2013年8月2日金曜日

見てみたい。

レオ・レオニ展のつづきです。
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「レオ・レオニ 絵本の仕事」で、こども達には人気のなかった「平行植物」のシリーズ。

そもそもこの「平行植物」は、レオ・レオニ氏が創りだした架空の植物群。

ある幻覚作用によって異質の現実に存在する平行世界に存在する植物群を可視化できるが、通常の知覚では感じられない。
この個体のサンプルを集めることもできない特異な植物群についてまとめた本「平行植物」に掲載されているスケッチの一部が展示されていたのです。

この本は1980年に工作舎から出版されましたが、存在を知った時はすでに絶版で手に入らず、1998年に筑摩書房が文庫化したてやっと手に入れることができたもの。
イメージとしては図鑑的なものを想像していたのですが、まったくの学術書で、生態にはじまり神話伝承など「平行植物」の特異性について、ことこまかく記述された学術誌。

すべてがフィクションなのですがうっかりすると現実な気がしてしまうほどの内容です。

この原画や彫刻が見られただけで充分に価値があったと思いました。
できることなら「平行植物」だけで、ひとつの展覧会を企画してほしいくらいです。

本は2011年に工作舎が新装版として復刊していますので、こちらの方が大きくて図版もきれいです。

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