2014年8月31日日曜日

夏のモデル。

ツクツクボウシが鳴き始め、一気に夏も終わりそう。
夏の虫達が道ばたでひっくり返っていることが多くなりました。

ひっくり返って動けなくなっていたシラホシハナムグリに遭遇。
指を近づけると捕まってきたのでそのまま救出。

弱って動かなかったので、ルーペを装着したマルチモノキュラーを使ってiPhoneでコリメート撮影。
肉眼で見えなかったディテールが現れることで、小さな昆虫がとても大きいものに感じられるので楽しいですね。

撮影に付き合ってもらったあとは黒糖蜜を与えました。
顔をうずめてなかなか動きませんでしたが、夜中にゴソゴソ動きだし脱出を試みるまで復活。
もう少し長生きできるかもしれません。


昆虫のすべての部位にピントがあっている写真で話題となった工学博士の小檜山賢二氏によるマイクロ・プレゼンスシリーズの第4集「兜虫」が7月に発売されました。
一般的なマクロ撮影ではありえないピントが不思議な存在感を作り出していて魅力的です。

2014年8月30日土曜日

ウッドの続き。

Wilson製でウッドの名品と言われた「ジャック・クレーマー プロスタッフ(Jack Kramer PRO STAFF)」

あのジョン・マッケンロー氏がデビュー当時に使っていたラケットがこのモデル。
2年前くらいに、現役時代にウィンブルドンでの試合中に地面に叩き付けて折ったラケットに15,000ポンドの値がついたというニュースがありましたが、そのラケットはこのラケットでした。

ついでにやはりWilson製の「クリスエバート オートグラフ(CHRIS EVERT AUTOGRAPH)」
今年の春に森美術館で開催された「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」に展示されていたクリスエバート氏のポートレートはこのラケットを持っている写真でした。

この頃のラケットは木目の美しさとフラットなペイントのバランス感がとても良く、眺めているだけでもほれぼれしてしまうステキなデザインですね。

2014年8月29日金曜日

32年間という驚異。

Wilson(ウィルソン)の創業100年のサイトを何気なく見ていたら、名ウッドラケットの「ジャック・クレーマー オートグラフ(Jack Kramer AUTOGRAPH)」の写真が出ていました。

この近代テニスの父と言われるジャック・クレイマー氏のサイン入りのアッシュ製ラケットは、1949年から1981年まで、32年間にわたりWilsonラケットの看板として1,000万本以上が販売されたというのですから驚きです。

昔はプロテニスプレイヤーの名前がモデル名に付いて(シグネチャーモデル)いましたが、いつからなくなったのでしょうね。

ということで、しまい込んでいたジャック・クレーマー オートグラフ(Jack Kramer AUTOGRAPH)を出してみました。
飾り糸がないのが淋しいですが、やはりウッドラケットは美しい。
カーボンファイバーが開発されて徐々にデザインがよりスポーティーでパワフルな方向へ変化しましたが、改めてウッドラケットを見ると優雅さが感じられ、のんびりしたイメージですよね。
時代が違うということだけでなく、競技としてのテニスも変化したということなのでしょう。

2014年8月28日木曜日

1,914足。

アメリカのスポーツ用品メーカーのWilson(ウィルソン)が創業100周年(1914年創業)を迎え様々な記念モデルを発売。
全体的にクラシカルなイメージのデザインで注目です。

Wilsonと言えばテニスラケットがメジャーで、全米オープンで活躍が期待されている錦織選手もWilsonのラケット。
そのWilsonがここへきてシューズに力を入れはじめたようで、2013年から発売を始めたRUSH PRO(ラッシュプロ)シリーズは、同じアメアスポーツグループで、ウインタースポーツのトップブランドであるフランスのSALOMON(サロモン)との共同開発。

まだまだシューズでは、NIKE(ナイキ)やadidas(アディダス)のようにメジャーではありませんが、スキーブーツでのノウハウが応用され丁寧な作りだそうで、今後のWilsonに期待です。

ちょうどシューズの買い替えを考えていたので、RUSH PROの創業100周年記念モデルを買ってしまいました。(限定1,914足だそうです。)
オリジナルは靴ひもがゴールドか赤だったのですが、ちょっと派手すぎでしたので本体と同じネイビーに替えています。

