江戸東京博物館で開催日の「
日本橋〜描かれたランドマークの400年〜」に行ってきました。(~7/16まで)
描かれた日本橋といえば、歌川広重の「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景 」 を思い出しますが、やはり江戸の象徴として絵になるのでしょう。実に多くの画家が様々なアングルで描いていて、こうした同じモチーフの作品が並ぶと知っている作品でさえ違う見え方をするのだということに感心しました。
作品で特に印象的だったのが
葛飾北斎の「東都勝景一覧 日本橋」と「富嶽三十六景 江戸日本橋」。
近景をなめる構図は写真撮影でも行うことですが、ここまで大胆な構図は独特だと思います。
「なめる」って専門用語?奥行感を強調したり、主役を際立たせる効果を狙うため、メインの被写体の前に別の被写体を写りこませることです。あまり日常的には使わないですね。
ところで、歌川広重の「東海道五拾三次 」。
木版の出版物なので初刷や後刷といって、時期を置いて何度か刷られていて、それぞれ微妙に図柄が異なります。
中でも有名なのが「日本橋 朝之景 」の雲。
初刷にあった左上の空にある雲が後刷になると刷られなくなるのだそうです。
図柄としては雲があった方が朝の光を感じると思うのですが、版を減らすことで制作工程を短かくしたのか、経費を削減したのか。諸説あるようです。
今回の展示作品は、もちろん雲がありました。
この作品。随分前にある企業の所蔵展覧会の広告を担当した時に出会った作品で、その時に見た「雲あり」とも濃さなどの「刷り方」が違っていて、そこもまた版画という複製芸術の面白さだなと今更ながら感じたのでした。
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