2014年5月31日土曜日

積層を剥ぐ

iPhone用顕微鏡Leyeの新しい検体は、山梨の日向山の山頂付近にある雁ヶ原という風化花崗岩の野原で採種した黒雲母の結晶片。
そのままの粒の状態で撮影したものは、上手く光りが回ったのか表面が乱反射して金属っぽさがでています。
肉眼ではきれいな平面に見えますから、このギャップは楽しすぎます。

続いて透過光で観察するために薄く剥いでセット。
薄い板状に結晶していく感じが観察できます。
顕微鏡写真やマクロ(接写)写真では、肉眼では見られない世界が急に広がり、意図的にデザインした画面のようでとても魅了されてしまいます。

2014年5月30日金曜日

今年もミカン。

昨日は全国的に夏日で、なかでも北海道が季節はずれの暑さで全国の最高気温まで上がったとニュースになっていました。
東京も暑い日が続いていて、そろそろ梅雨入りなのでしょうか?
ジメジメ季節がやってきますね。

昨年のこの時期にベランダを賑わせたナミアゲハ(アゲハチョウ)の幼虫。
なんと今年も小さなミカンの鉢に幼虫が孵ってしまったので、またしてもミカンの葉を近所から採種して現在すくすくと育っています。


今年は2匹だったので少し大きめの円筒形のガラスの器がアゲハ達の専用部屋。
昨年は野鳥にやられ、網を張っても脱走して蛹になってまたやられ、最後の蛹も羽化せずとドラマチックでしたが、今年こそ無事に羽化して欲しいです。

昨年のアゲハチョウ日記
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2014年5月29日木曜日

紙に溺れる。

東雲で開催中の「竹尾ペーパーショウ2014」に行ってきました。(6/1まで)

テーマは「SUBTLE」
微妙な、とらえがたい、緻密な、巧みな等を意味する英語ですが、付けられた副題は「かすかな、ほんのわずかの」。

会場内は撮影OKでしたので、ちゃんとカメラを持っていけば良かったと後悔しましたが、iPhoneでなんとか撮影できた気になるものを少しだけ紹介。

今回の企画構成をされている原研哉氏による、4〜5cmほどの径の紙のオブジェ。
この細かさと柔らかさは紙ならでは。照明や起伏のある作品台も効果的。
「チョコレートの帽子」というタイトルもステキです。

建築デザイン事務所NOIZによる「紙礁」。
紙の塑性力の強弱を考えた細かい切り込みが複雑な立体表現を実現しています。
この紙は風光という近日発売予定のやわらかさを持つ新紙だそうです。

会場全体で使われている展示台も繊細。
展示会では鑑賞者が台に触れることがあっても揺れない頑丈なものが一般的ですが、この展示台は少し触れただけでゆらゆらと揺れてしまい、作品の持つ繊細さが強調されているように感じました。
(揺れても壊れない構造というのは実は大変なことなのだと思います。)

竹尾と言えば紙のサンプル。
無料配布のサンプルも気が利いていて、それぞれの紙の特性を活かした加工がされています。


紙から人が受ける感覚の繊細さを表現した作品の数々は、虫眼鏡が欲しくなるようなものばかりでした。
紙に対してもっと襟を正して接しないといけないと感じさせる、とても緊張感のある展覧会でした。

今回の会場は「TOLOT/heuristic SHINONOME」という2013年3月にオープンした現代美術の展示施設ですが、東雲という立地があまりに遠い事が難点です。

