東京都写真美術館で開催中の
「マリオ・ジャコメッリ 写真展」に行ってきました。(5/12まで)
ハイコントラストなモノクローム作品が特徴で、世界的に高く評価されるアマチュア写真家です。
フィルムから印画紙に焼き付ける段階での加工表現が独特で、マスクによる覆い焼きなどによって意図的に作られた白と、焼き込みによるしっかりした黒の構成は写真というよりも絵画的です。
写真表現が現代のようにデジタルではなかった時代の写真教育は撮影と現像の2つの側面から表現技術を学んでいたものですが、今ではどうなのでしょうか。
撮影後のPCでの加工が現像に取って代わったのかもしれませんが、学生さんを見ているとPCでの写真作業は「合成」という派手な加工が人気なようで、元データとはまったく異なるものになっていることが多くあり、しかも合成加工することが前提で、撮影された生データの主題がぼけた作品に出くわすこともあります。
デジタル写真にとっての加工でも、まずは階調補正や覆い焼き、焼き込みなどの写真のしつらいから見直した方が、より作品の幅が広がるような印象を受けた展覧会でした。
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