2011年10月31日月曜日

生物のニュースいろいろ

最近のニュースから。

ヒマラヤのブータンで幻の蝶「ブータンシボリアゲハ」の生息が78年振りに確認されました。

ヒマラヤの貴婦人とも呼ばれる大きくてとても美しい蝶です。


1933年にブータン東部の谷で捕獲されましたが、その後発見されず、現在では大英博物館に5体の標本があるのみの幻の蝶で、一昨年にブータンの森林保護官が良く似た蝶を見たという情報から、日本蝶類学会が調査取材を申し入れ調査が実現したそうです。

NHKの9時のニュースで知り、翌朝の朝刊では1面の記事になり、昨日のNHK特集ではドキュメントが放映されました。

山岳地帯ブータンの密林でひっそりと生息していたのかと思いましたが、ブータンの人々が森を利用しながら住む地域。

日本で言えば里山に近い感覚の環境です。

人が自然と共存できるひとつの解答なのでしょうね。

最近はシーラカンスの新たな繁殖地がアフリカ東部に発見されるなど、希少生物の生息に関する話題があり、まだまだ未知の地域環境には絶滅されたとされる生物が生息しているのではないかと期待される一方、絶滅危惧種ジャワサイが生息地のひとつであったベトナムでは絶滅したという悲しいニュースもありました。

自然環境保護や生物多様性などの意識が高まる中、まだまだ破壊のスピードに人間の意識が追いついていないことに焦りを感じます。

2011年10月30日日曜日

大地のエネルギー

kitaCafeのある国立では、毎週土日には地元の農家で穫れた野菜が街中で売られます。

輸送時間も短く、輸送のための箱詰めもされないため、野菜は驚くほど新鮮で元気。

太くてハリのあるネギがあったのでランチはネギのパスタにしました。
包丁で切るとネギの切り口から水分が溢れ出すほど。
野菜も生きているものなんだと実感。大地のエネルギーを感じます。

<ネギとシイタケの豆乳パスタ>
ネギとシイタケは細切りし、シイタケからオリーブオイルで炒め、少し火が通ったところでネギを加える。
あまり混ぜすぎないようにし、少し焦げ目がついたら豆乳を加え、醤油と塩少々を加えてひと煮立ちさせ火を止め、ゆであがったパスタを加え豆乳をからめる。
皿に盛ったらコショウをひく。

2011年10月29日土曜日

中国の味噌

中華料理の調味料に欠かせないものに回鍋肉の味付けに使う甜麺醤があります。

甜麺醤は小麦粉から作った甘味噌で、生でも食べられるのため北京ダックなどのソースにもよく使われますが、加熱すると香りが強くなるので炒め物や煮物に少し加えても重宝します。

たんぱく質、カルシウム、鉄分、ビタミン、カロテンが豊富に含まれている健康調味料な上、味噌特有のコクがありながら日本の味噌に比べて塩辛さが弱いので、味噌炒めでも神経質にならず多めに使えるのもいいですね。

食材全体が味噌色になるため、器は明るい色のものを使いたいですね。
友人の陶芸家作の絵皿に盛ってみました。

<鶏とシメジの甜麺醤炒め>
そぎ切りにして下味をつけた鶏はフライパンで七部通り火を通し取出し、シメジ、ネギを炒め、鶏を戻し入れ、甜麺醤、醤油、紹興酒を加え炒め合わせ、仕上げにコショウを振ります。

2011年10月28日金曜日

復活の標本

昨年10月に不注意で壊してしまったウニの仲間のブンブクチャガマの標本

今回のダイビングでは海底のいたるところでこの殻を見ることができました。

とても壊れやすいので海底ですでに穴があいたり欠けたりしている中、キレイなものだけを選んで数個を拾ったのですが、陸に上がった時点で壊れてしまったものも多く、結局無事に持ち帰れたのは2cmほどの1個のみでした。

不純物の浄化のため漂白剤で洗いますが、この段階でも細心の注意が必要です。
他のウニ類に比べて不純物が付きにくいのか、比較的早く洗浄完了。

ほぼ1年振りにコレクション復活です。

やや模様の入り方が違う印象なんですが、オカメブンブクのようです。

2011年10月27日木曜日

初ドライ。

日帰りダイビングに行ってきました。

東伊豆の川奈をホームポイントにしているダイビングショップにお世話になったのですが、あいにくの北風で東伊豆のポイントは全滅。

西伊豆の大瀬崎まで遠征することになりました。

大瀬崎は駿河湾に突き出た長さ800mほどの岬で、囲まれた湾内はよほどの悪天候でない限りはダイビング可能なポイントで、伊豆各地のポイントが天候不順で潜れない時のお助けポイントなため、過去にも何回か潜ったポイントです。

