ガラス張りの明るい室内には、円形に切り取られたフレンネルレンズが、ガラスコードで繋がれ、周囲の景色を取り込み、光を複雑に反射します。
この素材と表現自体は、ディスプレイなどでは決して新しい表現ではありませんが、数の多さと全体の大きさ、そして何よりも白く明るい空間性が合わさり、ついつい見入ってしまう美しさを持っています。
レンズとしては、子供の頃の雑誌のオマケに付いてくるような簡易なレンズというイメージのフレンネルレンズですが、本来の目的である拡大鏡としての使用とは違った、素材としての魅力があることに改めて気づかされました。
グラフィックデザインの教育がデジタルになってから随分長い年月が経っていますが、年々この素材感を感覚的に捉える力が弱くなっている印象があります。
日常生活の中での多くの情報収集がモニターを通しているということなのでしょうが、視覚情報における触覚の影響は、これからのデザイン教育のひとつのテーマなのかもしれません。
観覧無料の個展にも関わらず、こんな立派なカタログブックを配布していました。
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