2013年11月30日土曜日

立体作品の撮影実習

デザイン学校の撮影実習は立体作品の撮り方。
まずは基本的なセッティングから。
立体の作品撮影では、使用する写真が角版(背景も含めた四角い写真)でもキリヌキ(作品や商品などの輪郭で切り抜いたもの)でも、まずは背景をシンプルにすることから。

背景紙を使って作品を際立たせます。
天井からの反射光で柔らかい光を作り、手前の影はレフ板(反射板)でディテールを起します。
作品の制作者はカメラを覗きながら、作品の角度や照明などを指示して行きます。
照明の当たり方、角度で作品の表情が変わりますので、時間をかけてじっくり撮影することが大事ですね。

2013年11月29日金曜日

ホームドアの謎の鍵穴

最近、JR山手線の各駅ではホームドアの設置が増えています。

朝のラッシュ時や入試シーズンなど、ホームに人が溢れていて危険なことが多いので、事故防止のためにはとても良いことですが、電車の線路、ホーム、上家が合わさった風景が損なわれるのは少し残念です。

さてデザイン学校のある高田馬場もホームドアの工事中。
早稲田大学の入試日はものすごい人数の受験生で溢れるので、間に合うように急ピッチで工事が進んでいるのでしょう。

現在はホームに壁が立った状態。
まだドアがないので乗車位置は空いています。

その壁の中は自動ドア開閉の機構があるので、表面はメンテナンスのためと思われる開閉パネル状なのですが、そのパネルを止める鍵穴がとても単純で機能的な感じ。
フラットで突起もなく、かと言って一般の人が簡単に開けることはできない構造。
キャビネットの扉などにある丸鍵と似た構造なのでしょうか、透明なアクリルというのは見た目に重くなくていいですね。

少しだけ疑問なのは、全部違う形状にする必要があるのか?ということ。
わざわざ形状を変えているので必要なのでしょう。
ちょっと教えて欲しいです。

2013年11月28日木曜日

やはり冬です。

カキの美味しい季節になりました。
震災で被害を受けた三陸の牡蠣もオーナー制の復興牡蠣プロジェクトなど様々な支援プログラムによって出荷できるようになってきたようです。

Rの付く月でないと、食べてはいけないと言われていた牡蠣。
日本でもオイスターバーがメジャーになった頃から夏が旬の岩牡蠣の出荷が増えたり、オーストラリアなどからの輸入ものが増えたりして年中食べられるものになりましたが、やはり「牡蠣と言えば冬!」というイメージがあるのは、鍋やフライ、蒸し牡蠣など、加熱調理の美味しさが別にあるということなのでしょう。

旨味たっぷりの牡蠣の出汁で牡蠣ご飯を炊きました。
せっかくなので鉄鍋で丁寧に。
海のミルクといわれる牡蠣ですから加熱しすぎないことが一番のポイントです。


<牡蠣の炊き込みご飯>
かつお出汁を加熱して牡蠣をさっと茹で、牡蠣は取出しておく。
出汁を冷まし、醤油、取出した牡蠣からでる出汁を加えてご飯を炊く。
炊きあがったら牡蠣をご飯に乗せ10分ほど蒸らす。
好みで針ショウガを散らす。


2013年11月27日水曜日

すこし淋しい進化。

カナダのバンクーバーで建築基準法が修正され、来年3月から「ドアノブ禁止」となるそうです。

高齢者や障がい者など、握力の低下や捻る動作が困難な人達でも、誰もが同じように支障なく利用できる建物の構築のため、ユニバーサルデザインの観点から決定されたそうです。

ドアノブは握って捻らなくてはならないのに対し、レバーハンドルはその名の通りてこの原理を用いているので少ない力で済みますから、万人に優しいデザイン。
確かに日本でも以前からドアノブはかなり減ってきてはいますし、ノブがレバーハンドルに変わっていくのは仕方のないこと、というか機能面では大きな進化だと思います。

