2012年5月31日木曜日

Pina/3D

映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」を見ました。2009年6月に急逝した世界的な舞踊家ピナ・バウシュ氏が芸術監督兼振付家としてドイツのヴッパタール舞踊団のダンサーたちのメッセージとダンスをヴィム・ヴェンダース監督が3D映画化したものです。

映画は圧巻。単調になりがちなダンサーからのメッセージは見応えのあるダンス映像に挿入し、緩急を付けた構成になっていて、ダンスを見慣れていなくても充分楽しめました。

映像化されているダンスはスタジオで撮影されているものもありますが、ドイツ・ルール地方の工業都市ヴッパータールでのロケが多く、このロケーションが実に良い。

中でも現存する世界最古のモノレールである「ヴッパータール空中鉄道(Wuppertaler Schwebebahn)や工場が格好良すぎて、いつかこの町に行きたいと思ってしまいました。

この映画。
監督のヴィム・ヴェンダース氏によると、最新の空間の広がりを可能にする3D技術があれば、ピナとヴッパタール舞踊団の世界を再現できると確信して制作したといわれています。

最近は3D映画も随分普及していますが、実は3D映画を見るのは初めて。
ところが見てみると、ピントは合わせづらく、連続で集中して見られず、頭痛まで起こってしまう始末。日本では設備の導入コストが低いことから一番普及しているXpanD方式でしたが、これからの映画が3Dへ向って行くのだとすると、映画館では見られなくなってしまうかもしれません。ちょっと悲しい。
3Dメガネを掛ければ3Dで観賞できて、掛けなければ普通に見られる技術を開発して欲しいです。

映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」予告編


2012年5月30日水曜日

「STILL CRAZY」の


銀座のクリエーションギャラリーG8とガーディアンガーデンの2会場で開催中の「広川泰士写真展 旅の途中〜」を見てきました。(6/1まで)

今回の展覧会は第一線の作家のデビュー当時の作品にスポットをあてた展示で、ファッション、アドの写真で活躍する広川氏の原点が感じられる展覧会となっています。

東日本大震災での福島第一原子力発電所事故後、広川氏が1994年に発表した日本全国の原子力発電所を風景の中に捉えたモノクロ写真「STILL CRAZY」が脚光を浴びていますが、1986年のチェルノブイリの事故移行にも増え続ける日本の原発に腑に落ちないものを感じて撮り続けたという写真集は、発表当時はほとんど取り上げられることがなかったといいますから皮肉なものです。




広川氏は写真だけでなく、2005年公開の「トニー滝谷」や2010年公開の「Flowers(フラワーズ)」などの映画の撮影でも活躍されていますね。

「トニー滝谷」2005年公開


「Flowers(フラワーズ)」2010年公開
こちらは製作/特別協賛の資生堂CM「TUBAKI×Flowers」版


2012年5月29日火曜日

かわいいのすすめ


ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の「キギ展 上原亮輔と渡邉良重」展にいってきました。(5/30まで)

プロダクトデザインブランドのD-BROSのデザイナーとしてあまりに有名な2人ですが、改めて展覧会で作品を見てみると、気になっていたデザインばかりを手掛けていることに感心します。

デザイン学校の授業で汐留の展覧会に行ったので、その流れで学生さん達には見に行くように伝えましたが、皆さんちゃんと見に行ったのでしょうかね。

どうしても可愛さという表現は、子供っぽい造形、ユルさ、キャラクター、ピンクとなりがちですが、可愛さにはもっと大人っぽい美しさや緻密さといったデザインの仕方があるということを感じてきて欲しい展覧会でした。

会場では今回の展覧会用に新たに制作されたマルティプルのアートフォリオ(限定600部)が販売されています。思わず手を出してしまいそうになりました。限定ものは危険です。

2012年5月28日月曜日

蕎麦屋に学ぶ


近くの蕎麦屋さんでは結構蕎麦屋っぽくない一品料理があって、これがまたお酒のアテにとても良くついつい通ってしまうのですが、中でも傑作なのがアボカドのディップ。

小さくカットした刺身のエビを潰したアボカドで和え、焼き海苔が振ってあり、細く切らない蕎麦生地を揚げたチップスが添えてあります。

酒のアテならこれで充分ですが、蕎麦生地チップスではなく、ご飯の友にしたくて和え物風にアレンジ。
とは言ってもかなりオリジナルに近いんですけど。蕎麦のチップスの代わりに蕎麦の実を食感として補ってみました。

<エビのアボカド和え>
下ごしらえした小エビは茹でて冷ましてカットしておく。
アボカドを潰し酢で色止めし、出汁と少しの醤油で味を整えたらエビと和え、ゴマ油で軽く煎った蕎麦の実を散らします。

2012年5月27日日曜日

ご近所の鳥

kitaCafeの近くの一橋大学キャンパスは市民に開放されているので、ちょっとした散歩で賑わいますが、校舎裏の林はたまにランニングをする人が通るくらいで、ひっそりとしています。

花々が実を付け出し虫が活発になるこの時期は、鳥たちも活発になる時期。ツツピー、ツツピーと鳴くシジュウカラの鳴き声に誘われて、双眼鏡とカメラを持って林を歩いてみました。