2014年8月27日水曜日

柔かく固める。

色から受ける印象なのか、「ブロッコリーは夏、カリフラワーは冬」というイメージでしたが、本来は冬が旬のブロッコリー。

夏場はすぐに花が咲いてしまうので北海道など涼しい土地で栽培しますが、最近は北海道も暑く生産が安定しないのか、輸入ものばかりが目立ちます。
珍しく国産のブロッコリーに出会えたので、夏らしく寒天寄せに。

一口大で使用するときは固い方が好きなのですが、パスタと和える時など細かくするときは、やわらかい方がなじみやすいです。

寒天寄せは和風冷製スープのようなものなので、しっかり火を通しました。
蕎麦の実と白キクラゲのみじん切りをプラスして食感に変化を出しています。
すりおろしたヤマイモと二層仕上げで白と緑が涼しげになり、食感の違いも楽しいものになりました。


<ブロッコリーとヤマイモの寒天寄せ>
茹でたブロッコリー、戻した白キクラゲはみじん切りしておく。出汁で蕎麦の実を茹で、やわらかくなったらブロッコリー、白キクラゲを加え、塩で調味して粉寒天を溶かす。寒天が完全に溶けたら流し缶に移し冷ます。固まり始めたら別の出汁に粉寒天を溶かし、すりおろしたヤマイモに加えしっかり混ぜ、固まり始めた流し缶に移して冷やし固める。

2014年8月26日火曜日

見せるステッチ。

夏休み恒例の通信制カリキュラムのスクーリング授業。
保育などの現場で働くことを目標にしている学生さん達にむけた造形授業も3年目。

この授業で重要なことは、子ども達に向けたコミュニケーションツールとしての造形物の制作を通して、素材や色彩、デザインなど、すでに学んだ理論を実際に応用して制作すること。

ほぼ定番化したフェルト造形ですが、表現したいものの固有色とは異なる色を使用したり、フェルト地と異なる色の糸を使ったりすることで、よりイメージの強い作品となることを学びます。

フェルトを縫い合わせて造形する時、縁をかがり縫いするとハサミでカットした断面の固さがなくなり柔らかい印象になりますので、まきかがりブランケットステッチたてまつりなど、いろんな縫い方ができると良いです。

針仕事が苦手だからという理由で糸が目立たないようにフェルト地の色と同色の糸で縫う学生さんがいますが、縫い目(ステッチ)を隠さず地と糸の色を変えて目立たせると、ポップで楽しい感じになりますし、不揃いでも手縫いの良い味になりますから、果敢に挑戦して欲しいですね。


2014年8月25日月曜日

生蒸し。

8月も終盤になって急に過ごしやすくなりましたが、このまま秋になってしまうのでしょうかね。
夏らしいことがあまりできなかった今年の夏。
そういえばベトナム料理っぽいものをあまり食べていないことに気づきました。
ライスペーパーのストックがあったので生春巻き(Gỏi cuốn/ゴイ・クオン)とも思ったのですが、蒸し春巻き(Bánh cuốn/バイン・クオン)のようなものができないかと、生を蒸してみることに。

もちろん生の時の具材とは餡を変えて。

結果。
これはかなり成功。
とろんとした食感がいい感じです。


<エビとニラの蒸し春巻き>
むいたエビは細かく切って片栗粉をまぶし、ニラとキクラゲのみじん切りと一緒に炒める。
鶏ガラスープを加えて一煮立ちさせたら、ゴマ油を加えひと混ぜし、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。火を止めてパクチーの根と茎のみじん切りを混ぜて餡にする。
ライスペーパーは水にくぐらせ軟らかくなったら餡を包み、5分ほど蒸して皿に盛り、オイスターソース、砂糖、ヌクマムを、水で少しゆるめたソースをかけ、パクチーの葉を添える。

2014年8月24日日曜日

プレス乾燥。

8月も終わりが近づき、ちまたでは夏休みの宿題の話題が多く聞かれるようになりました。
2学期の準備をはじめなければとデスクに積み上げた本を整理はじめたところ、1学期の終わりに挟んだ「押し葉」が出てきました。
メタセコイアです。