今回は初めてドライスーツダイビングに挑戦。
ウェットスーツと違い、防水のスーツでインナー次第で冬でも暖かく潜れるスーツです。

ウェットスーツとはちょっと勝手が違うため、レクチャーを受けて練習しながらのダイビング。

馴れるまでなかなか難しい感じでしたが、これから冬場にかけては透明度もあがり、季節特有の生物が見られるため、冬ダイビングに可能性を感じられただけでも良かったです。

アオリイカの群は見ていて飽きないです。
サンゴの仲間であるムチカラマツにしがみつくビシャモンエビ。
イソカサゴはあちこちに落ちています。

実は先月に愛用の海用カメラをダメにしてしまい、古いコンデジを持ち出して、無理矢理セッティングでの試験撮影でした。


まだまだ調整や工夫が必要なようです。

2011年10月26日水曜日

即席でも美味

料理の付け合わせというのは、基本的には彩りを添えたり、味を引き立たせたり、口直しをしたりという目的なのでしょうから、このメニューには絶対コレ!というものではないはずはのですが、どうしてもソーセージにはザウアークラウトがないと物足りない。

本来ドイツのザウアークラウトはキャベツが乳酸発酵したもので、日本でも瓶詰めの輸入品が多く売られていますが、これがたいそうな大瓶。

そうそう毎日ソーセージを食べるわけでもないので、この大瓶には中々手が出ません。

しかもちゃんと作るとなると1週間程度はかかるし、やはり大量にできてしまいます。

そこで本式ではないのですが、キャベツに酢を混ぜて即席漬けで済ませてしまうのですが、簡単な割に美味しいので結構気に入ってます。

<ザウアークラウト風キャベツの酢漬け>
千切りキャベツをに白ワインを振って電子レンジで加熱し、酢とコンソメ、塩、キャラウェイシードを加えて混ぜる。
15分くらいはそのまま置いて馴染ませる。
唐辛子を1/2本程度加えても美味しい。

2011年10月25日火曜日

本のカタチ

TAKEO PAPER SHOW 2011」に行って来ました。
竹尾見本帖本店をメイン会場に首都圏の書店をサテライト会場に開催中です。

毎年カタチやテーマを変えたペーパーショウですが、今年のテーマは「」。

2011年時点での「本」を考える趣向で、会場には各界の識者78名が選んだ本と本に対する考えのエッセイが展示されています。

ひとつひとつ読み込むと面白いのですが、会場で商談や雑談をする人がけっこういたので、気が散ってしまいました。

選ばれた本を電子書籍風にモニターで映しているコーナーがありましたが、あれは紙の本との対比を見せる意図なのでしょうか?
わざとらしくページを捲る音まであってちょっと⁇な感じでした。

本がテーマでありながら実際に手で触れることができるのは、来場者が持ち込んだ本を交換していくシェアシェルフというコーナーのみ。

15分ごとに書棚が随時ネットにアップされているのですが、これは結構面白いですね。

本の数が足りないですが、スペース的に仕方なかったのでしょう。
気軽に出来ることなので、あちこちで真似るといいと思いました。

会期は11/6まで。
グラフィックデザイン専攻の1年生はちょうど造本の課題なので紙選びのついでに行きましょう。

2011年10月24日月曜日

ピーターラビット

先日は友人宅で気軽なパーティ。
3家族が集まったのですが、その中の大人とこども合わせて3人がバレエ教室に通っていて自然と話題がバレエに。

バレエと言えば、熊川哲也氏のKバレエカンパニーが上映した「バレエ ピーターラビットと仲間たち」が近年話題でしたが、3人とも知りませんでした。
ちょっとマニアックなのでしょうね。

このバレエ。
もともと熊川氏が在籍していた英国ロイヤル・バレエの人気作で、ピーターラビットと仲間たちのキャラクターに扮した(かぶり物です)ダンサーが物語を演じるバレエ映画。

その後舞台化されたものの門外不出で、2009年にKバレエ カンパニーによってはじめて海を渡った名作。

舞台を見る機会はなかなかないでしょうが、1971年に制作された映画と1992年に舞台化されたものを2007年に収録して映像化した2種類の映像があります。

映画版は野外ロケもあって、それでもバレエで楽しい映像です。
いつか舞台版の映像も見てみたいです。

映画版「ピーターラビットと仲間たち ザ・バレエ」予告編がYouTubeにアップされていました。





2011年10月23日日曜日

ピリ辛コリコリ

高タンパク低カロリーな鶏肉の中でも、より栄養価が高いのが内蔵

中でも砂肝は低脂肪な上に、鉄分ミネラルが豊富に含まれる他、糖質の代謝を助けてくれるビタミンB1、脂肪の代謝を助けてくれるビタミンB2が豊富に含まれていているので上手く活用したい食材です。

下処理をきちんとすれば内蔵独特の臭みもとれ、より美味しく食べられます。

春雨、キュウリと合わせ、韓国風和え物にしてみました。

<砂肝とキュウリ、春雨の韓国風和え>
銀皮とスジを取った砂肝はよく洗って、切り込みを入れ薄くスライスし、熱湯で軽くゆでる。
戻した春雨、細切りのキュウリと合わせ、コチュジャン、甜麺醤、醤油、ごま油、ネギのみじん切り、ショウガのすりおろし、白ごまで和え、白髪ネギをのせます。