林とはいっても街中の大学キャンパス内ですから、シジュウカラでも近くで見られればと思って出かけたのですが、なんとコゲラが出現。
もともとは山に生息していますが、ここ近年は低地にも広がってきているようで、2〜3羽のシジュウカラに混じっていることも多いそうです。
コゲラはキツツキの仲間で、大きさはスズメをほんの少し大きくしたくらいで小型ですが、立派にくちばしで木をコツコツと叩いて虫を取ります。

他の野鳥に比べて木の幹に沿って移動することが多いので、一度見つけるとそのあとはしばらく見失わずに観察できます。ご近所でこんな野鳥に出会えるとは思いませんでしたので、クセになりそうですね。

見れば写真に残したくなるのですが、望遠は200mmが最大なのでちょっと役不足。かといって重くなり過ぎるのもちょっと。困ったものです。

2012年5月26日土曜日

江戸はスゴイ


先日の江戸東京博物館
「太陽の塔の黄金の顔」が目当てでしたので、常設展示に関しては事前知識もなく、とにかく端から流して行きましたが、これがなかなか見応えのある展示内容でした。

江戸から東京までがテーマなので、街並みや建物を再現した模型も数多くあるのですが、これがまた良くできていて展示がとても上手い。

きっと一日中いられるのではないかという楽しさ。
美術的文化的遺産も多いのですが、テーマパーク的に体験できたりする施設も多いので、児童の学習や外国人の観光にもお手軽なのがよくわかります。

初江戸東京博物館巡りで特に感心したのが江戸時代の町の各所に掘られた井戸の作り。

井戸って普通に深く掘って、溜まっている地下水を汲み上げているだけだと思っていたら、江戸は湿地が多く海水が混じるため地下水型の井戸ではほとんど機能せず、そこで上流の川から水をひき(玉川上水や神田上水)、さらに地下に埋めた樋で水を町中に掘られた井戸へひいたのだそうです。地中から掘り出された樋や井戸などの遺構の他、町の上水を説明する模型もあってとてもわかりやすいです。こういう知識って物で見せられるととても楽しいですよね。
もっと時間をかけて他の展示もじっくり見なければと思いました。



2012年5月25日金曜日

やっぱりNIKE!


デザイン学校の授業で汐留のADMT(アドミュージアム東京)へ行きました。
第90回ニューヨークADC(ArtDirectorsClub)賞入賞作品展」です。
(7/1まで)

この展覧会のいいところは、作品のコンセプトに触れた評価ポイントの解説がしっかりしていること。デザイン作品の展示のツボを押さえています。さすがは大手広告代理店の電通が運営しているミュージアム。高田馬場の学校からは遠いのが難点ではありますが。

全体的な感想としては、FacebookTwitterを使った総合的なキャンペーンを展開した作品の受賞が多いこと。今やネット上での口コミは最も有効な広告でその取り込みが重要な課題のようです。

今回の受賞作品の中でも特に印象的なのが、その年の最も革新的な作品に与えられるブラックキューブを受賞したNIKEの「Nike Write The Future」。有名な話ですが、サッカーワールドカップの公式スポンサーではないNIKEが、ワールドカップの時期の話題を取るためにあえてフルバージョンはYouTubeだけで展開していたというCM。

ルーニー、ロナウジーニョ、C.ロナウドらのプレーで起こる一瞬の出来事が、TVやネットを通じて世界中に影響してゆく様を描いたもの。サッカーファンでなくても楽しめ、NIKEのCMの中でも最高の出来な気がします。

2012年5月24日木曜日

賛否あるが


六本木の森美術館で開催中の「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」を見てきました。(5/27まで)

イ・ブル氏は、韓国を代表する現代美術家で、国際的にも注目されているそうですが、今回の展覧会で初めて知りました。
フライヤーの感じでは、どうしようかな。と思っていたのですが、結構周囲の知人たちの評判が良かったので、会期終了間近に行ってみました。

会場はいくつかのセクションに分かれ、始めのセクションには90年代の初期の作品がありましたが、正直な感想はこのままのノリなら辛いな。という感じ。
ソフトスカルプチャーというパフォーマンス用のコスチュームから派生していったものですが、フォルムがどうしても好きになれないのでちょっと困りました。

その後、形態は洗練されていったのではじめの困惑も薄れてやや安心。年代ごとに変化する作品がセクションで区切られているので、一人のアーティストの葛藤の過程が感じられ、作品自体の好き嫌いだけで言えば好きでは無い部類ですが、確かに展覧会としては充実していて面白かったです。

黒く暗い空間に浮遊するサイボーグと名付けられた白い作品のシリーズは、究極の身体や理想の社会を追い求めているというイ・ブル氏の作品群の中でも、特にSFアニメに出てきてもおかしくないようなフォルムで、それでいて何か具体的なキャラクターを創り出しているわけではないところが、かえって説得力を感じさせているように思いました。