工業高校の前庭に植えられていたものですが、強い風が吹いた日にちょうど授業で出講していたので拾ってみたもの。

樹形が美しいメタセコイアは葉もとてもキレイ。
羽状複葉ではなく細かいパーツのひとつひとつが1枚の葉なのだそうです。

落葉樹と言われますが、短い枝ごと落ちる落枝樹で、内側にある古い枝からも毎年短い枝と葉が出て、枝分かれが少ないため樹形が広がりにくく樹形が崩れないということなのですね。
押し葉の形があまり良くなかったので、紅葉する前に再度採集が必要ですね。

2014年8月23日土曜日

情報説明のデザイン

デザイン学校では2年生による卒業制作が始まっています。
これまで学んできたことの集大成としての制作ですから、自分の表現にこだわりを持って取り組んで欲しいですね。

さて、グラフィックデザインの領域のひとつにインフォグラフィックスがあります。
グラフなどの図表に代表されるダイアグラムように、複雑な情報を視覚的に表現したものの総称で、より広い意味で使用される言葉。

卒業制作ではこれまでの制作以上に大きなテーマで制作に取り組むため、何を考え何を目的としているかを伝えることも重要。
企画発表や企画書など、多くの情報を的確に説明するためには、インフォグラフィックスについても理解が必要です。

つい先日、Yahoo! JAPANがインターネット広告の歴史と未来をまとめたサイトと、未来のインターネット広告へのイメージ動画を公開。
とてもベーシックな表現ですがインフォグラフィックスが効果的に用いられているので、とても参考になります。

2014年8月22日金曜日

苦みと甘み。

頂き物の無農薬栽培の晩柑。
皮を捨てずにとっておいて砂糖煮を作りました。
晩柑はオレンジに比べると苦みが強いので、茹で溢しに時間がかかりますがその苦みも個性です。
グラニュー糖がないので和三盆(こちらも頂き物)をまぶしました。
とても上品に仕上がって満足。


器は明治から大正、昭和初期にかけて多く作られた氷コップ。
宙吹きの流れ水玉紋青足椀型です。

氷コップはかき氷を盛るための器で、プレスや宙吹きなどで様々な模様、形のものが作られていたようで、和ガラスの中では花形的な存在。
シャープな西洋のガラス製品に比べ、柔らかい造形が魅力です。

久しぶりに棚から出して使ってみました。

<晩柑のピール>
良く洗った晩柑の皮は大きめのまま、鍋で5分ほど茹でこぼし、さらに水を変えてもう一度茹でこぼしたら、ボウルに張った水に半日つけてさらす。
ザルで水を切り皮の重さの7〜8割程度の砂糖と一緒に火にかけ、かき回しながら砂糖を溶かして焦がさないように煮詰めていく。
水分がなくなったらクッキングペーパーに並べ1日乾かしたら、細くカットしてさらに1日乾かす。
表面の水分がなくなったら砂糖をまぶして完成。

2014年8月21日木曜日

すごい郵便局

南極・北極科学館のミュージアムショップでちょっと面白い切手付き封筒とはがきを見つけました。
1965年(昭和40年)11月20日発行の「南極地域観測再開記念」と、1971年(昭和46年)6月23日発行の「南極条約10周年記念」の切手が貼られた封筒とはがきには、どちらもスタンプが押されています。

スタンプは「昭和基地」と「ふじ船内」。
つまり南極の昭和基地内に設置された郵便局と定期的航行する船舶内に設置される船内郵便局のスタンプということ。

南極条約によって国際的には領土主権と請求権は凍結されていますが、この郵便局があるところは名目上というか便宜上というか日本なわけで、国内郵便料金と同じ金額で送れるのだそうです。ちょっと不思議ですね。

南極地域観測再開記念切手の図柄は南極地図とオーロラ、観測船「ふじ」。
南極条約10周年記念切手の図柄はアデリーペンギン。
どちらもグラビア3色の印刷です。

2014年8月20日水曜日

精密機械の遺産

今年認定された機械遺産のひとつ「時代を画した国産腕時計(セイコー)」は、日本が誇る精密機械技術の発展過程を知るための象徴的な遺産として評価されたそうで、「ローレル」「初代グランドセイコー」「クオーツ アストロン 35SQ」の3点が対象。

1913年(大正2年)発売のローレルは国産初の腕時計、1960年(昭和35年)発売の初代グランドセイコーは世界最高水準の精度を達成した腕時計、1969年(昭和44年)発売のクオーツ アストロン 35SQは世界初のクオーツ式腕時計。

