2010年12月31日金曜日

2010年勝手に選んだこの展覧会がスゴイ!ベスト10発表

今年はこれまで以上に「芸術」が元気な年だったように感じます。
展覧会の企画や、来場者数の盛り上がりもそうですが、広告にも新しい試みが見られた年です。
その締めくくりが今日の新聞朝刊。
新年に開催される展覧会の広告が多く掲載されていましたが、なかでも「東京国立博物館(東博)」が15段の全面広告は、これまでの「展覧会の広告=目玉作品の画像」ではないものでした。
女優の「貫地谷しほり」さんを起用し、キャッチコピーは「きょうデートした。」
リニューアルした東博の広告ですが、企画よりも「東博に行く事がおしゃれ」というイメージを押し出したこれまでにない広告です。






















展覧会が混み合ってしまうことには危機を感じますが、多くの人が感心を寄せることでより発展して欲しいとも思います。
今後、どのようになっていくか楽しみです。

さて、2010年の「勝手に選んだこの展覧会がスゴイ!」の順位を選出してみました。


1)「猪熊弦一郎展いのくまさん(東京オペラシティアートギャラリー)」

2)「ロシア構成主義のまなざし(東京都庭園美術館)」

3)「REALITY LAB 再生・再創造 展(21_21 DESIGN SIGHT)」

4)「ブルーノ・ムナーリ展(横須賀美術館)」

5)「レベッカ・ホルン展(東京都現代美術館)」

6)「ドゥシャン・カーライの超絶絵本とブラチスラヴァの作家たち(板橋区立美術館)」

7)「NB@gggネヴィル・ブロディ2010(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」

8)「田中一光ポスター 1953-1979(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」

9)「遊びのなかの色と形展ークルト・ネフ & アントニオ・ヴィターリ(目黒区美術館)」

10)「ジャンルー・シーフ写真展(東京都写真美術館)」

実際に鑑賞した展覧会の中から選んでいるのでかなり偏っていますがどうでしょうか。

2011年の展覧会もより多くの刺激を求めて足を運びたいと思います。

2010年12月30日木曜日

2010展覧会を振り返る4

先日の新聞記事にあったように2010年は近年の「現代美術流行」をさらに加速させた年でもありました。
これまで難解とされた「現代美術」を広義に捉えた企画展の開催など、「芸術」という言葉の意味が「現代」において変化してきていることに、美術館が対応できる環境に変化してきたことが大きな要因ではありますが、加えて大手新聞社による広報だけではないプロモーションの広がりにも成功の鍵があるように感じます。

「レベッカ・ホルン展(東京都現代美術館)」
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/107/
ドイツの現代美術家である「レベッカ・ホルン」の作品は美しい装置という感じの作品で、動的な魅力と静的な魅力は造形に対する繊細な精度から感じられるものなのでしょう。

「ウィリアム・ケントリッジ-歩きながら歴史を考える(東京国立近代美術館)」
http://www.momat.go.jp/Honkan/william_kentridge/index.html
現代美術の展覧会では「映像」を駆使した作品も多く見られますが、「ウィリアム・ケントリッジ」の展覧会では映像作品が「メイン」といっていいほどのインパクトがありました。作品量や作業量が作家の凄さを測るスケールではありませんが、木炭で描いたアニメーションをあれだけの量作り上げることはやはりスゴイことだと思います。

「草間彌生展ワタシというナニモノかへの問い(武蔵野市立吉祥寺美術館)」
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/data/kikaku/2010/kusama/kusama.html
世界的な前衛芸術家である草間彌生の作品に出会うことは比較的多いものの、ある限られた時期のしかも版画とコラージュのみに焦点をあてた展覧会となると見え方がまた違いました。
小さい会場ながら草間彌生の世界観の断片が見えてくるような広がりのある展覧会となっていました。


その他、現代美術という括りではありませんが、現代建築や現代デザインの分野で実験的な試みをした展覧会、現代の作家から写真家と画家の展覧会でで印象的なものをリストアップしました。

「THE OUTLINE 見えていない輪郭 展(21_21 DESIGN SIGHT)」
http://www.2121designsight.jp/program/outline/
プロダクトデザインを空気感とともに感じさせるコンセプトが展覧会としてとても新鮮でした。何よりも写真が良かった。

「建築はどこにあるの?7つのインスタレーション展(東京国立近代美術館)」
http://www.momat.go.jp/Honkan/where_is_architecture/work_in_progress/
著名建築家7人によるインスタレーションはとても贅沢な空間だ。欲を言えば、それぞれの境界という空間をどうするかという問題にも取り組んでもらいたかった。