ゲームキャラクターやSFアニメ制作を目指している学生さん達には、フォルムを創りだすということの本質を感る意味でもぜひ見て欲しい展覧会ですね。

ひとつ下の階では「ONE PIECE展」が開催中で森美術館までの通路がとても混雑していますが、「イ・ブル展」は空いていました。

2012年5月23日水曜日

錠剤の絵

渋谷ヒカリエの8Fギャラリーでイギリスを代表する現代美術家ダミアン・ハースト氏の「New Spot Prints」を見てきました。

ダミアン・ハースト氏はホルマリン漬けの動物や蝶の羽根のコラージュなどの作品で有名ですが、今回の展示は覚醒剤の錠剤の暗示であると言われているカラフルな木版による「スポット・ペインティング・シリーズ」。

本人自身が深刻な薬物中毒者でもありますから、覚醒剤の錠剤の暗示と聞くと深刻なメッセージのように感じてしまいますが、作品からは暗い暗示は感じられず、空間に浮遊する色彩としての美しさのみです。
最もこの浮遊感こそが薬物的なのかも知れませんが。

現代美術界を代表する小山登美夫ギャラリーが企画運営する新しいギャラリーですから、今後の展開も楽しみですね。



2012年5月22日火曜日

2011夏の続き

昨年夏に採集して展翅展足をしていた昆虫標本を標本箱へ移しました。

珍しく甲虫が多かったので針の数がものすごいことに。
1匹に平均20本。多い物では30本以上。
足や触覚に引っ掛けて破損しないよう慎重に外すので、それだけで30分以上掛かってしまいました。

最終地と採集日、和名を入れたラベルを付けて、標本箱へ移す瞬間がまた至福。
そろそろ箱を新調しないと入りきらない感じです。

昨年は久しぶりに山方面の夏を過ごしたのですが、またまた標本熱が再燃。今年はもう少し本気でやろうかと思案中です。

捕虫網を持っていなくて手掴かみで採集してしまったタテハチョウ科のスミナガシ

平均台という道具でラベルの高さを揃えています。
やや欠損が多いですが、上品な色合いが素晴しく太陽光の下では緑、青がもっと光るキレイな蝶です。




2012年5月21日月曜日

感動。


待ち望んだ金環日食
心配された曇りの天気予報は、思ったほど暗くなく、やや雲はあるものの、薄曇りで雲の切れ目も多い感じ。
早起きして近くの一橋大学のキャンパスまで、カメラと三脚を持って出かけました。

7時台は早朝練習の高校生や中学生も通学の時間帯。
東の空が開ける道になるたび、みんなが日食観測グラスで空を見上げる姿がとても微笑ましいです。

大学へ向う途中の桜並木の下では、木漏れ日が欠けた太陽の形を映し出しています。
日差しが弱いので目視がやっと。写真では確認できませんね。

大学キャンパスの芝生に陣取りカメラをセット。
金環の瞬間が一番雲が多かったようですが、それでもいい感じで見られました。
しっかり準備した甲斐がありました。観測していたのは1時間弱ですがとても堪能しました。

カメラで覗いていると本当に太陽の動き(動いているのは地球ですが)の速さに驚きます。写真は1枚ではなく連続撮影を合成。


2012年5月20日日曜日

準備はしたが。

今年一番の天体ショーである金環日食はいよいよ明日。
今回の日食はコースが陸地を長く通るため東京をはじめ観測できる地域が広く、かなり盛り上がっていますね。

話題になりだした頃はカメラ量販店やアウトドア専門店などでしか見なかった観測メガネの販売が、今やスーパーのレジ棚近くにも並んで凄いことになっていますが、実は1ヶ月以上も前から品不足を警戒して準備を初めていました。

メガネは恐ろしいほど生産したようで品不足にもならず、かえって在庫が多すぎでは?と心配するくらい売っていて、日食が終わったらこの在庫はどうなるのだろうと要らぬ心配をしてしまいます。

同じ太陽の減光用途でも写真撮影用の減光フィルターは少し前から完全に品不足状態。さすがにマスコミや天体マニアのような写真を撮ろうとは思いませんが、やはり写真に残したいので早くに用意して良かったです。

眼鏡をかけていても覗きやすい大きめフィルターの観測メガネと撮影用のNDフィルター。
使う機会がありますように!

問題は明日朝の天候。
今のところ、曇りのようですから見られないかも?
その時間だけでも晴れるようみんなで祈りましょう。

2012年5月19日土曜日

菌類記念日?

昨日のGoogleのホリデーロゴは「南方熊楠」でした。博物学者、生物学者、民俗学者という多彩な研究者ですが、ロゴのモチーフにもなっているように菌類研究者として特に有名で、5月18日は南方熊楠の生誕145周年記念日なのだそうです。

ということでキノコ記念日にいつもと違うキノコを食べることにしました。
(※ロゴだけ見るとキノコ記念日みたいですが、キノコの日は需要が高まる秋の10月15日だそうです。)

以前のブログでも書きましたが、食材としてのキノコは科学の発達でとても大きく変わった食材。
菌床による人工栽培でとても多くのキノコが手軽に食べられるようになりましたよね。

サンゴのようなハナビラタケと最近急成長中のキクラゲ
どちらもコリコリした食感でとても美味しいです。
キクラゲは乾物が一般的でしたが、生のキクラゲは肉厚で、加熱してもとても良い食感です。