日本のクオーツ技術の発展でスイスの機械式時計工房の存続が脅かされたというのは知っていましたが、世界初のクオーツ式の腕時計が日本製とは知りませんでした。

そういえば日本初のテレビCMもセイコー(精工舎)でしたね。

2014年8月19日火曜日

南極と機械。

少し前の新聞で日本機械学会が今年新たに「機械遺産」として8件を認定したという記事がありました。

一般社団法人日本機械学会(The Japan Society of Mechanical Engineers、略称:JSME)のサイトによると、機械遺産とは機械技術の発展に貢献したことで認定される日本国内の物件で、2014年度は「南極点到達雪上車(KD604,KD605)」、「時代を画した国産腕時計(セイコー)」などの8件。

この雪上車KD604KD605は、日本の南極観測史上最初で最後の極点往復プロジェクト(1968年)で使用され、極点に到着した雪上車3台のうちの2台。
建設機械・重機械のメーカーである小松製作所が開発したもの。

KD604は立川市の国立極地研究所南極・北極科学館に、KD605は秋田県にかほ市の白瀬南極探検隊記念館に保存、展示公開されているそうです。
この南極・北極科学館は最近存在を知って注目していた施設なので、さっそく行ってみました。

この雪上車。
南極の雪と氷の環境を走り続けるためキャタピラ仕様となっていますが、極低温に対応する車両や平地だけではなく4000kmの高地まで適応できるエンジンなど、極限を実現した車両設計で、後の世界初の南極隕石発見にも貢献したそうです。

居住性にも配慮され、ボディの黒塗装により太陽熱を少しでも効率的に吸収でき、車内では普段着でいられたということですが、直立することができないため、けっして快適ではなかったのではないでしょうか。
南極の地でこの車で5ヶ月の調査旅行の過酷さを少しだけ感じました。

2014年8月18日月曜日

拡大と構成画面。

道に蟻などが食べ残したと思われるアブラゼミの翅が落ちていたので、iPhone顕微鏡「Leye」で観察。

アブラゼミの翅は全体が褐色なので、透過光でどこまで見えるかと思いましたが、翅脈がキレイに透けました。

肉眼でははっきりした模様として見えていても拡大するとぼかしの効いた濃淡にしか見えないことや、翅の周囲に細かいトゲが並んでいるというのも新しい発見です。


顕微鏡観察をしていると、想像もしていなかった美しい抽象的な構成画面が目の前に現れるので、デザインの基礎学習に使えないかなどと余計な想像をしたりしています。

2014年8月17日日曜日

反射と吸収。

久しぶりのiPhone顕微鏡「Leye」での観察。

沼津港で拾ったユリカモメの羽根を拡大。
細かい毛が規則的に並び織物を見ているかのようでなかなかキレイです。

先端近くをさらに拡大すると、1本1本の毛が透けて見えました。
まるで軟らかい鉛筆で画用紙に描いた線のようなカスレがあって不思議な質感です。

このカスレ。
もしかすると鳥の羽根の光の反射構造と関係しているものが見えている?

デザイン学校の色彩学で習うように、通常の色は、赤なら長波長域の可視光を反射して中波長域や低波長域の可視光を吸収、黒ならすべてを吸収というように可視光の特定の波長域のみを反射し、その他の波長域を吸収させることで色が認識されます。

ところが鳥の羽根は特定波長域のみを増幅させる構造があって、波長域を吸収させることがなく(エネルギーの吸収がない)、そのため色褪せるということもないのだそうです。

もしかするとこのカスレはその特殊な構造が見えているのかもしれません。
そんなことを考えるとちょっとワクワクします。

2014年8月16日土曜日

復活のヤモリ。

お盆休みなので普段できないことをと思い、いろいろ手入れなどやっています。

ずっと前にバリで購入したシルバーのヤモリ。
シルバーは全金属の中でももっとも可視光の反射率が高く、鏡面仕上げにするとプラチナ以上なのだとか。

ところが長く置いておいたため、硫化が激しくこのままではかわいそうなので洗浄。
すっかりシルバーの輝きが戻りましたが、当然ながら硫化させて黒くする「いぶし」も薄くなってしまいました。

