2015年5月29日金曜日

山の水を含んだ野菜。

栽培物のウドは強いアクをなくして食べやすくするために日光にあてず白く軟化させて栽培した軟白ウドがほとんど。
緑がかった山ウドも軟白栽培に日光をあてたものなので天然ものとはまったく別物です。

たいした下処理いらずの栽培ものと違い、天然ものは皮のスジが堅いので皮を剝きますが、この際に強いアクで手が真っ黒になり、洗ってもなかなか落ちず意外と頑固。

それでも皮を剝くと堅く感じたヤマウドがとてもみずみずしいので、うれしくなります。

色のキレイさ、みずみずしさを活かしてまずは生食。
短冊切りにして酢水でアク抜き。
ウド料理でもっともポピュラーな酢みそあえにしました。

中まで薄い緑色をしていて独特の苦みと香りがたまりません。


2015年5月28日木曜日

山の天ぷらとイタリアの水

山から持ち帰ったヤマウド

日常的にはめったに揚げ物はしないのですが、せっかくの素材ですからここは張り切って天ぷらに。

天ぷらでは日本の天然水や水道水などの軟水よりも、ミネラルの多い硬水の方がサクサクに仕上がるという研究が日本調理科学会によって発表されていて、しかも炭酸水を使うとカラッと揚がるという情報もあったので冷蔵庫のS.PELLEGRINO(サンペレグリノ)を使用。
炭酸がきついと油はねが強くなるのだそうですが、サンペレは炭酸が弱いので大丈夫でしょう。

水のおかげで久しぶりの揚げ物でもサクッと仕上がりました。



2015年5月26日火曜日

山での仕入れ。

昨年に引き続き山での山菜採りが定番化してきました。

今回の収穫はヤマウド、ヤマブキ、フジの花、アケビの新芽(木の芽)、タケノコならぬササノコ(笹の子)。

いろんな山菜がありますが、やはり天然のヤマウドの風味が最高。
他の植物と間違えるということもない特徴なので探しやすいのもいいですね。
下ごしらえで指がアクで真っ黒になるのだけが難点です。

大量に収穫できたので持ち帰ったヤマウド。

葉はきんぴら。穂先は天ぷら。太い茎は炒め物や生で酢みそ和えなどで楽しめます。

この天然ヤマウドを食べたら、軟化栽培のウドは風味が物足りなくて食べられなくなってしまいます。
<ヤマウドの葉とシイタケのきんぴら>
ヤマウドの葉は1枚ずつ摘み取り洗って水気を拭き取って刻む。
フライパンに油を引き、鷹の爪を熱して辛さを移す。
薄切りのシイタケと刻んだ葉を入れて炒め、しんなりしたら酒、砂糖、醤油でを加え水分を飛ばし最後にゴマを振る。

2015年5月17日日曜日

夜の雑木林。

近くの雑貨屋さんで楽しそうなチラシを発見。
「月夜の幻燈会 どんぐりと山猫」。
ついこのあいだ清里で原画を見てきたばかりの画家小林敏也氏の絵です。


小平の雑木林の中で小林敏也さんの原画演出により朗読と演奏によるスライド上映会があるそうで、なんと今回で12回目なのだとか。

上映に必要な電力は昼間のうちに集まった子どもたちが自転車発電するというのもユニークです。

朝から怪しい天候でしたがなんとか雨にはならず、無事に上映会は開催。
30程度の短い時間ですが、暗い雑木林の中で子どもたちや家族連れをはじめ多くの人たちがスクリーンに注目して、なんだか夏休みみたいで貴重な体験をさせてもらいました。

雑木林にスクリーンがあるだけでわくわくします。上映中は光が出る物は一切禁止。もちろん撮影もダメです。

<前回の上映会がYouTubeにアップされています>


この企画の主催者は「どんぐりの会」という市民グループで、西武国分寺線鷹の台駅のすぐ裏手にある小平中央公園の雑木林を横切って四車線道路を作るという50年前の計画が現在強引に進められようとしていることに危機感を感じ、この雑木林が地元の住民や子どもたちにとって、とても大切な場であることを訴えるための活動の一つのようです。

道路計画はともかく、雑木林で上映会(しかも幻燈会というネーミングがいい!)という素敵な企画は続いていって欲しいですね。

2015年5月14日木曜日

極彩の誘惑。

ちひろ美術館・東京で開催中の「聖コージズキンの誘惑展」に行ってきました。(5/24まで)


絵本作家スズキコージ氏の原画展ですが、「ライブペインティング」などで描かれた2m×5mの大きなキャンバス地の作品群の部屋は圧巻。

この部屋の片隅では絵本「サルビルサ」の世界を再現した「Newサルビルサ」のライブペインティングの映像が上映されていました。
白いキャンバスに向かってイメージを広げていく様子は、完成された作品からだけでは計り知れない作家の心情の変化が、少しだけ解ったような気がします。