2011年10月22日土曜日

デザイナーの大回顧展です

まもなくデザインの祭典「Tokyo Designers Week」が開催されます。
出店参加する学生達は制作の追い込みで必死ですが、この時期は各地でデザインのイベントが行われますので、自分たちの制作や発表だけでなく、他からもしっかり吸収して欲しいですね。

都心からは少し離れますが、川崎市の川崎市市民ミュージアムで「ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展」が開催されています。(11/6まで)

2009年に亡くなった日本のグラフィックデザイナーの大御所の一人である福田繁雄氏。

イタリアの美術家でありデザイナーのブルーノ・ムナーリ氏にも大きな影響を受けている福田氏は、錯視を用いた作品制作でも有名で、特に立体作品はそれまでにないグラフィック的な感覚が冴えるユニークなものになっています。

今回の展覧会では、400点あまりの作品が展示されているようで、一人のグラフィックデザイナーの作品展としては異例の規模ではないでしょうか。

忙しい時期ですが、グラフィックデザイン専攻の学生さんは必見です。

2011年10月21日金曜日

今年のペーパーショウ

10/20(木)から株式会社竹尾主催の「TAKEO PAPER SHOW 2011」が始まりました。
今年は「」がテーマだそうです。

ペーパーショウといえば、特設会場での派手なショウのイメージですが、ここ数年はイメージを一転し、レクチャー形式や単日イベントを一定期間催すなど様々な形に変わってきました。
2011年は、見本帖本店をメイン会場に書店展開するとう分散型のイベント。

また見本帖本店では「シェアシェルフ」と題した参加型イベントが行われているそうです。
会場に自分の本を持ち込み、会場の本と交換しコメントを残す。
誰でも参加可能のこのイベント。
どんな風に変わって行くのでしょうね。
楽しみです。

~11/4までの会期ですので、一度は見本帖本店に足を運びたいと思っています。

2011年10月20日木曜日

ヨコトリレビュー/その4

ヨコトリレビューの最後は横浜美術館会場の作品。
美術館の展示会場らしい真っ白い展示空間のためでしょうか、空間性以上に作品自体を観賞するという感覚がありました。

トビアス・レーベルガー(Tobias REHBERGER)
「他者(Anderer)」
(横浜美術館会場)
2009年ヴェネチア・ビエンナーレの金獅子賞受賞のトビアス・レーベルガーは、2010年の瀬戸内国際芸術祭にも出展していて、ストライプ柄の作品が有名です。
イタリアのエスプレッソコーヒーブランドのillyが毎年展開しているエスプレッソカップのコレクションでも2010年モデルとして販売された他、カンパリ150周年記念ラベルのデザイナーの一人にも選ばれるなど現在活躍の人気アーティスト。

2010年 瀬戸内国際芸術祭での作品


今回の作品はストライプではなく、大きな電球を吊るした作品で、2002年に発表された作品のヨコトリバージョン。
横浜市内の子ども部屋の照明と連動して、子どもがスイッチを入れるとランプの明かりが消えるという仕組みだそうです。
ちょうど訪れた時はほとんどの電球が灯っていたので、多くの子ども達の部屋のスイッチは切られていたのでしょうね。


カンパリ誕生150周年記念ボトルの記事

illyエスプレッソカップコレクション2010



立石大河亜
「音雷韻走査」「大地球運河」「情報守護神」「大地球運河」
(横浜美術館会場)
1994年に制作され、それまでの自作に登場する代表作が多く引用された晩年の作品。
アバンギャルドな作風による密度ある画面からは、空間の中の静かな時間の流れを感じ、鑑賞者を引き込む力があります。

絵本「とらのゆめ」のワンシーンも登場。



岩崎貴宏
「アウト・オブ・ディスオーダー」
(横浜美術館会場)
天体望遠鏡を覗くと観覧車や鉄塔が。
その素材が髪の毛というのですから驚きです。



ヨコハマトリエンナーレ2011のレビューを4回に渡り書いてきました。

全体的な感想としては、横浜美術館会場と日本郵船海岸通倉庫会場がまったく別の展覧会のような印象で、3年に一度の国際的な現代美術の祭典という感じは弱かったように思います。

参加アーティストの作品も新作が少ない印象でしたが、各地で国際現代美術展が増える中、人気のアーティストを呼ぶこと自体が難しくなっているのかも知れませんね。



2011年10月19日水曜日

ヨコトリレビュー/その3

ヨコトリレビューの続きです。
その1その2で書いたように、映像作品が目立ったトリエンナーレでしたが、もちろん他のメディアの作品も多く、注目の作品がありました。

今回見ることのできた2会場は、展示空間としても極端に異なる会場なので、それぞれのいいところが作品と呼応して楽しめました。

そういう意味では、もっと横浜の街中へアートが侵食して行くとおもしろいと思うのですが、今回のコンセプトは違ったようですね。

さて作品レビューです。
まずは日本郵船海岸通倉庫(BankArt Studio NYK)会場ですが、天井が高く、部屋の構成も今回の展示空間のために作られた壁が多いため、作品とのマッチングがいいです。