しかし、多くの人が利用する公共建築物だけならともかく、一般住宅にも適用されるそうですからちょっとやり過ぎな気もします。

昔の丸みを持った真鍮のドアノブは好きなのでなくなってほしくないのですが、すでに絶滅危惧種になってしまったのでしょうか。
今後どのように波紋を呼ぶのか注目です。

2013年11月26日火曜日

平安の色。

昨日の嵐で色付いた紅葉が一気に散って、街路樹のある歩道がものすごいことになっていました。
いつもならバスで移動する距離でしたが、天気もよく暖かかったので、落ち葉をかさかさと踏みながら秋を楽しみました。

色の変化を楽しむ紅葉。
日本の伝統的な色名では紅葉色(もみじいろ)が有名ですが、紅葉を直接表現する色名は意外に種類が少ないようで、「灰みの赤みを帯びた黄」を表し、朽ちた葉の色と書く「朽葉色(くちばいろ)」くらでしょうか。
その朽葉色の派生色で赤朽葉(赤みが強い色)、黄朽葉(黄色みが強い色)、青朽葉(緑みが強い色)があります。

平安時代には朽葉色の派生色は「朽葉四十八色」といわれるほど、微妙な色の違いで分けられていたそうです。
平安の人々はそれだけ自然の色を生活に取込むことに敏感だったということなのでしょう。ちょっと現代が淋しく感じますが、色名は乏しくても色が減ったわけではないので、目で楽しみたいと思います。

2013年11月25日月曜日

色イロイロ。

25日の今日。TVやラジオ、ネットではクリスマスまで1ヶ月というフレーズがとても多く使われていました。
ということは今年も残りわずかということ。

年度末モードでバタバタするこの時期は、同時に年度替わりの準備期間でもあって、頭の中はタコ足配線状態なのですが、困ったことに年々配線を整理するのに時間がかかるようになってしまいました。

デザイン学校では新年度の教材準備の真っ最中。
時代の変化と共に新入生に必須で購入してもらう教材も変化していて、学校関係機関ではいち早く導入したiPadも今やUSBメモリと同じくらい当たり前のデバイスとなった感じです。

デジタル機器の変化の速さに比べてアナログ教材の画材などでは、もともとほぼ完成しきっているのでほぼ安定していますが、手軽に色を再現する画材だけはとても悩みます。

アナログデザイン時代のカラー再現の華で混色やグラデーション表現に強いパステル
誰もが馴染みのある手軽な油性色鉛筆
水彩表現が可能で使い方次第で表現の幅が広がる水性色鉛筆
強い発色でイメージを素早く的確に表現できるマーカー

それぞれメリット、デメリットがあって難しいのですが、学生さんの経費負担も充分考慮しながら、最適なものをセレクトしたいと思います。

2013年11月24日日曜日

流行。漬け魚。

11月も最終週となりイチョウ並木が紅葉し少しずつ散りはじめました。まだなんとなく黄緑の葉も多いのですが。
イチョウが散ってしまうと一気に冬到来といった感じがして、なんだか焦ってしまうので、まだまだ頑張って欲しいですね。

この時期に最漁期を迎えている秋鮭
美味しいのでついつい買い過ぎてしまうので漬け魚にしていますが、今年の漬けは味噌漬け、塩麹漬け、醤油麹漬けの3種類。

どれも塩分により水分が抜ける事で旨味成分の割合が増えることでは一緒ですが、調味料自体の旨味の違いの他にも、タンパク質の分解度が違うため同じサケでも随分違うものになります。

一晩醤油麹に漬けたサケをそのまま焼きました。
焼き魚に醤油をかけるのと違って、魚の身にしみ込んだまろやかな醤油の味がたまりません。

<秋鮭の醤油麹漬け焼き>
サケは塩をして10分ほどおき、出た水分をきれいに拭き醤油麹に漬けて冷蔵庫で1日おく。
グリルで焦がさないように両面を焼く。
大葉の千切りを添えました。

