デザイン学校のグラフィックデザイン専攻では今年度も卒業制作が始まりました。
今年度のテーマは「夢見るデザイン」。
まだまだ始まったばかりですが、学生さんたちはどんな風にこのテーマに取り組んで行くのか期待です。
グラフィックデザインと一口に言ってもそのメディアはとても広く、最近はスマートフォンのアプリケーションデザインなどもカバーするため、学生の作品はとてもバリエーションが豊富です。
思えば20数年前の自分も卒業制作では紙媒体ではなく写真を用いたドキュメンタリー映像作品でした。
当時、卒制に映像を選んだのは、大学3年の時にグループ課題で制作した、スライド写真を用いたドキュメンタリー映像での取材や過程が楽しかったことがきっかけ。
静止画はビデオなどの動画では見落とされてしまいがちな画像の説得力があります。ただスライド写真の投影では、コマを送る際にかならず黒い画面となるため、前後の繋がりが分かりづらいというのが難点。
この難点をカバーするのがマルチスライドという仕組み。
複数のプロジェクターを用いて、片方のプロジェクターが黒い画面の時はもう一方のプロジェクターで画像を投影できるので画面の分断が少なく、またあらかじめ投影時間や送り出しのタイムを記憶させるので、現在のPCのスライドショーに音声が同調しているようなことがるという優れた装置。
このマルチスライドで3年の時に制作したのが、「玉川上水」をテーマとしたドキュメンタリーでした。
玉川上水は江戸時代の水道の役割として引かれた上水道ですが、不要となってからは水のない枯れた壕だけが残っていた遺構で、その年に東京都の清流復活事業により21年ぶりに水を流そうということが決定していたのですが、当時の自分たちには「清流復活」といいながら流す水は「下水処理水」という「とっても人工的な水」ということに引っ掛かったので、地元の人達はどう感じているのか?を取材してまとめようというのがきっかけでした。
カメラを持って撮影しては、新宿や青山のラボに現像を依頼する繰り返しの毎日でした。
今では水が流れていることが当たり前の風景になっている玉川上水に清流が復活したのが1986年の8月27日でした。
あの日、枯れていた壕に早朝撮影のために降りたことを思い出した夏の終わりの1日です。
清流という名の下水処理水が流れることが決まっていた1986年。
早朝の暗いうちから壕の底へ降りて明るくなるのを待って撮影。
学生時代の貴重な体験です。
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返信削除素敵ですね!
私も卒制のどこかに動画を入れたいと
考えていました。
NHKミニミニ動画〜のやつは作って応募する時間がなかったり、塾祭で動画を作ろうと思いも、できずじまいだったので。
何事も挑戦から。課題やコンペはきっかけでしかありません。期限に合わせて一応の完成となることで、やりたいことうあ問題点が見えてきます。
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