上野の東京都美術館で開催中の「エル・グレコ」展に行ってきました。(4/7まで)
スペイン絵画の巨匠ですが、日本国内ではこれまでにない規模の大回顧展ということです。
コテコテの描写と引き延ばされた人体表現はマニエリスム絵画の特徴でもあり、その密度には圧倒されます。
今回もっとも注目されている作品は、ポスターやフライヤーにも使われている高さ3メートルを超す大作「無原罪のお宿り」。礼拝堂の主祭壇画として描かれた作品ですから見上げることを前提に描かれた絵画。会場では屈んで観賞する人もいました。
ちょっと注目したいのがこの絵にも多く登場している天使。
頭がごろごろとたくさん密集していてそこから翼が生えています。
この頭だけの天使。
セラフィム(熾天使:してんし)といって、9階級ある天使の中で最高位のもっとも神に近い存在なんだとか。
本来は翼が3対(6枚)あって、2枚の翼で顔を、別の2枚の翼で足を覆い。残る2枚の翼で飛ぶということですが、神に近くなるほど霊的で非物質的な存在ということで身体が描かれないことも多いようです。
エル・グレコだけでなくルーベンスやラファエロの宗教画にもよく登場するそうですが記憶にないですね。今度探してみることにします。
※セラフィム(Seraphim)は複数形。単数形はセラフ(Seraph)。だそうです。
1 件のコメント:
まだAさんがグラナダに居たときFBでトレドに行ってエルグレゴ見て来てよ!と言おうかと思ったんですがちょうどそのとき日本に来るというのを「美の巨人たち」で知りました。上野の東京美術館にきてたんですね。
引き延ばして描かれている体は、絵としてみるのというより、作品自体が大きくて見上げてみるので、まるで映像を観ているかのように描かれているらしいですね。
頭だけの天使、確かに他の作品でも観たことあります。(誰のかは覚えてないですが。。)
神様が人間の姿で描かれるのはずっとちょっとした疑問です。
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