2013年5月31日金曜日

ジメジメなので。

関東地方も梅雨入りが発表されました。湿度がぐっと上がっていよいよ夏がやって来るという感じですね。

ジメジメ気候で食欲が落ちはじめてくるこの時期ですが、これからやって来る本格的な夏を乗り切るためにも、今からしっかり食べて栄養補給し体力を付けないといけません。

肉に比べて魚は、ちょっと食欲が落ち気味な時でも脂質の負担が少ない分、抵抗なく食べられますし同じ分量では肉よりもタンパク質が豊富なので夏向きな食材です。

秋の青魚は脂がのって来るので焼くと香ばしさがとてもいいのですが、春から夏にかけてはまだ脂がのらず比較的さっぱりしているので、酢〆で旨味を凝縮するととても美味しいです。

<イワシの酢〆>
イワシは開いて塩をして15分ほどおく。その間に酢に砂糖を溶かして昆布を浸けておく。
塩をしたイワシは酢で洗い漬け酢に1時間以上浸ける。

酢〆の青魚は身の色がとてもキレイなので、イワシなど身の薄い魚は斜めに削ぎ切りにします。さらに緑の葉ものを散らして対照色相配色にするととても映えますね。

2013年5月30日木曜日

ベランダの悲劇

すくすくと育っていたはずのナミアゲハの幼虫
4匹すべてが緑色の終齢になり、あと数日で蛹になるヤツもいるのではと期待していた矢先に事件発生。
ミカンの枝葉には3匹しかいない上、下には血痕(シミ)が。
蛹になる際にはかなりの量の水分を体外に出すとは聞いていましたが、どこを探しても蛹n姿は見えず1匹足りません。

容疑者は野鳥
自然界では当たり前に起きていることなのでしょうが、ちょっとショックです。
とりあえず椅子などで目隠しをして鳥除けネットを買いに。
高校のテスト期間で授業がなかったのが幸いです。

ところが1時間と空けていないのに、さらに惨事が。
残り2匹。
ベランダに野鳥が来るという状況は好ましいのですが、エサ台ではないのでがっちりガードさせていただきました。





2013年5月29日水曜日

夢みたデザイン

国立新美術館で開催中の「カリフォルニア・デザイン 1930-1965 -モダン・リヴィングの起源-」を見てきました。(6/3まで)

ミッドセンチュリー・モダン・デザインとして紹介されることの多いこの時代のデザインは、モダンデザインの機能合理性に加えて、大戦後の人々の豊かな暮らしに憧れる未来的な理想を追い求めたものでもあり、その理念は底抜けに明るさを持った形態として表現されています。

この時代に経済大国として勢いのあったアメリカのカリフォルニアで生まれたデザインにスポットをあてたこの展覧会は、2011年10月にロサンゼルス・カウンティ美術館で開催された展覧会の日本展。

これまで日本で紹介されるミッドセンチュリー・モダン・デザインは、チャールズ&レイ・イームズに代表される家具がほとんどでしたが、建築、ファッション、陶磁器、テキスタイル等々と多岐にわたる展示を通して生活とデザインの密接な関係が実に良く表れている展覧会でした。

「モダンデザイン」という言葉はすでに古いモノを指す言葉となってしまいましたが、この展覧会を見るとモダンデザインは永遠の周期性があることを感じます。

2013年5月28日火曜日

「あ」は、はじまり。

21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「デザインあ 展」にやっと行くことができました。(6/2まで)

「子ども達に人気だから春休みは避けよう」とか「GWは混むからやめよう」とか言っているうちに結局は「会期終了間近で混雑」という何とも情けない計画になってしまいました。
当日は16時すぎでも長蛇の列。
一旦は諦めましたが、再度18時すぎに行ってみると、入場10分程度の待ちということで並び、何とか入場。会場内も混雑でしたが、19:00を過ぎたあたりから徐々に空き始め、19:30には会場内の行列もすっかりなくなりました。

さて肝心の展示ですが、「観察」から「分析」、「気付き」「表現」といったことを身近に感じさせる仕掛けはさすが。「難しく考え過ぎずちょっとオモシロイ」というのが万人に指示されている理由なのでしょう。

