2015年6月9日火曜日

これからのデザイン。

LIXILギャラリー2で開催中の「伊東豊雄展 ライフスタイルを変えよう -大三島を日本で一番住みたい島にするために-」の展覧会レビューです。
(8/22まで)


建築系の展覧会ですが、建物がメインではなく瀬戸内海に浮かぶ大三島という環境に注目したプロジェクト。

この大三島は「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」が2011年に開館した島で、伊東氏が美術館の開館をきっかけに島の一番の問題である人口減と高齢化に直面し、未来の島の生活の危機を建築的なアプローチで取り組んでいるのだそうです。

目立つ箱だけつくってしまって、出来た後は維持管理が財政を圧迫するという問題が多く取りざたされる中、形ではなくそこにいる人とこれから住まうべき人、そこに訪れる人という生活から環境つくりを考えようという進行中のプロジェクトは、未来のデザインのあるべきカタチのひとつだと予感させるものでした。

2015年6月6日土曜日

継承のデザイン

LIXILギャラリー1では「金沢の町家‐活きている家作職人の技‐展」が開催中。(8/22まで)


日本の伝統的な建物のひとつである町家が多く残る金沢で、その建物を維持し続けるための職人さんの技術とその継承への取り組みを紹介する展覧会。

大工技術の紹介コーナーでは「木組み」の見本がありました。
釘や金物などに頼らずに、木に切り込みなどを施してはめ合わせる技術で継ぎ手、仕口とよばれる技法。
とても複雑ですが組み上がりはとても美しく、木材の変形・被衝撃に対しても強いのだそうです。

実際に触って組んでみられるのですが、よくこんな複雑な形状に加工するものだと感心です。


けっして派手な展覧会ではありませんが、新しくつくり直すのではなく修理しながら100年以上使い続けるという考え方自体も継承していきたいと思わせる展覧会でした。