三分一博志氏は2010年に開催された「瀬戸内国際芸術祭」の犬島アートプロジェクトのメイン会場である「犬島精錬所美術館」の設計ではじめて知った建築家でした。
犬島精錬所美術館は「太陽や地熱などの自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない建築」というコンセプトでしたが、人工的な空調設備に頼らずに自然エネルギーと建造物遺構の煙突を利用して空調を行っていて、建物に入ったとたん空気の流れと気温の変化が体感され驚かされたものです。
今回の展覧会では三分一建築の要である自然エネルギーに着目した展示で、風の流れや太陽熱、雨や雪を生かした建築プランと、その実現のために繰り返されるスタディがわかりやすく展示されています。
日本建築の特徴の一つである自然利用の工夫が、現代建築でしかも造形的にこれほど積極的に応用されていることに感動する展覧会です。
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