそのままパッケージに入って売る物は少ないので、消費者への広告効果というのは想定していないのかもしれませんが、たまに輸入物のフルーツなどが売り場で箱をそのまま開封して並んでいたりすると、箱買いしたくなったりするのでやはりパッケージの力は重要だなと思います。JAの段ボール箱ではちっとも魅力ないですから。

以前にオレンジの包み紙の本の紹介を記事にも書きましたが、箱だけでなくても輸入物のフルーツのパッケージは魅力的なものが多いですよね。変に媚びていないのがいいのだと思います。

いつもは1個売りしか見た事がなかったアボカドですが、なんとこれから熟す緑のアボカドが網袋売り!
そのデザインに思わず買ってしまいました。

翌日には随分色付いてきましたが、5個も一度に熟したらどうするんだろうと、ちょっと不安もあったりして。

2012年4月14日土曜日

演出の上手さ


日本橋の三越本店で「エリオット・アーウィット写真展」が開催されていました。(4/16まで。まもなく終了)

三越のイタリアフェア開催記念で企画された展覧会で、マグナム・フォトを代表する写真家エリオット・アーウィット氏の最新作「ELLIOTT ERWITT’S ROME」の作品を中心としたもので、マグナム・フォト東京支社が主催。

2月にCHANEL NEXUS HALLでパリの写真を集めた「エリオット・アーウィット」展が開催されたばかり。

2012年はロバート・キャパ氏の発案でマグナム・フォトが創設されてから65周年でもありますから、今後も様々な記念写真展が開催されることを期待しています
さて、展覧会は全紙のモノクロームプリントが約100点。
そのうち約85点が1950年代から最近までのローマを中心としたイタリアの写真で構成され、年代別ではなくテーマ毎に展示されていますが、車が写っていなければ年代がわからないほど、街並が変わらないことにまず驚きました。

一見、街中の風景をそのまま切り取った写真のようでもありますが、エリオット・アーウィット氏の写真は計算され演出された限りなくドキュメンタリーに近い作られた写真。
完璧な構図による写真の説得力は演出力から来ているものだということが改めて感じられる写真展でした。

2012年4月13日金曜日

やってみた。


ちまたで話題の塩麹
とても美味しいそうなので遅ればせながら流行りに乗っかろうと思い、乾燥麹200gを購入。
100gずつに分けて2種類の塩で発酵させました。

ひとつは日常使いの「沖縄シママース」。
粒子の荒い海水塩。
もうひとつは海藻を海水で煮詰めて作る瀬戸内の「海人の藻塩」。
毎日かき混ぜながら育て様子を見ながら10日目、そろいい感じになったので、いよいよ塩麹デビューです。

塩代わりに何にでも使えるということなので、漬込み、炒め物、混込みで試食。

漬け込みはシママースで充分ですが、混ぜ込みはそのまま塩麹の味が決め手となるので、藻塩の方がマイルドでいいようでした。


<塩麹の三種盛り/鶏胸肉の塩麹焼・ホウレンソウの塩麹ナムル/シイタケの塩麹焼>

鶏胸肉は3時間ほど塩麹に漬けておいてから塩麹を拭き取りグリルで焼く。
茹でたホウレンソウに塩麹、ゴマ油、擦り胡麻を混ぜ合わせる。
シイタケをオリーブオイルで焼き、塩麹を混ぜ合わせる。
(塩麹発酵初期と塩麹の三種盛り)



2012年4月12日木曜日

緑を盛るための皿

春になってやっと寒さが緩んできたせいで、少しずつ野菜の値が下がってきたように感じます。寒いと身体の代謝も減るので、いろんな老廃物が溜まってしまいますから、春はクセの強い野菜でデトックスです。