会場では「だるま」を囲んで多くの人が(iPadで)デッサンしている姿が面白かったです。一生懸命「だるまの後ろ姿」のグラデーションを描く人がけっこういて驚きです。

全体としてはちょっと物足りなさを感じましたが、それは事前の情報も多く期待し過ぎていたためでしょうか。展示物のひとつ佐藤卓氏の「クールミントガムの立体投影映像」も、2008年にクリエイションギャラリーG8で開催された「第10回亀倉雄策賞受賞記念 佐藤卓展」ですでに見ていたということもありますね。(その時は貸し切り状態で投影映像を手で遮ったりしながら自由に見ていたので。)

それでもこれだけの来場者がいる展覧会ですから大成功でしょうし、デザインを身近に感じる人が多くなることは良いことです。

今回の展覧会は学生さんを含め周囲で見たという人がとても多いので、ぜひ感想を聞いてみたいと思いました。

2013年5月27日月曜日

ベランダの珍客/その3

ベランダで飼育をはじめたアゲハチョウの幼虫
近所から調達したミカンの葉を食べすくすくと育っています。

アゲハ類の幼虫は卵から生まれた直後はいわゆる毛虫のような短い毛(刺)がありますが、何度か脱皮をして大きくなるにつれて、白黒のマダラ模様になります。これは鳥のフンに擬態しているのだとか。4回から5回の脱皮をして蛹になる前の状態が終齢といって、緑色の馴染みの色形に。このまま大きくなって最後の脱皮をすると蛹になります。

前の日まで鳥のフンだった幼虫の1匹が朝見ると緑色に。
その後もう1匹も緑になりました。
この模様はいわゆるアゲハチョウ(ナミアゲハ)で間違いなさそうですね。
顔の正面から見るとカチューシャのようでカワイイです。
あと何日で蛹になるのでしょうか。蛹になれば食草採集も終わり。あと少し頑張って育てます。
>>ベランダの珍客/その1
>>ベランダの珍客/その2

2013年5月26日日曜日

アナログなCG

クリエイションギャラリーG8ガーディアン・ガーデンの2会場で開催中の「奥村靫正展『第2回奥村祭り』」に行ってきました。(5/31まで)

G8の企画展の中でも今回の展覧会は「タイムトンネルシリーズ」なので、クリエイターのデビュー当時の作品から、その発想や表現方法の原点を探るもの。

70年代から80年代のレコードジャケットを多く手掛けた奥村氏の作品は懐かしいものばかり。
当時コンピュータが導入されはじめた音楽業界との仕事をする中で、デザイン業界への導入を心待ちにしていたことや、コンピュータがデザインにおいてデータベースとしての役割に期待できるなどのご本人のコメントもあり、アナログ表現でCG的な表現をいち早く行なっていたことへの凄さも感じました。

2013年5月25日土曜日

印刷インキの芸術

銀座グラフィックギャラリーで開催中の「KM カレル・マルテンス」展に行ってきました。またもや会期終了ぎりぎりの紹介ですみません。(5/30まで)

カレル・マルテンス氏はアムステルダムで活躍するグラフィックデザイナーで日本では今回が初個展。

印刷物で一般的に用いられるインキは透明度が高く、このインキを重ねる事で様々な色が再現(減法混色)できますが、この効果に魅せられたというマルテンス氏の作品は色見本のように美しいものばかり。

透明感のあるインキによって何層にも重なったことが意識できる作品からは、情報を整理し記録するグラフィックが、情報の積層媒体であるということを気付かせてくれる作品展でした。

デザイン学校のグラフィックデザイン専攻の2年生の授業で行きましたが、1年生にもぜひ見て欲しい展覧会でした。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)は、日曜・祝日休館で平日は7:00pmまで(土曜は6:00pmまで)
ですから、授業後でも間に合います。(入場無料)

2013年5月24日金曜日

ベランダの珍客/その2

先日ベランダの鉢植えに突然やってきたアゲハチョウ(ナミアゲハ)の幼虫。
小振りの鉢に4匹もいて飽和状態。
このままではミカン(晩白柚)の鉢植えもアゲハの幼虫も共倒れになるのではと心配し、近所に食草となるミカン類の木を探しに出かけました。

ミカンが実っている時期であれば遠目にもわかりますが、さすがに初夏では葉の特徴だけで探すしかありません。
ミカン類の葉は比較的しっかりした厚みがある大きな葉で、根元に小さな葉がある2段構造。そして茎には刺があるので近づいて見れば判別できます。