2013年11月23日土曜日

そしてフィギュア。

デザイン学校で実施された卒業制作中間プレゼンテーションが終了しました。

「中間」というのは、まだ作品を作り始めたばかりで完成のカタチがよく見えなかったり、完成まで行けるかどうかも不安だったりするような、とても不安定な状態の発表会。

それでも普段の教室ではなく、きちんとセッティングされた会場で多くのギャラリーがいる会場で発表するということで、自分自身の制作を客観的にとらえるいい機会。

同時にグラフィックデザイン専攻の共通テーマである「Figure(フィギュア)」に対して、学生さんひとりひとりが出してきた解答を、年度末の最終発表に向うことのできるレールの上に乗せてあげるための場でもあります。

そういう意味ではここは経由駅ではなく始発駅なのかもしれません。







2013年11月22日金曜日

もうひとつの折り返し。

デザイン学校の最終学年である2年生と研究生は卒業&修了制作の折り返し地点。
年度末の最終発表を前に明日は中間プレゼンテーションが行われます。

グラフィックデザイン専攻では例年共通のテーマに取り組んでいますが、今年のテーマは「Figure(フィギュア)」。
人の形の模型の他にもフィギュアスケートの語源の図形を描くなどといった別の意味が多くあります。

1990年まではフィギュアスケートの種目にコンパルソリーという種目があって、一度目に滑った(氷上に描いた)図形をなぞることを競ったということです。
ちょうど来年2月のソチ五輪への日本男子の出場枠3の争いで急注目の町田樹選手は練習にコンパルソリーを繰り返すことで4回転ジャンプの確立があがったというようなことをインタビューで語っていました。
何度も同じ事を繰り返すのはとても地道で大変ですが、何事も基本は繰り返しなのでしょうね。

学生さんひとりひとりのフィギュアの形がしっかりとボリュームある作品になることを目指して、講師陣は細かいアドバイスをしていきます。
明日のプレゼンテーションはまだ途中段階ですが、伝えたい事がしっかり発表できるよう繰り返し練習して臨んでほしいものです。




2013年11月21日木曜日

就活の準備はじまる。

デザイン学校の後期授業も折り返し地点。
今年デザインの学習をはじめた1年生はこの春休みから就職活動がはじまります。

デザイン系の就職活動では作品ファイル(ポートフォリオ)が必須。
春休みに間に合うように今から準備を始めています。

デジタルデータで制作した作品はそのままファイルに掲載できますが、立体物や手描きの作品などは一度写真に撮る必要があり、これがなかなか重労働。

学校備品のデジタル一眼レフを借りて照明を当てながらの作品撮りの撮影実習を行いました。
学校備品のカメラはいろんな人が使うので、毎回設定が変わっています。
ISO感度や、画像サイズ、ホワイトバランスなどのカメラの操作、照明の当て方や光の測り方などをひとつひとつ確認しながら、仲間同士で助け合いなんとか平面作品の撮影は終了。
来週からはいよいよ立体物の撮影なのでもっと複雑になります。

2013年11月20日水曜日

触って確かめて。

11月も半ばを過ぎ、世の中の芸術の秋イベントがそろそろ落ち着いて来ました。
今年の秋は芸術イベントで美大へ進学した卒業生に会う機会が多くいろんな話しができました。

グラフィックデザインを学ぶデザインの学校というのは、美大や専門学校など数がとてもたくさんあって、それぞれの学校が特色のある授業を行っているので、情報共有できると刺激になりますね。

デザイン教育は今ものすごいスピードでIT化しているわけですが、そのほぼ対極にある授業が現在実施中。
自分の手で紙を折って糸でかがる上製本の実習です。

グラフィックデザインの1ジャンルである編集系のデザインを行う上で知っておいて欲しい造本の仕組みを知ってもらう事が第一ですが、今の時代だからこそ手で紙の風合いを確かめたり加工するという作業が必要と信じて毎年実施しています。

失敗も多くやり直しが大変で時間もかかるのですが学生さん達は楽しんでいるようです。
材料や道具をチェック中。糊を使う行程がいちばん緊張します。

2013年11月19日火曜日

この季節チョコの友に。

仕事でもおつきあいのある知人からちょっと特別なウィスキーをいただきました。

「シーバスリーガル ミズナラ スペシャル・エディション」

シーバスリーガルはスコッチウィスキーのプレミアムブレンデッドウイスキーですが、日本人の味覚に合った特別なブレンドで最終段階で日本原産のミズナラの樽で一定期間寝かせたものなのだとか。

