2010年は近代デザイン史の中でも人気のあるアール・デコから比較的同時代のダダイズム、ロシア構成主義を代表する作家の展覧会が、相次いで開催された年でもありました。
特にアール・デコや構成主義のポスター作品は、グラフィックデザインを学習する学生にも大きな刺激になったようです。
それは、同時にデザイン=キャッチコピーの面白さや写真、イラストのインパクトだという認識が強く、色彩や図像の配置による構成への認識不足ということもあるのかも知れません。
印象に残った展覧会として3つあげてみました。
「レンピッカ展(Bunkamura ザ・ミュージアム)」
http://www.ntv.co.jp/lempicka/index.html
その独特な絵画のフォルムが強い印象を与えるレンピッカの作品がこれほど一同に集まる機会はそうないでしょう。Bunkamuraザ・ミュージアムらしい展示空間の演出も華やかなアール・デコにあったデザインとなっていました。
「ロシア構成主義のまなざし(東京都庭園美術館)」
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/rodchenko/
ロトチェンコとステパーノワに焦点をあてた展覧会ですが、この時代性をよく反映した作品構成となっていました。
それほど大きな作品がないため、アール・デコの様式を多く残す「庭園美術館」での開催もちょうど良く感じられ上品な展覧会でした。
「マン・レイ展(国立新美術館)」
http://www.nact.jp/exhibition_special/2010/manray/index.html
「写真家マン・レイ」ではない展覧会のコンセプトが良いですね。
展覧会のコンセプトひとつでその作家の見え方がこうも変わるのかという面白い試みでした。
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