気合いを入れて出かけたところ、比較的近所の人様の庭木ではない街路樹の植え込みに採集しやすい株を発見。さっそく持ち帰りました。

花瓶では、幼虫が水に落ちて水死する危険があるので、ポリ栓付きの試験管を買い求めて栓に小さい穴をあけて水ボトルを作成。よく花屋さんでデンファレなどの切り花についている小さなゴム栓の吸水管を自作したわけです。
小さな枝なので、ボトル1本の吸水で4〜5日は保ちますね。
これでひと安心です。
>>ベランダの珍客その1はコチラ

2013年5月23日木曜日

面倒だから面白いモノ。

21_21DESIGNSIGHTで開催中の「デザインあ 展」が好調とのこと。
TV番組の方も世界の優れたテレビ番組を表彰する国際的な賞「ジョージ・フォスター・ピーボディー賞」を受賞したとかで、エミー賞と並ぶ国際的な賞と各方面で話題になっています。

デザイン学校の学生さんにも好評な展覧会。
中にはすでに3回も通った強者もいます。

会期も長いし少し落ち着いてから見に行こうと思いながら、いよいよ残り10日ほどになってしまいました。コレはマズイ。

デザインには何度もやり直すとか、見方を変えるとか、ちょっと面倒くさい事がとても多くて、最近の学生さんを見ていると「面倒くさいからやりたくない」という場面にも出会うのですが、この番組はそうした事を現代の感覚でちょっとひねった角度から面白おかしく紹介していて、そこが多くの人に指示されているのですね。デザイン教育の現場としては「とても参考にしなければイケナイ問題」を含んでいます。

2013年5月22日水曜日

昭和とひまわり。


損保ジャパン東郷青児美術館は、もと安田火災海上東郷青児美術館

安田火災海上と縁の深かった画家の東郷青児氏の自作約200点と収集作品約250点を寄贈され美術館設立となったわけですが、東郷青児氏と言えば、昭和の洋画家としてだけでなくその作品が印刷メディアに多く転用され多くの洋菓子店の包装紙やマッチラベルでも使われましたが、今ではそうした洋菓子店も随分姿を消してしまいました。
今からでも出会う事があれば集めようかと思ってしまいました。
そういえば20数年以上前は東郷青児氏の作品で埋まる空間だったのを思い出しました。今でも企画展がなければそういう空間になるのでしょうかね。

さて、安田火災海上と言えば1987年にゴッホのひまわりを50億円以上で購入したことでも有名。

「ルドン展」でも常設コーナーでガラスケース越しにもれなく見ることができます。

この「ひまわり」。一部には贋作だという噂も有名で、後の研究で真作と言われながらも贋作疑惑は消えないのでなんとも気の毒です。

初めて見ましたがまず大きさにびっくり。
そして真贋は。

決め手がないのでわかりませんでしたが(当たり前ですね)、とても力のある絵だと思います。

2013年5月21日火曜日

黒と青


損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の「オディロン・ルドン―夢の起源―」を見てきました。

人間の内面や夢の世界といった幻想的な作品に代表される画家でちょうど授業で象徴主義に触れたばかり。
今回の展覧会では代表的な「黒の時代」の石版画集からの作品や木炭画を中心に、後期の鮮やかな色彩の油彩、パステル画が展示されていました。

ルドンの代表作のひとつに目玉が気球になっている木炭画「眼=気球(Eye-Balloon)1878年」がありますが、この作品が好きで、学生時代にこの絵をTシャツにシルクスクリーンで刷った記憶があります。
この「眼=気球」はニューヨーク近代美術館が所蔵していますが、ほぼ同じ図柄のリトグラフ作品「Ⅰ.眼は奇妙な気球のように無限に向かう(エドガー・ポーに)1882年」が今回の展覧会では展示。この作品を岐阜県美術館が所蔵しているとは知りませんでした。
岐阜県美術館は日本国内では最大数のルドン作品を所蔵しているそうですから機会があれば訪れてみたいですね。


色彩のある作品では「アポロンの戦車(馬車/Apollo's Chariot)」のシリーズが数点並んでいるのも見比べられて面白い趣向でした。
この作品に見られるように、ルドンの色彩作品の「青」は彩度が高いながら「黒」のような奥行き感を感じます。これは同じ画面内に使われているオレンジの彩度とも関係しているのかもしれませんね。