本来いぶし加工は硫黄成分に反応する現象である硫化で行うのですが、素人が行うには少しハードルが高いので酸化反応のいぶし液を使用。

ばっちり黒化してくれましたので何も問題なさそう。
なによりも扱いが簡単なのでお手軽でした。

2014年8月15日金曜日

正統白黒写真。

クレマチスの丘に2009年に開館したIZU PHOTO MUSEUMでは、「小島一郎 北へ、北から」が開催中でした。


この写真専門の美術館は、内装や坪庭設計に現代美術家の杉本博司氏が関わったということで、以前からちょっと気になっていた施設です。

小島一郎氏は日本を代表する写真家のひとりである名取洋之助氏の後押しで写真家として活動をはじめたそうで、日本の極寒の地を撮影した写真は、コントラストの強い荒々しい表情で、撮影の厳しさを感じさせるものです。

当時の個展「津軽」と「凍ばれる」を一部イメージ再現した展示室では、額装しない木製パネル張りの写真が並び、純粋な図像としての写真を見せられた感じです。
そこにあるものを感じたように表現するために、膨大なカットを撮影し、現像段階でも様々な工夫と労力がかけられた写真からは、現代のデジタル写真にはない強さを受けました。

2014年8月14日木曜日

うさぎさん。

クレマチスの丘にあるヴァンジ彫刻庭園美術館では、企画展スペースで「イケムラレイコ PIOON」展が開催中でした。


現在はベルリンとケルンを拠点に主にヨーロッパで活動を行っている現代作家だそうですが、これまでまったく作品を知りませんでした。

フライヤーの印象では造形も色彩もかわいらしさが際立つため全体にポップな展示かと思いましたが、他の作品やうさぎ観音と題された3.4mの陶でできた塑像からは内面に広がる意志のようなものを感じ、改めて作品制作に込められた作家の熱意の深さ重さに関心しました。

右が3.4mのうさぎ観音。この作品のみ撮影可でした。細かい穴が開いたスカートが宇宙空間のようです。

2014年8月13日水曜日

斜面の彫刻美術館

沼津へ行った帰りに長泉町のクレマチスの丘へ立ち寄りました。

2002年に竣工したヴァンジ彫刻庭園美術館クレマチスガーデンを中心とする文化複合施設で、ヴァンジ彫刻庭園美術館は、現代彫刻家のジュリアーノ・ヴァンジ氏の作品を常設展示する目的で設計されたもの。


なだらかな芝生広場の先には白い御影石が広がりその奥にコンクリートの小さな美術館棟が建っています。色彩のコントラストがとても美しい素敵な美術館です。

白御影の前庭をすぎ、美術館に入ると展示室は地下。外から見た建物の大きさはファサードと吹き抜け天井で前庭の地下がすべて展示室なのでかなり大きい空間だということに驚きます。

地下の展示室を美術館裏に出ると、クレマチスを中心に多くの花が咲くクレマチスガーデンが広がっています。
前にはからは想像できないほどの広さで、斜面をうまく利用した設計に関心してしまいました。




2014年8月12日火曜日

専門用具の魅力。

クマゼミの展翅展足をするために急遽取り出した展翅(足)板。
翅を整えるための展翅板は蝶などの大きさによって幅が様々。
いつのまにかものすごい数になっています。


この展翅作業。
日帰り採集であれば自宅でゆっくりできるのですが、泊りがけの採集では昆虫が乾燥硬化してしまい軟化しなければならず、最終地で展翅できるとベスト。

ただし展翅中の展翅板は、破損しやすい昆虫が留められている上、針がたくさん刺さっているので、持ち運び注意。
そこで登場するのが複数の展翅板を展翅したまま固定して持ち運べる専用の木箱。
これらの採集用具は志賀昆虫普及社の創業者である志賀夘助氏(故人)が考案したもので、ほかにも採集用の捕虫網はじめなくてはならない用具のほとんどが志賀製。
志賀昆虫(志賀夘助氏)は虫屋(虫好きの人)には神聖視された存在で、学術研究の現場でも使われているようです。