日本のウィスキーでもミズナラ樽はとても希少で、その樽で熟成されると白檀や伽羅、ココナッツなどを想わせる香味や柑橘の甘味特性があって人気。
数年前にはサントリーの高級ウィスキーブランドの山崎にもミズナラで熟成された「シングルモルト山崎ミズナラ」が限定発売されていました。

確かにオレンジのような香りと甘さがあって、しかも広がりがとても心地よいです。
この時期。高級なチョコレートと一緒にゆっくり楽しみたくなります。

2013年11月18日月曜日

妖しさのクリスマス

11月も半ばを過ぎて、何となく街がソワソワしてきました。
そろそろクリスマスシーズンなのですね。

百貨店のクリスマスは毎年イラストレーションが凝っていて賑やかで楽しいのですが、ここ最近は伊勢丹の一人勝ちという感じ。
二番煎じ的なデザインまで出てきてしまった年すらありました。

世の中的には景気が回復に向かっているという2013年のクリスマス。
まだ気分は盛り上がりませんが、どうなるのでしょうね。

たまたま通ったTOBUのクリスマスビジュアルが、絵柄も色合いもこれまでにない感じでとても可愛かったです。


パターンで見えてくると北欧のニット柄のようでもありいい感じ。クリスマスということでサンタさんはわかりやすいのでしょうが、いないほうがカワイイです。




2013年11月17日日曜日

長寿ギネス

地球最古の長寿生物の話題がネットで流れていました。

2006年にアイスランド沖で発見されたホンビノスガイという大型の2枚貝です

貝の殻にできる成長痕から400歳超えと言われ、最近より正確なデータを取ろうとしたところ、誤って貝を開けてしまい死んでしまったのだとか。
507歳の大往生だったようです。

この貝。
アメリカなどではクラムチャウダーにもされる貝で、日本では大アサリという属名で市場に出回ることもあります。
日本では見慣れない貝ですが意外と美味しい貝です。
ただ大きい貝だと思って普通に食べてましたが、とても特別なやつだったのですね。


ホンビノスガイの酒蒸し>
アサリのように砂ぬきし、ニンニクのスライスと一緒に炒め、酒を加えて蓋をして、貝があくまで蒸す。醤油を少々まわしかけ小ネギを散らす。

2013年11月16日土曜日

蒸し物ランクアップ。

寒い寒いと言ってばかりですが、本当にここ数日は寒すぎ。
湯気の立つ暖かい蒸し物が欲しくてたまりません。

レンコンがあったので豆腐にすりおろしレンコンをのせ、銀餡を掛けました。もちろんギンナン入り。

ギンナンの苦味が加わるだけで、とても贅沢な深みのある味に仕上がました。


<豆腐レンコン蒸し>
レンコンはすりおろして片栗粉を加えて混ぜておく。よく水切りした豆腐にレンコンをのせ、ギンナンを散らして蒸篭で蒸す。
蒸し上がったら銀餡をかける。

2013年11月15日金曜日

ギンナンの基本

ギンナンを使った一般的なメニューで、なかなかできなかったのが「茶碗蒸し」。
手間がかかる印象がありますが意外と簡単。
寒くなって気候もちょうどいいので、シンプルに鶏肉とギンナンのみの茶碗蒸しを作りました。
からだを温めてくれて消化も良く栄養もあるので、味噌汁のように具を変えてもっと頻繁に作ってもいいですね。


<鶏肉とギンナンの茶碗蒸し>
ギンナンは茹でて渋皮を剥いておく。筋をとった鶏のササミは、酒、油、塩をかけてもみ、下味をつけておく。
器に鶏肉とギンナンを入れ、出汁と溶いた卵を合わせ、塩、醤油を入れた卵液を注ぐ。
浮いた泡を取り弱火で蒸し上げる。