ジルヴィナス・ケンピナス(Žilvinas KEMPINAS)
「5番目の壁」
(日本郵船海岸通倉庫/BankArt Studio NYK会場)
この作品は、展示されている部屋への入り口を狭くとっているため、中に入ると一瞬何もない空間に見え、室内へ歩を進めることで、張り巡らせされた磁気テープが現れるという作品。
改めて磁気テープの薄さを感じると同時に、入口からの視点では磁気テープの幅が見えない角度で張り巡らす計算されていて、目の前のアナログな空間と素材が衝撃を与える作品です。
この作家は、磁気テープという素材に魅せられているようで、世界のいろんな空間で磁気テープを使った作品を発表しているみたいですね。
空間に作品を置くだけでない、空間とのせめぎ合いが心地よい作品でした。
作品を紹介しているサイトを見ると拘り方はすごいものがあります。

静止画より動画でないと面白さがわからない作品がYouTubeにアップされていました。
これも面白いです。


デワール&ジッケル(DEWAR & GICQUEL)
「無題」
ヨコトリ紹介のメディアに登場しがちなカバの作品。
写真で見ていた時はあまりピンときていなかった作品ですが、実際に現物を見るとスゴイというか面白い作品でした。
この作品は20tの陶土を使って展示会場で現地制作されたものですが、水分を含む粘土なため、会期中に水分が抜け自然にひび割れや表面の質感変化が現れるという趣向なのだと思います。
完成した状態を維持することが一般的な芸術作品である中、時間と共に変化することがテーマの作品なのでしょう。
ヨコトリが8/6からですから2ヶ月以上経って、いい感じにひび割れと質感変化が起こっていました。
会期はじめはただの巨大カバだったことを考えると、ちょうど見頃なのかな?とも思います。
このあと自然風化まであるとなお良いのですが、あと半月でどう変化するでしょうか。
今回出品の作品はそのままの陶土でしたが、石彫作品も多い様ですね。
陶土の塊が割れたり、自然に割れた石などを組み合わせてできた塊などへの思いが強く作品制作に結びついているようです。


イェッペ・ハイン(Jeppe HEIN)
「スモーキング・ベンチ(Smoking Bench)」
8/31まで金沢21世紀美術館で大規模な個展が開催されていたデンマークの若手作家で、その作品は鑑賞者との関わりをテーマにした作品を多く制作している作家です。
今回のヨコトリの出品作は鏡の前に置かれたベンチに人が座ると霧が発生する作品(装置)。
自分が霧に包まれる様を鏡を通して見る事ができるという、ただそれだけのものですが、これが面白いから不思議です。
霧と言えば国立昭和記念公園のこどもの森にある「霧の森」を思い出しますが、安全が前提にある中で、視界を遮られる霧に包まれる感覚というのは、他にない緊張感とわくわく感があるものです。

山下 麻衣+小林 直人
A Spoon Made From The Land
砂の山の上には1本のスプーンが刺さっています。
作品制作の記録映像が映し出されているので、スプーンを鋳物で作ったのだなということはわかるのですが、一番のポイントはこの二人がブリキのバケツを持って砂浜に座り込み、何をしているのかということ。
映像がループされているので、タイミングによっては肝心なポイントを見逃してしまいます。
この2人の作家が砂浜でしていることは、磁石を使って砂鉄を採集していること。
この砂鉄採集の瞬間の映像がわくわくさせるので必見です。
採集場所は千葉県飯岡海岸だそうです。

(次は横浜美術館会場につづく)

2011年10月18日火曜日

ヨコトリレビュー/その2

ヨコハマトリエンナーレ2011はメイン会場が日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)横浜美術館ヨコハマ創造都市センターの3会場で行われていますが、今回、1日で鑑賞できたのは日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)会場と横浜美術館会場の2会場のみ。
かなり急いで見たつもりですが、見きれませんね。

前回は日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)会場の映像作品を紹介しましたが、横浜美術館にもおすすめの映像作品があります。

田名網敬一 
「Sweet Friday」3分
「CRAYON ANGEL」3分
(横浜美術館会場)

サイケデリックイラストレーションの巨匠であり、実験映画&アニメーション界の鬼才でもある田名網敬一氏の1975年制作の16mmによるアニメーション作品。
色彩とデフォルメされた図像の強さだけでなく、映像としてのスピード感も現代の感覚というのが驚き。

2010年にDVD作品集としてフランスで出版された「A PORTRAIT OF KEIICHI TANAAMI 14FILMS 1975-2009」の日本国内版「田名網敬一の肖像 A PORTRAIT OF KEIICHI TANAAMI」にも「Sweet Friday」収録されているようで、このDVDからの抜粋映像がYouTubeにアップされています。(冒頭の作品)







もう一つはヨコトリのポスターやフライヤーなどの広告に使われている作品。

ミルチャ・カントル(Mircea CANTOR)
「Tracking Happiness(幸せを追い求めて)」
(横浜美術館会場)

2011年のマルセルデュシャン賞にもノミネートされたルーマニア出身のミルチャ・カントルはドローイング、アニメーション、彫刻、ペインティング、ビデオアートなど様々なメディアで創作を続けています。