2012年5月18日金曜日

黄金の顔


予定が急になくなったので、江戸東京博物館の常設展示の特集展示「太陽の塔 黄金の顔」を見てきました。
(5/20まで)

実は江戸東京博物館を訪れるのは初めてだったので、博物館のウリでもある館内に架けられている江戸時代(19世紀前半)の日本橋を1/1で復元したものにもちょっと期待。

両国駅からちょうど大相撲五月場所が開催されている国技館の前を通って博物館へ。
この博物館。建築家の菊竹清訓氏の設計で、江戸城の天守閣の高さに合わせたらしくとにかく大きいです。形態もユニークな高床式で地上1階は大型観光バスが何台も停められる駐車スペースにもなっていて、10時前だというのにすでに何台もの大型バスが停まっています。なんだか嫌な予感。

春の行楽シーズンということなのでしょうか。小学生から、中学生、高校生、お年寄り、外国人観光客の団体が何組いるのかという状態。
それでも人の多さは感じますが、展示を見ていてもそれほど混雑とは感じないところがスゴイ。とても広いです。
天井も高いので博物館というよりビッグサイトなどの大型展示場という感じでした。

さて肝心の顔の展示ですが、入場してすぐの日本橋の上から吹き抜けの下の階を見下ろすと黄金の顔が見えます。
ちょっと遠いですが、床に設置された顔を見るにはちょうどいい感じ。
(この会場にこの顔、しかも江戸時代の日本橋から見下ろすというのはちょっと違和感もありますが)

この黄金の顔は劣化のため1992年に取り外され保管されていたEXPO'70(大阪万博)当時のオリジナル。現在万博公園の太陽の塔についている顔はその時に付け替えられた複製です。
直径11mの黄金の顔は塔の上では60mの高さなので大きさを感じませんでしたが、間近で見るとそのスケール感には驚かされます。

設置作業の映像が流れていたのでじっくり見てみると、この黄金の顔は表面を覆うステンレスの金属板のパーツを、展示のために組んだ木枠の構造体に貼り付けるようにしているだけで、太陽の塔の頭部がすげ替えられてそのままあるわけではないようでした。
それでも近くから(とても見づらいのですが)見ると、オリジナルを感じさせる金属の劣化が観察できて大感動ものです。
(会場に来ている団体さん達はほとんど立ち止まっていませんでした。)

残念なのは顔が設置してある階では、厚さが1800mmくらいあって、側面を覆った赤い壁しか見られないこと。
せめて数カ所でも台を置くとか、近くで見られる工夫をして欲しかったと思います。
赤い色も良くないですね。昨年大阪で展示された時の映像は黒で囲っていたのでその方がまだ良かった気がします。

目視はできない高さ。腕を伸ばしてやっと撮影。

大阪で公開された時の映像。この時は眼のライトは写真のようですね。


太陽の塔がある大阪の万博公園では、昨年、岡本太郎生誕100年の記念として夏休みとクリスマスにイルミネーションのイベントが開催されたようです。

大阪イルミナイト万博2011夏休み


大阪イルミナイト万博2011X'mas

2012年5月17日木曜日

馬具のパン


kitaCafeの近くにはチェーン店ではないベーグル屋さんがあって、ちょっと高めではありますが行列ができるほどの人気。17:00の営業時間前にすっかり売り切れてしまいます。


ここ数年で驚くほどベーグル屋さんを街で目にするようになりました。モチモチした食感だけでなく、バターや卵を加えないので低脂肪というのも人気の理由なのかもしれません。

基本的に美味しければ何でも手を出すkitCafeですが、実は「粉もの」は中々手を出していないジャンル。特に理由があるわけでもないのですが、せいぜいがピザとキッシュくらい。

意外と作るのは簡単だと聞いたので、作ってみました。
基本の生地だけのプレーンと、生地にクルミとモラセスを巻き込んだ2種類を焼きました。

成型に多少コツがいるようですが、なるほど簡単。
初挑戦の結果はややシワが入りましたが、まずまずの出来ではないでしょうか。


乗馬が好きだったポーランドの王様に献上するために馬具の鐙(あぶみ/buegel)の形に似せて作られたのが始まりで、後に「bagel」となったそうです。


2012年5月16日水曜日

並でないナミ


ベランダにテントウ虫が飛来しました。

テントウ虫は飛び方に特徴があるので、すぐわかります。
いわゆるフタホシテントウですが、これは俗称。
正式名称はナミテントウです。

ベランダのコンクリートに飛来したので植木鉢に移してみました。
手前には自然発生した苔が成長中。ギンゴケでしょうか。ちょうど胞子体が伸びていてカワイイです。

このナミテントウは黒地2紋ですが、4紋多紋赤地黒紋といった色や斑紋のバリエーションがあり、遺伝子の組合わせによって決まるそうです。

もとになる遺伝子は4種類。

1匹の個体は2つの遺伝子を持っているため、その組み合わせで基本的には4×4の16種類の柄のバリエーションが生まれるそうで、実際にはさらに紋の大きさの個体差など様々な条件が重なり、見た目にはもっと複雑な柄が現れるとか。