2013年5月20日月曜日

TOKYO1964のデザイン:03

東京オリンピック1964の素晴しいデザイン紹介その3です。

「記念メダル」

東京オリンピックの準備運営費は国と東京都の予算に加え、一般寄付にも頼っていたため記念アイテムが数多く作られました。
そのひとつが記念メダル。
金、銀、銅の3種類が作られました。
銀含有率92.5%で800円で販売され、そのうち寄付金は50円。金銀銅ともに販売予想を遥かに超え増産されたそうです。
縦長にデザインされたシンボルマークを円形の中に上手くリデザインしています。
このシンボルマークの表面。本来は赤い円を凸にするためベースを掘り下げてあるのですが、メダルの外周部分は縁取りをしないで曲面で掘り下げているため、全体が凹面鏡のようでとてもシャープなデザインになっています。
裏面は第2号ポスターのスタートダッシュがモチーフとなっています。
デザインはシンボルマークをデザインしたグラフィックデザイナーの亀倉雄策氏。


2013年5月19日日曜日

TOKYO1964のデザイン:02

東京オリンピック1964の素晴しいデザイン紹介その2です。

競技プログラム
各競技ごとに色分けされたプログラムはA5判中綴じ。シンボルマークの金と競技を表す色、黒の3色のみ。ピクトグラムの上部とシンボルマークの境目がちょうど天地の黄金比となっていて、英語表記の「THE GAMES OF THE XVIII OLYMPIAD TOKYO」のラインと揃っているところなど泣かせます。
和文書体は写研の特太ゴに平体をかけたもの。欧文書体はヘルベチカが標準書体とされています。
プログラムデザインと和文標準書体選定はグラフィックデザイナーの勝井三雄氏。欧文はグラフィックデザイナーの粟津潔氏。
文字情報がまったくない表4がまたカッコいいです。

2013年5月18日土曜日

TOKYO1964のデザイン:01

東京国立近代美術館で開催中の「東京オリンピック1964 デザインプロジェクト」
の会期終了がいよいよ近づいてきました。(5/26まで)
グラフィックデザインを学習している学生さんはまだ間に合いますからぜひ見に行ってください。

すでにレビューをアップしましたが、展示だけではわからない細かいことなど、手元の資料を使って少し紹介。

「入場券」
国際イベントであるため日本語と英語で表記されていますが、なんといってもシンボルと対応させた2つの円内に整理されたピクトグラムをはじめとするダイアグラムが素晴しいです。しかもデザインがカッコ良すぎ。
和紙材料を洋紙風に漉き、表面はグラビア印刷、裏面はオフセット印刷。また偽造防止のためにシンボルマークが白透かしで入っています。
デザインはグラフィックデザイナーの原弘氏。
偽造防止のためのシンボルマークの白透かし
バックライトで撮影

2013年5月17日金曜日

万物の収集!

東京駅丸の内にオープンした複合商業施設「KITTE」
旧東京中央郵便局の局舎を一部保存再生して新築部分を加えたビルです。

このビル内に開館した「インターメディアテク」は、東京大学総合研究博物館日本郵便との産学協働プロジェクトのミュージアム。

明治10年の創学した東京大学は百三十年以上にわたって学術標本や研究資料などの「学術文化財」を所蔵していて、そのコレクションはこれまで本郷の本館と小石川の分館で展示されてきましたが、普段の活動範囲から遠いためなかなか頻繁には訪れられず、今回の丸の内に「インターメディアテク」が加わったことで気軽に見られます。

開館当初は混雑で入場規制をしていたようですが、さすがに2月ほど経ったので落ち着いてきた様子。
ゆったり館内を鑑賞できました。

館内の陳列方法は各所に収集物が入り交じったような状態で、19世紀以来の万物の収集からはじまった博物館のよう。どこから見ていいいかわからなくなるほど魅力的なモノたちばかりです。

フロアを上がると代表的なコレクションのひとつである「山階コレクション」を中心とした鳥類の剥製が、ガラス張りの収蔵庫の壁面にしつらえた棚に並んでいました。
収蔵庫には入れませんが、棚に囲まれた奥には大きな机に広げられた鳥類の剥製と学芸員の姿が見えました。一応並んでいる剥製も見せるためではないため(ガラス張りなのである程度見せることは意識しているのでしょうが)、いろんな方向を向いていてその無造作な感じがまた良いです。
この空間に住みたい。