2014年5月28日水曜日

水抜き油足す。

魚屋さんにイナダが多く並ぶようになりました。
ブリは冬場が旬ですが、イナダは夏場が旬。
これから益々美味しくなりますね。

そのまま刺身が多いのですが、時間があったのでヅケにして余分な水分を抜き美味しさアップ。
薄切りにして小ネギを巻きゴマ油を最後に軽く振ってコクと風味をプラス。


お皿は普段あまり登場しない大皿。全面が細かい植物模様で覆われているの濃いコバルトが刺身をキレイに見せてくれます。

<イナダのヅケのネギ巻き>
酒を煮切りさましておく。
3枚におろしたイナダは小骨を抜き、皮を引く。半身のまま冷めた酒、醤油に1時間ほど漬けたら、薄切りにして小ネギを巻く。
皿に盛り、ゴマ油を少量振って白ゴマを散らす。ワサビよりもカラシがおススメ。

2014年5月27日火曜日

冷たいキャンペーン。

5/14から始まったPEACH JOHNの「私は冷たい女」キャンペーン。
話題となったCM「私は冷たい女」の本編となる全ストーリー動画が公式Webサイトで公開されました。

5/14から放映されていた「PEACH JOHN クーリッシュブラ3 CM」


Webで公開されていた「short movie『私は冷たい女』<予告編>」


このShort Movieは「ナルニア国物語」や「アイアンマン」、「アベンジャーズ」などの映画スタッフが手掛けているそうで、クオリティの高さはたしかに映画的です。

「Short Movie『私は冷たい女』本編」


このMovie全体に流れる雰囲気が、1998年にリュック・ベッソン(Luc Besson)監督が制作した、CHANEL N°5のCMにどことなく似ているように感じました。
こちらは主演のエステラ・ウォーレン(Estella Warren)がモデルから女優デビューするきっかけとなったCMです。

「Luc Besson版『CHANEL N°5』CM」


このCMのように世界の名だたる映画監督による1990年代から2000年代までのCMを集めたDVD「KINGS OF ADS」が2003年に発行されていて、中々見応えのある内容。
CM集というより短編集というくらいの充実度です。


2014年5月26日月曜日

透過と屈折の観察。

iPhone用顕微鏡「Leye」
コレクション棚からいくつか選び出して観察。

顕微鏡なので照明は「透過光」ですから、厚いものや光を通さないものは輪郭の観察となり、そのあたりは観察対象の選択にセンスが必要。

選んだのは山梨の山で拾った石英の結晶(水晶)。
結晶鉱物を内包した「草入り」なので、透明と不透明の関係がキレイです。
結晶はちょっとした光の方向で屈折が起きて陰影関係が変わるので見ていて飽きません。


>>Leye購入時のブログ「顕微鏡買った」はコチラ

2014年5月25日日曜日

もっと深く。

デザイン学校のブランディング課題は店舗のロゴデザインの段階へ。
宿題となっていた32案を壁に貼り出してみんなで投票。


1年次の時はPCの操作と構成や色彩などの基礎的なデザインを学んで、一通りの作品作りを行なってきました。
2年次では、一つの作品についてよりデザイン意図を明確にすることを学んでいき、実践に備えていきます。

さて、今回のロゴデザイン32案。
まだまだ「カタチ」の違いとして並ぶ例が多く、せっかくブランドイメージを明解にした前回の授業との関連がまだまだ薄いようで、投票する側もカタチがカッコイイとか親しみやすいとか、出来上がったモノに票が集まりやすく、「イメージにあっている」という判断がまだまだできないようです。

次回の授業では学外へ出て、デザインの展覧会を見ながらデザイナーや消費者などの様々な立場から良いデザインは何かを考えて、自分のデザインの考え方、制作の方向性につなげながら再度修正していきます。

2014年5月24日土曜日

安定の円盤

何かの雑誌で見て気になっていたガスバーナーアダプター(五徳アダプター)というものが、たまたま訪れた近所のイベントで売っていたので買ってきました。

これで少量のソースを温めたり直火式エスプレッソメーカー(マキネッタ:Macchinetta)などの小さいものをコンロにかける時、五徳の径が大きくて安定しなくても焼き網を使わなくてすみます。

使用するときはコンロの直火のに晒されるので、焼き網はすぐ変形してしまいますが、このアダプターは鋳物製で厚みや重みもあってしっかりした作り。
この安定感はとても安心で長く使えそうです。

