2011年6月30日木曜日

再び登場

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催していた「レイモン・サヴィニャック展」の最終日に滑り込み鑑賞しました。

デザイン学校の近代デザイン史の授業でも毎年参考紹介するサヴィニャックですが、原画を目にするのは初めてでしたのでとても新鮮でした。

同じ学校のIwa先生のツイート「ポスターデカイす!」のとおり、知っている図柄のポスターが思ったより大きいものが多く驚きました。

名作絵画をはじめて見るときもこのサイズ感には驚くことが多いですが、大概は思ったより「小さい」ことが多く、この差はなんなどだろうと思っています。

さてサヴィニャックが亡くなった2002年の翌年、故国のフランスのトゥルーヴィルでは一周忌としてJOURNEES SAVIGNAC(サヴィニャックの日)が開催され、記念切手が発売されています。

この切手の図柄は「Bal des Affiches(ポスター舞踏会)」と題されたトゥルーヴィルカジノのポスター。

今回の展覧会ポスターにもなった、サヴィニャックのデビュー作「Monsavon」のが再登場し、師匠であるカッサンドルの描いた「Dubonnet」のデュボネ氏とダンスをしているというとてもユニークな図柄です。

サヴィニャック本人にとって師匠カッサンドルと自分のデビューとなったMonsavonは特別な意味を持つものなのでしょうね。

2011年6月29日水曜日

インテリア情報!

新宿のリビングデザインセンターOZONEで「ハンスJ.ウェグナーとボーエ・モーエンセンの絆展 ~デンマークデザイン黄金期の背景~」が始まりました。(〜9/27まで)

5階のノルディックフォルム横の特設会場です。
連動トークショーもありますが、こちらは7/3開催で定員25名の予約制ですから今からではちょっと無理かもしれませんが、もしかするとオープンで立ち見できるかもしれませんから、興味のある方はぜひ問い合わせてみて欲しいです。

トークショーは武蔵野美術大学名誉教授の島崎信氏とカンジナビアンリビング東京支店代表の羽柴健氏。

以前に目黒区美術館で島崎先生のお話を聞く機会がありましたが、とても面白かったのでおススメです。

ZOO!!!

北極圏などとても寒い地域に生息するシロフクロウは、全長50cmほどの比較的大型なフクロウで、雌はほぼ真っ白、雄は黒い縞模様が多いのが特徴。

いつもは直立して笑い顔で目を閉じているシロフクロウが、地面にうずくまっていました。

地面でうずくまるシロフクロウの雌は一瞬具合が悪いのかと思ってしまいましたが、よく見ると胸の下に小さいくちばしが見えます。

繁殖のための巣を地面に作るシロフクロウは、羽根を下に広げて地面に低い体制でうずくまる姿勢で抱卵し、孵化した雛が自分で体温調節できるようになるまで続きます。

羽が生え揃うまでのあいだ親鳥が雛の体温を調節する行動は多くの鳥類で見られ、卵を抱える抱卵にたいし抱雛(ほうすう)といいます。

春から夏に掛けては多くの動物達が繁殖期を迎えるように、5〜8月あたりまでが繁殖期のシロフクロウも雛を抱えているところに遭遇できました。

顔を出した雛はまだ目があいていないようですが、あと2週間くらいで巣から離れるでしょうか。

巣立ちした子シロフクロウの姿も見たいですね。

多摩動物公園ではこの春にユキヒョウの赤ちゃんも誕生しています。
まだ一般公開していませんが、そろそろ公開になるのではないでしょうか。
まめにサイトのニュースをチェックです。



2011年6月28日火曜日

ZOO!!

多摩動物公園では、今年4/14に生まれたチーターの3つ子の赤ちゃんが5月末からガラス飼育室で時間限定公開されています。

先日、名前募集も終了し名前が決まったようです。

すらりとした体型のチーターも赤ちゃんは丸々していてとてもカワイイですね。

中近東からアフリカにかけてのサバンナに暮らすチーターは個体数が減っていて絶滅危惧種に指定されていますが、生息地の減少が依然として続いている現状、飼育下であっても繁殖が続いて行くことが大切ですね。

チーターの赤ちゃんは親には見られない「たてがみ」がありますが、これは母親が狩りを行っている間、草むらの中で体をカムフラージュする為ともいわれています。
成長と共に消失してしまうので、早めに行かないとなくなってしまいますね。

2011年6月27日月曜日

ZOO!

