西武池袋本店・西武ギャラリーで開催された「スティグ・リンドベリ展」のレビューです。(会期終了)
今年がスティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)の生誕100周年ということで、故国のスウェーデンを代表する陶磁器メーカーであるグスタフベリ(GUSTAVSBERG)の陶磁器博物館で今年5月末から開催された展覧会を再構成した展覧会で、スティグ・リンドベリのオリジナルスケッチや作品の数々が展示されていました。
現在でも数多くの陶磁器が生産され続けている中、手がけたグラフィックデザインの作品はなかなか見ることがなかったので、貴重な機会でした。
西武百貨店では1959年からスティグ・リンドベリがデザインした包装紙を使用していたという縁もあり、今回そのデザインが現代のアイテムに復刻されました。
当時の包装紙のファンとしては少し複雑ではありますが、良いデザインが継承されていくのはとても喜ばしいことです。
今回復刻されたデザインを使用したショッピングバッグとハンカチ。
こちらはコレクションしているオリジナル包装紙2色バージョンに加え、最近手に入れた赤1色バージョン。
やはりキラリと存在感が違います。
>>オリジナル包装紙のブログ記事はコチラ
2016年10月30日日曜日
2016年10月16日日曜日
レール溶接。
鉄道総合技術研究所の敷地内に年に一度だけ入ることのできる特別なお祭りに行ってきました。
鉄道マニアにとっては聖地なのですが、地元の町内掲示板などにポスターが貼られる程度でHPでも開催告知は一切なし。
それでも各地から鉄道マニアが集まってくるのですから口コミってすごいです。
今年は朝から雨でしたが昼過ぎには晴れ間が戻って来るほどに回復し、屋外のイベントも盛況でした。
所員による屋台もありますが、何よりも「研究所」らしい技術の実演が楽しい。
中でも線路をつなぐ「テルミット溶接」は、レールの上にるつぼを設置して、その中でテルミット反応と呼ばれる高温を生み出す反応を起こし、溶けた鉄が下部の鋳物の型に流れてレールを溶接するというようなもので、目玉のイベントです。
たった1日のイベントですがとても充実。
例年少しずつ研究成果の発表が変わるのも楽しいですね。
鉄道マニアにとっては聖地なのですが、地元の町内掲示板などにポスターが貼られる程度でHPでも開催告知は一切なし。
それでも各地から鉄道マニアが集まってくるのですから口コミってすごいです。
今年は朝から雨でしたが昼過ぎには晴れ間が戻って来るほどに回復し、屋外のイベントも盛況でした。
所員による屋台もありますが、何よりも「研究所」らしい技術の実演が楽しい。
中でも線路をつなぐ「テルミット溶接」は、レールの上にるつぼを設置して、その中でテルミット反応と呼ばれる高温を生み出す反応を起こし、溶けた鉄が下部の鋳物の型に流れてレールを溶接するというようなもので、目玉のイベントです。
たった1日のイベントですがとても充実。
例年少しずつ研究成果の発表が変わるのも楽しいですね。
2016年10月14日金曜日
復刻という新意匠。
スウェーデンの偉大なデザイナーであるスティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)の生誕100周年を記念した展覧会「生誕100周年記念 スティグ・リンドベリ展」が池袋西武の西武ギャラリーで開催されます。(10/19-10/30まで)
5月からスウェーデンのグスタフスベリ陶磁器博物館で開催されていた展覧会の再構成の企画ということで、かなり期待の展覧会。
スティグ・リンドベリのデザインした包装紙を1959年から使用していたゆかりのある西武百貨店とグループのそごうでは「リミテッド エディション with スティグ・リンドベリ」としてこの包装紙のデザインがショッピングバッグやクッションテキスタイルとして復刻されるそうです。
復刻ということですが、「包装紙」としてのデザインというよりは、包装紙の図柄だけを別の商品に展開しているということなのでちょっと複雑ですが、最注目されるのはとても嬉しいニュースです。
