京橋の東京都近代美術館フィルムセンターで開催中の「日本の映画ポスター芸術」展を見て来ました。
国立近代美術館の映画部門であるこの美術館は映画フィルムでや映画制作技術などをメインにした美術館ですが、同時に映画関係資料の収集、保存も行なっているため、今回のように映画のポスターやパンフレットなどの企画展が開催されることがあります。
これまでも何度か印刷物の企画展を見に行きましたが、映画文化としての側面からのアプローチが強く、中々グラフィックデザインとして面白い企画になっていない印象が強かったのですが、今回の展覧会は印刷博物館の学芸員も企画に協力しているせいか、ポスター芸術としての面白さが充分に引き出された展覧会となっていました。
特に少部数低予算印刷のシルクスクリーン工房とデザイナーとの関わりなどにも触れた解説は、デザイナーが自身の作品制作としてポスターに憧れていた時代性がよく感じられ、商業目的だけでない個性的な作品の誕生につながったのだということが理解できました。
映画ポスターとして活躍しているグラフィックデザイナーの多くは、同じ時代の演劇ポスターでも多くの名作を残して来たデザイナーですが、演劇とはまた異なる表現のポスターの仕上がりが確認できました。
展示室前半には「日本映画の歴史」の展示もあり、東京オリンピックを撮影した1600mmの巨大なレンズや、家庭用のレフシー紙フィルムなどの珍しい資料がたくさんあり、こちらはこちらで時間をかけてじっくり見たい展示です。
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