2015年2月28日土曜日

鬼と野菜。

いただいたオニグルミ。
独特の風味と濃厚さが美味しかったので、味噌と合わせてクルミ味噌を作りました。
蒸したレンコンに和えたり、茹でた小松菜に乗せたりするだけで、山気分満載。

ゴマにも似た風味ですが、コクはオニグルミの方があるように思いました。


<オニグルミ味噌>
オニグルミはすり鉢でよくすり、味噌、砂糖、醤油、みりんを混ぜて練り上げる。固い場合は少量の水を加える。好みの野菜と和える。

2015年2月27日金曜日

固い鬼。

知人からオニグルミ(鬼胡桃)をいただきました。
一般的なクルミは西洋胡桃ですが、オニグルミは日本に自生する品種。

とても殻が固いので剝き方を調べると、水に1〜3日浸けてから、フライパンで空煎りするかオーブンで焼いて、隙間に包丁を入れて割るとあります。

さっそく半量を水に浸して1日放置。

左)頂いた鬼胡桃。右)1日水に浸しました。

オーブン210度で8分加熱。

ほんの少しできた隙間に包丁を入れてまな板でコンコンとたたくとあっさり割れました。


割るのが大変な印象でしたが、どちらかと言えば殻から実をほじるほうが大変ですね。

西洋胡桃のような渋みはないのですが独特の風味があって濃厚でもありとても美味です。
殻が厚いので実が少ししかないのが残念。

ちょっと煎り過ぎた感じでしたので、次回はもう少し温度を下げて見ます。

割り方を調べているときに、固い鬼胡桃の殻を粉砕してスタッドレスタイヤに使われていたという冗談みたいな情報が。
TOYOタイヤのサイトに「スタッドレス開発秘話」として記事があったので本当なのですね。
タイヤとクルミが結びついてちょっと不思議。

2015年2月25日水曜日

キタとミナミのシロ。

数日前の新聞にキタシロサイの記事が掲載されていました。

シロサイの亜種であるキタシロサイは、野生ではすでに生息しておらず、今もっとも絶滅が深刻な哺乳類で、昨年10月と12月に相次いで飼育されているキタシロサイが死亡し、全世界で5頭にまで減ってしまったという記事。

2月になってからの記事だったので、一瞬さらにまたか?と心配したのですが、そうではなくやや安心したものの、絶滅はほぼ確実な亜種であることに変わりはありません。

サイは大きな角が人気の動物。
日本の動物園ではキタシロサイと同じシロサイの亜種であるミナミシロサイが、群馬サファリパーク、富士サファリパーク、東武動物公園他17園で飼育されていますが、東京の動物園では多摩動物公園にはインドサイ、上野動物園にはヒガシクロサイが飼育され、シロサイは東京では見られません。

そろそろ暖かくなる季節。
動物園で地球上の動物たちのことを考えるのもいいかもしれませんね。

野生生物の生息地を含めた環境の保全活動を行う国際組織WWFでは「消えゆくネコ科動物を守ろう!」入会キャンペーンを実施していました。


2015年2月23日月曜日

3本。4本。

北欧チェアでも人気の高いArne Jacobsen (アルネ・ヤコブセン)の名作アントチェア (ANT CHAIR)
1952年に生産されたモデルは3本脚。

1980年に4本脚が登場してからは4本脚が主流で日本では3本脚の輸入もなくなってしまったため、3本脚アントは資料や美術館でしかほとんど見られない憧れのモデルとなっていました。

ところが数年前から長年アントチェアを生産続けているFritz Hansen(フリッツ・ハンセン)社の3本脚モデルが復刻販売。

これは!と思いながらも、年月が経つうちに4本脚も価格が随分上がり、3本脚もちょっと手が出ない価格となり憧れのモデルはやはりお預け。

そんな3本脚ですがご近所の古道具屋さんでカラードアッシュ仕上げのレッドモデルを見つけてしまいました。

やや擦り傷がありますが、その使用感がまた味となっています。

というわけで、これまでのラッカー仕上げのブラックと並んで、カラードアッシュ仕上げのレッドが来ました。

やはり3本脚のバランスは素晴らしいですね。

2015年2月20日金曜日

逃げた水分を補給。

魚の味噌漬けは余分な水分が抜けて旨味が凝縮されるので焼いただけでとても美味しいものですが、蒸すと身がふっくらとしてこれもまた美味。
抜けた水分を補う感じですが、旨味はしっかりしています。

魚にしっかりと味がついているので、銀餡ではなく出汁でもどした道明寺粉を一緒に蒸し上げてみました。


<サケの味噌漬け道明寺蒸し>
道明寺粉は出汁で戻しておき、サケの味噌漬け、キノコと一緒に蒸篭で蒸す。
蒸し上がるころに小松菜を加えて蒸し上げ白髪ネギを飾る。

2015年2月17日火曜日

カラフルパスタ。

いただきもののキレイなパスタPadonni。

タリアテッレ(Tagliatelle)よりも、さらに幅広なのでパッパルデッレ(pappardelle)でしょうか。

幅広パスタは重めのソースが合うような印象ですが、せっかく色がキレイなので焼き野菜と一緒にレモンでさっぱりしたマリネにしました。

どちらかというと夏向きなメニューですね。


<幅広ロングパスタと焼き野菜のマリネ>
カブとなすは薄切りにしてガーリックと一緒にオリーブオイルで焼き色がつくまで焼く。茹でたパスタと野菜をレモン汁、オリーブオイル、ハチミツ、塩、コショウで味を整えディルを散らす。

