先月末にイラストレーターの日暮修一氏の訃報が新聞に掲載されました。
ビックコミックの表紙イラストを40年以上描き続けた日暮修一氏は大学の大先輩で、私が在学中に制作した芸術祭のパンフレットの紙上で卒業生のインタビュー記事を掲載した際、青山の自宅へお邪魔したことがありました。
その時に不要になった「トレーススコープ(トレスコ)」を頂く話になり、後日友人のY氏(現在NHKの美術で平清盛も担当)に手伝ってもらい、ご自宅の地下にあるアトリエから思いトレスコを担ぎ出したのですが、階段が螺旋階段でとても手こずったのを覚えています。(手摺を傷つけたのも思い出しました。)
そのトレスコはMacが普及する前の「写植版下と指定紙」時代のデザインワークでは、ポジフィルムから「アタリ」を取るのになくてはならないものなので大活躍。
そういえば、この時Y氏は段ボール2箱分のLPをもらっていきました。
こちらが母校の学生というだというつながりだけでお忙しい中インタビューをお願いし(しかも無償)、その上、不要なものとはいえ高価な機材までタダでいただいてしまって、なんとも厚かましい学生時代の思い出です。
とってあった芸術祭のパンフレットを探し出し日暮氏の記事を読み返してみました。
できるだけ本人の語りの感じを残したくてインタビューのテープから起した文章は、けっして読みやすいものではありませんでしたが、絵が好きでたまらないからこの世界に入って、自分の好きなものには拘り続けていたという日暮氏の声が蘇ってきました。
ご冥福をお祈りいたします。
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