2015年8月30日日曜日

スケールの利点。

本来はグラフィック系な思考なはずなのですが、なぜか建築物を見るのが好きで、旅先ではついつい建築めぐりになってしまいます。

外観だけでなくディテールに惹かれたり、内部空間に惹かれたり、物件によって様々。
専門分野でない気楽さがあるのでしょうか。

目黒区美術館で開催されている「村野藤吾の建築-模型が語る豊饒な世界」が9/13までなので、慌てて行ってきました。

建築家の村野藤吾 氏は戦前から戦後にかけての日本の建築界で活躍した建築家の一人で、近代的な構造の建築物に優雅な装飾性を加えた独特の意匠設計の建築物を多く残しています。

模型の展示を見て、現物が見たい!!!という感想はもちろんありますが、この角度は模型でしか見られない!!!という貴重な体験でした。

模型に特化した展覧会というのがユニークで、建築、インテリアに限らない奥深さがある展覧会でした。

ごく一部のコーナーのみ撮影可でした。

2015年8月29日土曜日

これで見納め。

いよいよ見納めとなるホテルオークラの本館。
前回は日中だったので、夕景のライトアップをどうしても見たくてスケジュールを調整。
ぎりぎりで行ってきました。

ロビーは開演直前のコンサートホールのような賑わい。
NHKの定点カメラがあちこちに設置され、TVクルーも出動という状態。
ボーイさんもはじめての体験と言うくらいの賑わいで、宿泊客の方々には落ち着かない滞在になってしまい申し訳ないですが、この建物や意匠がなくなるというのは、やはり残念でなりません。

1962年の開業から53年。
2019年に建て替えで開業する予定の新しい建物は、地上38階のタワーホテル。

もしそこから50年ほど経った2070年頃に建て替えとなった時、多くの人が惜しむようなデザインになるのか。
メインロビーは、日本の伝統的な図柄を凝らした現在のオークラの意匠を継承したものに生まれ変わるということですが、現在のデザインは外装や建物のデザインとマッチしたもので、果たして近代的なビル形式のホテルとなった時にどうなるのか。

そんなことを考えながら写真に記録していました。

2015年8月7日金曜日

夏は緑。

夏を代表する野菜は果菜が多いため、色彩も華やかで元気が出ます。
濃い緑色の皮で果実が薄緑なズッキーニ。

免疫力を強化するβカロテンの含有率が高い上、カリウム、マグネシウム、マンガン、ビタミンK等あまり野菜には含まれない微量栄養素を含有。

油と一緒で吸収率をアップし、夏バテ対策です。

エビとソテーして大葉で作ったジェノベーゼ風ソースをからめました。
大葉も高栄養価の夏を代表する野菜です。

<ズッキーニとエビの大葉ジェノベーゼソース>
剥いたエビは片栗粉、ごま油、酒、塩をもみ込んで下味をつけておく。
ズッキーニは軽く小麦粉を振り、エビと一緒にソテーし、ソースをからめる。

2015年8月6日木曜日

次世代まで。

少し前の古新聞を整理していて旧国立競技場の聖火台の記事を発見。
宮城県石巻市の総合運動公園に復興のシンボルというとして貸し出され据えられ、このあと希望のある東北の施設を巡回して、最終的には新国立美術館に戻す案が挙がっているそうです。
火を灯しているのはハンマー投げの室伏広治選手。

この聖火台は、東京オリンピックの前に開催された第3回アジア競技大会(1958年/昭和33年)にあわせて作られたもので、鋳物 でできていて、高さ2.1m、直径2.1m、重さ2.6t。

製作者が毎年オリンピックの開会式があった10月10日前後に磨き続け次世代に引き継ぎ、2009年からは室伏広治選手も聖火台磨きに参加しているのだそうです。
製作から50年以上経ってもなお使い続けるという発想がいいですね。

2015年8月4日火曜日

夏休み気分で

積極的な昆虫採集はしばらくしていませんが、稀に道端で拾ったり旅先でたまたま手づかみして捕まえたりするので、毎年なんとなく標本作りは続いています。

整型した昆虫は一般的には1ヶ月ほどの自然乾燥で完成ということになっていますが、湿気が多くてチョウなどは翅が下がったりするので、基本的には乾燥している冬場に標本箱に移したいと思ってはいます。
まあ結局は忘れてしまって1年経ってしまったりするのですが。

今年も新しいコガネムシの展足をするために1年経った整型中の昆虫たちを標本箱へ移動。
この作業をしているととても夏らしさを感じます。


今シーズンはどのくらい標本が増えるでしょうか。

2015年8月2日日曜日

色と時間。

デザイン学校は 先週からほぼ夏休み。
学生さんにとっては、まだまだ講習会や特別講義やら継続した制作やプロジェクトもあって、なかなか「休み」ではないかもしれませんが、通常授業のないこの時期だからできることに取り組んでほしいですね。

デザインの学習で必須な色彩。
理論的な学習である反面、視覚的に体験しなければ理解しづらい部分も多くあります。

色を混ぜる混色も比較的馴染みのある絵の具による「減法混色(減算混合)」だけでなく、光による「加法混色(加算混合)」や瞬時に複数の色が変化することで混色される「継時法混色」、小さな柄模様を遠くから見ることで混色されたように見える「併置加法混色」など様々。

授業では簡単な手作り教材で「継時法混色」を視覚体験。
赤、青、黄色に分割彩色された円盤に軸をつけてコマを作り、回すことで継時法混色が視覚体験できます。


このコマで継時加法混色を視覚体験するという発想で、モダンデザイン教育を行ったバウハウスで1924年に講師をしていたルートヴィヒ・ヒルシュフェルト=マック(Ludwig Hirschfeld-Mack)氏が製作した木製コマが、1977年よりNaef社より「バウハウス・カラーコマ(naef Bauhaus Optischer Farbmischer)」として復刻されています。


このカラーカードは「ゲーテの色彩論に基づく色の構成」「レンブラントの光と影の配分」「ショーペンハウアーの芸術論に基づく色の構成」などに基づいた配色が施されています。

2015年8月1日土曜日

思考のプロセス。

6/13までギャラリー間で開催されていた「藤本壮介展 未来の未来」展のレビューです。


100点あまりの建築模型が展示された空間は、試行錯誤の過程であるスタディ模型も多く、それらの斬新な形態発見のプロセスを一部分ですが知ることができました。

建築という分野に限らず、立体でも平面でも何かの造形表現の過程には、自分が刺激を受けるための試作の繰り返しが重要で、美しい造形とか、心地良い造形とかの試行錯誤には、何を作るという目的から必ずしもスタートしなくて良いということを実践しているように感じます。


建築系の展覧会では理解を求められる考えさせられる展示が多いのですが、直感的というか感覚的な鑑賞が許されるような展覧会でした。

※TOTOギャラリー・間では現在「フィールドオフィス・アーキテクツ展」が開催中。(9/12まで)