すっきりしない空模様でしたが多摩動物公園に行きました。
天候のおかげかそれほどの混雑もなく快適。

目当てはオランウータンスカイウォーク

2005年にできたこのスカイウォークは、樹上性のオランウータンの習性を生かした施設で、地上から高さ10メートル強の9本のタワーをロープでつなぎ、ロープをつたってオランたちが移動できる施設で、総延長150mと世界最大級です。

スミソニアンのオーライン、旭山動物園、いしかわ動物園のタワーなど、これまでにもオランのためのタワー施設はありましたが、多摩動物公園の施設は規模の 大きさだけでなく、移動した飛び地に雑草地面の生い茂った地面と高い木が生えていて、より自然に近いオランの性質を観察できることが特徴で、NPO法人市民ZOOネットワークの「2005年 エンリッチメント大賞 飼育施設部門大賞」を受賞しています。

NPO法人市民ZOOネットワークは動物園や水族館などの飼育環境における環境(environmental)を充実(enrich)させる取り組みを市 民の側から支援することや、社会全体の意識を高めることなどを目的とした団体で、その取り組みのひとつがこのエンリッチメント大賞です。

この多摩動物公園の事例は、その後開発によって分断されたボルネオ島の森林をオランたちが行き来するための吊り橋の建設に生かされたそうで、実際にオラン達の様子を見ていると、動物園での飼育環境技術の開発が野生動物保全活動へ応用されたというのも納得です。


森へ渡ったオランの母子














多摩動物公園のスカイウォークは雨天は中止で、寒い時期も行われないため、今までなかなか見るチャンスがありませんでしたが、長年の念願が叶って満足です。

アジア園の奥にあるオランウータン舎の特設タワーを登り、森へ向うオランウータンたち。
タワーへの扉は11:30に開けられますが、その後はまったくオラン達の気分次第。
移動先の森には特に食べ物などの人工的な誘導物はないのですが、高いロープや樹々のある森が気持ちいいのでしょうね。
帰る時間も気分次第だそうです。

2011年6月26日日曜日

副菜で楽しむ

主菜は「どうだ!まいったか!」というボリューム感で存在感があり派手な印象ですが、それに比べて副菜は素材的にも地味な印象となってしまうことが多いですよね。

副菜の素材が地味な時はできるだけ彩りを考えて組合わせを決めて器の色も考慮したいところ。

いつものきんぴらにも栄養面だけでなく、彩りの意味でもニンジンを加えますが、ニンジン以外にもピーマンも彩り効果が高いです。

生でも美味しいピーマンですから加熱は短く、ゴボウだけで作る感覚で最後に加え合える程度に彩り良く仕上げます。

い器に盛ったので色味が引き締まりました。
ピーマンの艶感もいいので、艶のない器がいいようです。

ゴボウとピーマンのきんぴら
その日の気分でゴボウの太さを決めます。
今回はピーマンの彩り重視で細めに切りました。

2011年6月25日土曜日

便利だね

デザイン学校では今年度から学生ひとりひとりにiPadを配布。

授業やプレゼンテーションなどに役立てていきます。

さて先日の博物館実習ではiPadで撮影した人も多いようですが、写真はiPadに入れておくだけでなく、PCにもデータを移して管理活用しましょう。

自分のPCであれば同期させてのデータ管理が一般的でしょうが、Wi-fi環境があるのであればPCからフォルダにデータ保存するのと同じように使用できる、無料アプリのDropboxが便利です。

I先生もブログでオススメしていましたからお墨付きです。

まだインストールしていない人は、ここからインストールすると通常の無料2GBに加えボーナス容量がもらえるそうです。

(同じようにI先生のブログからでもボーナス容量がもらえます)