2015年2月14日土曜日

牛か豚か。

豚肉の塊り肉が手に入るとついつい塩をまぶして熟成させてしまうのですが、たまたまメインになりそうな食材が思いつかず、珍しくその日に食すことにしました。

豚バラだったらラフテーですが、肩ロースでちょうど作り置きのトマトソースもあったのでシチューに決定。
圧力鍋が大活躍です。

そういえばビーフシチューに比べてポークシチューって出番がほとんどありませんでしたが、価格的にもやさしいのでもっと登場しても良いですね。


<ポークシチュー>
豚肩ロースは塩コショウをしてしばらくおき、水分を拭き取ったら小麦粉を薄くまぶしてフライパンで焼き付け、多めの赤ワインを加えて一煮立ちさせる。
タマネギのみじん切りをオイルとバターで飴色になるまで炒め、肉、ベイリーフ、トマトソース、具材がかぶる程度に水を加え一緒に煮込む。
肉がやわらかくなったらいったん取り出し、ソースを漉してウスターソース、ハチミツ、マッシュルーム、くし切りしたタマネギを加え更に煮込む。最後に肉を戻して暖め塩、コショウで味を整える。

2015年2月11日水曜日

存在感の表紙

2014年の装丁コンクール受賞作で印刷博物館P&Pギャラリーで開催中の「世界のブックデザイン2013-14」
でも出展されているPARCO出版の「ギャートルズ①②③」。
あまりに衝撃的だったので1巻だけですがですがさっそく入手しました。


漫画で表紙が4mmもある板紙でコデックス装というのはなんとも斬新です。
この板紙がなぜか石器時代を感じさせると同時にとてもモダンなデザインを感じさせてくれます。

>>「世界のブックデザイン2013-14」のレビュー





2015年2月8日日曜日

200年越えのレシピ。

江戸時代の天明2年(1782年)に発行された料理本に「豆腐百珍」という豆腐料理ばかり百品集めた本があって、そのレシピをすべて再現した本が新潮社のとんぼの本シリーズにあります。

料理人ではなく文人が趣味で著したのではないかという説が有力なこの本は、素朴な豆腐を見た目にも楽しく美しく料理しているところがとても良い味になっていて、さすがにすべて作るのは無理ですが、ちょっと目先の変わったものもあり便利なレシピ本です。

豆腐を焼き締めてから煮る「備後豆腐」。
名前に由来は不詳ですが、先に酒で煮てから醤油で味つけをするため、醤油が浸みすぎない美味しさがありました。


<備後豆腐>
鍋に酒をはり、水を切った木綿豆腐を入れ、酒気がなくなるまで煮たら醤油を加え落とし蓋をして煮含める。
大根おろしと花かつおをのせる。

2015年2月6日金曜日

4色相環。

夏に収穫されるカボチャ。
皮が厚く保存が効き、収穫後に甘みが増して行くことから秋から冬にかけてが美味しいのですが、一般的なカボチャより後に出回るのが白皮カボチャ

ホクホクな食感と強い甘みが特徴で、加熱すると少しだけ白い皮が緑色に色づきます。
明るい黄色もとてもキレイなカボチャなので華やかになりますね。

ニンジンの赤→カボチャの黄色→器の緑→レッドキャベツのスプラウトの紫とほぼ90度の4色相環。
この色相環を均等に4つに分割する4色から構成される四色配色は、色彩学の権威であるヨハネス・イッテンによる配色調和の形式のひとつで、「テトラード(tetrad)」と呼ばれ、カラフルで表情豊かな配色の代表です。
紫がもっと青系に触れていれば完璧なのですが。

ヨハネス・イッテンの色彩学をまとめた「色彩論」の書籍を書架で探したのですが行方不明。
授業の参考に持ち出したままなのかもしれません。
デザイン本は持ち出すことが多く、行方不明になりがち。
捜索願いを出さなければいけません。


<白皮カボチャとニンジンのゴマ味噌豆乳和え>
カボチャは部分的に皮を削ぐ。ニンジンも皮付きのままが素朴で美味しい。
白ゴマをすりおろし味噌と練り合わせたら、豆乳で少しずつ伸ばして砂糖、醤油で調味。
蒸してやわらかくなったカボチャとニンジンをそのまま和える。



2015年2月3日火曜日

デザインと収集

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されていた『浅葉克己のタイポグラフィ展「ASABA’S TYPOGRAPHY.」』のレビューです。(展覧会は1/31で終了)


アートディレクターの浅葉克己氏が文字デザインの収集をはじめたのはいつ頃からだったのか記憶が曖昧ですが、中国の少数民族ナシ族が使用する象形文字の一種で、現在でも中国雲南省の麗江(リージャン)でも現存する生きた象形文字のトンパ文字の研究は、その後日本におけるトンパ文字の流行にも繋がったのではないかと記憶しています。

浅葉氏の文字収集はトンパ文字に限らず、アジア全域に範囲を広げ作品に活かされていて、独特のフォルムを持つ文字がグラフィック作品に登場します。

その浅葉氏のタイポグラフィに焦点を当てたこの展覧会では、会場に設置された映像にあったように浅葉氏と浅葉克己デザイン室のスタッフによるこれまでの広告などのグラフィックからの「文字集め」からはじまったようで、それは自身の作品の解体作業の集大成のようでした。

展示会場の壁面には氏の日記の複製が貼られ、日常的な行動と作品との関連が伺え、デザインワークへの莫大な労力が感じられる展覧会でした。