2010年12月23日木曜日

分散の必要性

レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定されるナベヅル

中国とロシアの境界を流れるアムール川流域などの地域で繁殖し、日本や朝鮮、中国揚子江流域などで越冬しますが、鹿児島県の出水平野には約1万羽が飛来し越冬しています。

これは全世界の生息数の8割〜9割といわれており、ナベヅルをはじめ、ツルの飛来地としては国内最大規模のようです。

この出水平野のナベヅルから高病原性鳥インフルエンザが見つかりましたが、これが広まってしまうと大変なことになります。

そもそも全世界の生息数のほとんどが出水平野1か所に集中して飛来するのは異常だと思いませんか?

これは他に越冬できる環境がないからで、この環境で万一ウィルスが蔓延するようなことになれば、ナベヅルにとっては種の存続への危機が高まり、そのまま絶滅してしまう危惧さえあります。

この集中飛来地での感染症による危険性を回避する必要性は、以前から指摘されてきたことです。
参考:日本野鳥の会「ナベヅル・マナヅル分散プロジェクト
http://www.wbsj.org/nature/kisyou/crane/project/index.html

今回の鳥インフルエンザについて、現時点では日本野鳥の会も特に見解を発表していませんが、今後のニュースにも注意です。

参考:日本野鳥の会「野鳥と高病原性鳥インフルエンザ
http://www.wbsj.org/nature/infection/influenza/index.html

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