日本製なのかと思っていましたがイタリア製でした。
イタリアでもこういった物が必要なのですね。

ネットでも売っていたのは知っていたのですが、ちゃんと実物を見たかったので良かったです。

2014年5月23日金曜日

ヒレを柔らかく。

スーパーマーケットの肉売り場。
その時々で品質にとても差が出るのが豚バラのブロックと豚の肩ロース。
ブロック肉は脂の入り方がとてもばらつきがちで、遅い時間だと良いものはほとんど残っていません。

そういう意味では脂身のないヒレ肉は、いつでも品質に差がないので安心。
売り切れてさえいなければ、かなりの高確立で満足いくものが手に入ります。

パサパサにならないように酒、水、油、片栗粉、塩で下処理したヒレ肉をさらに酢で煮るので最強です。


<豚ヒレ肉と大根の黒酢煮>
下処理した豚ヒレ肉と大根は、鳥がらスープに黒酢と砂糖、醤油、ショウガで柔らかく煮ます。
黒酢でスープが濃い色になるので、明るい色合いの器を使い、小ネギをたっぷりのせました。

2014年5月22日木曜日

大型水棲爬虫類の日?

昨日のGoogleロゴは化石堀りのイラストでした。

恐竜学への道を開いたメアリー・アニングの生誕215周年記念なのだとか。

こんなところに登場するので、恐竜学者や古生物学者かと思いましたが、実は一介の化石屋さんで化石を掘り起こして研究者にそれを売っていた人なのだそうです。

もちろん自分が掘り起こした化石の価値を伝えるために相当勉強熱心だったようですが、メアリー・アニングを有名にしたのは大型の水棲爬虫類である首長竜や魚竜や翼竜の完全骨格化石を多く見つけたから。

ロンドンの自然史博物館をはじめ、多くの博物館に彼女の発掘した化石が保管されているそうですね。
意識していませんでしたが、ロンドンへ行った時に見ていたのでしょう。きっと。

6月には毎年恒例の東京国際ミネラルフェアが新宿の小田急第一生命ビル開催されます。
今年は6月6日(金)~10日(火)の5日間。
ものすごい混雑なのはわかっていても、やはり行きたいですね。

体長70mmの小さな魚の化石。
もっと大きいものもあるのですが、飾る場所がなく仕舞い込んでいます。ちょっともったいないですね。

2014年5月21日水曜日

顕微鏡買った。

iPhone用の簡易顕微鏡が発売され、けっこう良いらしいとネットで話題でしたので、早速購入。

テラベース株式会社のLeyeという顕微鏡。

これまでも顕微鏡をうたった商品はありましたが、これはフロントカメラを使っているので安定した状態で観察&撮影ができるという優れもの。

運送用パッケージから顕微鏡と試料用のガラスが入っているケースを出してまず感心したのが、ケースサイズがiPhone5とぴったり一致すること。
顕微鏡の機能的にはどうでもいい事ですが、これって実はとても重要な要素。
物の価値を2倍も3倍にもしてくれます。


感心し尽くしていよいよ観察段階。
球体レンズのついた本体をiPhoneのフロントカメラ部分に置いて、その上に試料用ガラスを置くだけ。

サカサクラゲの餌としてデスクの上の小瓶で泳いでいるブラインシュリンプをスポイトで捕獲してガラスに一滴。
上からLEDスタンドを当てるとモニターに画像が現れます。
顕微鏡のように覗かないので観察し易いのも良いです。


予想以上の簡易さと精度にびっくり。
ブラインシュリンプの幼生が単眼(ひとつ目)というのは初めて知りました。
顕微鏡ってスゴイです。

iPhone(スマートフォン)という機器の特性を最大限に生かした素晴しいデザイン。
これはクセになりそうです。

2014年5月20日火曜日

要らないが美味しい。

今年も間引きトウモロコシの季節がやって来ました。
大きくて栄養のあるトウモロコシを育てるために間引かれる、本来の出荷では要らない部分のトウモロコシ。
生産性が非効率らしく、産地では出回っても東京のスーパーではなかなか目にかかれないので、出逢えるととても嬉しいのです。