飛来したタイプは黒地に赤の2紋ですが、紋の下が欠けています。
これは赤地に黒多紋タイプと黒地に赤2紋タイプの2種の遺伝子を持っていて、両方を重ね合わせた結果、このような下欠けの紋になるということらしいです。

同じナミテントウでありながら遺伝子の組合わせでたくさんの柄のバリエーションが生まれるという複雑な生態を持ちながら、「並」とは、もう少しネーミングにひと工夫あっても良かったのに、と思ってしまいました。

斑柄ですがジャガイモなどの作物の害虫であるマダラテントウの種類とは違い、ナミテントウは害虫のアブラムシを食べるので益虫です。それにしてもテントウ虫はカワイイ。

2012年5月15日火曜日

初夏のワークショップ

デザイン学校では進路としてデザインの分野へ行こうか考えている人が参加できるワークショップを定期的に行っていますが、このワークショップはデザイン学校の在校生が、日常の授業の復習の意味でも多く参加するものなので、実際の授業の延長のような雰囲気でとても人気です。

先日、5月のワークショップを担当しました。
デザインのテーマは「ノベルティグッズ」。
企業やショップが宣伝のために、企業名やショップ名を入れたりして配布する記念品のことです。

今回は新しくオープンするカフェとドリンクボトルメーカーのコラボレーションを想定。
デザインするためのコンセプトや、ノベルティの意味、コラボレーションの利点などの講義をしたあとは、在校生と一緒にチームを組んで制作します。

教室にずらりと並んだMacを使い、リサーチ、素材集めかを行い、フォトショップとイラストレーターを複合的に使用してラベルに仕上げていきます。

短い時間でしたが、技術的な面は在校生がしっかりフォローし、季節感にふさわしい作品が出来上がりました。

2012年5月14日月曜日

授業の試作/鋳金5


鋳金の試作もいよいよ大詰め。
仕上げの磨きです。
鋳込みの湯道がまだ残っていますが、切り離すのはいつでもできるので、ヤスリがけの際つかみ易いようにまだ残しておきます。

まずは金属ヤスリでバリ等を落とします。
形の修正も金属ヤスリで。
粗く大きな作業なので磨きというよりは削る作業。

湯道をカットして整形したら、あとはひたすら紙ヤスリを細かくして行き、最後は金属磨き用のペーストで仕上げます。

落としたはずの大きな傷が後になって発見され、行きつ戻りつの作業ですが、金属がピカピカに光るのはとても気持ちいいですね。
なんとかフィニッシュできました。
ピューターは初めて使いましたが、色も良く加工しやすい金属でした。

ロストワックスキャスティングは、ワックス原型を作ったら鋳込みは外注するのが一般的ですが、このキットは型取り脱ロウ、ピューターの鋳込みまで自分で行なえるので、鋳造の全過程が理解しやすくとても優れた教材です。
実は鋳込みでの失敗もある程度の確率で起こるのですが、その難しさを知るのも学習のうち。
さて授業ではうまくいくのでしょうか。ドキドキです。

2012年5月13日日曜日

5月の危険

新鮮なセリが手に入りました。

伸び切っていない小振りな物です。

一箇所に群生してお互いに競り合って伸びることからセリという名前が付いたそうで、田んぼや川辺、湿地に自生しますが、野生品種には猛毒成分を含むドクゼリがあるらしく、素人が採種するのは危険だそうです。

特にドクゼリが一番繁殖するのが5月で、5月のセリは食べるなという言葉もあるようです。今まさに5月でした。コワいですね。

歯ごたえを残し、香りや栄養成分の損失が少ないように、ごくごく短時間だけ茹で水にさらし、シメジと合わせてお浸しにしました。


2012年5月12日土曜日

とてもフランス的


東京都写真美術館で開催中の「生誕100年記念写真展 ロベール・ドアノー」展に行ってきました。(5/13まで)

フランスのパリを中心にヒューマニズムを追求した写真の数々は、フランスを最もよく表現した写真家として語られるほど人々の日常が描かれていて、純粋なドキュメントから演出された作品まで、その全てが映画のシーンのような気の利いた構図で描かれています。

今回の展覧会でも宣伝ツールにもなった代表作でもある「パリ市庁舎前のキス(1950年)」が純粋なドキュメントではなく演出された写真であったという事を取り上げる意見もあったというコメントを掲載していますが、写真というメディアがカメラマンの意図した構図やタイミングで撮影される以上、そこには演出的な意図があるのは当たり前で、何ら作品の価値にも関わることではないと思うので、この議論を紹介すること自体がナンセンスだなと感じてしまいました。

今回の生誕100周年記念展では、200点あまりが展示されていて、そのプリントがどれも均質だったのが不思議でしたが、どうやら残された約40万点におよぶ膨大なネガからのニュープリントの様でした。ネガの原盤の品質の良さと管理の良さがなければできないことです。

会場の一番始めにはネガを印画紙に密着させて露光するコンタクトプリント(ベタ焼き)が展示されていましたが、そのコンタクトプリントに写っている一コマ一コマのクオリティの高さにも驚きでした。