教室のPCなど共用のマシンからはDropboxのホーム画面からログインしましょうね。

まだまだ使い始めでわからないことも多いと思いますが、ジャンジャン使って可能性を広げましょう。

2011年6月24日金曜日

技術のウラに

テニスのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2011)が始まっています。

先日は、女子シングルス2回戦が行われ、クルム伊達公子選手が同大会5度の優勝経験を持つヴィーナス・ウィリアムス選手相手に約3時間の激戦。

7-6、3-6、6-8で敗れはしましたがまだまだ可能性を感じさせるプレイでした。

さて、グランドスラム大会でも有名となった「チャレンジシステム」。

選手が審判の判定に疑問がある場合に「チャレンジ」を告知することでCGの画面で再判定されるものですが、2006年の全米オープンからボールマークが残るクレーコートの全仏を除く、グランドスラム大会のメインスタジアムと第一コートで採用されています。

このシステム、ホークアイという10台のカメラでいろんな角度からボールの軌道をとらえ、その映像からボールの軌跡計算、解析を行いCGで瞬時に再現するという仕組みだそうで、あの表示速度の早さはものすごいものです。

日本でも2008年の「東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメント」で初使用、テニス以外では、審判による誤審が話題となったサッカー2010 FIFAワールドカップの反省から2012年大会のシステム採用を検討しているそうです。

弾道ミサイル誘導技術を応用したというこのシステム。
軍事開発が技術革新を生むという図式がなければとてもすばらしいシステムだと思います。

2011年6月23日木曜日

シンプル流行

先日知人からいただいた北海道産のアスパラガスがとても美味しかったので、アスパラガスのシンプル料理が流行ってます。

ビタミン類が豊富なアスパラガスは茹でるより焼いて食べた方がビタミンの損失が少ないので、前回はフライパンでじりじり焼きにしましたが、今回は手間いらずのオーブンで調理。

グラタン皿などの耐熱皿にバターを薄くひいてアスパラガスと卵を入れ、塩コショウとパルメザンチーズをふりかけ焼き上げました。

太めのしっかりしたアスパラだったので、電子レンジでごく固めに加熱してから焼き上げました。

卵が固まればできあがり。
材料だけ聞くと「目玉焼きのアスパラ添え?」のようですが、オーブンの加熱で卵も意外な美味しさです。
アスパラガスも水っぽくならず、とてもジューシーに仕上がります。

2011年6月22日水曜日

表情がいい

約2万6000点のコレクションを持つ東京都写真美術館で開催中のコレクション展「こどもの情景-戦争とこどもたち」に行って来ました。(7/10まで)

同館で開催中の企画展「世界報道写真展2011」に合わせたフォト・ジャーナリズムのコレクションから「戦争とこども」をキーワードとしたこの展覧会は、国内外の有名写真家の時間や場所の異なる写真作品を同じテーマで集めたユニークなものとなっています。

戦争の報道写真は辛く重いものとなりがちですが、写真に写るこども達の表情がとても良く、戦争の最中とは思えないものも多くありました。

こども達の表情豊かな写真を見ていて、学生時代の写真の授業で「面接ポートレート」という「路上で知らない人に声を掛けて写真を撮らせてもらう」という課題の条件に「子供とお年寄りはモデルとして不可」というのがあったことを思い出し、ひとり苦笑いしてしまいました。

2011年6月21日火曜日

巡回がいい

2009年に世田谷文学館で開催された「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」展が、徳島県立美術館、佐野美術館(千葉)、伊丹市美術館(兵庫)の巡回を経て埼玉のうらわ美術館で開催されていましたが、いよいよ6/26までとなりました。

日本の雑誌デザインにおける革新的なアートディレクターである堀内誠一氏の制作からは多く学ぶものがあります。
デザインを学んでいる学生さんはぜひ見に行って欲しいです。

展覧会を見られなかった人は展覧会のカタログを兼ねてコロナ・ブックスから刊行されている『堀内誠一 旅と絵本とデザインと』もおすすめです。
せめて本屋で立ち読みするくらいはして欲しいですね。


さて、この「うらわ美術館」では次の企画展として「ブラティスラヴァ世界絵本原画展―世界の絵本がやってきた」がはじまります。(開催期間:7/9~8/31)

ブラティスラヴァ世界絵本原画展は2年毎に開催されるスロヴァキア共和国の首都・ブラティスラヴァでおこなわれる世界最大規模の絵本原画展

実際に出版された絵本の原画であることが参加条件で、世界各国での国内選考を経たコンペなので、先日このブログでも紹介した同じ世界規模の絵本原画展であるボローニャ国際絵本原画展とはコンセプトが異なります。