今回のヨコトリでは2009年にスイスのチューリッヒ美術館(クンストハウス:Kunsthaus Zürich)で開かれた個展で話題となったビデオ作品で、白い衣装を身にまとった女性たちが白い砂の上を歩き続け、その足跡をほうきで延々と消し続ける映像は、静かな空間の中の緊張感がとても印象的な作品です。

2009年の個展のプレスプレビュー&オープニングレセプションの映像がYouTubeにアップされています。


2011年10月17日月曜日

ヨコトリレビュー/その1

ヨコハマトリエンナーレ2011では、映像作品が多い事がひとつの特徴のように感じます。

一般的には作者が製作した映像をはじめから終わりまで見ることで、その作品を観賞することができるのですが、これがなかなか難しいのも事実。

ひとつの映像作品が20分、30分となると、とても他の作品を見て回る時間がありません。

今回そんな映像作品の中でも、全てを上映することすらできない特異な作品がありました。

クリスチャン・マークレー(Chrintian MARCLAY)
「The Clock」
(日本郵船海岸通倉庫 BankArt Studio NYK)
この作品は膨大な量の映画作品から、時計のシーンをその経過に合わせて抜き出してつないだ作品で、実際のリアルな時間とリンクさせて上映されているため、映画の時代は様々でありながら、世界のあらゆる場所で今同時に起きていることのように感じる不思議な作品です。
作品は24時間の長さ。
ヨコハマトリエンナーレではどんなに粘っても開館時間の11:00-18:00までの7時間分しか見ることができない。
この作品をフルで見る機会は訪れるのでしょうか。

作品のごく一部がYouTubeにアップされています。
(この映像は12:04-12:07)
他にも断片がアップされていますので、繋げば24時間になる?


同じ日本郵船海岸通倉庫 BankArt Studio NYK会場で、注目の映像があります。

ジュン・グエン=ハツシバ(Jun NGUYEN-HATSUSHIBA)
「呼吸することは自由 12.756.3:日本、希望と再生 1.789」
GPSを付けたランナーの軌跡で地図上に絵を描く作品。
東日本大震災の後、祈りを込めて制作され図柄は巨大な桜です。コンセプトがわかりずらいのと、表現された色彩が今ひとつなのが残念ですが、発想と規模はスゴイです。

ピーター・コフィン(Peter COFFIN)
「無題」
「3-D medical scan」という技術を用いた18個のフルーツの透視図像が回転しながら空間を飛び回る映像。
中心を飛んで来るとフルーツの中に入り込んだような感覚になり不思議な感覚です。
単純にキレイで楽しい作品で結構人気のようでした。
写真だとアニメーションだというのがよくわかります。


(つづく)

2011年10月16日日曜日

インフォメーションサービス

ヨコハマトリエンナーレ2011に行ってきました。
横浜はそれなりに遠いので、朝から丸一日、目一杯頑張るゾと意気込んだところ、オープンは11:00から。しかも18:00まで。

1日で回ることは想定していないのかと思いましたが、どうも当日券しか設定もないので、勝手にこの時間内で回れる規模なのだろうと解釈し、出掛けました。

BankART Studio NYKに入ったのが11:00すぎ。
実はBankART Studio NYKに行くの始めてだったのですが、公式サイトやフライヤーのアクセス情報では、「みなとみらい線の馬車道駅の6番出口から徒歩4分」と近いのと、「ヨコハマトリエンナーレというくらいなのだから、駅降りればインフォメーションのサインなどがあって、アホでもたどり着けるだろう」と、事前にグーグルマップなどでチェックせずいたのですが、地上に出たとたん「トリエンナーレって何?」というくらいの人のなさ。

危うく赤レンガ倉庫まで行ってしまうところでした。
ヨコトリのサイトはイベント内容など情報が今ひとつだなぁと思っていたのですが、まさか現地のインフォメーションまで今ひとつとはやられました。

そんなわけでスタートから若干つまづいたヨコトリ。
その後、シャトルバスで横浜美術館へ移動して一通りの作品鑑賞はしたものの、フロアマップに載っている作品にたどり着けなかったりして時間は過ぎ、結局すっ飛ばしながらBankART Studio NYKと横浜美術館の2つの会場を見て閉館時間。
とても関連イベントなどを見る余裕はありませんでした。

もともと公式サイトの情報も少ないし、全貌のつかみにくいアートイベントだとは思っていましたが、開館時間の設定インフォメーションサービスなど、作品の充実度とは関係ない部分がまずはどうなっているのかと思う場面が多かったことは今後改善して欲しいですね。
皆さんちゃんと見られたのでしょうかね?

