2013年1月7日月曜日
敵わないワケ。
六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「田中一光とデザインの前後左右」を見てきました。(1/20まで)
2002年に亡くなられた日本のグラフィックデザイン界の巨匠である田中一光氏の展覧会はこれまでも東京都現代美術館やgggなどをはじめ各地で開催されましたが、完成された作品を中心とした作品展ではなくその思考やプロセスに迫るコンセプトでこのような大規模な展覧会は初めてではないでしょうか。
会場の大展示室にはデザイン表現をテーマに分けた10卓のテーブルが整然と並び、作品とその資料が展示。原画や版下、指定紙、校正紙などの貴重な資料が並び、一点毎に見応え十分。しっかり時間を取らないと見切られない内容です。
中でも一光氏がモリサワと開発した日本語書体の「光朝」は、これまでに自身が様々なデザインワークのために描きためた明朝体が元となって生まれた書体。その元となる断片的な手描き書体は完成され印刷されたグラフィックとは異なる強さを感じます。
21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会ではメインテーマに関連する作品展示が行なわれることが多く、どうもそれが良くわからないことが多いのですが、今回の展覧会ではデザイナーの廣村正彰氏が「His Colors」という作品を展示。
田中一光氏がそのカラーバリエーションの制作に参加した洋紙「タント」と「カッティングシート」を用いたインスタレーションで、一光氏の色へのこだわりと感覚を感じられる素晴しい作品でした。
このインスタレーション作品は会期中に退色してしまうタント紙の張り替えも行なったそうです。
グラフィックデザインを学ぶ学生さんには必須の展覧会。
まもなく終了です。
関連の展覧会がモリサワ本社のロビーでも開催されているようです。
「田中一光とモリサワ展ーたて組ヨコ組展」(1/18まで)
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