「“これも自分と認めざるをえない”展(21_21 DESIGN SIGHT)」
http://www.2121designsight.jp/program/id/
それぞれの作品が体験型であることが一番の売りであるのだが、そのことが逆にストレスにもなってしまうやや「矛盾」のある展覧会。作品としての発想や仕掛けは実に素晴しくとにかく面白い体験でした。

「REALITY LAB 再生・再創造 展(21_21 DESIGN SIGHT)」
http://www.2121designsight.jp/program/reallab/
細かい説明を全く知らなくても十分にコンセプトが感じられる作品の強さがあった。

「ジャンルー・シーフ写真展(東京都写真美術館)」
http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-22.html
モノクロームプリントの美しさを十分に感じさせてくれた展覧会でした。

「猪熊弦一郎展いのくまさん(東京オペラシティアートギャラリー)」
http://www.operacity.jp/ag/exh117/
絵本をそのまま展覧会にしたというコンセプトが面白い。空間構成もシンプルながら説得力あり。

以上の中から2010年のベスト10を勝手に選びたいと思います。

2010年12月29日水曜日

2010展覧会を振り返る3

絵本の魅力は物語以上にその絵の奇麗さやユニークさからくる世界観にありますが、出版物というメディアでは、コスト面のこともあってその魅力が十分に出きっていないのが残念でなりません。

絵本の原画展はそういった理由もあってか多くの鑑賞者で賑わう展覧会となります。
子どものために考案された「絵本」や「玩具」について純粋に楽しむ展覧会や考えさせられる展覧会などがありました。

「ドゥシャン・カーライの超絶絵本とブラチスラヴァの作家たち(板橋区立美術館)」
http://www.art-index.net/art_exhibitions/2009/11/post_657.html(関連HP)
東欧を代表する現代アーティストのドゥシャン・カーライをはじめとする作家達の原画展。日本にはない色彩と表現力に引き込まれました。

「ゴーゴーミッフィー展(松屋銀座)」
http://www.asahi.com/event/miffy/
今年83歳を迎え今なお現役のディック・ブルーナ氏の代表作のひとつであるミッフィーが生まれ55年。世界中で出版されるミッフィーの世界を存分に表現した大人のための展覧会でした。

「2010イタリア・ボローニャ国際絵本原画展(板橋区立美術館)」
http://www.itabashiartmuseum.jp/art/bologna/index.html
世界で唯一の児童書専門のブックフェアでのイベントのひとつとして毎年開催される「ボローニャ国際絵本原画展」。
その入選作品による展覧会が毎年開催されます。今年も大賑わいでした。

「ブルーノ・ムナーリ展(横須賀美術館)」
http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/kikaku/812.html
イタリアを代表するアーティストであり、世界中のデザイナーに影響を与えたブルーノ・ムナーリ。
日本での出版も多くアート本としての人気もありますが、その多くの作品や貴重な資料をもとに構成された展覧会は、真っ白な展示空間そのものが気持ちよい空間となっていました。

「遊びのなかの色と形展ークルト・ネフ & アントニオ・ヴィターリ(目黒区美術館)」
http://mmat.jp/exhibition/archives/ex100724
スイスのネフ社の玩具300点と、「ヴィターリ生誕100年(チューリッヒデザイン美術館)」の巡回や初期の造形から1996年頃までの彫刻や玩具など約200点を展示する他、たくさんの積み木を実際に触って遊べるプレイコーナーを設置した贅沢な展覧会でした。

2010年12月28日火曜日

2010展覧会を振り返る2

2010年は近代デザイン史の中でも人気のあるアール・デコから比較的同時代のダダイズム、ロシア構成主義を代表する作家の展覧会が、相次いで開催された年でもありました。

特にアール・デコや構成主義のポスター作品は、グラフィックデザインを学習する学生にも大きな刺激になったようです。
それは、同時にデザイン=キャッチコピーの面白さや写真、イラストのインパクトだという認識が強く、色彩や図像の配置による構成への認識不足ということもあるのかも知れません。

印象に残った展覧会として3つあげてみました。

「レンピッカ展(Bunkamura ザ・ミュージアム)」
http://www.ntv.co.jp/lempicka/index.html
その独特な絵画のフォルムが強い印象を与えるレンピッカの作品がこれほど一同に集まる機会はそうないでしょう。Bunkamuraザ・ミュージアムらしい展示空間の演出も華やかなアール・デコにあったデザインとなっていました。

「ロシア構成主義のまなざし(東京都庭園美術館)」
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/rodchenko/
ロトチェンコとステパーノワに焦点をあてた展覧会ですが、この時代性をよく反映した作品構成となっていました。
それほど大きな作品がないため、アール・デコの様式を多く残す「庭園美術館」での開催もちょうど良く感じられ上品な展覧会でした。