いつでも手に入る東南アジアからの輸入もののヤングコーンは剥いたものが当たり前ですが、せっかく皮付きなのでグリルでそのまま丸焼きに。
皮があるおかげで丸のまま焼くと焦げ付かず、蒸し焼きでジューシーに仕上がります。

ヒゲごと食べられて、とても香りが良く甘くて美味しい。
庭があったら間引きトウモロコシ食べたさで植えたい程です。


<間引きトウモロコシの丸焼き>
中身が感じられる程度に皮を剥き、葉先と根元を少し切り落としたら、魚焼きグリルで途中で裏返して両面に焼き色が付くまで焼く。
そのままお皿に盛って、剥いて少量の塩か醤油でぽりぽり食べる。

2014年5月19日月曜日

シシャモとかアユとか?

仕事で青梅方面へ行った帰り道。
いきなり視界に不思議な構造の赤い橋が現れました。

奥多摩橋の南側橋脚の更に端の部分。
この奥多摩橋は1939年(昭和14年)に多摩川に架けられた橋で、戦前の道路用鋼アーチ橋としては最大スパンなのだそうで、主要部はアーチ構造です。

問題の橋脚より外側の部分は、路面より上にアーチを架けてアーチから路面を吊る「下路アーチ」を、路面の下に付けたような形でトラスを組んであります。

主要部のアーチ橋が見える位置まで行く時間がなかったのが残念。

ネットで調べると「魚腹トラス」と呼ぶとても珍しく特殊な構造なのだそうです。
言われてみれば細長い上弦の半月は魚のお腹を想像させますね。

偶然の通りかかりに面白いものが見られて、ちょっと得をした気分。

2014年5月18日日曜日

クラゲのインテリア

kitaCafeのある国立のとなり駅である立川にIKEAができました。

都内で初めての店舗ということでマスコミで賑わっていましたので、近づかないようにしていましたが、さすがにGWも過ぎ落ち着いたかと思い、自転車で行ってみました。
オープン前はIKEAの出店で周辺の幹線道路に影響があるかと心配でしたが、他の店舗と異なりIKEA立川店は駐車場が有料となったことが良かったのか、全く渋滞なく済んでいるようです。

特に狙いがあったわけではないのですが、デスクワーク用に購入していたLEDライトスタンドがサカサクラゲにとられてしまっていたので、クラゲ用にLEDライトを物色。

サイズ感や質感が実験器具のようになり、これはこれで良しという感じです。


2014年5月17日土曜日

揃うと楽しい。

デザイン学校で午後の授業が始まる前の昼休み。
学生さん達がみんなスヌーピーのラベルのミネラルウォーターペットボトルを持っていました。

聞けば午前中のT先生の授業でSONYへ出掛け、そこで頂いてきたのだそうです。

2009年に日本における「漫画ピーナッツ(スヌーピー)」の独占エージェント権をソニー・クリエイティブプロダクツが獲得してから、ソニービルがスヌーピー一色になったり、ウォークマンがスヌーピー柄になったりと各方面が賑わっていますから、ペットボトルくらいでは驚かないのですが、1クラスの全員が持っているとちょっと無視できない感じ。

ラベルの種類は3種類。キャップは4種類あるのだそうですが、残念ながらキャップは3種類しかありませんでした。


デザイン的には、カラフルすぎるラベルよりも、白くて丸いキャップに線描き一色のスヌーピーの方が好きです。

2014年5月16日金曜日

デザインの前にやること。

デザイン学校の2年生が、進級したてで取り組む大きな課題にブランディングのデザインがあります。

これまで個別にデザインアイテムを制作してきたものを、より総合的なイメージで統合し、ひとつのブランドイメージとして展開するというもの。

今年はアイテムのバリエーションの多さや、新しいメディアへのグラフィックなどを考慮して、都内総合ファッションビルに出展する和菓子店のパッケージデザインと商品紹介パンフレット移動販売車を使った和菓子カフェのデザイン。