2013年11月14日木曜日

化学を見る。

東京都写真美術館で開催中の「コスモス-写された自然の形象」を見てきました。(11/17まで)


テーマに沿ってセレクトされたコレクション展で、森羅万象を区分する「木」「火」「土」「金」「水」の5つの元素を手がかりにセレクトされたもの。コレクション展ですが、今回の展示作品はすべて初出展なのだそうです。

最近はインクジェットによるプリントの精度が高く一見しても差が解らないものが多いのですが、今回の作品の中で発色性で目を引いたのが、「銀色素漂白方式」による印画の写真。

銀色素漂白方式は、通常のネガフィルムから反転する画像をプリントする「発色現像方式(タイプC)」とは異なる方式で、ポジフィルムからポジ画像をプリントするダイレクトプリントのこと。

発色現像方式が現像することで発色するのに対し、銀色素漂白方式はあらかじめ色素を含む感光乳剤層を持ち、補色を漂白して取り除くという技術。

解像力が優れ、色彩度が高い高品質のプリントとされています。
たまたまなのでしょうが、最近はあまりお目にかからなかったプリントなので新鮮に映りました。

改めて写真表現が化学なのだなと思うと同時に、やはり写真はプリントで鑑賞したいと思う展覧会でした。

2013年11月13日水曜日

木枯らし対策

木枯らしが吹いて急に真冬がやってきました。
風邪をひいてしまいそうです。

栄養化が豊富で、のどの粘膜強化にも効果のあるホウレンソウ。
年中出回りますが冬が旬なので、特に栄養価も高くなによりも美味しいです。

さらに栄養豊富なカキとのホウレンソウグラタンは冬に負けない頼もしい料理ですね。

卵を落としたエッググラタンで最強にしました。


<カキとホウレンソウの豆乳エッググラタン>
タマネギは薄くスライスしてオリーブオイルとバターで炒め、透き通ったら小麦粉を加え粉っぽさがなくなるまで炒め、豆乳を少しずつ加えて、塩コショウ、ナツメグを加えてソースを作る。
片栗粉と水でもみ洗いしたカキはフライパンで水気を飛ばす程度に加熱しておき、下茹でしたホウレンソウとともにグラタン皿に入れソースを掛け、まんなかにくぼみをつけて卵を落とす。全体にチーズを振りオーブンで焼く。

2013年11月12日火曜日

だれでもコウガ風。

武蔵野美術大学美術館では「平野甲賀の仕事 1964−2013 展」を開催中(12/21まで)


装幀のデザインで特に有名なデザイナーである平野甲賀氏のこれまでの全仕事を振り返ることのできる大規模展覧会。
晶文社の本の装幀を約30年にわたって全て手掛け、その数は7000冊以上に及ぶというのですからものすごい量です。

未発表のポスター原画などもあり、これまでのイメージとは異なる世界観の作品にも出会える楽しい展覧会でした。

展覧会カタログには平野甲賀氏の特異の描き文字から生まれたフォント「コウガグロテスク」が付属。
フォントを使ってみたくてカタログを買いました。


ちょっといじっただけですが、やはり面白い。
どちらかというとタテ組み向きでしょうか。
だれが作っても「平野甲賀風のデザインになる」というのは実はスゴイことですよね。

それ風にはなりますが、バランスを取るのが実はとても難しい。

2013年11月11日月曜日

デザインという学問

武蔵野美術大学の基礎デザイン学科を設立し、現在同大学の名誉教授をされている向井周太郎先生の展覧会「向井周太郎 世界プロセスとしての身振り」が武蔵野美術大学美術館で開催されています。(〜11/16まで)


人間(ミクロコスモス)の身振りと大自然(マクロコスモス)の「身振り」を探る内容という作品は、デザイン行為が行なわれることの原点を形態学の観点から考えていくものという解説。

大理石パネルの敷き詰められたスペースに天井から吊るされる30枚のパネルに囲まれた小さな空間の内部には、シルクスクリーンで印刷された図像の集合体で内空間を形成。
パネルの展示される空間全体が外空間。
勝手な解釈ですが大小や内外という空間的な意識を通して、かたちからかたちが生まれるという現象を提示しているということはありそう。
とても難解な作品で一般的には馴染みのないデザイン学という分野ですが、ほんの一部に触れる事ができる展覧会でした。