そういえば、生誕100周年の4月14日はGoogleホリデーロゴがドアノー版でしたね。

2012年5月11日金曜日

伝説の雑誌


先日、東京国立近代美術館の「原弘と東京国立近代美術館ーデザインワークを通して見えてくるもの」を見てきました。(会期終了)

原弘(はらひろむ)氏は、タイポグラフィを中心に理論的に構築するデザインが特に有名で、ブックデザインの第一人者としても活躍した昭和を代表するデザイナーです。

今回の展覧会は、原氏が東京国立近代美術館の開館から関わった展覧会の告知ポスターを中心に、第二次世界大戦中に大日本帝国の対外宣伝として制作されたグラフ誌「FRONT(フロント)」などの出展もありました。

FRONTはソビエトのグラフ雑誌を参考に作られ、日本の国威・軍事力・思想等を誇示する狙いから世界15カ国語で翻訳され全10冊が出版。
フォトモンタージュ等を駆使した誌面作りは、グラフ誌としてのクオリティも高く、ロシアアバンギャルドの影響もうかがえる伝説の雑誌です。

80年代末に平凡社から僅かな部数がとても高額で復刻されましたが、その後は品切れのままなので現物を見る事はまずできません。
今回の展覧会でも中は少ししか見られなかったのが残念ではありますが、それでも伝説の雑誌をガラス越しに見ることができて満足。

東京国立近代美術館のポスターは現物のともに、印刷のための版下指定紙も数点ありましたが、これらは原氏が製版技術者への指示が描かれたものですから、デザイン制作のプロセスでのこだわりが感じられ現物のポスター以上に楽しく興味深く鑑賞しました。

展覧会の会期がもう少し遅ければ、デザイン学校の授業で見学に行けたのですが残念ですが、随分前に展覧会の告知はしたので、何人かは見てくれたのではないかと信じています。

2012年5月10日木曜日

フィルムとデジタルの


先日、フィルム撮影で必須だったゼラチンフィルターのことを書きました。

光源による色の影響(色カブリと言います)を極力抑えるために使用するフィルターで、通常は撮影時に使用するフィルターです。

撮影したフィルムを現像した状態が、実際の色合い(ポジ=陽画)を再現するリバーサルフィルムでは、スライドなどで使用する場合には撮影後の補正ができないので、撮影時の色補正が必須です。

一方、印刷物などに使用する時は製版時に再度補正ができるので、ポジやプリントをフィルター越しに見て補正の度合いを決め、印刷所へ指示することができました。

実はこの撮影後のフィルターの使い方はPhotoshopの機能にもあってとても便利です。

撮影後の写真データの色補正をレベル補正やトーンカーブ、カラーバランスで行うと、オリジナルの写真が持っている明暗の階調度合いであるヒストグラムのバランスを崩すことになってしまいます。

ところが、補正のための色を加える「レンズフィルタ」効果ならヒストグラムをいじらず、フィルム撮影時のフィルター補正と同じような効果なので、オリジナルの階調バランスが崩れません。

デジタル加工なのにレンズフィルタという名称にしているのも、フィルター補正を実感できる世代としては感覚的に好きです。

左はオリジナル状態。蛍光灯の影響で緑カブリしています。
右はレンズフィルタでマゼンダを20%かけて補正。緑カブリが無くなって全体にすっきりした印象になります。
写真は原美術館で開催された「ジャン=ミシェル オトニエル  マイウェイ(JEAN-MICHEL OTHONIEL. MY WAY)」展で撮影。
展覧会のレビューはこちら→

2012年5月9日水曜日

モーリス・センダック氏


20世紀最高の絵本と称される「かいじゅうたちのいるところ(Where the Wild Things Are)」の作者モーリス・センダック(Maurice Sendak)氏が先日8日に亡くなったそうです。

優れた絵本に贈られる米国で最も権威のあるコルデコット賞をはじめ、選考水準の高さで有名な国際アンデルセン賞など受賞の多いセンダック氏は、「かいじゅうたちのいるところ」のほか、「まよなかのだいどころ(富山房/1982年)」や、「まどのそとのそのまたむこう(福音館書店/1983年)」など、子どもが主人公の絵本を多く描いています。

日本では「かいじゅう〜」があまりに有名ですが、子どもの視点からの現実を捉え、大人の感覚や常識といった枠組みからの抵抗や自由を描いた多くの作品には、とても生意気な子ども達がたくさん登場し、みんなとても愛すべき存在で素敵です。

2010年公開(アメリカでは2009年)の映画「かいじゅうたちのいるところ」では、かいじゅうたちの違和感のない描写が素晴しく、アニメーションではなく実写で制作したところが、原作絵本からは想像できないほどのスピード感や臨場感となって、センダック氏の描いた子どもの視点を良く表現した作品となっていました。

絵本はすでに絶版の作品もありますが、これからでも目にする機会が増えるといいですね。ご冥福をお祈りいたします。



映画「かいじゅうたちのいるところ」の予告編
かいじゅうたちの描写がとても良いです。

2012年5月8日火曜日

古い道具とデザイン

写真撮影の道具を整理していたら、古いゼラチンフィルターが出てきました。
フィルムで撮影する場合に、光源の色による影響(色カブリ)を補正するためのもので、様々な色と濃淡のバリエーションがありますが、デジタル撮影ではホワイトバランスで調整してしまうのため、使うことがめっきり減ってしまったものです。


