2014年8月19日火曜日

南極と機械。

少し前の新聞で日本機械学会が今年新たに「機械遺産」として8件を認定したという記事がありました。

一般社団法人日本機械学会(The Japan Society of Mechanical Engineers、略称:JSME)のサイトによると、機械遺産とは機械技術の発展に貢献したことで認定される日本国内の物件で、2014年度は「南極点到達雪上車(KD604,KD605)」、「時代を画した国産腕時計(セイコー)」などの8件。

この雪上車KD604KD605は、日本の南極観測史上最初で最後の極点往復プロジェクト(1968年)で使用され、極点に到着した雪上車3台のうちの2台。
建設機械・重機械のメーカーである小松製作所が開発したもの。

KD604は立川市の国立極地研究所南極・北極科学館に、KD605は秋田県にかほ市の白瀬南極探検隊記念館に保存、展示公開されているそうです。
この南極・北極科学館は最近存在を知って注目していた施設なので、さっそく行ってみました。

この雪上車。
南極の雪と氷の環境を走り続けるためキャタピラ仕様となっていますが、極低温に対応する車両や平地だけではなく4000kmの高地まで適応できるエンジンなど、極限を実現した車両設計で、後の世界初の南極隕石発見にも貢献したそうです。

居住性にも配慮され、ボディの黒塗装により太陽熱を少しでも効率的に吸収でき、車内では普段着でいられたということですが、直立することができないため、けっして快適ではなかったのではないでしょうか。
南極の地でこの車で5ヶ月の調査旅行の過酷さを少しだけ感じました。

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