2010年に千葉市美術館で開催されましたが、ちょっと遠くて行けなかったため、今回の巡回はとても楽しみです。

2011年6月20日月曜日

和でも洋でも

梅雨のじめじめで気温がそれほど高くなくても、空気の重さのせいかさっぱりしたものばかりが食べたくなり、なんとなく第一次夏バテ気味の毎日。

しっかり食事を摂らないとだめですね。

初夏の脂の少ないは暑くなるこの時期にぴったり。

王道の和風たたきもいいのですが、野菜も加えて洋風に。

ガーリックオイルで表面だけ軽く焼き目が着く程度焼いた鰹に、同じフライパンで加熱したトマトパプリカをオリーブオイル、バルサミコ、塩、コショウで味を整えたソースで和えます。

バルサミコによっては蜂蜜を加えても美味しい。

鰹には酸味とニンニクの風味がとても合いますね。

たまたま冷蔵庫にカブが残っていたので、厚切りにしてオリーブオイルでじりじり焼き一緒に合わせました。
(予定外の素材にちょっと盛り過ぎ)

2011年6月19日日曜日

不思議な花

アジサイの品種のひとつである「アナベル」の切り花をいただきました。

ほのかに緑みがかった白い小さな花の集合体と葉のグリーンとのコントラストがとてもキレイです。






















この紫陽花。

花弁のように見えるのは実は「(がく)」が大きく花びらのように変化した「花序」といい、花として鑑賞している部分を装飾花といいます。

装飾花の中央には「花びら・雄しべ・雌しべ」が閉じた花冠という小さなかたまりがありこれが「つぼみ」ですが、この装飾花は字の通り「装飾」で中央のつぼみが開花しても結実しないそうです。

では一般的な花はというと、装飾花をかき分けた裏側の空間にひっそりと咲いています。
(花の集合体を裏から見ると分りやすい)

この奥に隠れている「花」は両性花といい結実します。





















もともとアジサイは花の集合体の中央に結実する両性花があり、その周囲に絵の額のように装飾花がならぶ「ガクアジサイ」が原種の花。

そのガクアジサイを観賞用に品種改良して、装飾花の多い「アジサイ」が作られ、両性花は奥へ隠れていったようです。

それにしても萼が大きく目立つ品種がガクアジサイなのかと思っていたら、まったく違いました。

2011年6月18日土曜日

今年も開催

板橋区立美術館で毎年開催される「ボローニャ国際絵本原画展」が今年も開催されます。
7/2~8/14

1964年に創設され、イタリアのボローニャで毎年春に開催される児童文学および児童向けマルチメディアの見本市であるボローニャ国際児童図書展にあわせて開催される絵本原画のコンクールで、世界で最も注目される絵本原画展のひとつです。

「絵本原画展」ではありますが、子どもの本のために制作された5枚1組の作品であれば誰でも応募ができるので、すでに活躍している絵本作家だけでなく、無名の新人もデビューを狙って応募します。

今回の展覧会では特別展示としてイタリアの新進作家フィリップ・ジョルダーノによる新作絵本「かぐや姫」の原画も紹介されるようで、こちらも期待です。

絵本、イラストに関心のある学生さんは必見です。

2011年6月17日金曜日

ちょっと遠いけど

デザイン学校ではその時代とデザインの関係性に触れる授業で先週に引き続き「バウハウス」を取り上げましたが、そのバウハウスのマイスターであるモホイ=ナジの展覧会「視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション」が神奈川県立近代美術館の葉山館で開催中です。(7/10まで)

「新しい視覚(ニュー・ヴィジョン)」を追求したモホイ=ナジ・ラースローは、現代のメディアアートの先駆けとなる作品を多く制作しましたが、これまで文献図版や断片的な作品だけしか見る機会がありませんでした。

今回の展覧会ではその活動の全貌を紹介する個展で、日本で初めて開催されるというのですから遠くても行くしかない。
会期終了まで1ヶ月を切りましたのでそろそろ本気で考えないといけません。

