2013年11月14日木曜日

化学を見る。

東京都写真美術館で開催中の「コスモス-写された自然の形象」を見てきました。(11/17まで)


テーマに沿ってセレクトされたコレクション展で、森羅万象を区分する「木」「火」「土」「金」「水」の5つの元素を手がかりにセレクトされたもの。コレクション展ですが、今回の展示作品はすべて初出展なのだそうです。

最近はインクジェットによるプリントの精度が高く一見しても差が解らないものが多いのですが、今回の作品の中で発色性で目を引いたのが、「銀色素漂白方式」による印画の写真。

銀色素漂白方式は、通常のネガフィルムから反転する画像をプリントする「発色現像方式(タイプC)」とは異なる方式で、ポジフィルムからポジ画像をプリントするダイレクトプリントのこと。

発色現像方式が現像することで発色するのに対し、銀色素漂白方式はあらかじめ色素を含む感光乳剤層を持ち、補色を漂白して取り除くという技術。

解像力が優れ、色彩度が高い高品質のプリントとされています。
たまたまなのでしょうが、最近はあまりお目にかからなかったプリントなので新鮮に映りました。

改めて写真表現が化学なのだなと思うと同時に、やはり写真はプリントで鑑賞したいと思う展覧会でした。

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