2013年6月4日火曜日

温室の魅力

先日の6/2に長年親しまれて来た井の頭自然文化園「熱帯鳥温室」が閉館しました。

実は直前にFBで知ったので慌てて訪れた次第です。

この建物は1962年に温室内で鳥を飼育する日本初の施設として開園。設計は建築家の高橋武士氏が率いる建築モード研究所

代表作に有明コロシアム渋谷区総合庁舎渋谷公会堂(C.C.Lemonホール)日比谷図書館深川江戸資料館などがあります。髙橋氏は建築家アントニン・レーモンド氏率いるレーモンド設計事務所に所属していたことのある建築家。どの建物からも感じられる造形は師匠譲りなのでしょうか。なかなか味わいのある建物ばかりですね。

熱帯鳥温室の外観は研究施設のような佇まいで、飾りすぎないデザインが潔く、出入口のコンクリート製の屋根と柱の造形やレリーフ看板、玄関内のレリーフもすっきりとして素晴しいです。

室内は外からの印象以上に採光が良く、熱帯植物が植えられた展示場の片側に通路があります。この通路は地面を観察しやすい1階と、上部が観察しやすい2階に分かれ、小規模ながらジャングルの雰囲気がとても楽しめる作り。柱や梁などのデザインも気が利いています。
室内でありながら充分に明るく、鉄骨の構造がむき出しとなっている温室という建造物は放っておけない魅力を持った物件です。

老朽化がすすみ建築基準法により存続できなくなったのだそうですが、本当に残念です。すでに閉館となりましたが、中央線の高架からは、蔦の絡まる姿をまだ見ることができます。

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