この展覧会は
7/20-9/4までは「京都国立近代美術館」、9/17-12/11には千葉の「DIC川村記念美術館」に巡回します。

展覧会のフライヤーにもなっているモホイ=ナジによる映像作品「Ein Lichtspiel」

2011年6月16日木曜日

オイルの力

以前、同じ職場にいたOさんはもと南欧料理のシェフ。
そのOさんから教えていただいたのが小エビのアヒージョです。

アヒージョとはスペイン語で「ニンニク風味」という意味だそうですが、ニンニクで香りをつけたオリーブオイルで調理するとてもシンプルな料理で、弱火の火加減でじっくり「煮る」のがポイント。

このオイルで煮るという感覚は日本料理にはないので、とてもおもしろいですよね。
揚げ物と違って思ったほど食材が油っぽくならないのも不思議。

マッシュルーム、ホタテなどでも美味しいですよね。
オイルをたくさん使いますが、パンにつけるとこれがまた美味しいのです。

小エビのアヒージョ
オリーブオイルに刻んだニンニクを入れ香りをしっかり移す。
ニンニクは焦げやすいので注意。
下ごしらえしたエビを入れ、弱火でじっくり加熱。
揚げ状態にならないようにするところがポイント。
塩で味を整え、バジルを散らせば出来上がり。

2011年6月15日水曜日

覚悟して見に行った

東京都写真美術館で開催中の「世界報道写真展2011」に行って来ました。(8/7まで)

この展覧会は2010年にオランダのアムステルダムで開催された報道写真の世界コンテストの受賞作品による展覧会です。

様々な報道写真の部門がありますが大賞をはじめ多くの受賞作品はあまりにも衝撃的で、会場を出てもしばらくは重い気分になるほど。

平日の昼間にも関わらず会場は多くの来場者が訪れていましたが、自然部門の受賞作の白鳥の写真に思わず「ほっとする」と言っていた老婦人にとても共感しました。

悲劇や混乱などの多くの衝撃的な写真から、同時に人間の強さや生命の強さを感じられたことが救いでした。

2011年6月14日火曜日

そしてPINKだって

Nokia/N8シリーズの最新機種は6月に発売された「PINK」。

イギリス出身のSugababes(シュガーベイブス)の新曲である「Freedom」を起用し、バービー風の人形のダンス映像で賑やかな映像。

これまでのN8シリーズが「カメラ機能」にこだわって制作されていたのに比べ、PINKというカラーイメージから、よりファッション性を重視したのかかなり印象が異なります。

テンポの早い映像のわりに人形の動きが緩い場面もありますが、背景の壁やステージがN8/PINKだったりする見せ方は上手いですね。

前の2シリーズとともに話題にはなっているようです。




メイキング映像
よく動かしてます。
ダンスで足が取れた時のリアクションも楽しい。

2011年6月13日月曜日

五感に響く

フィンランドのNokiaが発売するスマートフォンN8シリーズの話題CM。

今年3月にはロンドンを中心に活躍する盲目の写真家Gary Waite氏が登場し、Nokia/N8を使って撮影。

視覚に頼れないGary Waite氏は、聴覚、嗅覚、触覚を頼りに撮影。

撮影された作品は盲目の写真家であることを全く感じさせないだけでなく、視覚的なコミュニケーションである写真表現がそこに本来あるべき、音や香りや質感などの五感で感じる全てを表現しうるものだということを気付かせてくれます。

見えているつもりで見えていないもの。
実はとても多いのですね。

有名タレントが出て来て演じているだけのCMが多い中、もう少し感覚を刺激するような表現が多くなることを期待します。


2011年6月12日日曜日

携帯電話のCMって

すっかりスマートフォンが浸透して、新機種の開発、販売競争で賑わっていますが、日本の携帯電話のCMってイマイチ面白くないと思いませんか。

au iidaの草間彌生モデルのCMは多少インパクトがありましたが、CMとして話題になるものが極端に少ない気がします。

フィンランドの電気通信機器メーカーで携帯電話端末では世界最大のシェアを持つNokia(ノキア)のCMは、とても話題作りが上手いです。

スマートフォンN8シリーズの2010年発売モデルでは、高性能の1200万画素カールツァイスレンズセルスコープという顕微鏡カメラをつけて撮影された、世界最小のストップモーションアニメーション「Dot.」を制作。

「ウォレスとグルミット」の制作で有名な英国のアニメ制作スタジオであるアードマン (Aardman)が制作し、史上最小の映画としてギネス世界記録に認定されたようです。

