(12/20まで)
デザイン学校の近代デザイン史の授業でも触れたウィーン分離派の中心メンバーであった、建築家のヨーゼフ・ホフマン(Josef Franz Maria Hoffmann)が主宰し、建築やインテリアなどの生活スタイルを総合芸術として掲げ、企業として展開した画期的な工房です。
展覧会ではヨーゼフ・ホフマンの手掛けた数々の作品の他、ホフマンとならぶ中心的存在であったコロマン・モーザー(Koloman Moser)の作品も多く展示され、なかなか掴みづらい「ウィーン工房の仕事の全体像」を総合的に捉える事ができるものとなっていました。
また、ウィーン工房でテキスタイルデザイナーとして活躍し、後にホフマンの建築事務所に勤務していた上野伊三郎と結婚して日本に渡り、京都でデザイン教育にあたったフェリーチェ(=ウエノ)・リックス(Felice "Lizzi" Ueno-Rix/上野リチ)の作品も多く展示され、ウィーン工房の精神がもたらした日本への影響も感じられます。
授業では近代デザイン史のひとつの事象としてしか紹介できませんでしたが、こうしてその工房の作品を間近に見ると、改めて企業としてのウィーン工房が見え、近代的なインテリアへの影響力の強さを感じます。
会場にはウィーン工房でデザインされた壁紙やカーペットのリプロダクツが実際に使用されているのも、主催者のこだわりが感じられ、完成度の高い展覧会となっていました。
インテリアを学んでいる学生さんには特に見て欲しい展覧会です。
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