手っ取り早くクセ野菜をメニューに取込むには「お浸し」が便利。
できるだけ加熱時間を短縮して、栄養の損失を減らして歯ごたえを残した調理がポイントですよね。

お浸しの定番であるホウレンソウや、春らしい菜の花など、緑色のものが多いお浸し。
せっかく鮮やかな緑色と艶なので、器はできるだけ邪魔せずキレイに見せたいもの。
柄ものではなくシンプルな器がいいのですが、真っ白くて艶のある器では寒々しくなってしまうと思い、柔らかい光を反射し赤みがかった李朝白磁の平茶碗に盛りました。

この平茶碗は実は緑色が映えると思って随分前に購入したのですが、なぜか緑もの以外では登場することがなく、今のところほぼ緑専門になってしまいました。もったいないですね。使い方を考えたいです。

2012年4月11日水曜日

本物以上の魅力


根津美術館で開催されていた「虎屋のお雛様」展を見てきました。(会期終了)


和菓子の老舗「虎屋」の14代店主が明治30(1897)年に生まれた娘の初節句のために蒐集、特注して調えた雛人形と雛道具の約300点を集めた展覧会です。

フライヤーにある一組の雛段飾りの人形や道具がひとつひとつ間近に見ることができ、その細工の細かさが堪能できる展示となっていました。

雛飾りは以前に徳川美術館で尾張徳川家の雛段飾りを見た時にその繊細で美しい細工に圧倒されて以来、工芸作品としての蒔絵もの以上に見るようになりました。

雛道具がミニチュアであるということへの魅力があるのでしょう。

西洋でもドールハウスなどの鍋や食器、家具など、実物と同じ製法で細かい細工を施したものがありますが、文化の違いはあっても人形という世界に本物の製法で再現された小物を合せるという共通の感覚があって、更にその小ささや細工の細かさなどの共通のこだわりがあるというのが面白いですね。

2012年4月10日火曜日

普遍のデザイン

南青山で開催中の写真展「The Little Black Jacket」を見てきました。(4/15まで)

CHANELのクリエイティブディレクターであるカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏とVOGUE PARISの元編集長であるカリーヌ・ロワトフェルド(Carine Roitfeld)氏による写真集「The Little Black Jacket: CHANEL's classic revisited by Karl Lagerfeld and Carine Roitfeld(リトル ブラック ジャケット:カール・ラガーフェルドとカリーヌ・ロワトフェルドによる、シャネルのクラシックの再考)」のために撮影された写真の展覧会で、写真はすべてカール・ラガーフェルド氏が撮影し、写真集は今年秋に発売される予定だそうです。

会場には見本誌がありましたが、なかなか凝った作りで写真集の発売が楽しみです。

この写真展の中心となるリトルブラックジャケットは、CHANELの創業者であるココ・シャネル(Coco Chanel)氏が50年代にデザインしたもので、現在でもCHANELのコレクションに毎回登場するジャケットだそうですが、100名ものモデルが別物のように着ている写真は、ファッション写真の展覧会ではなく写真の企画展として充実したものになっています。

入場無料な上、来場者には3種類のポスターのうち1枚がもらえます。

The Little Black Jacket(リトルブラック ジャケット)」写真展
港区南青山5丁目4-48 Gビル南青山01
※表参道のヘルツォーク&ド・ムーロン設計のPRADA AOYAMAを曲がった先のイベント会場。
開催中~4月15日まで


2012年4月9日月曜日

マイブリッジ熱


Googleのロゴがエドワード・マイブリッジ生誕182周年記念のデザインになっていました。

エドワード・マイブリッジ氏は1878年に馬のギャロップの連続動作を撮影することに成功したイギリスの写真家ですが、そのアニメーションの原型ともいえる高速連続撮影のキーワードである「時間」をテーマにした山村浩二氏のアニメーション作品「マイブリッジの糸」が昨年2011年9月の東京都写真美術館ホールと11月の渋谷アップリンクで公開されたことは以前の記事でも紹介しました。

どちらも短期間上映で都合がつかずその後機会を狙ってはいるのですが未だに見られません。
全国を巡回しながら上映が行なわれているようですが、東京近郊での上映はまだまだ遠いようです。