出先で展翅することがなくなってしまいましたが、展翅中の昆虫保存にもとても適していてまだまだ活躍中。

2014年8月11日月曜日

展翅展足

富士山伏流水の湧水公園である柿田川公園を散策中に、いきなり頭上からセミが落下してきました。

絶命したようです。
なんというタイミングでしょう。

立派な雄のクマゼミ
このままではアリの餌になってしまうので持ち帰って標本を制作。
セミは翅と足を整えるのでなかなか苦労しました。

まだまだ夏は長いので、今年はもう少し昆虫標本を増やしてみようかとも思っていますが、本格的な採集はまだまだ遠そうです。

2014年8月10日日曜日

ものすごい湧き水

富士山の伏流水が湧き水となった忍野八海はあまりにも有名な観光湧水池ですが、さらに麓の沼津近辺にはとてもきれいな湧水があると聞き行ってみました。

駿東郡清水町にある柿田川上流の柿田川湧水群は、富士山の伏流水が1日に100万トンも湧き出ていて、その量は東洋一とも言われるそうです。
古くから飲料用に汲まれる水はどこまでも透明で、きれいなブルーでした。

ちょうど天気が明るい曇りで、稀に薄日が差すくらいでしたので、しっとりとした質感が良く出る光線状態でした。

デザイン学校の写真撮影の授業でも触れましたが、直接光でコントラストが強く出るライティングよりも、トレーシングペーパーを使ったり、天井などに反射させて光を拡散させたライティングの方が、細かいディテールの再現には向く傾向があります。

さらに、こうした色彩の写真では、露出を少し絞り込むかマイナス補正して撮影すると、深みのある色再現になります。

2014年8月9日土曜日

日本で唯一の冷凍魚。

夏休みを利用して沼津まで行ってきました。
なぜ沼津かというと沼津港深海水族館へ行ってみたかったので。

この水族館。最近の深海魚ブームで注目されていますが、一番の目玉はシーラカンス

国立科学博物館、アクアマリンふくしま、しものせき水族館海響館(もともとは閉館したよみうりランドのマリンドーム海水水族館が所蔵)などがありますが、どれもホルマリン標本や剥製標本。

魚類の標本として最もポピュラーな液浸標本は、体色がなくなってしまいますし、なんか膨張したような質感であまり美しいものではない印象。
また剥製標本も皮を剥いで石膏などの型に被せたあと着色するようなので、ちょっと作り物のようになってしまいます。

この沼津港深海水族館は日本で唯一シーラカンスの冷凍標本が見られる水族館です。
冷凍なので乾燥しているのか、他の魚類標本とは質感が全く違って不思議なものでした。


水族館全体としては、よくわからないノリの展示があって残念な感じも多いのですが、シーラカンスだけでも見る価値ありだと思います。

2014年8月8日金曜日

救護の夏。ふたたび。

連日セミの鳴き声がものすごいことになっています。

緑や土の現象でセミ全体としては減っている中、近年、東京では割合としてはアブラゼミが減ってきていて、九州に多いクマゼミが増えてきているのだそうです。

鳥に狙われた際、アブラゼミに比べクマゼミの方が逃げ足が早く生存率が高いということなのだそうです。

今年も道を歩く幼虫の救出活動が開始。
近くの桜の樹へ摑まらせてから写真を撮ると、ずいぶん緑色です。
暗闇ではアブラゼミだと思っていましたが、ミンミンゼミなのかもしれないですね。

2014年8月7日木曜日

細切りでも太切りでも。

中華食材の百頁(バイエー)。
煮崩れしないので、戻してから煮物にもできます。
干シイタケ、トウガンと一緒にしっかり味をしみ込ませた煮物にしました。
百頁は戻したままでは海苔ほどのシート状なので、いろいろな幅で変化がつけられます。
サラダ感覚では和えるときは細切りで、しっかり味を含ませる時は太めで昆布のように結び存在感を増して使います。
百頁は豆腐でありながらクレープ生地のようでもあり不思議な食感です。


<百頁とトウガン、干シイタケの煮物>
百頁、干シイタケはそれぞれ別々に戻しておく。
トウガンはワタをとって皮を剥き、百頁、干シイタケと一緒に鶏ガラスープ、砂糖、醤油、ショウガでほとんど水分がなくなるまで煮含める。

2014年8月6日水曜日

輸入加工品

少し前の加工鶏肉問題など食材については考えさせられることが多いですね。
生産者が見えやすい野菜などは輸入ものに頼らないという選択肢もありますが、加工品はなかなかそうも言っていられないものがあります。