「マン・レイ展(国立新美術館)」
http://www.nact.jp/exhibition_special/2010/manray/index.html
「写真家マン・レイ」ではない展覧会のコンセプトが良いですね。
展覧会のコンセプトひとつでその作家の見え方がこうも変わるのかという面白い試みでした。

2010年12月27日月曜日

2010展覧会を振り返る1

さて、2010年に開催された展覧会ですが、振り返ってみると実に様々ないい展覧会があり、多くの刺激をもらいました。

デザインを学習している学生にも直接刺激になるような展覧会は、開催されると紹介するためにもなるべく見に行くようにしていますが、グラフィック系で印象に残っている展覧会にはこのようなものがありました。

「早川良雄-“顔”と“形状”(東京国立近代美術館)」
http://www.momat.go.jp/Honkan/Hayakawa_Yoshio/index.html
「東の亀倉、西の早川」と言われ、東京オリンピックのポスターを手がけた亀倉雄策と並び称される存在だった早川良雄氏。
2009年3月に急逝した早川氏の“顔”のイラストレーションをメインに、多くのポスターや雑誌、書籍の表紙の印刷物も展示された中々渋い展覧会。
近代美術館の「ギャラリー4」で開催のため、あまり人混みを気にせずに鑑賞できたのも良かった。

「田中一光ポスター 1953-1979(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/exhibition/g283/index.html
無印良品の創設メンバーで日本を代表する世界的デザイナーのポスターだけの展覧会。印刷物が芸術作品になれることを見せつける素晴しい展覧会でした。

「福田繁雄のヴィジュアル・ジャンピング(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/exhibition/g284/index.html
やはり2009年1月に急逝した福田繁雄氏のポスター展。自宅アトリエからDNPに寄贈されたというポスターをはじめ、厳選された作品はどれも見応え十分な重みがありました。

「NB@gggネヴィル・ブロディ2010(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/exhibition/g287/index.html
イギリスを代表するデザイナーであるネヴィル・ブロディ氏の10年ぶりの展覧会。インパクトがありカッコ良く美しい。実験的な作品も多い中、ヴィジュアルに特化した作品を厳選した質の高い展覧会でした。

この中からベスト10入りするかどうか、他の展覧会も思い出しながらじっくり検討していきます。

2010年12月26日日曜日

2010を振り返り

年末になると今年を振り返るニュースが多く聞かれます。

先日の新聞に、2010年の美術を振り返る記事がありました。

一般的に「難解」とされていた「現代美術」が地域の活性化に一躍買っていることと、「印象派」および「ポスト印象派」の展覧会が多く開催されたことが記事の内容でした。

確かに今年は「瀬戸内」、「愛知」での現代美術の美術祭が大盛況でしたし、日本人に人気の「印象派」、「ポスト印象派」の作品が、オルセー美術館など所蔵美術館の改修によってこれほど多くが来日したのは珍しいことでした。

何よりも「美術」が世間一般に広く受け入れられる現状を嬉しく思います。

ということで、一般的な人気は新聞や各誌に任せておいて、自分の目で見に行った展覧会を振り返りながら「2010年この展覧会がスゴイ!」を、これから年末までの間にじっくり選んでみようと思っています。

近く発表します。

2010年12月25日土曜日

伝統の重さ?

大きくて重い包みが届きました。
箱を開けると白い砂糖にくるまれた重くて大きな菓子パン。
長さ34cm、幅14cm、厚さ6cm、重さ1.6kg

















ドイツのドレスデンで生まれた伝統あるお菓子で「シュトーレン」というのだそうです。
http://www.baeckerei-matzker.de/Startseite.html

もともとはキリスト教の降臨節(クリスマスの4種間前)にシュトーレンと4本のロウソクを用意し、日曜日毎にロウソクを1本ずつ灯しながら、シュトーレンを少しずつ食べながらクリスマスの訪れを待つという習慣のようですが、今ではクリスマスにカットして年末年始にかけて食べるものに変わって来ているようです。

このシュトーレン。
ドレスデンの「ドレスナー・シュトーレン」は原産地表示が厳格で、ドイツの販売許可を得たものしか「ドレスナー・シュトーレン」を名乗れない様です。
伝統的な品質を守るため厳格な審査が行われているそうです。

お味の方は、全体に粉砂糖がまぶしてあるので相当甘いことを覚悟していましたが、思ったほど甘くなく、パンもずっしり重く食べごたえのある美味しい生地でした。