現在は安全性を考え撮影禁止と言っていますので、いずれ撮影可となるのだろうと思います。
頻繁に通ってしまいそうですね。危険な施設ができてしまいました。

2013年5月16日木曜日

遊泳型1700種

最近よく見かけるバナメイエビ
ベトナムで養殖されたものが多いようです。
クルマエビと同じ種類で、はじめはブラックタイガーの代用品として養殖されたようですが、砂地に生息するブラックタイガーに比べ、水中を泳ぎ回るバナメイエビは同じ容積の養殖池に対して養殖数が多いため価格が安く、輸入量も増えているのだそうです。

エビ類は世界に約3,000種。クルマエビなどの遊泳型だけでも約1,700種というのですからまだまだ知らないエビがたくさんあるはず。
エビ好きとしてはもっといろいろなエビを食してみたいですね。

<エビの豆乳カレー炒め>
オリーブオイルでニンニクを加熱し、下処理をしたエビ、茹でた長いも、エリンギを炒める。豆乳、コンソメ、カレー粉を加え、塩コショウで味を整える。


2013年5月15日水曜日

アングラとともに。

渋谷のポスターハリスギャラリーで開催中の「寺山修司と天井桟敷 全ポスター展-演劇実験室 天井桟敷の宣伝美術の全貌-」を見てきました。(5/19まで)

天井桟敷のポスターは日本のグラフィックデザインの歴史を語る上で外せないアングラ演劇界アヴァンギャルドデザインの代表的なポスターで、旗揚げメンバーとして劇団に所属していた横尾忠則氏の他、粟津潔氏や宇野亜喜良氏などポスター全盛時代を代表するデザイナー、イラストレーターが大勢関わっています。

1960年代から80年代にかけての小劇場演劇のアングラ劇団の公演ポスターの魅力は色使いと図柄、そしてテキスト。情報告知という役目を持つポスターの枠を超えた強さは、他には類のないデザイン表現です。

比較的目にする事が多いアングラ演劇ポスターですが、画家の建石修志氏も天井桟敷のポスター制作に関わっていたのははじめて知りました。建石氏の鉛筆画は学生時代に一時期傾倒したので懐かしいです。




2013年5月14日火曜日

ベランダの珍客

ベランダのミカンの鉢植えに何やら黒っぽいものが。
よく見るとアゲハチョウの幼虫です。
これまでまったく気付かなかったのですが全部で4匹確認。


ミカンにつくということは、ナミアゲハクロアゲハでしょうが、小さいのでまだ見分けがつきません。もう少し大きくなれば見分けがつきそうですが、問題は食草。
4匹が蛹になるまでどころか、見分けがつくくらい大きくなるまで葉っぱの数が足りそうもありません。
近々ミカンの木を探しに行かねばならないですね。

このミカン。たしか数年前に頂き物の晩白柚(バンペイユ)の種が立派だったので植えたものから発芽し育ったもので30cm程度の小さい鉢植えなのです。
こんなところにタマゴを産み落として行くとは親蝶は何を考えているんだか。


蜂や鳥に襲われずに育つといいのですが。

2013年5月13日月曜日

TOKYO1964!!

竹橋にある国立近大美術館ギャラリー4で開催中の「東京オリンピック1964 デザインプロジェクト」を見てきました。(5/26まで)

オリンピックのデザインは国際イベントとしても特に規模が大きいものですが、1964年はまだ日本のデザインが総合的なシステムとして考えられる前。国際的なデザインでみてもオリンピックのグラフィックデザインに始めてピクトグラムが作られたのがこの東京オリンピックだったというほど。
約50年前というのはそういう時代。

基本的なデザインコンセプトの構築も画期的でしたが、デザインに充てる予算を作るための募金システムなど様々なデザインが実に良く考えられています。

東京オリンピック1964のデザインとしては、シンボルとポスターをデザインした亀倉雄策氏が有名ですが、第一線のグラフィックデザイナーのそうそうたるメンバーが関わっています。
展覧会で展示されていたアイテムで所有しているものを並べて見ました。
これでポスターがあればかなり充実なのですが。
細かい説明はまたいずれ。




2013年5月12日日曜日

包装紙の名作

先日のブログ「京王百貨店のハトの包装紙」で触れた「三越」の包装紙「華ひらく」

画家の猪熊弦一郎氏のデザインでモチーフは石。
大きさも散らし方もバランスが絶妙です。
「mitsukoshi」の欧文ロゴは当時宣伝部にいた漫画家のやなせたかし氏。図柄とのマッチングが利いています。
1950年から使われていますが古くささを感じないデザインです。