スマートフォンの撮影機能をPRするために制作されたアニメーションですが、技術だけでなく、デザインセンスやストーリーセンスも抜群。Dotちゃんの声(?)もカワイイ。



2008年にNokiaが日本の携帯電話マーケットから撤退しているため日本では放映されませんでしたが、最近になってまた話題となっているようですね。
日本の携帯電話業界も見習って欲しいものです。

こちらはメイキング
ものすごいことになってます。

2011年6月11日土曜日

牛のポスター

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「レイモン・サヴィニャック展」がはじまりました。~06/28まで

アール・デコの巨匠であるカッサンドルのアシスタントでもあったサビニャックですが、1949年の作品「Monsavon」が認められ、ポスター作家としてデビューした時は41歳。

その後は優しくユーモラスなスタイルが人気となり、エール・フランスやミシュランをはじめ多くのポスターを手掛けるようになり、今でもその作品は世界中で人気です。

多くのポスターが複製されているので、図柄を目にする機会は多いのですが、なかなか良質なものがなく、オリジナルや原画となると見られる機会はなかなかありません。

今回の展覧会ではサヴィニャックの初期から中期にかけての作品約50点が展示されるので、グラフィックデザインの学生さんは必見です。

2011年6月10日金曜日

銀座に名車が集結

銀座の京橋よりにあるINAXギャラリーで「凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展」がはじまりました。

すべてを自らの手で作り上げる「スクラッチビルド」という模型を制作するモデラーと、その作品に焦点を当てた展覧会で、模型好きにはたまらないテーマです。

今回集められた作品はどれも名車ばかり。
リストを見ても、ブガッティ T37A、T35B(1/15)、モーガン スリーホイラー(1/15)、ジャガーD タイプ(1/12)、フェラーリ F500(1/12)、フェラーリ 250 GTO(1/5)、ポルシェ 356(1/12)・・・。

しかも世界トップクラスのプロモデラーであり、2000年に英国エリザベス女王より“Sir”の称号を与えられた、G.A.ウィングローブ氏の作品「イスパノ・スイザ(1/15)」も展示されているというのですから行かないわけには行きません。

高級外車ほどの価格が付くというスクラッチビルドの名作は、模型という域を超えて芸術作品です。

INAXギャラリーのこれまでの観覧客とは違った人達も集まりそうな予感。

会期は8/20までです。

2011年6月9日木曜日

本屋は楽しい

本というメディアが危機的な状態の今、書店も本だけを売り物にするのではなく、Cafeがあったり、雑貨があったりと、随分変わってきました。

アート・デザイン系の雑貨や文具などを扱う書店としては京都の恵文社一乗寺店が特に有名ですが、最近近くの立川にオープンした書店「ORION PAPYRUS」が、品揃えやノリが結構はまっていて、このあたりの書店にない楽しい雰囲気でした。

なかでもここ最近チェックして店頭ではあまり見かけることのないマニアックだけど良質な画本や写真集が平積みされていたりして、なかなかやるなぁという感じ。

紀伊國屋書店やジュンク堂のような大型店舗では、広さに任せて何でもありそうで結局探してる本は注文になってしまったり、店頭で出会える楽しい本がなかなかないいだけに、この品揃えはちょっといいです。

感心した本はこんな感じです。

The Night Life of Trees
2008年のボローニャ児童書国際見本市のラガッツィ賞受賞の美本。以前紹介しましたが、日本の店頭価格は8000円以上しますが、Amazonだと直販なので送料入れても安いです。
そういえばそろそろ板橋区立美術館で「ボローニャ国際絵本原画展」がはじまりますね。


Popville
2009の「フランスの最も素晴しい本」受賞のポップアップブック。こちらも以前紹介しました。ストーリーとポップアップ技法がかみ合っている発想がとてもいいです。久しぶりにチェックしたら更に安くなってるみたいです。


BIOSOPHIA of BIRDS(鳥のビオソフィア)
鳥類学者である山階芳麿博士の標本コレクションをストイックに撮影した写真集。東京大学総合研究博物館での特別展に合わせて出版された超美本。
なかなか手がだせないまま数年経っていますが、そろそろ買いでしょうか。


