先日久しぶりに訪れた東京都現代美術館のメインエントランスの横には、見慣れない建造物が。
全体が真っ白で、連続する二等辺三角形によって構成され、増殖しているかのようなイメージを与える形状です。
近づくと、大きなガラス窓のある小部屋を包み込んでいるような建造物で、展示室のようです。
この物体は、「ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト」として昨年の10月から1年間限定の施設で、東京在住の若手アーティストの個展などのイベントを開催していくプロジェクトのための新しい空間だそうで、その名称にもあるように、アメリカの通信情報サービス会社であるブルームバーグがスポンサーとなっているそうです。
パヴィリオンをデザインした建築家の平田晃久氏が、「シンボリックな形態である一本の樹木の広がる枝葉を連続したひだの面にイメージし、その下に広がる展示空間は木陰のように人に快適な空間を作るだろう。」と述べているように、ちょうど冬の晴天の空に白い物体が作る幾何学的なグラデーションは、成長する樹木のようでもありとてもキレイでした。
展示室の中に入ると小部屋は壁の1面と天井がガラスで作られていて、天井からは連続した三角形の形が見えるものの、外観とまったく遮断された空間となっているため、展示室としての機能を優先していることことなのでしょうが、少し物足りなさを感じます。
建造物における外部の形状と内部空間は本来目的がまったく異なる物ですから、当たり前のことなのでしょうが、コンセプトとなっている「木陰の空間」ということをもっと突き詰めた結果、展示空間としての使いづらさが出てもありだったのではないかと勝手に思ってしまいました。
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