「華ひらく」の包装紙には青色バージョンがあって、弔事用に使われます。
目的別に色違いのバージョンを作るというのは珍しい事ではありませんが、どこか違和感を感じてしまうことが多い中、もともとは青を想定していなかったはずの包装紙で赤、青ともに違和感がないのはさすがです。
青バージョンが手元にないのが残念。

2013年5月11日土曜日

待望の第2作。


3月末から公開されている映画「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物」(原題:HERB & DOROTHY 50X50)を観てきました。

前作「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」は、ごく普通のアメリカ市民の夫婦が集めて来た若手の現代美術家の作品が2000点を超える現代アートコレクションとなり、最後には国立美術館に作品のすべてを寄贈するというストーリーのドキュメンタリーで、
アメリカ在住の佐々木芽生監督の作品で、アメリカの6つの映画祭で賞を取ったものの日本公開では配給が付かず、各方面からの支援で公開されたという映画。

第1作では国立美術館へ全作品の寄贈が決まったところまででしたが、あまりに多い作品数に寄贈された国立美術館が作品を全米の美術館へ分散させることを提案。全米50州に50作品ずつが寄贈されることになったというのが第2作。
映画の完成間近に主人公のひとりハーブ・ヴォーゲル(Herbert Vogel)氏が急逝され、映画の内容の変更や追加撮影等により製作期間が3ヶ月程度延長。
待ちに待った公開でしたが、年度変わりの時期でなかなか見に行けませんでした。

前作は作家との交流シーンも多く、全編通して主人公のアートへの情熱が感じられ、楽しく幸福なものでしたが、続編は美術館の事情などで作品が分散されることなどちょっとツライ描写もありました。それでも様々な立場でアートに関わる人々の描写が良く、見応えのあるドキュメンタリー映画に仕上がっていました。
邦題はなんかしっくり来ないですね。原題のままで良かったと思うのですが。この映画に限った事ではないですけど。
(新宿ピカデリーでは上映終了。東京都写真美術館ホールでは5/31まで、アップリンクでは5/24まで上映予定。)

>>前作「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」のレビュー
>>ハーブ氏急逝の時のブログ記事


2013年5月10日金曜日

2014年公開!


大阪の万博記念公園にある太陽の塔の内部が2014年から常時公開されるそうです。
2011年の岡本太郎生誕100年記念のイベント以降大きな話題のなかったEXPO'70(大阪万国博覧会)ですが、ここへきてとても嬉しいニュース。

これまで期間限定で何度か公開されましたが、なかなか見に行くことができませんでしたのでこれはとても楽しみです。

各紙がニュースで取り上げていますが、YOMIURI ONLINEでは、現在の内部の動画が貼ってありました。腕の中というのは始めて見ましたね。

剥がれ落ちた模型も一部復元されるそうなので、今から期待大です。

>>太陽の塔関連の過去のブログ
>>EXPO'70関連の過去のブログ

2013年5月9日木曜日

包装紙の悩み

昨日のGoogleで話題のソール・バス氏がデザインした京王百貨店の包装紙。
京王百貨店の開館当時(1964年)から使われている「ハトの包装紙」は、当時、百貨店の包装紙は圧倒的に暖色系のものが多かった中で、珍しい寒色系です。

百貨店の顔でもある包装紙のデザインが現在までほとんど変わらないのは、京王百貨店の「ハトの包装紙」と三越の「華ひらく(1950年)」くらいでしょうか。
高島屋も基本の「バラの包み」は変えていませんが、バラ1輪から、リボン入り、リースの輪状など様々に変化していますね。

百貨店の包装紙はデザインがとても魅力的なのでできれば収集したいアイテムですが、基本的には他店で買った物を包まれては困るという理由から包装紙だけをもらうことは難しく、なかなか集められるものではありません。
せっせと買い物をして包んでもらうしかないですね。

>>以前の包装紙ネタのブログ

2013年5月8日水曜日

話題のGoogle。


今日のGoogleロゴはちょっとデザイン界で話題になりました。
アメリカのグラフィックデザイナーであるソール・バス(Saul Bass)氏の生誕93年記念のアニメーションロゴです。