ライブペインティング作品の展示室は撮影可。こども達が作品の前で写真を撮るとその世界に入り込んだようになります。


注目したのは絵本作家としてデビューする以前の資料。
グラフィックデザイナー堀内誠一氏のもとでアシスタントをしていたころのイラストレーションの繊細さとセンスにも驚きの展覧会でした。

2015年5月11日月曜日

色も活発に。

5月といえば1年で一番過ごしやすい季節だと思っていましたが、特に今年は異常な天候が続きますね。
日中暑いかと思えば夕方急に冷え込んだりして身体がなかなかついていかず、早くも夏バテのようで体調を崩しそうです。

しっかり食事を摂って気候に負けない体力をつけないとこれから来る夏に対抗できませんね。

栄養価の高いアボカドはその食感からかマグロと合わせることが多いようですが、少し身のしまったサーモンの方がお互いの個性が出て合うような気がしています。

食べ応えを考えて少し大きめの一口大にカットしたサーモンを、そのままオリーブオイルとレモンで和えました。

鮮やかな緑とオレンジが目にも嬉しい一品です。

<サーモンとアボカドの和え物>
アボカドは種を取ってくりぬきカットしてレモンを絞っておく。
サーモンはカットしてオリーブオイルで軽くマリネしてからアボカドと合わせて、少量の醤油で風味を加え塩コショウで味を整える。

2015年5月9日土曜日

引っ掻いて版画。

少し前ですがGWを利用して山梨の清里近くへ。

特に目当ての予定もなく出掛けたのですが、えほんミュージアム清里「小林敏也画本(えほん)原画展 宮澤賢治の世界」が開催中と知り、これは見なければと足を運んできました。(6/1まで)

以前から小林敏也氏の宮澤賢治画本シリーズのファンでしたが、これまで原画は見たことがありませんでしたので貴重な機会です。

版画作品のようなこの画本。
まず原画の多くがスクラッチ技法いうことに驚き。
すっかりドライポイントなどの版画技法なのだと勝手に信じ込んでいました。

このシリーズの中で際立つのが原画を版画のように2版、3版描き、特色印刷で重ねて刷っているもの。

完成した版画作品を写真製版で絵本にするものと違い、2版、3版の別々の原画が本のための印刷で始めて合成されて完成するので、原画はまだ作品が完成していない素材だというところがスゴイ。

よくある絵本原画展では原画を見てしまうと印刷物の絵本が見劣りしてしまうのですが、この技法では印刷物の魅力が最大限に活かされているのだということを、原画を見て改めて納得した展覧会でした。

原画を見に行くには遠方すぎますが、画本は本屋さんにあるのでぜひ手に取って欲しいですね。

画本はすでに所有していたのでサイン入りの複製原画を購入。
このシリーズではどんぐりと山猫が一番好きなので大満足です。


特に印刷が美しく効果的な宮澤賢治画本シリーズのオススメ

注文の多い料理店

どんぐりと山猫

オッベルと象

やまなし

土神と狐


技法は違いますが、原画が素晴らしい宮澤賢治画本シリーズ

雨ニモマケズ

2015年5月4日月曜日

杉の玄関。

中央自動車道の上りが大月から渋滞しているようでしたので、高速道路を下りて国道20号へ。

そういえばつい先日、京王電鉄の高尾山口駅が建築家の隈研吾氏の設計でリニューアルオープンしたという情報があった事を思い出し、通り道なので寄り道してみました。

杉並木の高尾山への玄関として杉材がふんだんに使われたデザイン。

木を建築に積極的に取り入れてきたことで話題となることの多い隈研吾氏らしい建物で、使われている木組みは「大和張り(やまとばり)」「羽目板張り(はめいたばり)」「小端立て張り(こばだてばり)」「千本格子(せんぼんごうし)」などと呼ばれる日本の伝統的な木組みだそうです。

2015年5月1日金曜日

ニッポンアバンギャルドに学ぶ。

5月の初日。
渋谷ヒカリエホールAで6日間だけ開催される「現代演劇ポスター展-演劇の記憶、時代の記憶、都市の記憶-」に行ってきました。(5/6まで)


日本のグラフィックデザインの一方向性を語る上では欠かせないジャンルのポスターで、名だたるデザイナー達の作品が見られます。
今ではポスターといえばオフセット印刷が主流で、CMYKの4色にたまに特色や加工が入る程度ですが、演劇界でのグラフィックデザインが全盛だった頃はロット数が少なかったこともあってシルクスクリーンが主流。
その発色の良さと特色による大胆な色使いのデザインが魅力です。

GWの連休最終日となる6日までの開催ですから、デザインを学ぶ学生さんはぜひ足を運んで欲しいですね。

ポスター全体のデザインも魅力的ですが、撮影可能な展示でしたので、題字だけを集めてみました。
これだけでもものすごいパワーがあります。