移動販売者はペーパークラフト風の立体模型となるので、テンプレートを制作するのに時間がかかりましたが、楽しい作品ができそうな予感。

デザインワークに入る前に「ブランドイメージ」をしっかり構築するための授業が続いていますが、次回からやっと具体的なデザインに入っていきます。

ブランドをイメージするために写真などをコラージュした「イメージボード」を制作し、そのイメージを表現するキャッチフレーズを制作。
自分の感覚と他人が受ける感覚のズレを把握するために、全員で投票。手よりも頭を使う授業が続きます。

2014年5月15日木曜日

画を聴く。音を見る。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催中の「phono/graph-sound,letters,graphics」を見てきました。(5/31まで)


視覚的な表現に頼ることの多いグラフィックデザインでは、触覚が加わることがあっても聴覚がデザイン要素に加わることは、映像表現を除けば極めて稀ではないでしょうか。

この展覧会では、「音とアートとグラフィックの新しい可能性」に焦点をあてた実験的な作品が並んでいます。

世の中には「実験的=現象がおもしろければ良い」という作品も多く存在しますが、この展覧会ではデザイン表現として完成された作品が並ぶため、これからのグラフィクデザインの表現に新たな可能性を示してくれています。

2014年5月14日水曜日

H.R.ギーガー氏

先日、エイリアンをデザインしたH.R.ギーガー氏が亡くなったというニュースがありました。
享年74歳。

1979年に公開された映画「ALIEN(エイリアン)」は、地球に帰還する途中の宇宙貨物船内で繰り広げられるエイリアンとの死闘がすべてのとても分かりやすいストーリーですが、突然襲い掛かるエイリアンの姿が暗い船内でとても見づらいことで、より不気味さを増した効果を挙げていて、その後のどの続編では得られない満足感があり、間違いなくSF映画の最傑作のひとつです。

公開からしばらくはエイリアンで注目されたギーガー氏の個展なども良く開催されていたので、原画を見る機会が多かったのですが、エアブラシで下描きなく描き始める独特の描画は、間近で見ると驚くほど荒い表現だったことも衝撃でした。

1980年代には東京にもあったGIGER BAR(ギーガー・バー)。
行く機会のないまま閉店してしまいましたが、本国のスイスには、Museum(ミュージアム)と共にまだあるようです。

こちらはスイスのGIGER Museumの公式動画


作品集のタイトルがついた映像「Necronomicon(ネクロノミコン)とALIEN(エイリアン)のメイキング映像がYouTubeにアップされていました。


エイリアンの第一作を見ようと思います。

ご冥福をお祈りいたします。

2014年5月13日火曜日

測るデザイン

本日のデザイン学校のグラフィックデザイン専攻では、編集系デザインの授業。

GWも明けて学校生活にも慣れてきた1年生の授業ですが、北海道から修学旅行で東京に来ている中学生の有志数名が見学に訪れていて、ちょっと緊張気味の教室。
少しだけの時間でしたが、デザインの楽しさを知ってもらえたようです。

授業内容はレイアウトの基本課題で「雑誌の解体&分析」。
グループごとに異なる雑誌を持ち込んで、解体したらページを選んで台紙に貼り、トレーシングペーパーをかけて文字や画像のレイアウトをトレースしてサイズを測ります。

地味な作業ですが、編集デザインの導入として定番の課題となりました。

2014年5月12日月曜日

墨線とヒロシマ。

クリエーションギャラリーG8で開催中の『葛西薫展「ヒロシマ・アピールズ」』を見てきました。(5/15まで)