日本でも味の素、コーセー、ミノルタ、JOMOのロゴや、京王百貨店の包装紙をデザインしたことで知られていますが、何と言っても映画のタイトルバックにデザインを施したデザイナーとしてあまりにも有名。

有名な映画タイトルデザインを模したアニメーションのGoogleタイトルですが、モチーフとして使われているものでオリジナル映画のタイトルがわかったのは8タイトル。他にもあるようですがちょっとわからなくて残念。
こうして見てみてもやはりスゴイタイトルです。


サイコ(Psycho/1960年)
めまい(Vertigo/1958年)
黄金の腕(The Man with the Golden Arm/1955年)
ウエスト・サイド物語(West Side Story/1961年)
北北西に進路を取れ(North by Northwest/1959年)
或る殺人(Anatomy of a Murder/1959年)
八十日間世界一周(Around the World in 80 Days/1956年)
オーシャンと十一人の仲間(Ocean's Eleven/1960年)

2013年5月7日火曜日

整えてからの写真表現


東京都写真美術館で開催中の「マリオ・ジャコメッリ 写真展」に行ってきました。(5/12まで)

ハイコントラストなモノクローム作品が特徴で、世界的に高く評価されるアマチュア写真家です。

フィルムから印画紙に焼き付ける段階での加工表現が独特で、マスクによる覆い焼きなどによって意図的に作られた白と、焼き込みによるしっかりした黒の構成は写真というよりも絵画的です。

写真表現が現代のようにデジタルではなかった時代の写真教育は撮影と現像の2つの側面から表現技術を学んでいたものですが、今ではどうなのでしょうか。
撮影後のPCでの加工が現像に取って代わったのかもしれませんが、学生さんを見ているとPCでの写真作業は「合成」という派手な加工が人気なようで、元データとはまったく異なるものになっていることが多くあり、しかも合成加工することが前提で、撮影された生データの主題がぼけた作品に出くわすこともあります。

デジタル写真にとっての加工でも、まずは階調補正や覆い焼き、焼き込みなどの写真のしつらいから見直した方が、より作品の幅が広がるような印象を受けた展覧会でした。

2013年5月6日月曜日

写真と印刷。

東京都写真美術館で開催中の「アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密」展に行ってきました。またまた会期終了ぎりぎりの滑り込みです。(5/6で終了)

アーウィン・ブルーメンフェルド(Erwin Blumenfeld )氏は、ヴォーグやハーパース・バザーといったファッション誌で活躍したアメリカの写真家です。

今回展示されているカラー写真はほとんどが1939年代から1940年代に撮影された写真のニュープリントですが、色彩劣化がないということだけでなく、テーマ性やライティング、構成等々、写真のクオリティにまったく古さを感じさせないもので、ある意味で現代のファッション写真はこの頃には完成されていたではないかと感じさせるものでした。

そして、同時に当時のファッション誌の表紙が何点も展示されていましたが、逆にこちらは古さ満載。印刷技術だけでなくフォントやレイアウトデザインの違いが大きいように感じます。

写真と印刷はデザインの分野では関係性がとても深いものですが、これほどの違いが出る事に、デザインの社会性と写真の芸術性の違いをあらためて感じさせられます。

カラープリントに対して、モノクロームの作品は1930年代のヴィンテージプリントがほとんどで、ダダイズムの影響も受けた作品もあり、展覧会として幅の広い充実の内容でした。

2013年5月5日日曜日

冬をひっぱる

天気が良いと思って薄着で出かけると夕方から急に寒くなったりして、やっと暖かくなるのかと思っていましたが、まだまだ気候が安定しません。

5月で衣替えもしたいのですが、まだまだ安心できないですね。急な寒さで凍えてしまった時は冬っぽいメニューが恋しくなるので、キッチンでもまだまだ蒸篭が必要です。

冬の代表的な魚のタラ
魚へんに雪と書くように鱈の旬は冬で最漁期は10月〜3月ですが、5月頃までは漁獲量が安定しているようで、まだ魚屋さんにはたくさん並びます。
グルタミン酸イノシン酸が豊富なタラは、淡泊な中に旨味が豊富ですからシンプルな調理に向いています。1尾買いをしたので半量は塩麹で漬け込み冷蔵庫へ、残りを蒸篭蒸しにしました。
<タラの蒸篭蒸し>
皮を剥いて塩をしておいたタラはよく洗い水気を拭き取っておく。蒸篭に戻した昆布を敷き、タラ、野菜を並べ酒を振って蒸し上げる。