作品は充実でしたので、次回。レビューに続きます。

2011年10月15日土曜日

素材の魅力

アメリカの現代アーティストであるアリソン・ショッツ(ALYSON SHOTZ)の日本での初個展「GEOMETRY OF LIGHT」が、表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京(ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO)で開催中なので行ってきました。

ガラス張りの明るい室内には、円形に切り取られたフレンネルレンズが、ガラスコードで繋がれ、周囲の景色を取り込み、光を複雑に反射します。

この素材と表現自体は、ディスプレイなどでは決して新しい表現ではありませんが、数の多さと全体の大きさ、そして何よりも白く明るい空間性が合わさり、ついつい見入ってしまう美しさを持っています。

レンズとしては、子供の頃の雑誌のオマケに付いてくるような簡易なレンズというイメージのフレンネルレンズですが、本来の目的である拡大鏡としての使用とは違った、素材としての魅力があることに改めて気づかされました。

グラフィックデザインの教育がデジタルになってから随分長い年月が経っていますが、年々この素材感を感覚的に捉える力が弱くなっている印象があります。

日常生活の中での多くの情報収集がモニターを通しているということなのでしょうが、視覚情報における触覚の影響は、これからのデザイン教育のひとつのテーマなのかもしれません。

観覧無料の個展にも関わらず、こんな立派なカタログブックを配布していました。

2011年10月14日金曜日

アール・デコの館/その2

デザイン学校では、前期に近代デザイン史の「アール・デコ」の項で「旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)」を紹介しましたが、なかなか詳細までには触れられませんでした。

今回「アール・デコの館」展では、普段公開していないような細部まで見られますし、何よりも全館撮影可能なのが嬉しいです。

せっかくの機会ですからカメラを持って出かけて欲しいのですが、ストロボは禁止ですから、若干注意が必要。

館内に入ったらまずストロボは「発光禁止モード」にセット。
暗い部屋も多いので、ISO感度は高めに。
800〜1600くらいにできれば、手振れも軽減できますが、高感度設定では画像の荒れが出て来ますので、あらかじめ感度ごとの荒れ具合を知っておくといいですね。

意外と忘れやすいのがオートフォーカス補助光
暗い場所や夜間で撮影する時にオートフォーカスを合わせやすくするために発光する白、赤、緑などの照明ですが、この補助光を光らせないようにセットすることも必須です。
日常的には切ることのない機能ですから事前に操作方法のチェックが安心です。

大客室の扉のエッチングガラスや、暖炉のカバーなど、多くの幾何学模様がありますが、暖炉の大理石にはめられた幾何学模様の金物飾りのデザインもいいですね。


2階の妃殿下居間の窓の外には、1階大食堂の屋根部分がテラスに。何気ないタイルの模様ですが緑色がいいアクセントになっています。
2階北の間の立ち上がり部分のテラコッタのスクラッチタイル。随所に緑色がポイントになっています。


2階から3階への踊り場の窓は採光の良い大窓ですが、黒の鉄枠と2種類のガラスがシンプルな矩形のリズムを作っています。


2011年10月13日木曜日

アール・デコの館/その1

東京都庭園美術館で開催中の「アール・デコの館」を見て来ました。(10/31まで)


普段は美術館として多くの企画展を開催している同館ですが、その建物は1933(昭和8)年に朝香宮邸として建てられ、東京都の有形文化財指定の貴重な歴史的建造物で、年に2回「建物公開」としてその貴重な建物とインテリアを観賞する目的の展覧会が恒例で開催されてきました。

普段は展示のためのパネルで隠れた壁や窓、展示室としては使用しない部屋などが公開される上、写真撮影が可能なので毎回人気の展覧会です。


毎回、公開される部屋などが微妙に変わるので、いままで知らなかった部分が見られる楽しみもあります。

今回は1階喫煙室の北窓のカーテンが空いていたので、はじめて中庭を見ることができましたが、中庭には奥に鳥の彫刻が鎮座している大きな池が。

一瞬ペリカンかと思ったその鳥は、どうみてもドードーです。
朝香宮邸が建てられた1933年の250年以上前に絶滅が確認されているドードーがなぜこんな場所に?由来が知りたいです。


今回の建物公開のあとは美術館の改修と管理棟新設工事のためしばらく休館してしまうので、特に学生さんには今ぜひ見ておきたい展覧会ですが、じっくり見るためにも平日の朝一番にいくことをおススメします。

2011年10月12日水曜日

大規模なタイアップ広告

10/7から映画「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」が公開されていますが、映画本編の話題だけでなく、映画とタイアップした大規模な広告キャンペーンが話題です。

映画の配給元である20世紀FOX からの呼びかけに、SAPPORO、KIRIN、SEIKOなどの8社が参加したこのキャンペーンは、関東では東京メトロの銀座線丸ノ内線の1編成内で10/15までとかなり限定されているのですが、現物の車両にぜひ乗ってみたいです。

もし出会わせた学生さんは、記録写真をお願いします。

2011年10月11日火曜日

江戸に感心

実況中継EDO」展(板橋区立美術館)に行ってきました。
最終日の滑り込みです。


江戸時代のスケッチに焦点をあて、「実況中継」と題した展覧会で、国立博物館国立科学博物館などの所蔵作品が展示されユニークな展覧会となっていました。

目玉の作品は重要文化財の伊能忠敬「日本沿海輿地図(小図)」(東京国立博物館蔵)

伊能図とも呼ばれるこの日本地図は、1800年から1816年まで17年かけて伊能忠敬が測量し、その後5年かけて作成されたもので、幕府に献上された正本と言われる元図は明治初期に焼失されていますが、現存するものは複製された小図。

