2013年3月21日木曜日
日本の美。
パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「日本の民家 一九五五年 二川幸夫・建築写真の原点」に行ってきました。(3/24まで)
実はこの展覧会。
かっこいいポスターだという印象はあったのですが、なぜか二川幸夫氏の写真展だという意識で見ていなかった展覧会で、先日、建築写真家の二川幸夫氏が亡くなった時に様々なメディアを通じて知ったという次第で観覧が会期終了間近となってしまいました。
今回の写真展は、1957年から59年にかけて発行された「日本の民家」全10巻のために1950年に撮影されたオリジナルネガからプリントされた全作品モノクロームの展覧会で、フィルム粒状の粗いプリントが、日本の民家のデザインの美しさをしっかりと表現しています。
作品ごとにつけられたキャプションには、撮影地情報に加え、日本の民家建築の特徴が造形的側面と機能的側面から細かく解説されていて、造形と機能の関係が理解できてとても勉強になります。
それにしてもこの展覧会ポスター。
モノクロームの大黒柱の基礎部分の写真にオレンジのタイトルが強く入り、隙のないデザインだと思っていたら、グラフィックデザイナーの巨匠の一人である細谷巌氏が手がけたものでした。
このタイトルで二川氏の写真展でということなら、連なる瓦屋根の写真とか、妻破風の写真を使いそうなものですが、この写真を選んでくるあたりはさすがだと感心してしまいました。
会場構成は建築家の藤本壮介氏。壁には一切作品を掛けず、天井から床へのワイヤーのみで作品を展示するというかっこいい構成でした。
「日本の民家」全10巻もどこかで開いてゆっくり見てみたいものです。
>>二川幸夫氏の訃報のブログはこちら
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