5月からスウェーデンのグスタフスベリ陶磁器博物館で開催されていた展覧会の再構成の企画ということで、かなり期待の展覧会。
スティグ・リンドベリのデザインした包装紙を1959年から使用していたゆかりのある西武百貨店とグループのそごうでは「リミテッド エディション with スティグ・リンドベリ」としてこの包装紙のデザインがショッピングバッグやクッションテキスタイルとして復刻されるそうです。
復刻ということですが、「包装紙」としてのデザインというよりは、包装紙の図柄だけを別の商品に展開しているということなのでちょっと複雑ですが、最注目されるのはとても嬉しいニュースです。
2016年10月1日土曜日
写真表現の先
東京国立近代美術館で開催中の「トーマス・ルフ展」に行ってきました。(11/13まで)
トーマス・ルフはドイツの現代写真界の巨匠ですが、日本ではまだあまりメジャーではなく、大規模な回顧展は今回が初です。
80年代から現在までの様々なシリーズの写真表現作品が展示されているなか、なんといっても2mほどの大きさにプリントされた写真群が圧倒的。
展示されているほとんどの写真が何らかのデジタル処理によって得られた画像ですが、捉えた光の表現であるはずのこれまでの写真表現という枠を完全に超えながらも、制作過程や素材は確かに写真であるという不思議な感覚の得られる展覧会でした。
この展覧会では、1年ほど前からA2ポスターを4つ折りにしたチラシで告知がはじまっていて、ポスターの図柄は3種類が確認できています。
近年、美術展のチラシではA3の2つ折りや、2〜3 種の図柄のバージョンを制作することが多くありますが、宣伝に力が入りすぎるあまり、肝心の展覧会では印象が薄れたり、イメージが裏切られることもしばしば。
観客動員には効果があるのでしょうが、鑑賞者の立場で考えるとあまり成功しているとは思えないものでした。
ところが「トーマス・ルフ展」の力の入ったセールスプロモーションでの、A2のサイズいっぱいに高精細で印刷された写真は、展覧会場の作品の大きさや作品の密度を十分に期待させ、その期待をまったく裏切ることのない展覧会という素晴らしいもの。
話題性だけで人集めをする展覧会が横行するなか、東京国立近代美術館の底力を感じた展覧会でした。
トーマス・ルフはドイツの現代写真界の巨匠ですが、日本ではまだあまりメジャーではなく、大規模な回顧展は今回が初です。
80年代から現在までの様々なシリーズの写真表現作品が展示されているなか、なんといっても2mほどの大きさにプリントされた写真群が圧倒的。
展示されているほとんどの写真が何らかのデジタル処理によって得られた画像ですが、捉えた光の表現であるはずのこれまでの写真表現という枠を完全に超えながらも、制作過程や素材は確かに写真であるという不思議な感覚の得られる展覧会でした。
THOMAS RUFF 《photogram》/THOMAS RUFF《Houses》/THOMAS RUFF《cassini》(上段左より)
THOMAS RUFF《Portrait》/THOMAS RUFF《Substrat》(下段左より)
「トーマス・ルフ展」 東京国立近代美術館
近年、美術展のチラシではA3の2つ折りや、2〜3 種の図柄のバージョンを制作することが多くありますが、宣伝に力が入りすぎるあまり、肝心の展覧会では印象が薄れたり、イメージが裏切られることもしばしば。
観客動員には効果があるのでしょうが、鑑賞者の立場で考えるとあまり成功しているとは思えないものでした。
ところが「トーマス・ルフ展」の力の入ったセールスプロモーションでの、A2のサイズいっぱいに高精細で印刷された写真は、展覧会場の作品の大きさや作品の密度を十分に期待させ、その期待をまったく裏切ることのない展覧会という素晴らしいもの。
話題性だけで人集めをする展覧会が横行するなか、東京国立近代美術館の底力を感じた展覧会でした。
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