「ヒロシマ・アピールズ」は、JAGDAの会員から1名が選ばれて制作する、世界平和を希求するシリーズポスターで、第1回となる1983年版の故亀倉雄策氏による「 燃え落ちる蝶」はあまりにも有名なポスター。

今回の葛西薫氏のポスターはJAGDAの亀倉雄策賞にも選ばれていて、黒い墨で描かれた力強い線が、PCで加工しつくされた最近のグラフィクデザインの中で際立っています。

このポスターの原画と「ヒロシマ」のために描かれた多くの原画が並ぶ会場は、多くを語らないシンプルな構成の中に静謐な時間を感じました。

2014年5月11日日曜日

写真撮影的観察。

日常的にはiPhoneのカメラ機能頼りで、カメラを持ち歩かないことが多くなってしまった昨今、珍しくカメラ持参で銀座方面へ行ったので、メタボリズム建築の静岡新聞・静岡放送東京支社の撮影をしに行きました。

丹下健三氏の設計で1968年に竣工。
円筒形の構造部分をコアとし各階のフロアを自由に増改築できる考え方は、1966年に竣工した山梨文化会館と同じ考え方ですが、円筒が1本なこともあってより新陳代謝によって成長する樹木を感じさせます。

新橋駅からほど近い場所にそびえるこの建物。

デザインギャラリーのクリエイションギャラリーG8の向かいなので、これまでも目にする機会は多々ありましたが、はじめて大通りを渡って足下から間近で観察し、太い円筒の根元に人工池があることを初めて知りました。


広い敷地でもないので、とても意味ありげな池。

見上げれば池とほぼ同じと思われる上階のフロアがあり、広くもない池に張られた水の揺らめきがフロアや建物の拡張性をイメージしているかのようです。

見慣れていると思っていても、いざ写真に撮ろうと思って観察すると新しい発見があるものですね。

>>山梨文化会館についてのブログ

2014年5月10日土曜日

100年柱の再挑戦

突然の嵐で退散することになった、「東京駅の100年柱」の写真撮影リベンジ。

この柱は14本ありますが、種類は2種類。
1種は上家を支える白い柱。
もう1種は屋根を突き抜けて、架線を支える構造物である「架線ビーム」を支えるための緑色の太い柱。

隣の7番線ホームが5.6番線より高い位置にあるので、そちらへ移動して屋根の上の様子も観察。
柱の近くにはなぜか人が集まりく、電車がホームから発車した直後が狙い目なので、何度も電車をやり過ごして撮影しました。

老朽化のため補強され当時のままの姿ではありませんが、機能に装飾を加えた構造物の美しさを求めるという思想は、大切に守られて欲しいと思います。

6月頃から屋根の架け替え工事に伴い柱も新設するそうなので、そろそろ見納めです。



2014年5月9日金曜日

大荒れの東京駅ホームで。

東京駅の5.6番線ホームには、1914年12月の開業以来、関東大震災にも東京大空襲にも耐えた柱が14本あります。

この柱は鋳鉄製で柱頭に植物のレリーフがありますが、今年の6月には老朽化のため取り壊しが決まってしまいました。
ホーム端にある1対2本はモニュメントとして残るそうですが、現役で機能しているうちにと思い東京駅へ。

人の流れを避けつつ撮影を始めたところ天候が急展して大荒れ。
カメラを構えているどころではなくなったので今日は諦めて退散。

5.6番線ホームは山手線と、京浜東北線のホームなので、比較的利用するホームなのですが、最有楽町寄りのためこれまで見たことがありませんでした。



丸い支柱が軽やかで、柱頭のレリーフから広がる構造も美しく見えます。
のホームの上家構造が一部木造なのにも驚きです。

やはり天気の良い日に改めて出直さねばなりません。

2014年5月8日木曜日

赤みの黄色。

夏鳥のシーズン。
ツバメが今年も南から子育てのために帰ってきました。

冬鳥に比べて南から渡って来る夏鳥は、オスの体色が鮮やかなものが多く、中でも美しい黄色で楽しませてくれるのがキビタキ


13〜14cmの小さい体ですが、遠くまで響く大きな美しいさえずりも魅力的。
日本で見られる野鳥の中でもかなり好きな鳥なので、実はクレジットカードもキビタキです。

カードのデザインというのはなかなか好きなデザインを選ぶというシステムがなく、持っていても楽しくないものが多いのですが、このカードは持っていて楽しくなる素晴しいデザイン。

