デザイン系の高校で色彩心理の授業を行いました。
色彩の学習は色を体系的に理解する必要があるので、なかなか食らいつきはよくないのですが、今日の「色彩の効果」の授業では、とくに「収縮色と膨張色」の例で反応が良かったです。
収縮色と膨張色とは、黒などの明度の低い色は収縮して見え、白などの明度の高い色は膨張して見える性質があるというもので、「碁石の大きさ」がよく例にされます。
標準的な碁石は、白石は直径21.9mm(7分2厘)、黒石は直径22.2mm(7分3厘)と決まっていて、収縮色である黒石の方が0.3ミリ大きく作られ、厚さも黒石が約0.6mmほど大きく作られています。
一般の高校生が日常的に「碁石」を目にすることはあまりないでしょうが、想像がしやすかったのか、とても感心していたのが逆に面白かったです。
こうした視覚のあいまいさや錯覚は、色だけでなく形や構成についても様々な例がありますが、デザインしている時には「真ん中に配置した」から真ん中にあるとか、「同じものをコピーした」から同じ長さだという思い込みがあって、実際はどのように見えているかということを意識すらできずにいることさえあり、あとで客観的に見たとき違和感を感じます。
はじめは「へぇ〜」という感心からでも、「視覚のあいまいさ」を意識することがデザインには大切ですね。
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