2015年1月29日木曜日

Slothはナマケモノ。

POP=UP絵本「Under the Ocean(OCÉANO)」を制作したAnouck Boisrobert(アヌック・ボワロベール)とLouis Rigaud(ルイ・リゴー)は、パリを拠点に活躍しているアーティスト。

2009年に発刊され、その年の「フランスの最も素晴しい本」を受賞した「POPVILLE」もこの2人の作品。
※このブログでも紹介

2011年には「Wake Up, Sloth!」が発刊され話題となりました。
この「Wake Up, Sloth!」の日本語版「ナマケモノのいる森で」が高校の図書館に新着。
手に取ったことがなかったので早速チェックしてみました。


緑の樹々が林立する美しい本。自然の大切さを全ページに登場するナマケモノと森で描いた素敵な本でした。

購入検討中です。


2015年1月26日月曜日

タテとかヨコとかの空間表現。

POP-UP絵本というのは、平面表現である絵が立体となるところにもちろん魅力があるわけなのですが、「ただ飛びだす」だけではあまり感動がなく、かといって複雑すぎる仕掛けも「よく作ったなあ」とは思いますが、一瞬の感動で終わってしまうような気がしています。

「仕掛け」の複雑さではなく、絵が立体となることで別の見え方になるというか、平面では表現できない「何か」が一番に見えてほしいと思っています。

どこかで紹介されていて注文していたPOP-UP絵本がやっと届きました。

「Under the Ocean(OCÉANO)」という絵本

絵本を立てた状態で世界が広がり、立体となって現れる面が水面となり、その上下の空間を表現しているところにこの絵本のスゴさがあります。


しかも絵がカワイイ。
なかなか見る事のできない海の中の世界をとても魅力的に表現しています。

バーコードがヒゲクジラのヒゲになっています。

日本語版も出版されています。

2015年1月23日金曜日

不可思議に納得。

国立近代美術館で開催されている「高松次郎ミステリーズ」を見にいってきました。(3/1まで)


現代美術家の高松次郎氏の大回顧展。

読売アンデパンダン展への出品記事や赤瀬川原平氏、中西夏之氏との前衛芸術グループ「ハイレッド・センター」の活動などの活動では見聞きすることが多かったのですが、高松氏個人の作品をまとめて見るのは初めてでしたので、その作品表現の移り変わりやコンセプトなどに触れることのできた展覧会。
昨年の赤瀬川氏の回顧展に続き、日本の現代美術の草創期の作品が再注目されています。

この展覧会。
代表シリーズとも言える「影」を描いた作品から企画され、その制作原理の体験を目的とした「影ラボ」。
来場者が自由に体験し撮影できるスペースとして企画されたようです。
最近は展覧会場で撮影可能なスペースが増えてきましたね。

アートや美術館を身近に感じるためには良いことなのかもしれません。

近代美術館が所蔵する「大理石の単体」や「木の単体」など直方体の塊をくりぬきその砕いた石片や木片を再びくりぬかれた穴に戻した作品のシリーズは、小作品なのでしょうがとても凝縮された強さを持った作品に感じました。

2015年1月20日火曜日

スイスの木製玩具。

オペラシティアートギャラリーで開催中の「スイスデザイン展」(3/29まで)。

出品しているスイスブランドのうちのひとつであるNaef(ネフ社)は、1962年創業の木製玩具メーカーですが、デザイン業界ではちょっと有名なブランド。

美しい色彩や造形などとともにそのデザインを支える加工技術もすばらしく、玩具というより工芸品といった感じ。

今回の展覧会では、ネフスピール(Napf Spiele)の大作も展示されていました。
立方体を4方向から90度でカットした独特の形態をした積み木であるネフスピールは、組んでみると驚くほど多彩な造形ができるので驚きます。

1辺50mmの立方体が基本形態のネフスピール(Napf Spiele)。
棚の奥へしまい込んでしまったようなので、1辺25mmのminiを並べてみました。



今回のチケットにも使われているスイスの赤い牛も棚の中から発掘しました。

Naefの玩具はこのブログでもこれまで少しだけ紹介したことがあります。
>>色と形を考えた
>>積み木とパズル

2015年1月18日日曜日

赤に白十字。

オペラシティアートギャラリーで開催の「スイスデザイン展」。(3/29まで)
開催前日の内覧会に参加させてもらいました。

展覧会カタログ、フライヤーの他、日本とスイスの国交樹立150年にあわせて制作されたパンフレットなどグラフィックツールもたくさんありました。

機能と洗練されたデザインが特徴のスイスメイドのデザイン。
代表的な8ブランドや現代デザイナーの作品展示、スイスを代表する2大巨匠であるル・コルビュジエとマックス・ビルまで紹介。