しかも寄付金付きなので、カード利用額の0.5%がカード会社から日本野鳥の会に寄付され、自然保護活動に役立てられるというステキなシステムになっています。

2014年5月7日水曜日

ブログ=データベース

GW明けのデザイン学校。
学生さん達には、休み中に「展覧会やショールーム巡りなどのリサーチをしましょう」と勧めていたのですが、なかなか出歩いていないようでちょっと残念。

数名は積極的に出掛けたようですが、何を見たのかどう見たのかの記憶が曖昧。

よく「デザインは整理学だ」という言葉を聞きますが、リサーチをしたものは、きちんと記録できて後で取り出せるように整理するといいですね。

写真という画像のみであればフォルダで分けるということもできますが、画像とテキストとWebサイトなどのURLなど、同じレベルでまとめられて、尚且つ検索するキーワードが自由ということになると、意外とブログが有効。

このブログもはじめはメモがわりでしたが、記事が増えるに連れて、結構重要なデータベースになってきました。


そろそろ検索のラベルを改訂した方が良さそうな気もしています。

2014年5月6日火曜日

山の野鳥観察

山での野鳥観察。
今回はあまりお目にかかったことのない野鳥に多く出会えました。

とはいえ木のてっぺんだったり、はるか彼方の枝だったりしたので、写真では記録程度ですが、単眼鏡ではかなり充実した観察ができました。

まずはヤドリギ観察で立ち止まった林道脇の電線の上にヒガラを発見。
シジュウカラと同じくらいの大きさですが、シジュウカラはネクタイ柄、ヒガラはマフラー(ヒゲ?)と頭のちょんで見分けられます。

山越えの途中の集落の畑近くの電線にはモズ
スズメより少し大きいくらいですが、クチバシの先が猛禽類のようにカギ型。

そして、林の中では日本三鳴鳥のオオルリを発見。
さえずりがとても美しく、姿が見えずとも聞き惚れてしまう美声です。
※日本三鳴鳥はウグイス、コマドリ、オオルリ

どれもなかなかいい感じです。

2014年5月5日月曜日

双葉の集合

野鳥を求めて山の方へ向ったGW。
まだ新芽が出始めたばかりの落葉樹には球体がいくつもついています。
球体の正体はヤドリギ
夏場には宿主の葉の中にすっかり隠れてしまいますが、冬から初夏まではユニークな姿を見せてくれます。


黄色い実のなったものをクリスマスリースとして用いるので、園芸市場に出回るのは冬ですから、これまで花は見た事がありませんでした。

実と同じ黄色い花。
ヤドリギは雌雄異株だそうで、花とわかる形状をしているのは雄花。雄花には蜜がなく花粉が、2mmほどの小さく目立たない雌花には蜜があるそうです。

低い場所にあった一株を採取して持ち帰りました。
2枚の葉の間には2輪の花が確認できるのでこれは雄花。
びっしりと花粉がついています。


枝分かれする茎と先端で2方向に広がる葉、葉の間に咲く黄色くて小さな花のすべてが規則正しくて不思議なデザインの植物です。
球体を形作るとランプシェードのようで、中に電球を灯したくなります。
もしかするとヤドリギモチーフのランプシェードってあるのかもしれません。

