2015年5月9日土曜日

引っ掻いて版画。

少し前ですがGWを利用して山梨の清里近くへ。

特に目当ての予定もなく出掛けたのですが、えほんミュージアム清里「小林敏也画本(えほん)原画展 宮澤賢治の世界」が開催中と知り、これは見なければと足を運んできました。(6/1まで)

以前から小林敏也氏の宮澤賢治画本シリーズのファンでしたが、これまで原画は見たことがありませんでしたので貴重な機会です。

版画作品のようなこの画本。
まず原画の多くがスクラッチ技法いうことに驚き。
すっかりドライポイントなどの版画技法なのだと勝手に信じ込んでいました。

このシリーズの中で際立つのが原画を版画のように2版、3版描き、特色印刷で重ねて刷っているもの。

完成した版画作品を写真製版で絵本にするものと違い、2版、3版の別々の原画が本のための印刷で始めて合成されて完成するので、原画はまだ作品が完成していない素材だというところがスゴイ。

よくある絵本原画展では原画を見てしまうと印刷物の絵本が見劣りしてしまうのですが、この技法では印刷物の魅力が最大限に活かされているのだということを、原画を見て改めて納得した展覧会でした。

原画を見に行くには遠方すぎますが、画本は本屋さんにあるのでぜひ手に取って欲しいですね。

画本はすでに所有していたのでサイン入りの複製原画を購入。
このシリーズではどんぐりと山猫が一番好きなので大満足です。


特に印刷が美しく効果的な宮澤賢治画本シリーズのオススメ

注文の多い料理店

どんぐりと山猫

オッベルと象

やまなし

土神と狐


技法は違いますが、原画が素晴らしい宮澤賢治画本シリーズ

雨ニモマケズ

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