国立天文台三鷹の大赤道儀室(天文台歴史館)は、日本最大口径の屈折望遠鏡を設置する施設なのでドームも巨大ですが、1926年に建設されたこのドームは、当時半球ドームを作る技術が建設業者にはなく、船底製作の技術を持った造船技師の手助けによって作られたそうです。
木造船の構造は竜骨という背骨に肋骨フレームが直交して作られ、その肋骨にシェルプレートという外板が張られ、船底の美しい曲面ができあがるのですが、これをどうドームに置き換えたのか、そのあたりの資料がどこにもないので詳細がわからないのが残念。
柱のない大きな空間をつくるためのドーム構造というのは、それだけでワクワクするものですが、加えて木板がキレイに並んだ様がとても美しく完全に参ってしまいました。
大赤道儀室以外にも第一赤道儀室のドームは小規模ながらやはり木造の木目が美しく、ゴーチェ子午環室のボールトや自動光電子午環室(天文機器資料館)のシルバーに塗装されたボールトも素晴しく、夜空観測でもないのに上ばかり見上げていました。
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