江戸時代にこれだけの測量を行ったことが驚きです。

伊能忠敬「日本沿海輿地図(小図)」は、九州大学のDEGITAL ARCHIVESでも詳細が見られます。

日本沿海輿地図(小図)蝦夷地
日本沿海輿地図(小図)本州東部
日本沿海輿地図(小図)本州西部・四国・九州


2011年10月10日月曜日

日本の意匠

先日の友人の結婚式は、大崎鎮守居木神社での神前式でした。

居木神社で行われた結婚式は、多くの式場で行われる略式の神前式とは違い、(しょう)や横笛などの生演奏に合わせて行われる古式の結婚式で、日常生活ではなかなか触れることの少なくなった、日本の伝統的な意匠の美しさに触れられ、西洋文化のデザインとは異なる緊張感があって、写真を撮りつつ刺激を受け楽しませてもらいました。

中でも黒子的な役割の巫女さんは、紅白の衣装の美しさだけでなく、結婚式の場では長い垂髪を束ねた元結の上に髪飾りとして丈長(たけなが)と熨斗(のし)を組み合わせた、華やかさと祝儀性を兼ね備えた装いで、日本古来の美意識を深く感じました。

後ろ髪に熨斗が付いているという図は、ちょっと想像を超えて意外でした。


2011年10月9日日曜日

華やかな演出に

昨日は友人の結婚式でした。

新郎とは小、中、高校が一緒で、新婦は以前の職場が一緒で、新郎新婦とも親しいことから、写真撮影や二次会の幹事など忙しく動き回りました。

最近は結婚式ビジネスも以前に比べれば派手さがなくなってきたのでしょうが、その分、新郎新婦の素顔が感じられる暖かい雰囲気に包まれとても良い式でした。


結婚式や披露宴では、華やかな生花による花飾りがたくさん使われますが、季節や宴の雰囲気、新郎新婦の好みなどが花の種類や色合に反映されるため、個性ある演出になりますよね。

なかでも新婦のブーケは、主役の花飾り。
花嫁がどんなブーケを持って現れるかは、結婚式の楽しみのひとつでもあります。

白を基調色としながら明るい緑から水色が冴えた素敵なブーケ。
紫陽花の使い方がとても美味く感心しました。

2011年10月8日土曜日

100選の重み

銀座グラフィックギャラリーで開催中の「100 gggBooks 100 Graphic Designers」に行ってきました。(10/29まで)

この企画展の開催を聞いた時は、100冊記念の書籍の販売なのか?と思っていましたが、実際の展示は、100冊で紹介されているグラフィックデザイナーの代表作品の展示がメインで、恐ろしいくらい美味しい企画展になっていました。

展示が本の発行順になっているため、実際デザイナーがその作品を制作した年代ではないことや、100冊目にしてやっと杉浦康平氏の作品が編纂されたことなど、謎(疑問)もありますが、これだけの著名なデザイナーの作品が見られることに驚きでした。

2011年10月7日金曜日

新しい紙に感心

竹尾見本帖本店で開催中の「贈る箱 展」を見て来ました。
(10/14まで)

パッケージ用紙として開発された「気包紙」を使った箱の展覧会です。
この気包紙は、先日まで銀座グラフィックギャラリーで展覧会を行っていたグラフィックデザイナーの工藤青石氏のディレクションによるもので、その風合いが特徴ですが、風合いもさることながら、汚れ防止の効果が凄いです。

展示は作品がやや少ないものの、紙でパッケージを作ることの可能性を感じるものになっています。

学生さん必見です。

贈る箱展のDM
気包紙のペーパーサンプル

2011年10月6日木曜日

ツバキの種

秋になると散歩の途中でいろんな木の実に出会います。
植物によって実や種の形が違っているので、見ているだけでも楽しいですが、なり方や種の落ち方などの違いもあって、面白いものだと思います。

特に何かに使うというわけではないのですが、ついつい手に取って持ち帰ってしまう木の実。

先日は椿の種を持ち帰りました。
ちょうど今頃が採種の適時期です。


椿は日本産の品種だけでも2000種以上あるそうで、白や赤、ピンクや紫、斑入りなどの色の他、一重咲き、八重咲きなどの花形、閉じ芯、輪芯、梅芯、侘び芯などの雄しべの形などとても複雑に分類されています。

拾った椿の種を発芽させるには、乾燥する前にできるだけ早く蒔くことだそうで、水に入れて沈んだものだけを選ぶといいそうですが、さてどうしたものか。

搾油しても活用される椿の種。
その椿油はとても高級品だそうなので、たくさん拾って来て絞ってみたいですね。

そういえばアンティークの椿油が戸棚の中にありました。
瓶の形とラベルのデザインがとても気に入っています。

2011年10月5日水曜日

エネルギーを考えよう

fukushima」の原発事故は、日本だけでなく世界の多くの人たちにも「原子力発電には頼りたくない」という意識を持たせるものになりました。

一方では、原発に頼らないことによる経済的な影響や、電力供給のための火力発電による二酸化炭素の増加などの問題もあり、すぐに原発に頼らない世界をというのも難しいのかもしれませんが、原発に頼らない自然エネルギーによる将来を作るためには、今の行動がとても大切なのだと思います。