以前紹介した日本バージョンの予告編に加え、英語バージョンの予告編もYouTubeにアップされていました。
ますます見たくなりました。
英語バージョン

2012年4月8日日曜日

塊の誘惑

豚の塊肉というのは「よしやるぞ!」感がわき上がってきていいものですが、なかなか良い感じの塊肉に出会えることがなくいつもチャンスを狙っています。

ばら肉は角煮、肩ロースは塩豚か焼豚と、ほぼメニューが決まっていますが、肩ロースに比べてばら肉の方が良いものに出会える確立が低く、最近は角煮熱が高まっていたところ良い感じの肩ロースに遭遇。

肩ロースで角煮を作ることに。
ばら肉では余分な脂と脂身のクセを抜くために茹でこぼしますが、茹でこぼさないでそのまま煮込みました。
ばら肉に比べ少しトロトロ感とコクが少ないですが、臭みもなく、これもありかなという感じでした。

他の食材と一緒の煮込みにする時は、肩ロースのほうがむしろ良いかもしれません。

<ジャガイモと豚肩ロースの角煮>
肩ロースは全面に焼き色をつけ旨味をとじ込める。
圧力鍋に水、焼酎、黒砂糖、醤油、ネギを加え肩ロースを柔らかく煮る。
肩ロースは一口大に切り、ジャガイモと一緒に圧力鍋に戻したら圧力をかけずに煮込む。

2012年4月7日土曜日

食の緊張感

スーパーには同じ食材でも種類や大きさ、メーカー別など、いろんなものが豊富に並んでいますが、中でも豆腐の種類は本当に多く、これだけの種類が日々消費されているということに驚いてしまいます。

最近は「充填豆腐」というのがあってなんなのだろうと思っていたのですが、熱い豆乳にニガリを加えて固めてから切り分けてパック詰めするのではなく、パックに冷えた豆乳とニガリを充填してから加熱して固めるもので、コスト面だけでなく保存性にも優れているらしいです。

この充填豆腐は、製法上パックと豆腐の間にすき間がなく、取出しやすいようにパックのカドが丸みを帯びていますが、そのカタチがそのまま豆腐のカタチになるので、カドのない豆腐になってしまい、どうにも締まりがないです。
やっぱり豆腐はあのカドの立った緊張感のある形態でないといけません。

<豆腐の照り焼き>
水切りした豆腐に片栗粉をまぶし、多めの油で焼き色がつく程度に焼いたら、醤油と砂糖を加え照り焼きにする。
柚子胡椒を少し加えても美味しい。

2012年4月6日金曜日

美術界もコスプレ


新聞の全面広告を見て驚きました。
女優の武井咲さんが「マウリッツハイス美術館展」のオフィシャルサポーターになることは何かで知っていましたが、まさかここまでやるとは。

どうやら4日に東京都美術館でおこなわれたCM完成披露記者会見がTVなどで放送されていたようですね。

CMもちょっとやりすぎでは?

6/30からの展覧会ですが、3ヶ月前からフェルメール人気以上に話題となってしまって、展覧会場がとんでもないことになりそうです。


2012年4月5日木曜日

展覧会の広報


国立国際美術館で開催されていた「草間彌生―永遠の永遠の永遠―」がいよいよ埼玉県立近代美術館に巡回されるのを機に、共同主催の朝日新聞社が関東地区で積極的な広報活動を展開しています。

新聞には展覧会の開催概要の記事にiPhone用の公式アプリが紹介されていました。
このアプリは電子版図録という位置づけで、展覧会に出品されている作品が見られる他、カタログでは掲載できない映像なども収録されているようです。


→草間彌生 永遠の永遠の永遠 電子版図録(有料)
→草間彌生 永遠の永遠の永遠 カレンダーアプリ(無料)

カレンダーアプリをダウンロードしてみました。
ちょっとカワイイですけど機能的には使わないでしょうね。


現時点ではiPhone用のみの販売ですが、4月下旬にはiPad用が発売予定ということです。
書籍版の図録では、高価な画集に比べて廉価版のために色彩再現が難しいので、今後ますます電子版図録の需要は高まるのでしょうね。

