グラフィックデザインの領域で比較的人気なアイテムに「マーク」があります。
企業のロゴやブランドマークなど、視覚的なキャッチとして重要なアイテムで、各種商品にも表示され差別化されています。
これらのマークは視認性が特に重用視されるため、要素の少ない比較的はっきりしたものが一般的で、見せるために車のエンブレムマークなど目立つ位置に入ることがほとんどです。
これに対して目立たないマークの使い方の代表が磁器のカップや皿などに付ける「裏印」。
メーカー品であることの証であり品質の保証でもある「裏印」は、目立たないように商品の裏にあり、デザインも視認性以上に凝ったデザインになっています。
アンティークの業界ではこの「裏印」をもとに作品の履歴や来歴を判断することも多く、図柄だけでなく色の違いでも品質を表していたのではないかとも言われています。
実際にカップや皿を裏返して裏印を見比べてみるだけでも楽しいものですね。
日本が世界に誇る「磁器ブランド」のひとつである「ノリタケ」。
1885年から終戦にかけてのいわゆる「オールドノリタケ」と呼ばれるものには、約110種類以上の裏印が現在確認されているそうですが、大戦によってノリタケの資料原本が消失しているため、不明な点も多くあるようです。
ノリタケブランドの裏印で面白いのがこのマーク。
通称「ヤジロベー」。
国内向けに1911年(明治44年)頃~1940年(昭和15年)までの戦前に作られたもので、グリーン・マロン・ブルー・ピンク・藍・金の色のバリエーションが確認されているそうです。
一説には、一本足で立つヤジロベーに生産管理のバランスの良さを表現しているとも言われています。
マークの来歴や意味を知ることで、生産者やメーカーが商品に込めた気持ちが伝わり、より愛着が湧きますね。
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