WWFジャパンが「自然エネルギー100% キャンペーン」を開始。

将来的な自然エネルギー100%と、原子力発電の段階的な廃止を実現するために、日本政府に対して「エネルギー基本計画」を変えることを求める、目標120万人の署名をサイトで募っています。

2011年10月4日火曜日

長く愛された商品

飯田橋の印刷博物館にあるP&Pギャラリーで開催中の「日本のロングセラー商品展」に行ってきました。(11/6まで)

併設 パッケージデザインの勘ドコロ」のタイトルで、ロングセラー商品とそのパッケージに焦点をあてたパネル展示もあり、見ドコロも満載でした。

特にロングセラー商品の場合、その時代毎にデザインがリニューアルされることが多く、その勘ドコロ」は実に面白いものがあります。

100年以上とか80年以上とか、ロングセラーの期間ごとに分類された展示も見やすく、思わず手に取りたくなる商品ばかりの楽しい展覧会です。

まだ会期に余裕もあるので、グラフィックデザイン専攻の学生さんには必見の展覧会ですね。
カタログには一部の商品の変遷が写真入りで掲載されていました。
展示でももっと大きく取り上げてほしかったですね。

2011年10月3日月曜日

大量のストック

ガーリックオイルをいただいたので、ストック用にトマトソースを大量に作りました。
トマトソースはシンプルですが、煮込み時間があるので、ストックしておくととても便利です。

トマトの水煮缶3缶分。

トマトソースはトマト缶だけのさっぱり味でもいいのですが、甘味とコクがでるので、トマト缶1缶にタマネギ半個分くらいを加えた方が好きです。

トマト缶はホールを使用。
いつも使っているハンドミキサーがなぜか急に故障してしまったので、久々に大きなブレンダーの登場。
滑らかに砕きます。

タマネギの炒めからトマトの汁気がなくなってとろみがでるまで、焦げない様に混ぜ続けること30分強。

右腕がだるくなりましたが、大量のトマトソースが完成しました。


トマトソース
微塵切りのタマネギはガーリックオイルでやや色付く程度に炒め、トマトの水煮缶、白ワインを加えて、煮立ったところでローリエを加えて煮込みます。
汁気がなくなってとろみが出て来たら塩、コショウで味を整えます。

2011年10月2日日曜日

花と品種

暑い時期は部屋に飾る花もかわいそうで、ついつい買いそびれていたのですが、すっかり涼しくなって、やっと切り花を買う気になってきました。

久しぶりの花屋に並ぶ切り花も秋の装い。
色彩も落ち着いてきたように感じます。

秋の七草にあるナデシコの仲間のテマリ草は、花弁や雄しべ、雌しべが変化し集合した園芸品種で、緑色の丸味を帯びた形はマリモのようで可愛いいです。


原種はヨーロッパ東南部が原産のビジョナデシコ(ヒゲナデシコ/Sweet William)ですが、似ている所といえば葉の形くらいでしょうか。まったく異なる種類に見えます。

このテマリ草に限らず、園芸植物は原種から品種改良されたものがほとんどで、定期的に新しい品種が市場には出回るようですが、植物の品種改良ビジネスはとても巨大なマーケットで、園芸品種などの観賞用だけでなく、穀物や果実などの食用、薬品のための薬用など、様々な品種改良が行われ、日本では種苗法によって、新しい品種の登録と創作者の権利の保護を行っているそうです。

なにげなく見ている花でしたが、人為的に改良が加えられある意味デザインされたものというのが、とても不思議な感覚です。

植物の世界もとても複雑なのですね。

2011年10月1日土曜日

リサ・ラーソンのパンダ再登場

2003年9月から100%ORANGEのデザインで新展開をはじめた新潮文庫のキャンペーン「Yonda?CLUB」。

やはり新潮文庫のキャンペーンである、「新潮文庫の夏の100冊。」の「2冊読んだらもらえるYonda?君グッズ」と合わせ、固定ファンも多い人気のキャンペーンです。

ことしの「新潮文庫の夏の100冊」ではスウェーデンの陶芸家リサ・ラーソン(Lisa Larson)さんのデザインしたYondaパンダキーホルダーが登場。

なんともとぼけた表情で、結構話題になったようですが、そのキーホルダーと同じYondaパンダが置物になって「Yonda?CLUB」に再登場。



ちょっと迫力です。

リサ・ラーソンさんの作品はここ数年キーホルダーやぬいぐるみなど新しいアイテムとしての展開がものすごく増えていて、その増え方の速度は異常でしたが、その理由のひとつには、近年の新しい著作権ルールの普及にあるようです。

この新しい著作権ルールのかたち。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons License)というプロジェクトで、著作権所有者が作品の利用に際する6つのルールのもと、ライセンスを選べるもの。

ネットの普及でこれまでのライセンスのルールだけでは対応できなくなってきたという事の現れなのでしょうね。