靴と皮製品のブランドとして有名なBally(バリー)の展示は、歴代のポスターや靴など。
どれも品があって可愛らしいデザインで持ち帰りたいほど。

マックス・ビルの作品では宇都宮美術館所蔵のポスターコレクションが見物。

デザインをキーワードにプロダクトからグラフィックまで見応えのある展覧会で、デザインを学習している学生さんにはデザインの世界感を知る必見の展覧会ですね。

2015年1月17日土曜日

丸と三角のマリネ。

ブロッコリーとカリフラワーの両方の特徴を持つスパイラルロマネスコ。

淡い緑が映えるよう赤いトマトとマリネに。
カリフラワー同様に生でも美味しいので、時間を気にせず作れるのがいいですね。
セロリの葉の部分で作ったハーブソルトで味と香りにアクセントをつけました。

葉もの中心のサラダにくらべて、果菜など塊りの多いマリネやサラダはカップなど深さのある器に盛ると立体感が出て良いですね。


<スパイラルロマネスコとトマトのマリネ>
酢、塩、砂糖、オリーブオイルを混ぜあわせたものに半分にカットトマトと小さめにカットしたロマネスコを漬け込む。
少ししんなりしたくらいならサラダ感覚で。しっかり漬け込めばも十分美味しい。
パセリの葉だけを摘んで電子レンジで水分を飛ばし粉にしたものに塩を加えたハーブソルトを振る。

2015年1月14日水曜日

少しずつイロイロ。

味噌漬けの鮭が食べごろ。
ありあわせの野菜の彩りがたまたま良かったので八寸をイメージして焼き物を盛り合わせました。

魚の味噌漬けは、魚に多く含まれるDHAが脳を活性化させる上、味噌に含まれるサポニンや褐色色素が体内の酸化を防いで身体機能をサポートしてくれるのだそうです。

<鮭の味噌漬けと野菜の焼きもの>
酒、砂糖、みりんをブレンドした味噌にしっかり3日ほど漬け込んだ鮭。
焦がさないように注意しながら丁寧に焼きます。
甘長とうがらし、ミニトマト、銀杏は塩焼きに。
塩茹での絹さや、レッドキャベツのスプラウトを添えて華やかに盛りつけました。

2015年1月11日日曜日

美本は嬉しい。

印刷博物館P&Pギャラリーでは毎年恒例の「世界のブックデザイン2013-14」が今年も開催中。(2/22まで)
特に海外の書籍は普段なかなか出会えないものが手に取って見られるので貴重な機会です。

例年はこの展覧会で展示された本から気になったものをネットで探して購入というところまでが一区切り。
今回悩んだのはこの2冊。いずれも日本の書籍です。

ひとつめは「第48回造本装幀コンクール・東京都知事賞」を受賞している、PARCO出版の「ギャートルズ1 肉の巻」「ギャートルズ2 恋の巻」「ギャートルズ3 無常の巻」の3冊。
ブックデザイナーの祖父江慎氏、佐藤亜沙美氏の装幀で、表紙は板紙に箔押し。

もうひとつは「IRON STILLS アメリカ、鉄の遺構」(ADP刊)。
デザイナーは葛西薫氏・増田豊氏。
表紙がなく糸綴じがむき出しのコデックス装。
開きがとても気持ちよく写真がとても見やすいです。

どちらも購入検討中。

また「日本・スイス国交樹立150周年」記念ということもあって、1950年代から現代までのスイスのブックデザインの秀作約40点が特別展示されていて、こちらは手に取ることができませんでしたが、特に古い本の装幀もレイアウトが美しく、ケースに張り付いて見とれていました。

デザイン学校で造本をしたばかりの学生さん達にもぜひ見てほしい展覧会です。



2015年1月10日土曜日

交配の伝統野菜

関東では中々手に入りづらい野菜は、たまに店頭に並んでも高価になってしまい、なかなか手に取ることができないのですが、最近目にする機会が多くなってきたのが京都のブランド野菜の万願寺とうがらし。

旬は5月から9月という夏季ですが、ハウス栽培なのでしょうか冬になって多く目にするようになりました。

もともと京都にあった伏見とうがらしとピーマンの一種を交配させたものだそうで、甘みがあって生でも美味しいので加熱の加減で食感の違いを楽しめて良いですね。

定番はピーマンを加える酢豚を万願寺とうがらしで作りました。
少しだけ「よそ行き感」が出たような気がします。


<万願寺とうがらしの黒酢豚>
豚の細切れ肉は下味を付けて丸めて片栗粉をまぶす。
多めの油で揚げるように炒め、裏返したらタマネギの細切りを炒め、万願寺とうがらし、ニンニク、ショウガを加える。
全体に油をまわしたら余分な油を拭き取り、ニンニク、ショウガを取り出して、黒酢、砂糖、醤油で調味する。

