2012年8月1日水曜日

技術と観察

先日の銀座ADC賞展でクリエイションギャラリーG8から銀座グラフィックギャラリーへ移動していた途中の道で、偶然『今森光彦の世界Ⅱ 切り紙展「蝶」』を開催中でした。(7/28で終了しました)

昆虫や里山などの自然をテーマとした写真で日本を代表する写真家の一人である今森光彦氏が、近年自然を題材にした切り紙の世界でも注目を浴びていることは何となく知っていましたが、実際に作品を間近で見るのははじめてです。

切り絵というのはもともとは中国が起源の紙工芸ですが、切った紙の造形を楽しむほかにも、紙を切って行く過程をパフォーマンスとして楽しむ「切り紙」や、染め物の型紙などの発展をしてきたもので、染め型の技術の「型彫」は日本を代表する伝統工芸のひとつとして有名です。

型彫は小刀を使って紙を「彫り」ますが、今森氏の切り紙はすべてハサミをつかって「切り」ます。

ハサミで紙を切る場合、窓を空けるには紙を2つに折って切ったところ切り広げるということができますが、今森氏の切り絵はカッターナイフで切ったような細かさ。
どうやっているのかと思っていましたが、すべて外側からの切り込みがあるということが近くで見てわかりました。
技術を見せるものではありませんが、技術があってこの美しさが表現されているのですね。

今回の展覧会は「蝶」。
光の当たり方で左右の翅の色や模様が様々に変化する様子が表現され、昆虫写真家としての観察眼の鋭さに改めて納得の展覧会でした。

5 件のコメント:

MOT さんのコメント...

形が細かくてとっても綺麗ですね!
あ〜、私も行ってみたかったです!!

KITA。 さんのコメント...

「魔法のはさみ―今森光彦の切り紙美術館」という本があります。

MOT さんのコメント...

先生、その本もしかして
お持ちですか???(((o(*゚▽゚*)o)))

KITA。 さんのコメント...

残念ながら持っていませんでした。

MOT さんのコメント...

あー、じゃあ今度本屋さんとかで
探してみまーす。