先日、東京都写真美術館で開催していた「ストリート・ライフ ヨーロッパを見つめた7人の写真家たち」展は、19世紀後半から20世紀前半に撮影されたヨーロッパの街角や生活風景をテーマにした展覧会で、モノクロームの写真には、急速な近代化によって変化する都市とそこに生きる人々の逞しさが映し出されていました。
モノクローム写真のプリント方法といえば、現代では「ゼラチンシルバープリント(銀塩写真)」のことを指すほどですが、このゼラチンシルバープリントは数あるモノクロプリント方法のひとつに過ぎず、工業生産品としての安定度などの理由で現在も一般的に残っているに過ぎないものです。
この展覧会の会場では「ゼラチンシルバープリント」の他、「ウッドベリータイプ」「フォトグラビア印刷」「鶏卵紙」などのプリントが展示され、それぞれに階調の再現性や色調などに特徴が比べられるのがとても興味深いものでした。
現代では高解像度で再現性の高いインクジェットプリントが注目されていますが、表現の幅としてのバリエーションがもっと多くなるといいですね。
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