ほかにも手にしたい本がたくさんありました。
やっぱり本屋は楽しいですね。

2011年6月8日水曜日

色彩のへぇ〜。

デザイン系の高校で色彩心理の授業を行いました。

色彩の学習は色を体系的に理解する必要があるので、なかなか食らいつきはよくないのですが、今日の「色彩の効果」の授業では、とくに「収縮色膨張色」の例で反応が良かったです。

収縮色と膨張色とは、黒などの明度の低い色は収縮して見え、白などの明度の高い色は膨張して見える性質があるというもので、「碁石の大きさ」がよく例にされます。

標準的な碁石は、白石は直径21.9mm(7分2厘)、黒石は直径22.2mm(7分3厘)と決まっていて、収縮色である黒石の方が0.3ミリ大きく作られ、厚さも黒石が約0.6mmほど大きく作られています。

一般の高校生が日常的に「碁石」を目にすることはあまりないでしょうが、想像がしやすかったのか、とても感心していたのが逆に面白かったです。

こうした視覚のあいまいさ錯覚は、色だけでなく形や構成についても様々な例がありますが、デザインしている時には「真ん中に配置した」から真ん中にあるとか、「同じものをコピーした」から同じ長さだという思い込みがあって、実際はどのように見えているかということを意識すらできずにいることさえあり、あとで客観的に見たとき違和感を感じます。

はじめは「へぇ〜」という感心からでも、「視覚のあいまいさ」を意識することがデザインには大切ですね。

2011年6月7日火曜日

みじん切り

街中でワゴン車の餃子売りに出会いました。

買ったことはないのですが、「ギョウザー」の掛け声が魅力的で餃子を食べたくなったのでさっそく作ることにしました。

豚肉ニラキャベツの基本の餡。
これに何を加えるかのアレンジが楽しいです。

エノキダケのみじん切りと大葉
長ネギミョウガのみじん切り。
の2種類。

「餃子を作る=食材のみじん切りを大量にする」ということでもありますが、みじん切りとか千切りとか、ひたすら包丁で食材を切り続ける作業って結構没頭できて好きです。

最後に思いつきで豚肩ロースで作ってあった冷凍の塩豚を5mm角程度に刻んで加えました。

今日はすべて焼き餃子。
満足な出来映えでした。
アクセントの塩豚もけっこう使える。

2011年6月6日月曜日

旬をいただきました

知人から北海道産のアスパラガスをいただきました。
夕食の前だったのでさっそく食卓へ。
時間が経つと苦味が増して繊維がかたくなるので美味しいうちに食べないともったいないですよね。

ごく少量のオリーブオイルで軽く焦げ目がつくくらいじっくり焼いて、
鰹節と醤油でシンプルにいただきました。


















アスパラガス独特の香りと甘味が強くとても美味でした。

アスパラガスにはカロテンビタミンCビタミンEルチンなどの栄養素が含まれるほか、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸や、葉酸カルシウム亜鉛などのミネラルを含み
、抗腫瘍効果、新陳代謝の促進、貧血改善、動脈硬化予防、疲労回復、抵抗力強化などに効果が期待できるそうです。

ビタミンの損失を少なくするため、茹でるより焼いた方がいいようですね。
美味しいおすそわけに感謝です。

2011年6月5日日曜日

版下と指定紙

少し前のことですが、銀座のgggで開催されていた「佐藤晃一ポスター」展に行きました。
会期最終日の仕事の合間の駆け込みです。

会場には、デザイン学校で一緒の専攻を教えていらっしゃるI先生が、やはり最終日ということで急遽学生達を引率して見学中。

Macでのデザインワークしか知らない今の学生さんにはどのように映ったのでしょうか。

後日の授業で学生達に感想を聞いたところ、作品のきれいさ、凄さには圧倒されたものの、デスク上に並べられた様々な画像素材や版下、赤ペン指定紙の山々がピンときていないようでした。
ちょうど印刷の仕組みを学習する回だったので、解説しながら版下と色指定についても触れ、DTPの意味を理解してもらいました。

事前に版下や指定紙を見ていたおかげでより理解が深まったのではないでしょうか。

それにしても佐藤晃一氏のポスターは今までどんな指定をしているのかとても不思議に思っていましたが、今回の展覧会で版下と指定紙を展示してあって(しかも触っていい)とても勉強になりました。