2014年5月4日日曜日

フォント希望

色使いや造形が人気のパツォウスカー氏ですが、手描き文字がとっても良いのです。

というわけで手元の絵本から、目につく手描き文字だけをピックアップしてみました。

フォルムに決まった特徴があってインパクトもあるので、アルファベットすべてを集めてみたらおもしろそうなのですが、誰かやらないでしょうかね。



いろんな画家や作家の文字を集める作業って、どこかのデザイン系大学のゼミなどでやっていそうな気もしてきました。

2014年5月3日土曜日

東欧的色彩の魅力

パツォウスカー展に行ったのでkitaCafeの本棚から絵本を探してみました。


チェコで出版されたもの、他の言語圏で出版されたもの、新書や中古など様々。

銀の箔押しやグロスニスなどの艶出しや穴開け、エンボスなどの加工のある、とても凝った作りの仕掛け絵本は、とてもパツォウスカー的で魅力。


今では手に入りにくくなったチェコ語の「Svět Pohádek Bratří Grimmů(グリム童話):1984年」は、挿絵的に描かれるどこか影のあるしっとりした色彩の絵が東欧っぽい感じで、ちょっと滲んだような印刷がまた良い味になっています。

今回10mの「Couleurs du Jour」が加わりまだまだ増えそうな予感です。

2014年5月2日金曜日

紙と色に酔う。

練馬区上井草のちひろ美術館で開催中の「Paper Talks 紙のおしゃべり―クヴィエタ・パツォウスカー展」に先日行ってきました。(5/18まで)


チェコの造形作家であるクヴィエタ・パツォウスカー氏の絵本を中心とした作品展で、2013年の7月から9月まで安曇野ちひろ美術館で開催されたクヴィエタ・パツォウスカー展をベースにしもの。
作品はパツォウスカー氏が「こどもにとって最初の展覧会」と語る絵本の原画が中心の楽しい展覧会。

物語があるようでないようで、それでもページをめくるのが楽しくなる絵本は、アンデルセンやグリムなどの物語でさえ、見たことのない色彩に溢れた世界で表現され圧倒されます。

一押しはリトグラフによる限定出版の絵本。残念ながら少し広げた状態でケースに入っているので、全貌が解りませんが、透き通る赤インクが美しすぎます。

2010年にフランスで出版されたアートブック「Couleurs du Jour(日々の色)」は蛇腹折り製本で全長10m。
原画の印象を崩さない本に仕上がっています。
ミュージアムショップで購入できました。


純粋に楽しいのですが、造形や色彩の学習にも最適だと思いますので、グラフィックデザインを学習している学生さん必見の展覧会です。

2014年5月1日木曜日

名残惜しい。

気軽な記録用に使っていたコンパクトデジカメFUJIFILM FinePix F30


レンズ内部にホコリが入り込んでしまって、写真に影のノイズが多く出るようになってしまい、どうも具合がよくありません。

レンズ交換のできる一眼に比べ内部がむき出しになることはないコンデジですが、レンズのズーム駆動部分など隙間がない訳ではないため、どうしてもホコリは入ってしまいます。

こうなるとメーカーにクリーニングを頼むしかないのですが、なんと分解クリーニングができない設計だそうで、レンズ部分を丸ごと入れ替えるのです。

実は数年前にもメーカーへ持参してレンズ交換をしています。

このレンズとズーム駆動部分の機構を丸ごと交換。


2006年発売当時の価格が40,000円代でしたが、レンズ交換は10,000円ほどかかります。
分解清掃ができる機構にすることで本体が大きくなったり、部品が多くなってコストがかかったりするというのが一番の理由なのでしょう。
さすがにもう一度交換してまで使うのもどうかと思い、買い替えをすることにしました。

撮像素子は1/1.7型と現在のコンデジと変わないものの、有効画素数630万画素ですから、今では2倍から3倍以上の解像度ですし、画像処理エンジンも日々進化しているので、同じ価格帯でも高性能になり、長く使い続けることが想定されていないというのが、現代のデジカメの宿命なのかもしれません。
機械的にはまだ使えるだけに残念で、ちょっと淋しいですね。