2015年1月9日金曜日

乗っかる広告。

元日の新聞広告からもうひとつ。
多くの新聞広告を展開する大和ハウスです。



2013年、2014年と2年続けて起用していた女優の深津絵里さんをやめ、今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台でもある萩市の明倫館跡地に建つ明倫小学校の写真と吉田松蔭の言葉。


国の登録有形文化財に指定されている明倫小学校は、1935(昭和10)年に建設された木造2階建ての校舎。
外壁の板張りや屋根のデザインなどがとても魅力的な建物で、とても目を引く写真です。

大河ドラマにあやかってということなのでしょう。
広報戦略としては良くある話。

ところが実はこの広告。
2013年9月に大和ハウスが新聞に掲載した広告の写真やレイアウトデザインはそのままに、コピーを若干変えただけのもの。

同じ舞台を題材に広告を作るにしても、ここまで同じというはあまり例がないのではないでしょうか。
確かに良い写真なのですが、ちょっとどう?という気がしてなりません。
もっとも同じものを採用してまで、主張したいメッセージがあるということなのでしょうね。
左が2013年9月。右が2015年1月。
間違い探しのようです。
(比較のため大和ハウスのサイトより転載しました。)


2015年1月8日木曜日

50もあるか。

広告宣伝メディアの中で、年間を通してあまり新聞広告を出さない資生堂ですが、元日だけは安定した広告を展開し毎年話題になります。

2015年はレディー・ガガ(Lady Gaga)を起用し本人が撮影したセルフィー写真50種を50紙で掲載したということで話題となっています。

昨年は元日広告のイメージでCM展開もしていましたが、今年は新聞のみで展開。

企業メッセージを一人の女性の活動や生き方になぞらえて表現した今回の広告。
1枚のベストショットではないところが今回の主張そのもので、なんともうまい広告でした。

手に入れられたのは2紙だけですが、50紙揃える強者もいるのでしょうね。

朝日新聞版

読売新聞版

2015年1月7日水曜日

水素アピール。

元日の新聞広告。

ここ数年同じシリーズで展開しているTOYOTAは、2011年の震災から続けている「ReBORN」を今年も展開。

ただ今年大きく変わったのが背景にあるH2(水素分子)。

燃料電池車の開発と普及により力を入れるというメッセージ。

TOYOTAが持つ燃料電池関連の特許の多くを無償開放し、燃料電池市場の拡大を加速させる狙いがあるとのニュースも報道されました。

街中で電気自動車に出会う機会が多くなってきた中、燃料電池車もどんどん増えると良いですね。


昨年の織田信長、豊臣秀吉に続き今年はマルコ・ポーロと燃料電池車MIRAIが登場。

このシリーズCMも19話まで来ました。

1話から改めて見てみると「東北編」の14話までは泣ける演出。
15話からの東京編は2020年の東京オリンピックを意識しているような内容で、CMとしてはメッセージもあり、キャラクター達も生きていますが、「ReBORN」のこのシリーズだけは東北だけで続けて欲しかったような気もします。

燃料電池車MIRAIの気合いの入った映像はこちら。


2015年1月6日火曜日

2015年の気になる展覧会 その1

2015年がはじまりました。
なにかと慌ただしかった昨年は年間の展覧会鑑賞回数が近年で最低という状況で、消化不良に終わった感じでした。
今年は目一杯情報を集めてインプットを増やして行きたいと思っています。

2015年に開催予定の注目の展覧会。
東京都写真美術館が改修で閉館してしまったので、写真の展覧会は圧倒的に減りそうですが、改修で長く閉館していた東京都庭園美術館が昨年秋にリニューアルオープンしたので、これからの企画展に期待です。

まだ発表前の美術館もありますので情報追加して行きます。

「世界のブックデザイン2013-14」
印刷博物館 P&Pギャラリー
(開催中-2/22)

『浅葉克己のタイポグラフィ展「ASABA’S TYPOGRAPHY.」』
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
(1/9-1/31)

「第57回 日本雑誌広告賞入賞作品展」
アド・ミュージアム東京
(1/9~3/1)

「幻想絶佳 :アール・デコと古典主義」
東京都庭園美術館 本館+新館ギャラリー1
(1/17-4/7)

「スイスデザイン展  SWISS DESIGN」
東京オペラシティ アートギャラリー
(1/17-3/29)

「TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三」
TOTOギャラリー・間
(1/23-3/28)

「オードリー・ヘップバーン-KOBALコレクションより」
TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY   72Gallery
(2/4-3/29)

「単位展 — あれくらい それくらい どれくらい?」
21_21 DESIGN SIGHT
(2/20-5/31)

「東宝スタジオ展  映画=創造の現場」
世田谷美術館
(2/21-4/19)

「科学開講!京大コレクションにみる教育事始展」
LIXILギャラリー
(3月上旬~5月下旬 )

「マグリット展」
国立新美術館
(3/25-6/29)

「アール・ヌーヴォーのガラス」
パナソニック汐留ミュージアム
(7/4-9/6)