このゼラチンフィルターは、光源の色補正だけでなくフィルムの品質補正でも必要な時代があって、80年代から90年代にかけて製造ロットごとに色彩再現にムラのあったKodakのポジフィルムには、フィルムのパッケージ内にたまに補正フィルターの番号が書かれていて、そのフィルターを使わないと正確な色再現ができないということがありました。


その後フィルムをFujifilmに替えてしまったので、いつまでKodakのフィルムに補正が必要だったのかわかりませんが、学生時代は補正しなければならないフィルムを使っていることがなんだかプロっぽくて嬉しかったものです。


パッケージは圧倒的にKodakの勝ちですが、パッケージだけでフィルターの色がある程度分類できるFujiの方が機能的ではあります。
さすがに古いフィルターは品質の変化の心配があって使えませんが、捨てるのはもったいないくらいカッコいいデザインなので、まだまだ取っておこうかと悩んでいます。

左がより古いパッケージだと思います。黄色といえばKodakというくらいインパクトのある定番カラー。












こちらはFujiのフィルター。
分類をしたいのはわかりますが、デザインがどうもいけません。厳重な包装も魅力のひとつ。ひとつのパッケージに1枚のフィルターが入っています。遮光の劣化を防ぐためでしょうか、銀紙にしっかり包まれています。

2012年5月7日月曜日

授業の試作/鋳金4


石膏の鋳型に溶かしたピューターを鋳込んだあと。

いよいよ石膏を崩して取出す行程。
脱鑞や鋳込みが上手くいったかどうかが判明するので、緊張しながらの作業です。

鋳込んだあとは水没。冷却と同時に石膏をモロく崩しやすくして、ドライバーや刃物を使って石膏を崩して行きます。

金型から抜ければ作業は楽になり、金属の鈍い光が見えてくればあとは一気に。
青いワックスが銀色に輝く金属に置き換わりました。

鋳込みの時の石膏が熱すぎると金属の地肌が荒れるようですが、特に荒れもないようです。まだ磨きをしていないので、光が充分ではありませんが、とりあえずはまずまずの出来でしょうか。

最後は仕上げの磨きです。

2012年5月6日日曜日

35万6955キロ

昨日はスーパームーン
月と地球の距離が35万6955キロでした。
この月が地球の周りを公転する楕円形軌道の半径が、地球との距離をもっとも近くなるタイミングと、月が満月になるタイミングが一致する現象で、距離が近くなるため通常の満月よりも16%大きく、30%明るく見えるのだそうです(平均公転半径は38万4400キロ。)

厳密には日本時間の6日午後0時34分が満月で、最も近い軌道となるのは午後0時35分。
昨晩日本で見られたのは、まだちょっと早いスーパームーンでしたがほとんど雲のない夜空で十分に堪能できましたね。
今晩もちょっと遅いスーパームーンですがお天気が崩れてきそうで残念です。

来月も満月と近い軌道がほぼ一致するようです。
距離は今回ほど近くないようですが、大きさで0.5%ほど小さく、明度も約1%低いだけなので、見かけ上は十分見応えがありそう。
しかも満月は6月4日の午後20時12分ですから、まん丸の満月が見られそうです。
あとは天気だけですね。

せっかくのスーパームーンだったので、双眼鏡を使ったコリメート撮影をしました。


「コリメート撮影」については以前の記事にも紹介しています。

2012年5月5日土曜日

日暮修一氏


先月末にイラストレーターの日暮修一氏の訃報が新聞に掲載されました。

ビックコミックの表紙イラストを40年以上描き続けた日暮修一氏は大学の大先輩で、私が在学中に制作した芸術祭のパンフレットの紙上で卒業生のインタビュー記事を掲載した際、青山の自宅へお邪魔したことがありました。

その時に不要になった「トレーススコープ(トレスコ)」を頂く話になり、後日友人のY氏(現在NHKの美術で平清盛も担当)に手伝ってもらい、ご自宅の地下にあるアトリエから思いトレスコを担ぎ出したのですが、階段が螺旋階段でとても手こずったのを覚えています。(手摺を傷つけたのも思い出しました。)
そのトレスコはMacが普及する前の「写植版下指定紙」時代のデザインワークでは、ポジフィルムから「アタリ」を取るのになくてはならないものなので大活躍。
そういえば、この時Y氏は段ボール2箱分のLPをもらっていきました。

こちらが母校の学生というだというつながりだけでお忙しい中インタビューをお願いし(しかも無償)、その上、不要なものとはいえ高価な機材までタダでいただいてしまって、なんとも厚かましい学生時代の思い出です。

とってあった芸術祭のパンフレットを探し出し日暮氏の記事を読み返してみました。
できるだけ本人の語りの感じを残したくてインタビューのテープから起した文章は、けっして読みやすいものではありませんでしたが、絵が好きでたまらないからこの世界に入って、自分の好きなものには拘り続けていたという日暮氏の声が蘇ってきました。

