型押しは凸版印刷の表現のひとつで、金や銀などの箔を圧着させる「箔押し」を箔なしで空押しし、紙が伸びて定着されたエンボス表現が光の加減で陰影を生み、画像が浮かびあがるというもので、紙という素材が持つ性質を利用した表現です。
身の回りの様々な素材には「弾性」と「塑性」という性質があり、ゴムのように力を加えて変形したものが力を取り除くと元の形に戻るのが弾性。一方、力を加えて変形させ力を取り除いても元の形に戻らず変形が残るのが塑性。
印刷用語で言う型押しは、この紙の塑性を利用した表現です。
グラフィックデザインに限らず、モノを作るという行為にはこの弾性と塑性を利用したものがとても多くあるので、素材による弾性と塑性の性質の違いを知る事はとても大切な事です。
この塑性による紙の変形を利用した作品作りの試作を行ないました。切り抜いた厚紙にケント紙をのせ、手作りのバーニッシャーで圧力を加えながらレリーフを作って行きました。平坦な紙の面に生まれるエンボスがとてもきれいです。
切り抜いた厚紙にケント紙を重ね、穴の部分だけに力を加えて変形させる。(左)
自分の名前などを紙の塑性変形を利用してレリーフ表現(右)
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