「草間彌生―永遠の永遠の永遠―」
埼玉県立近代美術館
4/14〜5/20

国立国際美術館で開催された時の開会式での草間彌生氏のインタビューや会場の様子などの映像がYouTubeに公式アップされています。



2012年4月4日水曜日

焼いて簡単

年間を通して価格も味覚もあまり変化のないゴマサバは、定食屋さんでは「サバの味噌煮」が黄金メニューですが、サバの仲間は表層魚で水分が多く身の締まりがないので、味噌煮は美味しく作るのがとても難しい料理法なのだそうです。

というわけで、サバはもっぱら焼きで。
マサバはそのまま塩焼きが美味しいのですが、ゴマサバはマサバに比べ脂が少ないので、オイルを足せる料理法がパサパサにならなく美味しいと思います。ハーブを効かせて野菜と一緒焼いてしまうグラチネなら、手間も掛からず簡単でいいですね。

<サバのグラチネ>
三枚におろして骨を抜いたサバは塩をして水分を拭き取り、皮をひいて一口大に。耐熱皿にオリーブオイルを薄く塗り、固めに加熱したジャガイモ、ブロッコリー、タマネギ、トマト、サバ、アスパラガスをのせ、オリーブオイルをまわしかけ、好みのハーブ、パン粉、塩コショウをしてオーブンで焼きあげたらイタリアンパセリを散らす。

2012年4月3日火曜日

アフタヌーンティーに

Pascoの超熟のCMでクセになってしまった電子レンジで作る食べきり即席ジャム
ジャムのためというわけでもないのですが、合わせたいと思いつき、スコーンを作りました。

溶かしたバターを混ぜ込んでいるので、焼いている時の香りも最高。

焼き上がったスコーンとストレートティーでの休日のアフタヌーンティーは、ちょっと贅沢な気分にさせてくれますね。



2012年4月2日月曜日

新年度準備

新学期を目前にした3月末にグラフィックデザイン専攻への新入生を対照としたデザイン演習授業を実施しました。

まもなく始まる4月からの授業を楽しみに、また授業をイメージしやすくすることを考慮して、デザインプロセスをなぞる演習です。

グラフィックデザインの領域は、視覚的なコミュニケーションが多く、中でも絵や写真などの画像の要素と文字による言葉の要素がそのほとんどを占めますので、演習では、写真撮影から画像の加工、データ転送して文字のデザインとレイアウト、最後にプリントという行程を行ないました。

まずは、4月から教材として配布される「iPad」のアプリケーションを用いて画像を制作。
その画像を教室のWi-FiでMacへデータ転送を行い、文字を加えてポストカードにプリント。

短時間で感覚的に制作プロセスをなぞるためiPadのアプリケーションを利用しましたが、短時間でも作品として仕上げるプロセスは充分楽しめたようです。

新年度の授業ではアイデアの構築や手作業、Macの本格的な操作などを通して作品制作を行っていきますが、2年間の様々な授業が相互に関係しますので、その中でどんな作品が仕上がっていくのか楽しみですね。

2012年4月1日日曜日

メジャーへ参入

日本のTV-CMでは家庭用洗剤の占める割合がとても高いようですが、それだけCMでの販売数の増加が見込めるということなのでしょう。

ごく最近、洗剤のCMに新しいブランドが加わりました。
ドイツの「Frosch(フロッシュ)」。
環境大国のドイツでは極力洗剤を使わないという意識が高いようですが、そのドイツの家庭の30%以上が何らかのフロッシュ洗剤を使っているという信頼度の高い洗剤で、最近になって日本の輸入代理店が旭化成ホームプロダクツになり、一気にメジャーへ参入となりました。

パッケージもなかなか良いので以前から愛用していたのですが、輸入代理店が変わったことで価格もお手軽になりましたので、これからも使って行こうと思ってます。

CMはちょっといただけないですけど。

FroschCM