デザイン学校のデザイン史でも登場するドイツの建築家
ブルーノ・タウトが、日本で手掛け唯一現存する建築が熱海にある
旧日向別邸。
桂離宮に感銘を受けたタウトが竹や桐をふんだんに用いて日本美を追求した設計ですが、見学が可能と知って行ってきました。
行ってみて感じた事はまずその空間の魅力。
タウトが設計したのは別荘の地下室部分で、サイトなどで紹介される写真を見てもそれほど広くない空間を想像していましたが、実際は奥へ広がる空間と海を望む一面のガラスからとても開放的な空間であることがわかりました。
斜面側に高く設置した部屋の意味も現地に行って見て納得の設計です。
この建物の空間に感銘を受けた建築家の
隈研吾氏が、隣接する敷地に設計した高級温泉旅館
「海峯楼」の空間設計に活かしたという話にも納得です。
細かな意匠も見所のひとつ。壁に一面に張られた細竹は、敷き詰めた竹の節でできる隙間を嫌い、節に隣り合う部分を削ってありまったく隙間なく仕上げられています。
また吊り電球の竹鎖や手摺、欄間、床張りなどの細部に渡って技巧を凝らした意匠は、写真では、まったくわからない良さがあります。
この建物を見て、印象が残っているうちに桂離宮もまた行きたくなりました。
地下室の続き3室だけですが、解説を聞きながら90分の見応えある見学でした。
事前予約が必要ですがとてもおすすめです。
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