骨董の焼き物の中でも比較的手軽な「印判手」。
それまで手描きで施されていた図柄を複製するために生まれた技術で、型紙や銅版を使った「版画」に似た技法で明治〜大正期に多く作られました。
絵柄も手描きのおおらかさに比べてよりデザイン性に富み、古いものでありながら現代の生活にとけ込みやすい図柄が多いのも特徴です。
骨董磁器の図柄には風景を描いた山水画や、おめでたい松竹梅、野菜や花々、幾何学模様、鳥、蝶などが多く見られますが、なんといっても人気なのが「動物画」。
中でも「図変わり」と言われるちょっと変わった特殊な図柄の動物画は特に人気で、本などの図版だけでなかなか本物には出会えません。
唯一kitaCafeにある「図変わりの動物画」がこの「サーカス象図皿」。
印判手サーカス象図皿 明治後期製
明治後期の印判手で図変わりの印判手ばかりを集めた「明治・大正・昭和の図変わり印判(光琳社出版)」の表紙を飾っているちょっと有名な図柄です。
<参考資料:1993年に芸術本で有名な京都の光琳社出版から出されたマニアックな本ですが、1999年に出版社が倒産し現在入手困難な希少本です。>
「そんな時代の日本に象?」と思いましたが、一番古い記録では1408年(応永15)に足利将軍家への献上品として日本に象が贈られていますので、明治時代には珍しい動物多くの人に知られていたようです。
国立国会図書館公式サイトのアーカイブに「象之図」として当時の絵がUPされています。
インドゾウ『[享保十四年渡来]象之図』 川鰭(かわばた)実利画(国立国会図書館保存)
4月28日は現在では「ゾウの日」として制定されています。
現生するゾウの種類はアフリカゾウとアジアゾウの2種(6亜種)。
工芸品素材としての「象牙」の採取や「見せ物」としての乱獲、生息地の環境悪化等々、ゾウをとりまく環境は年々悪化し絶滅の危険があります。
ゾウを通して絶滅しそうな動物のことを知ることができる絵本がありました。
この絵本の売り上げの一部は環境保全団体WWFの活動に使われます。
せっかく「ゾウの日」として制定されているのですから「ゾウ」のことをもっと考えてみたいですね。
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