ご冥福をお祈りいたします。



2012年5月4日金曜日

白い世界へ

南アルプスの前衛山の日向山に登りました。

サントリーのウイスキー工場で有名な白州からほど近い山で、車で標高1120mの登山道入り口まで行ってあとは徒歩で登り始めます。
途中はほとんど景色の変化はなく、樹林帯を縫って540mの標高を1時間30分ほどで登ります。

登山とはいっても、コースが整備されていて登りやすい初心者家族向きのコースという情報だったので舐めてかかったところ、結構な登りの登山道で疲れ果てました。
平地の歩きには自信があったのですが、勾配は別問題ですね。

根を上げたくなった頃に標高1659.6mの林に囲まれた山頂に着き、少し下ってから登ると樹木が一切ない白い幻想的な展望が広がりました。

この風景を見るためにみんな頑張って登ってきたんだなぁと納得しますが、あまりの眺望に馴れるまでは足がすくんでしまいます。


残雪かと思うような白い風景は全て花崗岩が風化した白砂。
思わずキラキラ光る黒雲母採集をしてしまいました。

2012年5月3日木曜日

花も鳥も

春山はまだ新緑が出始めで小さく薄緑なこともあり、夏山に比べてを多く見られる気がします。

南国の元気で色鮮やかな花々もいいのですが、やはり日本には淡い色彩の花々が似合う気がします。

山梨から長野あたりで春を満喫。
ヒノキ花粉だけが難題です。

白い花は桜に負けない大きな木で、これからまだまだ咲く感じでした。蕾の感じを見てもバラ科で間違いなさそうですが、何の花かわかりません。ユスラウメにも似ていますが、花柄が長く木が大きすぎ。西洋ナシにも似ていますがちょっと花弁が広がりすぎ。謎の花木です。

中央の桜はコヒガンザクラということで紹介されていましたが、コヒガンは通常は早い時期に咲く桜らしいです。まだまだ蕾ばかりの木が多く四分咲きくらい。シダレではないのですが蕾も花も下を向いているのが可愛いく、ピンク色の強い花で賑やかな感じで咲いています。

山にはまだソメイヨシノが満開のところもありました。
メジロが必死に蜜を吸っている姿がカワイイです。
この時期の広葉樹は葉が生い茂っていないので、野鳥観察にもいい時期ですね。
こんな出会いがあると、もう少し長いレンズが欲しくなってしまいます。

夕方近くに寄った原村の自然文化園内の湿生園植物園にはミズバショウとザゼンソウが咲いていて、池にはカエルの卵も。そろそろオタマジャクシが生まれそうでした。

暖かくなって生き物の活動が活発になり、楽しい季節がやってきましたね。
梅雨前にまだまだ春を楽しみます。

2012年5月2日水曜日

鳥の巣?


八ヶ岳の麓に広がる高原の原村というところの小さな湖からの景色が絶景という情報を得たので行ってみました。

すぐに一周できてしまうほどの小さな湖ですが、湖畔の白樺林と八ヶ岳が湖に映り込み、カレンダー写真のようでとてもお気軽な絶景でした。

せっかくなので白樺林も散策。
青い空を背景にした白樺はコントラストがとても絵になりますね。
一般的な樹木では晴天の空を背景に撮影すると、逆光で絞り込まないと青い空に映らず、絞り込むと幹は黒くつぶれてしまいますが、白樺は木肌が白いので、オートまかせでも露出がバッチリです。

よく見ると白樺の枝に鳥の巣のような球状のものがあちこちに。
ヤドリギです。

寄生した落葉樹の葉が落ちても青々とした葉をつけていることから生命力の象徴として縁起がいいとされ、欧米ではクリスマスのリースなどに定番のヤドリギ。

周囲の白樺のヤドリギもほとんど実はなくなっていましたが、1本だけブナに寄生したヤドリギには黄色い実がまだ残っていました。

双葉の間に実をつけた形態がとてもカワイイですよね。

2012年5月1日火曜日

桜の見納め?


八ヶ岳連峰赤石山脈(南アルプス)を望む山梨から長野のあたりへ行ってきました。

まだやわらかい新緑の中に、所々に淡いピンクを見せるヤマザクラを見ながら車で走っていると「神田の大イト桜(しんでんのおおいとざくら)」の看板があったので寄り道。

樹齢400年のエドヒガンザクラの変種で山梨県の天然記念物に指定され、JR中央線の小淵沢近くの車窓からも見られるそうです。
ピーク時は車内アナウンスが流れるほどの有名な桜だったようですが、だいぶ葉桜になっているため人も少なくゆっくり見られました。


すぐ手前には一面の菜の花ではなく、スイセン畑が広がっています。

スイセンと言えば、黄色くて多少大振りのラッパスイセンと、白く小さいニホンスイセンくらいしか知りませんでしたが、ラッパが薄いピンクのものや香りが強いもの、八重咲きのものなど様々なものがあり、ラッパスイセンというのも分類上の名前でとても多い種類があるようです。スイセンは園芸品種が多く1万種以上ともいわれているそうで、色やラッパの大きさ、房咲き、花弁が反り返るものなどの特徴あるものをかけ合わせて毎年品種が増え続けている花だとか。園芸の世界は本当に深いです。

それにしても桜には黄色がよく似合います。