2013年11月10日日曜日

寒さと鶏鍋。

朝晩の冷え込みが厳しくなって暖かいものが嬉しくなる季節がやってきました。

10月の気温30度という最も遅い真夏日が観測されたりしてからまだ1ヶ月経っていないのですから中々カラダが気候に着いていけず体調管理が大変。

なんとなく弱ってしまった胃腸のために、脂質が少なくやわらかくて消化の良いでスープをと思い、鶏団子のアジアンスープを作りました。
日本各地に有名な鶏鍋があるように、鍋物の中でも特に鶏は寒くなるとカラダに染み渡る美味しさがあります。鶏に多く含まれるコラーゲンとも関係があるのでしょうか。鶏肉は体を温める食材の1つでもありますね。

夏場は塩味が強くて発酵した香りの強いナンプラーを良く使いましたが、今回はヌクマムで調味。
ヌクマムはナンプラーに比べ塩分が少ない上にコクがあるので、出汁醤油のような感覚で味を決めるのには使いやすいようです。


<鶏団子のアジアンスープ>
鶏挽肉に塩をして粘りが出るまでよく練る。白ネギとシイタケのみじん切り、卵、ショウガ汁を加え練ったら、昆布を入れた湯でアクを取りながら下茹でする。鶏団子をいったん取出し鶏ガラスープ、ヌクマム、ショウガを加えてスープを作り、戻したビーフン、セロリの葉の部分を入れ、最後に鶏団子を入れて塩コショウで味を整える。
※拾った銀杏がまだたくさんあるので茹でていれました。

2013年11月9日土曜日

現物よりも。

上野の国立西洋美術館では企画展「システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡」が開催中。(〜11/17)


今回のミケランジェロ展。
子孫が引き継いでいるコレクションを中心に巨匠となるまでの軌跡を追い、その作品がどのように波紋を広げたかというというコンセプト。
ちょっと弱いのでは?と思いつつ観賞していると後半にいきなり250インチの大型スクリーンのシアターが。

バチカンのシスティーナ礼拝堂内の天井画と壁画を超高精細4Kカメラで撮影した4Kシアターです。

ハイビジョンの4倍の高解像度と言われる映像は、確かに「ホウ」とため息がでるほどのきれいな映像。
細部の拡大もはっきり見えるので、現物観賞とはまったく異なる価値があると思いました。

たった10分ですが何でこれをもっと宣伝しないのか?と不思議でなりませんでしたが、どうやら展覧会サイトの開催日前日のニュース記事によると、直前まで撮影許可が下りず撮影は展覧会開催の9日前だったそうです。
そして展覧会開催から1週間はハイビジョン上映。

この映像を見るのと見ないのとでは展覧会の意味がまったく違うものになりそうです。
たった10分という短さも苦肉の策だったのかもしれませんね。

この映像は一見の価値ありです。

2013年11月8日金曜日

マグロの問題。

世界で初めての人工孵化からの完全養殖マグロで知られる「近大マグロ」

その近畿大学水産研究所が研究育成した養殖魚を提供する「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所 銀座店」が12月2日にオープンするというニュースがありました。

大阪の1号店に次ぐ2号店だそうです。
天然モノを売りにするのではなく養殖モノであることが売りになるのですから、これまでの常識とは違った店ですね。

年々深刻化するマグロの資源量減少問題。
徹底した資源管理を行なわなければ確実にいつかはマグロが食べられなくなってしまうのですから、世界最大のマグロ漁獲量と輸入量である日本としてもっと普及してほしいものです。

今のところは漁獲量が安定しているビンナガマグロ。
水分が多く身がやわらかいため、半量を漬けに半量を炙ってたたきにしました。
どちらも美味しいです。


<ビンナガマグロのたたき>
よく冷やしたマグロのサクの表面にゴマ油を薄く塗りバーナーで炙る。氷水で冷やしたら6〜7mmの厚さに切って皿に盛る。
擦り胡麻、砂糖、みりん、醤油を合わせたタレをかけ、青ネギの小口切り、青シソをのせ、白ゴマを散らす。