中華食材でどうしてもはずせない加工品のひとつが百頁(バイエー)
とても薄い布のような豆腐で、これは日本では生産されておらず輸入品に頼るしかありません。

特に夏には細切りにしてサラダにするのが定番で、これがないとちょっと淋しい。

<百頁とトマトのサラダ>
冷凍の百頁はそのまま茹でて解凍されたらカンスイを加える。
少し煮ると色が白くなるので火からおろし、水を変えながら洗い細切りにする。
トマト、大葉をまぜ、鶏ガラスープと塩、酢、ごま油で調味する。

2014年8月5日火曜日

バードケージへお邪魔しました。

最近の動物園は動物たちに出来るだけ自然や野生に近い状態を作ったり、動物たちを間近で観察できる工夫をしたりするためどこかしら改修をしていますが、新しくできる動物舎は外れたことがないので、工事をしていると期待してしまいます。

多摩動物公園に2008年に完成したウォークインバードケージも期待してできた鳥舎。
巨大鳥かごの中に人が入っていけます。

ウォークインの巨大鳥かごでは掛川花鳥園には当然及びませんが、目の前を鳥が歩いて横切ったり、上をバサバサととぶという経験は鳥好きにはたまりません。

ちゃっかり落し物を頂いてきてしまいました。
ツートーンがカッコいいです。
右下はクジャク。園内で放し飼いなので、運が良ければ落ちています。

2014年8月4日月曜日

夏の夜の過ごし方

夏の夜のイベントといえば花火ですが、最近は閉園時間を延長して夜間に開園する動物園が増えてきました。

日野市にある多摩動物公園も8月の土日とお盆期間に「夜の動物園サマーナイト@Tama Zoo 2014」として閉園時間を延長していたので、さっそく行ってみました。

涼しくなることを期待して出かけて、結局は閉園時間の20:00になってもムッとする暑さでしたが、日中は寝ているような動物たちの活動が見られたので大満足。
できれば暑さの厳しくない春夏にサマーナイトを企画して欲しいところですが、冷房の効いた水族館と違って、日中の暑さの中で集客の減る動物園の事情もあるのでしょうから仕方ないですね。


真夏の暑さのデメリットを差し引いても、日中では観察できない動物たちを多く見られ、とても貴重な体験でした。
体力付けてまた行きたいですね。

2014年8月3日日曜日

ナムルに学ぶ塩とごま油。

ゴーヤーをいただきました。
夏の定番で欠かせない野菜なのでいくらあっても嬉しい。
さっそくゴーヤーメインの料理。
ゴーヤーは油や豚肉との相性が良いのでやはり黄金メニューはチャンプルーですが、ストックの塩豚はあっても、豆腐と玉子がないので和え物にしました。

調味の基本は韓国のナムル。
ごま油をしっかり効かせるのがポイントです。


<ゴーヤーと塩豚の和え物>
塩豚は茹でて細めの短冊に切る。ゴーヤー、パプリカもすべて同じくらいの短冊に切り、すべてをボウルにいれ塩、ショウガのすりおろし、ごま油を加えて和え、味が馴染むまでおいておく。
ゴーヤーがしんなりしたら器に盛り、白髪ネギをのせる。

2014年8月2日土曜日

翡翠豆腐。

この夏は寒天が大活躍。
どんな食材でも冷やして固めれば、夏にぴったりの一品になります。
豆腐とアボカドのサラダと思っていたものも、両方をあわせて寒天で固めてみました。
アボカドのねっとり感や強いコクが豆腐で弱まって、夏らしい上品な一品となりました。
さわやかな緑色が涼しげなのも良いです。


<アボカド豆腐>
鍋に出汁、塩を入れて加熱し寒天を煮とかす。
アボカドは皮を剥いて種をのぞきレモン汁をかけておく。
アボカド、豆腐をミキサーでピューレにし、寒天出汁を加えて混ぜたら流し缶に入れて冷やし固める。
ほんの少しポン酢をかけるとさっぱりして美味しいです。

2014年8月1日金曜日

1と4が複製。

EXPO’70のシンボルでもあった大阪の吹田市にある万博記念公園の太陽の塔。
2014年の内部の常時公開という計画がありましたが、耐震工事や内部の模型の修復・再現など、できるだけ万博当時の姿に近づける計画として2016年度末の公開が目指されています。

その改修計画で進展のニュース。


万博閉幕後埋め立てられた地下展示室が新設され、行方不明となった第4の顔「地底の太陽」が復元され設置されるのだそうです。

公開予定までの1年半が待ち遠しいですね。