2013年5月4日土曜日

オーガニック

GW前半に軽井沢へ行った目的のひとつがオーガニックデザインの建築家として有名な巨匠フランク・ロイド・ライトの弟子のケンドリック・ケロッグ(Kendrick Kellogg)氏の設計による「石の教会 内村鑑三記念堂」の見学。

建築の基礎的な造形要素であるアーチが連続しているというシンプルな構造ですが、このアーチがドミノのようにもたれかかっているような形態。
一般的な教会建築はアーチが平行移動してできたカマボコ状の形態であるボールトとドームを組み合わせた構造ですが、独立したアーチが倒れ込むように連続する形態はとても新鮮で建築物という感覚とは異なる印象を受け、教会を取り囲む庭の石や粗い仕上げのコンクリートのテクスチャーが周囲の環境にとても溶け込んでいます。
それぞれのコンクリート製アーチの間にはガラスがはめられ室内空間に複雑な光を取込み、壁面の石組みからは水が流れ、自然にできた岩の洞窟の中にいるような感覚でした。
メインの礼拝堂は撮影禁止なのが残念でした。

軽井沢の教会の中でも結婚式場として特に人気が高く、訪れた時も次から次へと挙式が行なわれていたので、見学は挙式の入替の間の30分程度。GW期間中で見学者も多かったので、ぜひまた季節を変えて平日に訪れたい建物でした。

2013年5月3日金曜日

はかない花

山梨県の茅ヶ岳の麓にある明野村は日照時間が日本一の太陽の多照地帯で、夏には一面のヒマワリが咲き乱れることでも有名ですが、先日訪れた時にはちょうどリンゴ農園でリンゴの花が咲いていました。

リンゴの花は白くて先がほんのりとピンク色ですが、品種によって花弁やつぼみの色が微妙に異なるようです。
リンゴの花は開花して2〜3日で散ってしまうそうですから、花が咲いている状態に遭遇するのはとてもラッキーでした。
あと何日かしたら花が散って結実すると大きいものだけを残して摘果され、立派なリンゴが育つというわけですね。


2013年5月2日木曜日

春を食べる。

山梨方面の高原で地元野菜の即売所に寄ると「シュンラン」がパックに入れられて並んでいました。

日本各地で見られる野生種のランで春に咲くから春蘭(シュンラン)。園芸種でも有名なシンビジウムの一種です。
東洋ランとして有名な品種ですから花屋さんでこの時期よく見ます。まさか食べられるとは知りませんでした。
立派にランの花です。

春はいろいろな山菜が登場してとても楽しいですね。
茹でて酢のものやお浸し、天ぷら、塩漬けにして花茶などにするそうです。
シメジと一緒にお浸しに。花弁のポリポリとした食感と苦味、山菜特有の春っぽい香りがとても美味しかったです。
緑色とピンク色のコントラストがとてもきれいです。
<シュンランとシメジのお浸し>
シュンランは洗って茎の切り口をきれいにカットしなおす。裂いたシメジと一緒に軽く茹でてボウルにあげ、熱いうちに出汁、醤油で調味して冷ます。

2013年5月1日水曜日

高原で鳥見散歩

GWの前半は山梨から軽井沢方面へ。
行く先々で野鳥探索のできそうな所にも立ち寄りました。
広葉樹が生い茂る前の高原のこの時期は。鳥のさえずりから鳥を見つけやすいのですが、まだまだ寒いので双眼鏡片手にじっと探していると身体が冷えてくるのが困りものです。

今回訪れた場所のひとつはサントリーの白州工場。ウィスキー工場の見学目的ではなく、工場敷地内にあるバードサンクチュアリ

2005年から「水と生きるSUNTORY」をグループのコーポレートメッセージに掲げているサントリーならではの企業環境活動で、きれいな水を育む森を守る活動のひとつが愛鳥活動でもあるのです。探鳥会も行なっているようですから日程を合わせて行くのも楽しそうです。
シジュウカラはよく地面近くで跳ね回っています。(白州)

はじめて見たゴジュウカラ。ちょっと撮影には遠かったですが、双眼鏡ではばっちり観察できました。(軽井沢)
いきなり黄色い色が目に飛び込んで来るキビタキ。しばらくストーカーしました。(白州)