今ではまったく作られなくなった指定原稿ですが、原理としては知っておいて欲しい知識。
ゼミ的にでも実施したくなるメディアです。

2011年6月4日土曜日

しっかり煮込んで

体や臓器の形を支える構造材として働くコラーゲンは、タンパク質の一種で、細胞同士を吸着させる接着剤的な効果もあるようです。

人の体内でも常にコラーゲンはバランスよく合成と分解が繰り返されているそうですが、年齢をはじめとする要因でこのバランスは崩れやすく、不足すると肌だけでなく関節や骨にも悪影響が出るとか。

コラーゲンを豊富に含むと言われる手羽先
水溶性なコラーゲンを無駄にしないように、じっくり中華風に煮込んでみました。

鶏の手羽中を鶏ガラスープ、酒、甜麺醤、醤油、塩、蜂蜜、ショウガで煮込み、白髪ネギを飾りました。
ほとんど水分がなくなる位まで煮詰めた方が美味しいです。

2011年6月3日金曜日

季節感

震災の後に「花見なんかしている場合じゃない」と全国的な自粛ムードが高まった時に、東北の酒造メーカーの方々が中心となって、経済的二次被害を訴え、日常の経済活動の中に「東北のお酒を飲んで東北の食材を食べて、東北を応援しよう」と立ち上げたキャンペーン「ハナサケ!ニッポン」。

4月にこのブログでも紹介し、サイトのリンクバナーも貼付けていますが、このサイトのバナーが「」から「紫陽花」に変わりました。

季節感と食文化の関係は日本料理ではとても大切にされてきたことですが、日常的には暑い寒いくらいで中々意識できないものです。
酒を飲むということも文化としてあったはず。

せっかく日本で生活しているのですから、花と食文化について調べてみたくなりました。

ハナサケニッポン

2011年6月2日木曜日

意識が動いた

先日のブログで「気になる展覧会」として紹介した西武ギャラリーで開催中の「廣村 正彰 展 ジュングリン-意識が動く映像」に行って来ました。(6/6まで)


展覧会を紹介しているYouTubeのままの作品もありますが、展示の空間や画面の大きさがことなるとここまで印象が違うのかという驚きもあり新鮮な体験。

周囲がすべて黒く塗られた暗い6つの展示ブースのうち、第2室の作品「シャツ」は、特にじっくり見入って欲しい作品です。

他の作品に比べ変化の速度がゆっくりなので、静止画作品だと思ってしまうのか、素通りしてしまう来場者が結構いました。もったいないですね。

日常的に知っていたり見たことがあったりするような映像の中に、自分の意識の変化が実感できる作品ばかりで楽しい体験でした。

全てが動画映像の展覧会ですが、まったく疲れることなく楽しめるのは映像技術が変に凝っていないためでしょうかね。
小さなギャラリーですが、今後の展開も楽しみです。

2011年6月1日水曜日

印刷三昧

デザイン学校で印刷博物館に行って来ました。

毎年1年生は印刷の学習の一環として引率していますが、毎年参加学生の興味のベクトルが違うので、その反応が結構楽しみでもあります。

今年はちょうど企画展「空海からのおくりもの 高野山の書庫の扉をひらく(7/18まで)」を開催中でしたので、授業時間だけでは物足りないくらいの充実度でした。

空海が真言密教の修行のために開いた高野山は密教美術の宝庫ですが、印刷博物館では特に「経典や教書」の印刷に関わる部分にスポットをあてた展示となっており、常設展ではなかなかイメージしづらい木版による活字(高野版木活字)などが展示されグラフィックデザインの学生にもぴったりの内容でした。

この時期には毎年恒例となった同館P&Pギャラリーの「グラフィックトライアル(8/7まで)」も、デザインの学習を始めたばかりの学生には難解な部分も多いのですが、プロのデザイナーが何度もテストを繰り返し確認しながらベストな表現を見いだしている様が実際に観て、自分たちの制作姿勢に少しでも参考にしてほしいと思います。

今回は「オフセットで木版画を印刷する」に挑戦した山本剛久氏の作品が一番楽しかったです。
グラフィックトライアルの制作詳細は過去のものも凸版印刷のグラフィックアーツセンターのサイトで確認できるのも嬉しいです。