2010年9月20日月曜日

ピーコックチェアに座る

目黒通りは多くのインテリアショップが並ぶインテリア通りとして有名ですが、そのショップのオーナー達で結成されたMISC(目黒インテリアショップスコミュニティー)による「目黒インテリアコレクション2010」が9/14-9/20の日程で開催されました。

そのイベントの1つとして企画された「北欧モダンチェアー100展」は椅子を通して北欧のデザインや生活文化を感じることを目的に開催され、展示されている椅子のほとんどに実際に座ることができるユニークな展覧会です。

短い開催期間の中、なんとか寄る事ができそうだったので行って来ましたが、ちょうど企画の監修をされた島崎信氏(武蔵野美術大学名誉教授)の講演会の最中でした。

アルネ・ヤコブセンが「アントチェア」をフリッツハンセンに制作させた当時、成型合板による特徴的な形態をでつくるために、多くの試行錯誤を繰り返し、それでも表面にクラックができるため黒い塗料による仕上げがされたのだという苦労話など、興味深いお話がお聞きできました。

講演後はハンス・J・ウェグナーの「ピーコックチェア」などの名作椅子にも座りましたが、どうも背もたれの堅さが落ち着かないなど、個人差なのかも知れませんが名作椅子の中にも座りづらいものがあることも発見でした。
それでも椅子本来の魅力を味わえる、贅沢なひと時でした。

多くのものが溢れる中、新しいデザインを生み出すことは大変なことですが、単に形態というスタイルを追い求めるのではなく、生活のスタイルの変化の中で求められるデザインというものが、新旧に関わりなく本当の意味で良いデザインなのだと感じた展覧会でした。

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