2013年11月7日木曜日

ほんのり黄色いポタージュ

黄色い色があまりにきれいなので嬉しくて買ったズッキーニ
カボチャの仲間ですがカボチャが完熟果なのに対してズッキーニは未熟果のため、傷みやすくあまり日持ちしないので頑張って調理しないとなくなりません。

あっさりとした野菜の旨味なので意外とポタージュでもいけるか?と思い挑戦。
カリフラワーのような上品なポタージュになりました。
黄色い皮が粒状に散って見た目もキレイです。
これは結構イケル。
夏は冷たくしてもいいですね。
もう季節が終わってしまうのが残念です。


<黄色いズッキーニの豆乳ポタージュ>
オリーブオイルでタマネギを炒め透き通ってきたらズッキーニを加え、しんなりしたら水を加える。
コンソメスープ、塩、ベイリーフを加えて煮ていき、ズッキーニが柔らかくなったら、ベイリーフを取出してミキサーにかける。
なめらかになったら再び火にかけ、豆乳、牛乳を加えながら塩で味を整え最後にバターを加える。
器に盛り小ネギの先の小口切り、コショウをふる。

2013年11月6日水曜日

希少な黄色。

そろそろ季節の終わる夏野菜のズッキーニ
カボチャの仲間で皮ごと食べられますから料理の彩りにもいいです。
特に黄色い品種は色鮮やかできれいなのでレストランなどでは良く目にするのですが、緑色に比べ皮に傷がつきやすかったり、緑が混ざってむらになったりすることが多く、栽培に手間がかかるそうで、なかなか店頭には並びません。

珍しくきれいな黄色いズッキーニが手に入ったので、色を生かして調理。
油との相性もいいので、やはりオーブン焼きが良いですね。

<黄色いズッキーニのトマトグラタン>
ズッキーニは輪切りにして少しだけタネの部分をくり抜き塩コショウをしてオリーブオイルで軽く焼き目を付ける。
タマネギ、ナス、トマト、セロリを小さめのさいの目にカットしてオリーブオイルで炒め、トマトソースを加えて軽く煮詰めたら塩コショウをしてズッキーニにのせ、バルサミコ、チーズをかけてオーブンで焼く。

2013年11月5日火曜日

絵本が気になる。

少し前ですが練馬区のちひろ美術館で「ずっと長さんとともにー長新太が描いた子どもの本ー」を見ました。

日本の絵本界にナンセンスを持ち込んだ漫画界出身の絵本画家である長新太氏の原画約100点と同時に、ほとんどの展示原画の絵本が展示。
もちろん絵本は手に取って見る事ができました。

絵本の原画展では多くの絵本にも出会える機会で、今回もいままで知らなかった長新太氏の絵本で気になったものが何冊かありましたが、原画を見てしまうとどうしても絵本の発色が見劣りしてしまうという難点もあって、ちょっと悩んでしまいます。

廃刊本ではないので時間をかけて検討したほうが良さそうです。







2013年11月4日月曜日

惑わす強さ。

今年は資生堂のメーキャップブランド「MAJOLICA MAJORCA」が誕生して10周年。
記念公式Webサイトをはじめ、様々なイベントも各地で開催されています。

このブランドのビジュアルイメージを創りだしているヘア&メーキャップアーティストとフォトグラファーによる作品展「百合佐和子×金澤正人『ユリカナ展』by マジョリカ マジョルカ」が渋谷ヒカリエの8/COURTで開催中なので行ってきました。(11/11まで)
渋谷のParco Museumで開催中のブランドメインイベントである「MAJOLICATLE」(11/11まで)の関連イベントです。


写真作品の基本は女性ポートレートですが、その世界観がやはりすばらしい。
ブランドの広告ビジュアル作品ではないだけに、根底にある不思議な空気感やゆったりとした時間経過感が感じられ、ブランドイメージのコンセプトがより強く感じられます。

