2012年5月10日木曜日

フィルムとデジタルの


先日、フィルム撮影で必須だったゼラチンフィルターのことを書きました。

光源による色の影響(色カブリと言います)を極力抑えるために使用するフィルターで、通常は撮影時に使用するフィルターです。

撮影したフィルムを現像した状態が、実際の色合い(ポジ=陽画)を再現するリバーサルフィルムでは、スライドなどで使用する場合には撮影後の補正ができないので、撮影時の色補正が必須です。

一方、印刷物などに使用する時は製版時に再度補正ができるので、ポジやプリントをフィルター越しに見て補正の度合いを決め、印刷所へ指示することができました。

実はこの撮影後のフィルターの使い方はPhotoshopの機能にもあってとても便利です。

撮影後の写真データの色補正をレベル補正やトーンカーブ、カラーバランスで行うと、オリジナルの写真が持っている明暗の階調度合いであるヒストグラムのバランスを崩すことになってしまいます。

ところが、補正のための色を加える「レンズフィルタ」効果ならヒストグラムをいじらず、フィルム撮影時のフィルター補正と同じような効果なので、オリジナルの階調バランスが崩れません。

デジタル加工なのにレンズフィルタという名称にしているのも、フィルター補正を実感できる世代としては感覚的に好きです。

左はオリジナル状態。蛍光灯の影響で緑カブリしています。
右はレンズフィルタでマゼンダを20%かけて補正。緑カブリが無くなって全体にすっきりした印象になります。
写真は原美術館で開催された「ジャン=ミシェル オトニエル  マイウェイ(JEAN-MICHEL OTHONIEL. MY WAY)」展で撮影。
展覧会のレビューはこちら→

1 件のコメント:

  1. 先ほど「カンブリア宮殿」で
    富士フイルム特集がやってました。

    どんどんデジ化してく中
    コダック社が破産したのに対して
    なぜ富士フイルムは生き残れたのかという
    内容でちょっと面白かったです。

    化粧品などに手を出してるのはそういうことかと
    思いました。

    フィルムカメラ、好きなのでこの先デジ化していっても
    無くなってほしくないですね。。

    また先生のカメラのワークショップ参加したいです!
    できたら、焼いてみたいです。

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