東京都写真美術館で開催中の「
光の造形-操作された写真」を見てきました。(〜7/8まで)
写真表現というのは光による造形表現ですが中でも撮影者が積極的に光を操作したり手を加えることでより複雑な画面を作画しているものを選出した展覧会です。
作画の過程は違いますが、その表現の多くはデジタルによる加工表現が可能なものばかり、PCではなくアナログな技術で作画されているこれらの写真を見ると、写真表現が普段は意識しなかった「光」の芸術なのだということが再認識されます。
デジタルでも可能な表現と言いましたが、大きな違いはその制作過程で仕上がりが見えない技法が多いこと。
例えば
多重露光では、フィルムに2回以上の露光を掛けるのですが、その重なり具合や図像の強弱などがフィルム状でどのように重なっているかはまったくの想像。ある程度は経験で予測できるものの、そこには偶然性が存在するので、重なり具合を常にプレビューし、やり直しもできるデジタルでの合成とは全く異なるものと言えるのかもしれません。
技法別に作品を集めて展示してあり、とても見やすいのですが、もう少し詳細技法などに触れて欲しい面もありました。
ガラスや鏡などに反射するイメージを撮影したリフレクションのコーナーでは、学生時代に傾倒したアメリカの写真家
Harry Callahan(ハリー・キャラハン)の写真を久しぶりに見ることができました。
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