カワイくなりたいという女の子の願いをメーキャップという方法で叶えるために魔法の世界を持ってきたMAJOLICA MAJORCAのブランディング。
ビジュアルイメージで展開される表現は、カワイイの一言ではすまされないストーリーの奥行き感を持ち、SHISEIDOであることを気付かせないブランドイメージを創りだして、若年層をSHISEIDOに巻き込むための最大の効果を揚げているのでしょう。


こうなると「MAJOLICATLE」の方も気になりますが、さてどうしたものでしょうか。

2013年11月3日日曜日

彷徨う視覚表現。

竹尾見本帖本店で開催中の「紙とインフォグラフィックス 系統樹の森 ― 系統樹を介して樹と人間と知識の諸相を鑑賞する」に行ってきました。(11/22まで)


インフォグラフィックスはデータや情報を視覚的に認識できるカタチに表現したもの。
グラフィックデザインの重要なジャンルのひとつですが、その中でも系統樹は時系列で複雑に変化する情報をただ単に視覚的に図式化するだけでなく、文字通り樹木になぞらえて魅力的な形態として表現したものなので図像としての魅力があります。

しかもこの展覧会の企画構成は数々の図像表現のグラフィックワークを展開し続けている巨匠グラフィックデザイナーである杉浦康平氏が担当。

展覧会には系統樹の図版原本が並んでいるのだとばかり思っていましたが、原本からの図像展示は1点のみ。
あとは天井から吊るされたバナーに系統樹の図版と解説がプリントされたものが林立。
一瞬もの足りなさを感じましたが、展示1点ごとに引き込まれていくうちに、いつしか系統樹の森を彷徨っていました。

2013年11月2日土曜日

考えるデザインで。

年に一度のデザイン業界の最大イベントTOKYO DESIGNERS WEEK(TDW)が今年も神宮外苑で開催されています。

2013年はASIAのデザインに注目したコンセプトなため、出展企業や学校などもアジアの各国から出展され来場者も例年以上に多国籍。
デザインには言葉の壁はないと改めて実感しました。

先日デザイン高等学校の学生引率で訪れた際は雨模様だったため、晴天狙いで再チャレンジ。

デザイン学校の出展は野外展示場と室内の2作品。
施工日が台風の影響もあって難航した野外展示でしたが、耐水性のユポ紙を使うなど天候にも配慮した作品は大きなダメージもなく晴天となれば鮮やかな色彩を放っていました。

野外作品は一面の壁に2色で彩色された風車が埋め尽くされ、風の力でグリーンカーテンが生まれるというコンセプト。


風車はイエローとシアン(水色)のストライプ。
そのままでは細かいストライプにより近景では2色ですが遠景では2色が混色される併置加法混色
そして風が吹いて風車が回ると、近景でも2色が混色されて感じる継時加法混色
色彩学の理論にも基づいたちょっと深い表現の作品です。

室内作品はWeb技術を用いたインタラクティブアート。
デザインの基本である形態と色彩を選びながらその場で作品を創りだしていくシステムを展示しました。


どちらも写真ではその良さが伝わりにくいものですからぜひ会場で体験して欲しい作品です。

TDWの良さは個人作品の展示会だけでは終わらないところだと思っていましたが、今年は個人作品が多かったですね。
デザイン見本市でいいのであればTDWの存在意義が弱まってしまうので、強気のデザイン提案が行なえる場所としてこれからも発展していって欲しいと思います。

2013年11月1日金曜日

デザインイベントへ。

デザイン高等学校の授業は神宮外苑で開催中のデザインイベント「TOKYO DESIGNERS WEEK 2013」の見学会。

雨の降る寒い天候でしたが、最新のデザイン情報や学生展などを見学体験しました。

同じデザイン学校のデザイン専門カレッジの先輩達が出展している展示スペースでは、細かい作品の説明を通してデザイン作品として表現する際のコンセプトの重要性を学習。
自分たちが今後どのようにデザインを学習していくのか、少しイメージできた機会になったと思います。

TOKYO DESIGNERS WEEK 2013は11/4まで開催。